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”狼”の存在意義
不幸ヤンキー、"狼"に委ねる。【5】
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ホヅミが麗永に放射線を浴びせようとすれば身体中に電撃のようなものが走った。あまりの痛みで動けなくなったホヅミが倒れると、麗永は冷たく笑って言い放つ。
「これがあなたの業ですよ。…もう警察が来ています。あなたを殺人容疑として、逮捕します。」
気絶しているホヅミに手錠を掛ければ哉太は不服そうな表情を見せる。
「って、お前はただ祈っただけだろ。…放射線を電磁波に変えて浴びせたの、俺なのに~?」
自身を指差して笑う哉太に麗永は微笑んで言い放つ。
「それはそうですね。…場磁石君もご協力頂きありがとうございました。…皆さんも驚かせてしまってすみませんでした。」
皆に恭しく(うやうやしく)礼をする麗永は外にいる警察官を要請させホヅミを改めて逮捕したのであった。
『速報です。人々に恐怖を与え続け、まるで実験動物のように被害者たちを殺した泉 透こと、八月朔日 泉容疑者を逮捕しました。警察は事情聴取を踏まえて…』
「おっ~。早速ニュースやってんじゃーん?麗永もお手柄だね~。」
日が暮れたのち幸の家にて麦茶を呑気に飲んでいる哉太に幸は別れ際に聞いた自分の親友、久遠 勇翔ことフライの顔を思い出す。
彼はホヅミが逮捕されて狼として無理に戦うことは良いのだが…このような発言をしていたのだ。
『さっちゃん。…僕やっぱり、一匹狼になりたいから、狼争いを続けるよ。』
『???なんで。もう、ホヅミは捕まったのに…?』
するとフライは笑って言い放つのだ。
『大切な人を守れるような男になりたいから…かな?』
改めて何かを決意した顔に幸がぼんやりとした考えを思い浮かべる。
(大切な人を守れるように…か。俺も守ってばっかりだもんな…。この人と出会ってからというものの。)
『続いてのニュースです。現在、"過去が見える"という動画で話題の少女の…』
「なぁ~に考えてんの?花ちゃん?」
突然話しかけられて驚く幸に哉太がにっこりと笑えばこのような話をされる。
「あのクソもやしの言ってたこと、考えてたの?…本当にムカつくよね~。…俺に『あなたに勝ちますから。』って言いやがって。ったく。」
不貞腐れる哉太に幸は苦笑をする。
「まあまあ。確かに考えてはいたけど…。落ち着けって。」
「落ち着いています~。まあ良いや。あんなやつ。そんなことよりも!…花ちゃんが興味を惹かれるものを持ってきたのであげます!」
「…はい?」
不思議そうな顔をする幸に哉太は持ってきた大きな紙袋と小さな箱を取り出した。そして、小さな箱だけ手に持って幸に言い渡す。
「俺たちが"恋人"になった記念に…ね?中開けてみて?」
"恋人"という言葉に若干の恥ずかしさもありつつ開けてみれば…そこにはシルバーリングのネックレスであった。嬉しそうな顔をする幸に哉太はわざと近づいて耳元で囁く。
「嬉しかった?ちなみにだけど、俺の力が入ったアクセサリーだからさ。」
「ちょっ。なんで小声で?」
くすぐったさを感じる幸に哉太は言葉を続ける。
「ちゃ~んと身につけておいてね?…俺の恋人として…ね?」
「お…おう。」
幸がネックレスを早速首にかければシャランという軽やかな音が鳴り響いた。恥ずかしくて顔には出したくないものの顔がニヤけてしまう幸に哉太は笑いながら今度は持ってきた大きな紙袋を指差す。
「あっ!ちなみにだけど、それも花ちゃんにあげるものだからさ~。まあ、着てみて!」
「えっ?着るのか?これ?」
「そうそう。あっ!あと、履くんだよ?」
「…履く?」
疑問を抱く幸に哉太が内心では興奮が大きすぎてニヤつく顔を堪えるのに必死であった。
「これがあなたの業ですよ。…もう警察が来ています。あなたを殺人容疑として、逮捕します。」
気絶しているホヅミに手錠を掛ければ哉太は不服そうな表情を見せる。
「って、お前はただ祈っただけだろ。…放射線を電磁波に変えて浴びせたの、俺なのに~?」
自身を指差して笑う哉太に麗永は微笑んで言い放つ。
「それはそうですね。…場磁石君もご協力頂きありがとうございました。…皆さんも驚かせてしまってすみませんでした。」
皆に恭しく(うやうやしく)礼をする麗永は外にいる警察官を要請させホヅミを改めて逮捕したのであった。
『速報です。人々に恐怖を与え続け、まるで実験動物のように被害者たちを殺した泉 透こと、八月朔日 泉容疑者を逮捕しました。警察は事情聴取を踏まえて…』
「おっ~。早速ニュースやってんじゃーん?麗永もお手柄だね~。」
日が暮れたのち幸の家にて麦茶を呑気に飲んでいる哉太に幸は別れ際に聞いた自分の親友、久遠 勇翔ことフライの顔を思い出す。
彼はホヅミが逮捕されて狼として無理に戦うことは良いのだが…このような発言をしていたのだ。
『さっちゃん。…僕やっぱり、一匹狼になりたいから、狼争いを続けるよ。』
『???なんで。もう、ホヅミは捕まったのに…?』
するとフライは笑って言い放つのだ。
『大切な人を守れるような男になりたいから…かな?』
改めて何かを決意した顔に幸がぼんやりとした考えを思い浮かべる。
(大切な人を守れるように…か。俺も守ってばっかりだもんな…。この人と出会ってからというものの。)
『続いてのニュースです。現在、"過去が見える"という動画で話題の少女の…』
「なぁ~に考えてんの?花ちゃん?」
突然話しかけられて驚く幸に哉太がにっこりと笑えばこのような話をされる。
「あのクソもやしの言ってたこと、考えてたの?…本当にムカつくよね~。…俺に『あなたに勝ちますから。』って言いやがって。ったく。」
不貞腐れる哉太に幸は苦笑をする。
「まあまあ。確かに考えてはいたけど…。落ち着けって。」
「落ち着いています~。まあ良いや。あんなやつ。そんなことよりも!…花ちゃんが興味を惹かれるものを持ってきたのであげます!」
「…はい?」
不思議そうな顔をする幸に哉太は持ってきた大きな紙袋と小さな箱を取り出した。そして、小さな箱だけ手に持って幸に言い渡す。
「俺たちが"恋人"になった記念に…ね?中開けてみて?」
"恋人"という言葉に若干の恥ずかしさもありつつ開けてみれば…そこにはシルバーリングのネックレスであった。嬉しそうな顔をする幸に哉太はわざと近づいて耳元で囁く。
「嬉しかった?ちなみにだけど、俺の力が入ったアクセサリーだからさ。」
「ちょっ。なんで小声で?」
くすぐったさを感じる幸に哉太は言葉を続ける。
「ちゃ~んと身につけておいてね?…俺の恋人として…ね?」
「お…おう。」
幸がネックレスを早速首にかければシャランという軽やかな音が鳴り響いた。恥ずかしくて顔には出したくないものの顔がニヤけてしまう幸に哉太は笑いながら今度は持ってきた大きな紙袋を指差す。
「あっ!ちなみにだけど、それも花ちゃんにあげるものだからさ~。まあ、着てみて!」
「えっ?着るのか?これ?」
「そうそう。あっ!あと、履くんだよ?」
「…履く?」
疑問を抱く幸に哉太が内心では興奮が大きすぎてニヤつく顔を堪えるのに必死であった。
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