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20.関係性という名の”絆”。
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空間の書にて、豊は訓練とは言いつつも戦い方を学んでいた。彼の対戦相手は指導者かつ書簡であるアスカである。彼女は自身の相棒である暴露の書ことサラを変化させて、ガトリング銃で豊に狙いを定めた。さすがに弾が入っていたら死んでしまうので空気銃のような形態をさせてはいるが…それでも威力は凄まじいものだ。当たってしまえば吹っ飛んでしまうのではないかと、豊は肝を冷やしつつ攻撃を避けてはリィナが変化した新たな武器…データフォースを使って受け止める。そして重くなるデータフォースを使って攻撃を放った。
「行け!!!戦略の情報!!!」
白銀の槍から放たれる光に染まった文字の攻撃にアスカは魔術でシールドを使う。届かない攻撃に豊は息を荒げながらも槍を振る下ろす。少しだけだが軽くなるデータフォースに豊は安堵しつつ、データフォースことリィナに問い掛ける。
『ねぇリィナ。俺達にも出来ないかな?シールド…みたいなの。』
『…まぁもしかしたら出来るかもしれないが…、シールドなんて、基本は魔術を心得ているものでしか使えないがな…。』
でも、もしかしたら出来るかもしれないという可能性に惹かれ、豊は試してみようと思った。だから彼はシールドを使っているアスカに突っ込んでシールド自体をデータフォースに吸収させる。やはり重くなる武器に豊は力を入れてからアスカに向けて打ち込んだ。しかしその前にアスカはサラを変化させて小型銃で豊に向けて撃ち込むのだが…それは豊にとっては好機であった。
「守護の情報!発動!」
「!!!なに?」
すると豊を包み込むように羅列された文字のシールドが顕現し彼を守る。魔術など教えてもいないのにシールドを使った…これは普通の、いや、この世界の人間では出来ないことだ。
…志郎君、やりますね。でもこっちも!
シールドを一旦解除してアスカへ向けてデータフォースで術を打ち込もうと豊が腰を入れた途端、アスカはサラを素早く変化させて巨大な大砲にして向かってくる豊へ向けて放つ。それをシールドを使って免れようとする豊ではあったのだが…シールドは現れなかった。
「???なんで…?てかっ!この状況は…まずい!!」
現れないシールドに豊はデータフォースを振り下ろして吸収させる。しかしアスカが豊の隙を見逃すはずはない。今度は彼女が豊に突進をして回し蹴りをしたのだ。良い音を立てて地面に倒れる豊の脳天にアスカは小型銃を差し向ける。
「私に勝つのはまだですね。…でも、伸びしろがあっていいと思います。…でも、勝負は勝負。」
そしてアスカは銃の引き金を引いて撃ち込んだのであった。
保健室にて。両手両腕を酷使したおかげて筋肉痛だわ豆が出来て血が出てしまうわで散々な豊は、自身の頭を撫でながら傍に居るリィナと共に今回の戦いの反省をする。本当はメモを取りたい所ではあるが地味に痛む自身の手を握るのも辛いようだ。だからリィナが代わりに情報として記憶しておき、後で復唱して書くことにした。リィナの反魂の力はこのような使い方を出来たのかというのは豊にも、そして、リィナ自身にも発見できなかった。…その結果を生み出したのは、彼らの”関係性”だからかもしれない。
「まずはお前は戦術が甘い。槍は古来からド素人な奴だって扱える代物だ。振り下ろすだけじゃなく、突き落すようにする動作をやってみろ。」
「そしたら相手が怪我しちゃうじゃんか!だから俺はわざと」
「そしたらお前が殺られる。いいか?枢要の罪だっては本気で向かってくる。お前のその甘い正義じゃ当たり前だが確実に殺される。…それに。」
「…なんだよ。それにって。」
するとリィナは何かを考えてから今度は不可解な、まるで変な物でも見たかのように目を薄く閉じてから首を捻る。その奇妙な、まるで可愛らしい細身のフクロウが首を傾げたような表情に豊は少し笑ってしまった。すると今度はリィナは怒って彼に文句を言う。
「なに笑ってんだ!…こっちは、その…、お前にとって良い事を言おうとしたのに!」
「ふふっ!ご…ごめんって!…リィナが面白い顔するから可愛くてさ~。」
「…ふんっ。私はそこらの尻軽女、いや、書物と違ってお前の馬鹿らしい、キザなセリフは通じないぞ。」
「だから~ごめんって!!!…そんで?良い事って…なに?」
豊の黒い瞳に見つめられリィナは話すか話すまいか考えていた。…この考えになったのは豊の考えに影響されたからなのか?もしくは、自分の”意志”なのか…。意志であれば焼却されてもがき苦しむことになる。だが、豊のその真っすぐな瞳に応えなくてはならないという自分の心なんてあるはずも無いのに突き動かされてしまうのはなぜ?
