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”狼”の舞台挨拶
不幸ヤンキー、”狼”に魅了される。【5】
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麗永に連絡をして数日経った頃。しかし返答が次のように来たのだ。
『この事件には関わりたくない。うららさんと似てるから嫌なんです。私情を挟んでしまい申し訳ない。』
ただそれだけを書き残したままであった。
私立の有名進学校に降り立ったのは哉太と幸である。哉太はともかく幸が初めてバイトを休んで来た理由は…。
「哉太さんさ~。春夏冬さんの妹さんに直接会いに行って聞くってどういうことだよ?…春夏冬さんに直接聞けばいいのに…。」
自由制服であるので生徒達はそれぞれの制服や服を着ているのを見ながら幸が問い掛ければ哉太は不遜な顔を見せる。少しいじけている様子だ。そんな彼は幸と寄り添って歩きながら文句を募らせる。
「だってさ~!麗永に聞いてもはぐらかされんだもん!そしたら本人に直接聞いた方が良いじゃん?」
麗永らしくない行動に幸は驚くが子供っぽい哉太にも幸は溜息を吐く。そんな彼に哉太はニヤついてから言い放った。
「でも花ちゃん~?…大丈夫!奥の手があるから。」
「…?奥の手って?」
廊下を歩きとある教室へ行くと哉太は大声でとある青年を呼ぶのだ。
「お~い!チャイナ服に紫髪で長髪でフライ君ことあのもやしに気があるくせに言えないでいるポンコツ」
「あ~!!!場磁石様と彼岸花先輩ですね!!!お待ちしてました!!そんじゃ!早くこっちに!!!」
机でぐったりとしていた哉太の下僕ことスピードが慌てた様子で立ち上がり2人を案内する。少し可哀想だと思ったので幸が軽く謝罪をすればスピードは苦笑を浮かべてうららが居る教室へと向かった。
「えっ!???先生?と彼岸花君?…なんでここに?」
スピードに呼びかけられて来てみれば2人が来ていることにうららは驚いていた。そんな彼女に哉太は笑いながら尋ねてみる。
「春夏冬さんにさ!聞いてみたいことがあって!突然なんだけど…君の幼少期を教えてくれないかな?」
「えっ?…幼少期ですか。う~ん。」
考え込む前にうららは首を振って言う。
「ごめんなさい。私、交通事故かなんかにあって頭の損傷のおかげで記憶が無いんです。中学2年生以前の記憶も無いし…。お兄ちゃんに聞いてもはぐらかされて…。私の記憶に何か?」
衝撃的な言葉を言い放つうららに3人が驚けばスピードが何かを考え込んでスマホを取り出そうとして…止める。そんなスピードを傍目に哉太は笑ってからうららに礼をした。
「ありがとう。それが聞けて十分だよ。…変な事聞いてごめんね。」
「いえいえ!あっ!ごめんなさい!今日もバイトなので失礼します!彼岸花君もありがとね~!」
「おう!大丈夫だから!」
幸の声にうららが笑みを見せれば彼女は去って行った。そんな彼女の背中を見てからスピードがスマホをしまおうとすれば、哉太が彼の手元からスマホを取り出し写真を眺めた。長い黒髪を背中まで伸ばし笑みを見せている少女。…しかしその笑顔はまるで作られたように見えた。
「ふぅ~ん。延島 レイ(のべしま れい)ね~…。この子確か、天才少女って謳われてもてはやされていた子じゃん?…でも交通事故に遭って死んだとも言われてる。」
「なんでその子を見てたんだよ?」
幸が問い掛ければスピードは少し顔を伏せてから言い放つ。
「噂ではその子の地毛は銀髪で…生きていると聞いているからです。でもその当時のその延島 レイって子は天才子役とは言われていたけれど…関係者の方からは」
…人形のような子だった。…
「…人形。」
心を思い出し彼女も人形のようだと考える幸が居たのであった。
『この事件には関わりたくない。うららさんと似てるから嫌なんです。私情を挟んでしまい申し訳ない。』
ただそれだけを書き残したままであった。
私立の有名進学校に降り立ったのは哉太と幸である。哉太はともかく幸が初めてバイトを休んで来た理由は…。
「哉太さんさ~。春夏冬さんの妹さんに直接会いに行って聞くってどういうことだよ?…春夏冬さんに直接聞けばいいのに…。」
自由制服であるので生徒達はそれぞれの制服や服を着ているのを見ながら幸が問い掛ければ哉太は不遜な顔を見せる。少しいじけている様子だ。そんな彼は幸と寄り添って歩きながら文句を募らせる。
「だってさ~!麗永に聞いてもはぐらかされんだもん!そしたら本人に直接聞いた方が良いじゃん?」
麗永らしくない行動に幸は驚くが子供っぽい哉太にも幸は溜息を吐く。そんな彼に哉太はニヤついてから言い放った。
「でも花ちゃん~?…大丈夫!奥の手があるから。」
「…?奥の手って?」
廊下を歩きとある教室へ行くと哉太は大声でとある青年を呼ぶのだ。
「お~い!チャイナ服に紫髪で長髪でフライ君ことあのもやしに気があるくせに言えないでいるポンコツ」
「あ~!!!場磁石様と彼岸花先輩ですね!!!お待ちしてました!!そんじゃ!早くこっちに!!!」
机でぐったりとしていた哉太の下僕ことスピードが慌てた様子で立ち上がり2人を案内する。少し可哀想だと思ったので幸が軽く謝罪をすればスピードは苦笑を浮かべてうららが居る教室へと向かった。
「えっ!???先生?と彼岸花君?…なんでここに?」
スピードに呼びかけられて来てみれば2人が来ていることにうららは驚いていた。そんな彼女に哉太は笑いながら尋ねてみる。
「春夏冬さんにさ!聞いてみたいことがあって!突然なんだけど…君の幼少期を教えてくれないかな?」
「えっ?…幼少期ですか。う~ん。」
考え込む前にうららは首を振って言う。
「ごめんなさい。私、交通事故かなんかにあって頭の損傷のおかげで記憶が無いんです。中学2年生以前の記憶も無いし…。お兄ちゃんに聞いてもはぐらかされて…。私の記憶に何か?」
衝撃的な言葉を言い放つうららに3人が驚けばスピードが何かを考え込んでスマホを取り出そうとして…止める。そんなスピードを傍目に哉太は笑ってからうららに礼をした。
「ありがとう。それが聞けて十分だよ。…変な事聞いてごめんね。」
「いえいえ!あっ!ごめんなさい!今日もバイトなので失礼します!彼岸花君もありがとね~!」
「おう!大丈夫だから!」
幸の声にうららが笑みを見せれば彼女は去って行った。そんな彼女の背中を見てからスピードがスマホをしまおうとすれば、哉太が彼の手元からスマホを取り出し写真を眺めた。長い黒髪を背中まで伸ばし笑みを見せている少女。…しかしその笑顔はまるで作られたように見えた。
「ふぅ~ん。延島 レイ(のべしま れい)ね~…。この子確か、天才少女って謳われてもてはやされていた子じゃん?…でも交通事故に遭って死んだとも言われてる。」
「なんでその子を見てたんだよ?」
幸が問い掛ければスピードは少し顔を伏せてから言い放つ。
「噂ではその子の地毛は銀髪で…生きていると聞いているからです。でもその当時のその延島 レイって子は天才子役とは言われていたけれど…関係者の方からは」
…人形のような子だった。…
「…人形。」
心を思い出し彼女も人形のようだと考える幸が居たのであった。
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