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”狼”の舞台挨拶
不幸ヤンキー、"狼"に魅了される。【2】
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心と心司に会って何かを渡されたフライが見てみると、そこには地図が書かれており、また、メッセージが添えられていた。
『救われたいと願うのなら14時に学生ホールへ…。囲戸 心司』
半端脅しのメッセージに哉太は溜息を吐く。
「何これ?脅迫みたいなもんじゃん?…しかも自信たっぷりみたいだし?…そんなに自信があるとはね~?」
何かを考える哉太ではあるがフライは興味を持ったようだ。
「でもあの有名な囲戸 心ちゃんに過去を見てもらって…救済してもらうか~。ちょっと興味あるかも!」
「じゃあフライは行くってことか?」
幸の発言にフライは大きく頷く。
「そうだね~!あの子、多数の有名人の過去を見ては話題を呼んでるんだよ~!過去を見てもらったおかげで正直に話せるようになったとか、逆に良い行いをしてきたことで株が上がって仕事が舞い込んできたり恋人ができた!とか!…これに便乗をして…ねぇ?」
「便乗して彼女を作ると?」
ニヤつく哉太にフライは顔を赤らめるが、少し寂しそうなスピードの姿があった。その姿に哉太が彼をイジる。
「なにスピードは悲しい顔してんの~?取られるとでも思ったんだ~!」
「ちっ!違いますよ!場磁石様!…俺は…その!フライ先輩に彼女が出来たら…その、構ってくれないかな…とか思ってしまって。」
「それ全然違う理由になってないじゃ~ん?…つまりスピードはこのクソもやし君を先輩としてではなく?ラブとしての」
「もうやめましょうっ!…僕は理工学部に興味があるんですけど!皆さんはどこか行きたいところありますか?」
話をぎこちなく逸らしたスピードではあるが後輩としてでしか見ていないフライは彼の話に自分の意見を便乗させる。
「あっ!僕も理工学部行きたいな~!一緒に回ろうよ!」
「はっ!はい!喜んで!」
「???」
どこか嬉しそうなスピードにフライは不思議に思うが気づかずにいる。そんな彼らを見て哉太は幸の肩を抱いてから発言する。
「そんじゃあ俺たちは2人で学部見てみるから~!まっ!今回は俺たちはお邪魔虫だからね~?」
哉太が幸に向けてウィンクをすれば幸は何かを悟ったようで哉太の言葉に合わせる。
「そうだな~。俺もどこの学部行きたいとか分かってないし。…まあ、フライとスピードは自分たちの進路が分かってるんなら2人で行った方が良いじゃないか?…俺は哉太さんと見て回るからさ。」
「え~!?さっちゃんも行こうよ~!」
「アホ。俺が理系になんか行けるか!」
半分は本当なので幸が答えればフライはいじけた様子でスピードと共に理系の学部へと足を運んだ。見送る哉太と幸ではあるが2人の姿が見えなくなってから哉太は溜息を吐く。
「はぁ~。疲れた…。あの小姑。なんでいつも花ちゃん重視なのよ?もう花ちゃんにしか目に行ってないよね。」
「まあ…そう言われてみればな~?…本人は俺が1番の友達で親友だからって理由で俺のことをよく見てくれるというか…。」
学部の出し物を見ながらフライについて話す幸に哉太は再度深い溜息を吐いた。
「それにしては異常だよ?なんなのアイツ?スピードは果たしてあの花ちゃん大好き人間のクソもやしを射止められるのかね~?」
「どうなんだろうな~?フライって結構現実主義だし、普通に女の子が好きだから難しいかもだけど…頑張って欲しいな。」
「頑張ってもらわないと困るよ~。あの小姑め。」
げんなりとした顔を見せる哉太に笑えば幸はとある露店を目にした。サークルだとは思うが花を売っていたのである。しかも売っているのは外国人…国籍は分からないが金髪に碧眼に肌が白い青年であった。その青年は花を選定しながら売りに行っていた。なんとなく見つめる幸の視線に気づいたのか、金髪の青年が声をかける。
「Hi! Are you intererted in flowers?(やあ!花に興味を持ってるのかい?)」
気軽に話し掛けてくれた青年に幸は驚くもののとある三本の花を見て頷く。
「Yeah. Could you tell me the name of them? They are verry nice!(うん。俺にこの花たちの名前を教えてくれない?素敵だからさ。)」
流暢に話す幸に青年が驚けば彼は笑って3本の花を左側から1本ずつ教えていった。水色の儚げな花はディルフィニウムで鮮やかなピンクの花はアルストロメリア、そしてほどよい紫色の花はストックと呼ばれる花らしい。教えてもらった幸は英語で感謝を述べれば聞いていた哉太がその3本を購入した。驚く幸に哉太は彼に花を渡し、そして青年に感謝を込める。
「サンキュー!ありがとね!」
にっこりと笑う哉太に青年は微笑んでから幸と哉太に向けて言い放つ。
「アリガトウゴザマス。…アカイカミのヒト。…If you are interested, please come to the Faculty of International Studies.(興味あったら国際学部に来てみてね。)」
にっこりと笑って言い放つ青年に幸は初めて国際学部という学問に興味を抱くのであった。
プレゼントをされた花を持って歩く幸は哉太に礼を言うのだが彼はどこかへ向かっているようだ。話しながら哉太に問いか掛ける。
「哉太さんどこ向かってんの?なんかの出し物?」
すると哉太は頷いてから幸に話す。
「うんとね~。一応ここの学校の休憩室というか、部屋があってさ~。そこへ行きたいなと。」