そんなよく分からない感情にリィナは戸惑いつつも振り払い、豊に小声で伝える。
「…向こうも本気なんだから、本気で応えた方がいいかなと…私の情報が言っている。いいか!!?情報が!だぞ!??…これは私の知識がお前に教えてるんだ!」
「…!!!そっか。その通りだよね…。向こうも本気なんだから俺も本気で行かなくちゃ。…ありがとう。リィナ。」
必死な様子のリィナに豊はまた軽やかに笑って彼女の頭に手を乗せてゆっくりと撫でた。その手は温かい。心地の良い温かさだ。しかし動かすと豊は少し呻き声を上げて手を天井へ上げてしまう。包帯で巻いたとはいえ豆が潰れていて痛むのだろう。だが、リィナはその温かな手に惹かれ手を取ってしまう。
「…っえ?リィナ?」
「……っあ!なんでも!無い!!!」
リィナは手を素早くは離しては豊の顔を見ようともしないでいた。
「……いいな。あんな関係に、サラとあんな風に、出来たら…な。」
見まいに来た1人の女性は1人と1冊…いや、2人に見えてしまう光景に妬みと嫉みを抱いてしまった。
「なにあのキザ野郎!僕のリィナが壊れちゃいそうになっちゃうじゃん!…マジでムカつく~。」
とある異空間にて、2人の…いや、2冊の書物が話している。一方は枢要の罪の、”暴食”の罪のライグン。…そして。
「まぁ、今回は思いがけない切り札も1人見つけたから良いんじゃない?…そんなに怒んないでよ?ライ?」
浴衣を着こなして下駄を履いている青年、”憂鬱”の罪のチオロサアドは彼に微笑みつつ、映像に映っている美女…アスカを見つめるのであった。
「行け!!!戦略の情報!!!」
白銀の槍から放たれる光に染まった文字の攻撃にアスカは魔術でシールドを使う。届かない攻撃に豊は息を荒げながらも槍を振る下ろす。少しだけだが軽くなるデータフォースに豊は安堵しつつ、データフォースことリィナに問い掛ける。
『ねぇリィナ。俺達にも出来ないかな?シールド…みたいなの。』
『…まぁもしかしたら出来るかもしれないが…、シールドなんて、基本は魔術を心得ているものでしか使えないがな…。』
でも、もしかしたら出来るかもしれないという可能性に惹かれ、豊は試してみようと思った。だから彼はシールドを使っているアスカに突っ込んでシールド自体をデータフォースに吸収させる。やはり重くなる武器に豊は力を入れてからアスカに向けて打ち込んだ。しかしその前にアスカはサラを変化させて小型銃で豊に向けて撃ち込むのだが…それは豊にとっては好機であった。
「守護の情報!発動!」
「!!!なに?」
すると豊を包み込むように羅列された文字のシールドが顕現し彼を守る。魔術など教えてもいないのにシールドを使った…これは普通の、いや、この世界の人間では出来ないことだ。
…志郎君、やりますね。でもこっちも!
