不幸ヤンキー、”狼”に狩られる。〜助走〜

蒼空 結舞(あおぞら むすぶ)

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”狼”の舞台挨拶

【閑話休題】不幸ヤンキー、"狼"に躾けられる。

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金曜日。幸の家にて。
来週は哉太や麗永、そして撫子の母校である大学のオープンキャンパスへ行くことになった幸は、スマホで調べている。そして原稿を書いている哉太に話しかけるのだ。

「ふーん…。こういう所かぁ~…って!偏差値高くね!?…俺、こんなとこ入れる訳ないじゃん!」

異様な偏差値の高さに驚愕をする幸に哉太はパソコンと向き合いながら話していく。

「目標は高い方が良いじゃ~ん?それに"塞翁が馬"って言葉があるくらいなんだよ?…今は無理かもしれないけど、入れるかもしれないじゃん?」

「サイオウガ…ウマ?…あっ!どう転ぶか分からないって意味だ!良かった~!フライに教えてもらったことが覚えてて!」

幸の嬉しそうな声に哉太も微笑む。

「伸び代があるってことは良いことだよ?…あのクソもやしチビ助が教えてんのはムカつくけどね。」

そして哉太は原稿を一旦辞めて休憩に入ろうとすれば幸は思い出すような言葉を発する。

「そういえば…。オープンキャンパスも初めてだけど…俺、彼女居たことなかったからキスとか…哉太さんが初めてだ。」

幸の言葉に哉太はパソコンの画面を強く閉めて幸の方へ向く。その反応に驚く幸ではあるが何にも気にせずに哉太はデリカシーの無いことを聞いてくる。

「キスしたのも?エッチしたのも??じゃあじゃあ!あ~んなことや、こ~んなことをしたのも…俺が初めて?」

「…あんなことやこんなこと?…まぁ、そこは分かんねぇけど、キスも…エッチ…したのも、哉太さんが初めてだな。…うん。」

恥ずかしそうに頷く幸に哉太は立ち上がって雄叫びを上げている。さすがに夜なので声は抑えてはいるが、真紅の燃えるような瞳がさらに燃え上がるような感覚を幸は抱く。…しかし幸はとんでもない失態を犯してしまった。

「ということは俺、どーてい?卒業?は無理か~。…したかったなぁ~。」

「……はぁ?」

一気に冷め切った声色に幸がビクつき哉太の方を見た途端、彼は幸に覆い被さってから手を一回叩いて能力を発動させて幸の両腕を床と密着させる。驚く幸に哉太は先ほどの楽しげな炎のような瞳ではなく、罪人を炙るような冷たい炎へと化していた。喉元から声が出てしまいそうな感覚に陥る幸に哉太は不気味なほどにっこりと微笑んで問いかける。

「幸はさ~?…俺以外の奴とセックスしたいの?」

「…はぁ?何言って…」

-パンパンパンッッ!!!

いきなり両手を叩いた哉太に再び驚けば今度は自身に何か震えが来る感じがした。身体を捩られせて赤らめる幸に哉太はにっこり笑う。

「だってそうでしょ?…童貞卒業したいってことは、その辺の女とヤリたいってことでしょ?…俺のイヌのくせに?恋人のくせに?」

哉太が右手を捻る動作をすれば振動は格段に上がり幸はどうにもならない心情を表すように身体を海老のように反らすことしかできない。怖いくらい笑みを溢す哉太に幸は快楽でおかしくなりそうな自身を抑えようと訴えかけるのだ。

「かなた…さん…!ごめんなさい…だからぁっ!!!俺…、出るから…!」

「ふぅ~ん。イッちゃうの?これぐらいで?…仕方ないな~?」

許されたかと思い安堵するのもつかの間、哉太が取り出したのはコンドームであった。卑猥な物取り出した哉太はこれで何をするかと思えば…コンドームを伸ばして今にも射精しそうな幸自身にくくりつけて縛ったのだ。両腕が動けない幸にとってはまさに拷問。涙が溢れ許しを乞う幸に哉太は今度は幸の後孔にローションを垂らして指を挿れていく。

「あぁっゔぁっっ!!!…ゆる…して…よ。…そんなに…ひどいこと…言ったの?…俺?」

幸の問いかけに哉太は首を振るが許しは得ていないようだ。

「ううん。…普通の高校生なら普通に考えることだよ。…でもね、俺はそんなに心広い方じゃない…からさっ!」

指を抜き差しして解していく哉太ではあるが幸は快楽という名の拷問に戒められ幸はついに本格的に泣き出してしまう。そんな彼を見て気が付いた哉太は耳元で囁くのだ。

「幸…ごめんね?嫌いになった?」

どこか情けないような声を出す哉太に幸は泣きながら訴える。

「ひぃっくっ…。ひぃっくっ…。哉太さんのバカぁ~!ごわかった…!」

「うん…。ごめんね、幸。…今度は幸のこと考えるからさ?…エッチして良い?」

甘く問われるような哉太に幸は頷けば幸の縛られていた局部はゆっくりと解かれる。すると快感が押し寄せて幸はあっという間に達してしまった。肩を上下に動かして空気を求める幸を抱きしめて哉太は言葉にする。

「俺だけを見て?俺だけしか知らない幸になって?…お願い。」

「…分かったから。早く挿れてよ?俺、哉太さんとキモチ良いことしたい。」

幸の言葉に哉太は驚けば彼の赤い瞳はどこか落ち着いた様子であった。

「じゃあ…挿れて良い?良いよね?」

「うん…。挿れて?」

深いキスをしてからゆっくりと侵入していく哉太自身を幸が受け止める。上下に揺さぶられ幸の甘い声が聞こえたかと思えば哉太は興奮し…達するのであった。

この事件以降。幸は哉太に性関係で怒らせてはならないということを親身に知るのである。

(つまり俺は一生どーていか…。まあ、仕方ないか…。ははっ。)

幸の切ない想いは募るのであった。

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