「???なんでそんなとこに行くんだよ?」
幸に問われる哉太は振り向いてから幸に囁くのだ。
「だって…。幸とエッチなことしたいからだけど?」
「…なっ!?」
驚く幸に哉太は笑いながらそこへ向かうのであった。
『救われたいと願うのなら14時に学生ホールへ…。囲戸 心司』
半端脅しのメッセージに哉太は溜息を吐く。
「何これ?脅迫みたいなもんじゃん?…しかも自信たっぷりみたいだし?…そんなに自信があるとはね~?」
何かを考える哉太ではあるがフライは興味を持ったようだ。
「でもあの有名な囲戸 心ちゃんに過去を見てもらって…救済してもらうか~。ちょっと興味あるかも!」
「じゃあフライは行くってことか?」
幸の発言にフライは大きく頷く。
「そうだね~!あの子、多数の有名人の過去を見ては話題を呼んでるんだよ~!過去を見てもらったおかげで正直に話せるようになったとか、逆に良い行いをしてきたことで株が上がって仕事が舞い込んできたり恋人ができた!とか!…これに便乗をして…ねぇ?」
「便乗して彼女を作ると?」
ニヤつく哉太にフライは顔を赤らめるが、少し寂しそうなスピードの姿があった。その姿に哉太が彼をイジる。
「なにスピードは悲しい顔してんの~?取られるとでも思ったんだ~!」
「ちっ!違いますよ!場磁石様!…俺は…その!フライ先輩に彼女が出来たら…その、構ってくれないかな…とか思ってしまって。」
「それ全然違う理由になってないじゃ~ん?…つまりスピードはこのクソもやし君を先輩としてではなく?ラブとしての」
「もうやめましょうっ!…僕は理工学部に興味があるんですけど!皆さんはどこか行きたいところありますか?」
話をぎこちなく逸らしたスピードではあるが後輩としてでしか見ていないフライは彼の話に自分の意見を便乗させる。
「あっ!僕も理工学部行きたいな~!一緒に回ろうよ!」
「はっ!はい!喜んで!」
「???」
どこか嬉しそうなスピードにフライは不思議に思うが気づかずにいる。そんな彼らを見て哉太は幸の肩を抱いてから発言する。
「そんじゃあ俺たちは2人で学部見てみるから~!まっ!今回は俺たちはお邪魔虫だからね~?」
哉太が幸に向けてウィンクをすれば幸は何かを悟ったようで哉太の言葉に合わせる。
「そうだな~。俺もどこの学部行きたいとか分かってないし。…まあ、フライとスピードは自分たちの進路が分かってるんなら2人で行った方が良いじゃないか?…俺は哉太さんと見て回るからさ。」
「え~!?さっちゃんも行こうよ~!」
「アホ。俺が理系になんか行けるか!」
半分は本当なので幸が答えればフライはいじけた様子でスピードと共に理系の学部へと足を運んだ。見送る哉太と幸ではあるが2人の姿が見えなくなってから哉太は溜息を吐く。
「はぁ~。疲れた…。あの小姑。なんでいつも花ちゃん重視なのよ?もう花ちゃんにしか目に行ってないよね。」
「まあ…そう言われてみればな~?…本人は俺が1番の友達で親友だからって理由で俺のことをよく見てくれるというか…。」
学部の出し物を見ながらフライについて話す幸に哉太は再度深い溜息を吐いた。
「それにしては異常だよ?なんなのアイツ?スピードは果たしてあの花ちゃん大好き人間のクソもやしを射止められるのかね~?」
「どうなんだろうな~?フライって結構現実主義だし、普通に女の子が好きだから難しいかもだけど…頑張って欲しいな。」
「頑張ってもらわないと困るよ~。あの小姑め。」
げんなりとした顔を見せる哉太に笑えば幸はとある露店を目にした。サークルだとは思うが花を売っていたのである。しかも売っているのは外国人…国籍は分からないが金髪に碧眼に肌が白い青年であった。その青年は花を選定しながら売りに行っていた。なんとなく見つめる幸の視線に気づいたのか、金髪の青年が声をかける。
「Hi! Are you intererted in flowers?(やあ!花に興味を持ってるのかい?)」
気軽に話し掛けてくれた青年に幸は驚くもののとある三本の花を見て頷く。
「Yeah. Could you tell me the name of them? They are verry nice!(うん。俺にこの花たちの名前を教えてくれない?素敵だからさ。)」
流暢に話す幸に青年が驚けば彼は笑って3本の花を左側から1本ずつ教えていった。水色の儚げな花はディルフィニウムで鮮やかなピンクの花はアルストロメリア、そしてほどよい紫色の花はストックと呼ばれる花らしい。教えてもらった幸は英語で感謝を述べれば聞いていた哉太がその3本を購入した。驚く幸に哉太は彼に花を渡し、そして青年に感謝を込める。
「サンキュー!ありがとね!」
にっこりと笑う哉太に青年は微笑んでから幸と哉太に向けて言い放つ。
「アリガトウゴザマス。…アカイカミのヒト。…If you are interested, please come to the Faculty of International Studies.(興味あったら国際学部に来てみてね。)」
にっこりと笑って言い放つ青年に幸は初めて国際学部という学問に興味を抱くのであった。
プレゼントをされた花を持って歩く幸は哉太に礼を言うのだが彼はどこかへ向かっているようだ。話しながら哉太に問いか掛ける。
「哉太さんどこ向かってんの?なんかの出し物?」
すると哉太は頷いてから幸に話す。
「うんとね~。一応ここの学校の休憩室というか、部屋があってさ~。そこへ行きたいなと。」
「???なんでそんなとこに行くんだよ?」
幸に問われる哉太は振り向いてから幸に囁くのだ。
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