シールドを一旦解除してアスカへ向けてデータフォースで術を打ち込もうと豊が腰を入れた途端、アスカはサラを素早く変化させて巨大な大砲にして向かってくる豊へ向けて放つ。それをシールドを使って免れようとする豊ではあったのだが…シールドは現れなかった。
「???なんで…?てかっ!この状況は…まずい!!」
現れないシールドに豊はデータフォースを振り下ろして吸収させる。しかしアスカが豊の隙を見逃すはずはない。今度は彼女が豊に突進をして回し蹴りをしたのだ。良い音を立てて地面に倒れる豊の脳天にアスカは小型銃を差し向ける。
「私に勝つのはまだですね。…でも、伸びしろがあっていいと思います。…でも、勝負は勝負。」
そしてアスカは銃の引き金を引いて撃ち込んだのであった。
保健室にて。両手両腕を酷使したおかげて筋肉痛だわ豆が出来て血が出てしまうわで散々な豊は、自身の頭を撫でながら傍に居るリィナと共に今回の戦いの反省をする。本当はメモを取りたい所ではあるが地味に痛む自身の手を握るのも辛いようだ。だからリィナが代わりに情報として記憶しておき、後で復唱して書くことにした。リィナの反魂の力はこのような使い方を出来たのかというのは豊にも、そして、リィナ自身にも発見できなかった。…その結果を生み出したのは、彼らの”関係性”だからかもしれない。
「まずはお前は戦術が甘い。槍は古来からド素人な奴だって扱える代物だ。振り下ろすだけじゃなく、突き落すようにする動作をやってみろ。」
「そしたら相手が怪我しちゃうじゃんか!だから俺はわざと」
「そしたらお前が殺られる。いいか?枢要の罪だっては本気で向かってくる。お前のその甘い正義じゃ当たり前だが確実に殺される。…それに。」
「…なんだよ。それにって。」
するとリィナは何かを考えてから今度は不可解な、まるで変な物でも見たかのように目を薄く閉じてから首を捻る。その奇妙な、まるで可愛らしい細身のフクロウが首を傾げたような表情に豊は少し笑ってしまった。すると今度はリィナは怒って彼に文句を言う。
「なに笑ってんだ!…こっちは、その…、お前にとって良い事を言おうとしたのに!」
「ふふっ!ご…ごめんって!…リィナが面白い顔するから可愛くてさ~。」
「…ふんっ。私はそこらの尻軽女、いや、書物と違ってお前の馬鹿らしい、キザなセリフは通じないぞ。」
「だから~ごめんって!!!…そんで?良い事って…なに?」
豊の黒い瞳に見つめられリィナは話すか話すまいか考えていた。…この考えになったのは豊の考えに影響されたからなのか?もしくは、自分の”意志”なのか…。意志であれば焼却されてもがき苦しむことになる。だが、豊のその真っすぐな瞳に応えなくてはならないという自分の心なんてあるはずも無いのに突き動かされてしまうのはなぜ?
そんなよく分からない感情にリィナは戸惑いつつも振り払い、豊に小声で伝える。
「…向こうも本気なんだから、本気で応えた方がいいかなと…私の情報が言っている。いいか!!?情報が!だぞ!??…これは私の知識がお前に教えてるんだ!」
「…!!!そっか。その通りだよね…。向こうも本気なんだから俺も本気で行かなくちゃ。…ありがとう。リィナ。」
必死な様子のリィナに豊はまた軽やかに笑って彼女の頭に手を乗せてゆっくりと撫でた。その手は温かい。心地の良い温かさだ。しかし動かすと豊は少し呻き声を上げて手を天井へ上げてしまう。包帯で巻いたとはいえ豆が潰れていて痛むのだろう。だが、リィナはその温かな手に惹かれ手を取ってしまう。
「…っえ?リィナ?」
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