69 / 75
”狼”の舞台挨拶
【閑話休題】不幸ヤンキー、”狼”に真相を話す。
しおりを挟む
哉太の自宅にて幸は勉強を教えてもらっていた。最近の幸はバイトを少なくして勉学に励みフライやジュジュに教えてもらっている。そしていつもであればフライに教えてもらっているのだが哉太が自ら幸に教えたいと志願をしてきたのだ。
「よ~し!まずは休憩!お疲れ~!」
「…全然分かんねぇ。やっぱり俺、バカだから…。」
頭を抱えて数学Ⅱの勉強を中断する幸に哉太は彼の頭を撫でる。
「まあ、この問題は数学Ⅰがちゃんと分かっていないと解けない問題だからね~。基礎固めが大事ってことよ。」
「…うん。そっか…。」
「つまり!エネルギーが必要だということで!エッチをしま」
「普通に休憩するからな?」
「…花ちゃんのイジワル。」
哉太のセクハラ行為をもとい言動にも負けず、まるで自分の家のようにコーヒーを着々と淹れていく幸に哉太はふと思いついた言葉を告げた。
「そういえばだけどさ~。いっつも思ってたんだけど、花ちゃんってさ、よくエッチする時にも『捨てないで。』『嫌わないで。』って言うのどうして?」
哉太のまっすぐな問いに幸がピタリと止まる。そして何かを思い出すような悲しい顔をしていたので哉太は慌てて言葉を訂正しようとした。
「!!!っあ!今の無し!!聞かなかったことにしてよ!」
「いや…意識してなかったから分かんなかった…。大丈夫だから。…なんでだろう?俺、捨てられたからかな?…自分の両親に。」
「…っえ?…捨てられた?」
衝撃的な言葉ではあるが幸はコーヒーを淹れながら話していく。
「ほら。俺、じいちゃんとばあちゃんに育てられたって言っただろ?…そんで亡くなったって。…俺さ、怖くて聞けなかったんだよ。…『どうして自分にはお父さんもお母さんも居ないの?』って。そんでガキなりに思ったんだよな。…自分は産まれなくていい。要らない存在なんだって。」
悲しげな言葉を紡ぎながら話していく幸に哉太は黙ってしまう。しかし沈黙はさながらでは無くコーヒーを淹れ終えると幸はにっこりと笑っているのだ。不思議に思う哉太に幸は笑う。
「でも!最近は思わなくなった!…俺のことを必要としてくれる人が居て、哉太さんが居て、俺は幸せだ。毎日が幸せだな~って思えるんだ。」
「…幸。」
「だから俺!哉太さんと一緒に居たい!…難しい事だとは分かっているけれどその為に勉強を」
-チュッ。
言葉を続けようとすれば哉太に軽いキスをされる。驚く幸ではあるが哉太はキスをしてから抱きしめて言い放つ。
「俺は幸が…ここに居て、生きてるだけで嬉しいから。だから幸はさ?もっと自分に自身を持ってよ?…そんな悲しい事なんて忘れるくらい。」
「かな…た…さん。」
2人は見つめあい深い口づけをする。
-クチュゥ…。クチュリ…。プチュゥ…。
息を忘れるほどのキスに幸が酔ってしまえば哉太は軽い幸の身体を抱き上げていた。
「!??なにするっ?」
「なにって…?エネルギー補充の為の運動。」
「…はぁっ?…って、もういいや…。」
言動にかなり矛盾が生じてはいるが幸は哉太に負けて大人しく姫様抱っこをされている。…それは淹れたてのコーヒーの香りが渋くなるくらい長く行為が続けられたらしい。
「よ~し!まずは休憩!お疲れ~!」
「…全然分かんねぇ。やっぱり俺、バカだから…。」
頭を抱えて数学Ⅱの勉強を中断する幸に哉太は彼の頭を撫でる。
「まあ、この問題は数学Ⅰがちゃんと分かっていないと解けない問題だからね~。基礎固めが大事ってことよ。」
「…うん。そっか…。」
「つまり!エネルギーが必要だということで!エッチをしま」
「普通に休憩するからな?」
「…花ちゃんのイジワル。」
哉太のセクハラ行為をもとい言動にも負けず、まるで自分の家のようにコーヒーを着々と淹れていく幸に哉太はふと思いついた言葉を告げた。
「そういえばだけどさ~。いっつも思ってたんだけど、花ちゃんってさ、よくエッチする時にも『捨てないで。』『嫌わないで。』って言うのどうして?」
哉太のまっすぐな問いに幸がピタリと止まる。そして何かを思い出すような悲しい顔をしていたので哉太は慌てて言葉を訂正しようとした。
「!!!っあ!今の無し!!聞かなかったことにしてよ!」
「いや…意識してなかったから分かんなかった…。大丈夫だから。…なんでだろう?俺、捨てられたからかな?…自分の両親に。」
「…っえ?…捨てられた?」
衝撃的な言葉ではあるが幸はコーヒーを淹れながら話していく。
「ほら。俺、じいちゃんとばあちゃんに育てられたって言っただろ?…そんで亡くなったって。…俺さ、怖くて聞けなかったんだよ。…『どうして自分にはお父さんもお母さんも居ないの?』って。そんでガキなりに思ったんだよな。…自分は産まれなくていい。要らない存在なんだって。」
悲しげな言葉を紡ぎながら話していく幸に哉太は黙ってしまう。しかし沈黙はさながらでは無くコーヒーを淹れ終えると幸はにっこりと笑っているのだ。不思議に思う哉太に幸は笑う。
「でも!最近は思わなくなった!…俺のことを必要としてくれる人が居て、哉太さんが居て、俺は幸せだ。毎日が幸せだな~って思えるんだ。」
「…幸。」
「だから俺!哉太さんと一緒に居たい!…難しい事だとは分かっているけれどその為に勉強を」
-チュッ。
言葉を続けようとすれば哉太に軽いキスをされる。驚く幸ではあるが哉太はキスをしてから抱きしめて言い放つ。
「俺は幸が…ここに居て、生きてるだけで嬉しいから。だから幸はさ?もっと自分に自身を持ってよ?…そんな悲しい事なんて忘れるくらい。」
「かな…た…さん。」
2人は見つめあい深い口づけをする。
-クチュゥ…。クチュリ…。プチュゥ…。
息を忘れるほどのキスに幸が酔ってしまえば哉太は軽い幸の身体を抱き上げていた。
「!??なにするっ?」
「なにって…?エネルギー補充の為の運動。」
「…はぁっ?…って、もういいや…。」
言動にかなり矛盾が生じてはいるが幸は哉太に負けて大人しく姫様抱っこをされている。…それは淹れたてのコーヒーの香りが渋くなるくらい長く行為が続けられたらしい。
0
お気に入りに追加
50
あなたにおすすめの小説
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です!
小説家になろうでも10位獲得しました!
そして、カクヨムでもランクイン中です!
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。
いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。
欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・
●●●●●●●●●●●●●●●
小説家になろうで執筆中の作品です。
アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。
現在見直し作業中です。
変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
いっぱい命じて〜無自覚SubはヤンキーDomに甘えたい〜
きよひ
BL
無愛想な高一Domヤンキー×Subの自覚がない高三サッカー部員
Normalの諏訪大輝は近頃、謎の体調不良に悩まされていた。
そんな折に出会った金髪の一年生、甘井呂翔。
初めて会った瞬間から甘井呂に惹かれるものがあった諏訪は、Domである彼がPlayする様子を覗き見てしまう。
甘井呂に優しく支配されるSubに自分を重ねて胸を熱くしたことに戸惑う諏訪だが……。
第二性に振り回されながらも、互いだけを求め合うようになる青春の物語。
※現代ベースのDom/Subユニバースの世界観(独自解釈・オリジナル要素あり)
※不良の喧嘩描写、イジメ描写有り
初日は5話更新、翌日からは2話ずつ更新の予定です。
イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?
すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。
翔馬「俺、チャーハン。」
宏斗「俺もー。」
航平「俺、から揚げつけてー。」
優弥「俺はスープ付き。」
みんなガタイがよく、男前。
ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」
慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。
終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。
ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」
保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。
私は子供と一緒に・・・暮らしてる。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
翔馬「おいおい嘘だろ?」
宏斗「子供・・・いたんだ・・。」
航平「いくつん時の子だよ・・・・。」
優弥「マジか・・・。」
消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。
太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。
「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」
「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」
※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。
※感想やコメントは受け付けることができません。
メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。
楽しんでいただけたら嬉しく思います。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる