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18.新たな戦闘形態。
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図書室から離れ空間の書にて相対するレジーナと豊。もちろんリィナも彼の傍に居るのだが…豊は心配そうな表情を見せるリィナに軽く笑った。なぜ笑ったのかは豊にも分からない。それはリィナの容姿が妹の小夜と似ているからかもしれないし、自分の頑固な性格が災いして事態が急変してしまった事への謝罪をしたかったからかもしれない。…でも1番は、リィナに心配させたくないという気持ちの方が大きい。
「リィナ。君の力を極力、制御できるように。俺、頑張るから。…そんな顔させてごめんね。」
なんとか元気付けさせようと軽くはにかんで見せれば、リィナは恥ずかしそうに顔を伏せてはそっぽを向いてしまった。相変わらず素直じゃないというか、ツンデレというか。…性格は妹とは全くもって似ていない。
「…お前は…!…全く!死にそうになっても私は助けないからな!いいな!」
「良いよ。…俺はたとえ死にそうになる前に、君の…、リィナの能力を少しだけ使わせてもらうから。…言ったでしょ?”死んでも守る”って。」
歯が浮くようなキザッたらしい豊に今度は対戦相手であるレジーナは深い溜息を吐いてしまう。この男は、壺中の天から来たこの男は相当厄介な人間だと感じてしまった。そしてその感情を払拭させるようにレジーナはジッポライターを手に取る。ルークの古びたものとは違い銀色に輝く新品の物だ。
-カチャリ…。カチャッ。
上蓋を親指で外して火を付ける。揺らめく小さな炎に自身を投影させたようにレジーナは豊に挑発をしたのだ。
「あんたの正義って奴も冷めたものね!…結局はリィナの、”反魂”の書頼りじゃない!…それでもあなたは自分の、その甘々な正義感で戦うつもり?」
彼女の行動にリィナは青ざめ、そして豊は彼女を守るように庇う。しかし、それでも豊の正義への決意は固い。
「それでも俺は…、その甘々な正義であっても戦うよ。…それが骨組みになって、柱となるならね!」
そして契約の刻印が刻まれた左手首を見せては掲げ呪文を唱える。
「我思う故に我あり。…かの書物の名においてその力を示せ!…反魂の書。発動!!!」
するとリィナがふわりと浮き上がり書物の姿となる。そして豊と一心同体になった…のではなく、リィナは長い棒状の姿となって現れたのだ。白銀に染まった槍のような長い棒になったリィナに豊自身も驚くが、それはリィナも分かっていた。
『シロウ。お前は私を守ると言っただろう?』
脳内に響き渡る凛とした声に豊は戸惑いつつも返事をする。
『うん。…君が苦しまない程度には、だけど。いや、極力!』
『そんな甘っちょろいこと言うな。だからお前は馬鹿なくせに格好付けたがりなんだ。恥を知れ。』
「そんなこと言うなよ!!!結構気にしてんのに!!!」
豊が脳内で語り掛けるリィナに大声で文句を言ってしまった。レジーナは彼の大声に唖然としてから再び深い溜息を吐く。さすがに書物とはいえ、女の子に蔑まれるような視線をされれば傷付くのが男というものではないか…と豊は勝手に思って勝手に羞恥を感じ、勝手に試合を放棄したい気持ちに駆られた。そんないじけた様子の彼にリィナは気にせずに話し掛ける。
『レジーナの能力は強い。ムカつくがお前の手助けをしないと、お前と一緒に焼身する。…でも、今のままの戦闘形態じゃ私の身体が持たない。』
『…じゃあどうすれば?』
『それは…』
「あぁ~!!!もういいでしょ!!!?こんなに時間あげたんだから!…本気で来なさい!じゃないと死ぬわよ?」
言いかけた途端レジーナは痺れを切らしたかのように術を唱える。それは”拘泥”という意味合いに相応しい武器でその言葉で豊を本気で殺そうとするのだ。
「炎よ。我が名の名称、拘泥においてそなたに力を与える。…我が力となり僕となり我が身を勝利へと導け!…炎のぉ…進撃!!!」
するとジッポライターの炎はたちまち大きくなり、炎の刃となって豊を襲った。しかし豊はとっさに自分が持っている槍…リィナで薙ぎ払ってしまう。自分のとっさの判断でリィナを使ってしまったのだが…炎の刃は消失してしまった。少し驚いてからレジーナは興味がありげな表情を見せる。
「ふぅ~ん?…とっさの判断とはいえ、この拘泥の書の私の攻撃を打ち消した…と。…リィナ?あんたやるわね?…でも、これからが本気よ?焼かれたくなければ、豊君に掛け合って今の形態を辞めた方が賢明だと思うけど?」
するとレジーナは炎を操り球状にして豊に攻撃を仕掛ける。そして彼女は自身の能力を明言するのだ。
「私の…”拘泥”の書の能力は、自分の特出した部分を伸ばす力。今回は炎だけど、その人物の、相棒の得意分野であったら魔術や格闘技などの攻撃も一時的ではあるけど普段よりもかなり高い能力を発揮することが出来るの。…そんな私の能力に、あなたたちは勝てるかしら?」
球状にした炎を操り豊へと差し向ける。それを豊は逃げながら向かってくる炎を打ち消していった。いや、今の彼には振り払うことしか出来ない。それが精一杯の力なのだから。
しかし、容赦のないレジーナの攻撃ではあるが豊も、そして、リィナも諦めてはいない。
…必ず拘泥の書に勝つ!絶対!!!
2人の意識が意思疎通した。
「リィナ。君の力を極力、制御できるように。俺、頑張るから。…そんな顔させてごめんね。」
なんとか元気付けさせようと軽くはにかんで見せれば、リィナは恥ずかしそうに顔を伏せてはそっぽを向いてしまった。相変わらず素直じゃないというか、ツンデレというか。…性格は妹とは全くもって似ていない。
「…お前は…!…全く!死にそうになっても私は助けないからな!いいな!」
「良いよ。…俺はたとえ死にそうになる前に、君の…、リィナの能力を少しだけ使わせてもらうから。…言ったでしょ?”死んでも守る”って。」
歯が浮くようなキザッたらしい豊に今度は対戦相手であるレジーナは深い溜息を吐いてしまう。この男は、壺中の天から来たこの男は相当厄介な人間だと感じてしまった。そしてその感情を払拭させるようにレジーナはジッポライターを手に取る。ルークの古びたものとは違い銀色に輝く新品の物だ。
-カチャリ…。カチャッ。
上蓋を親指で外して火を付ける。揺らめく小さな炎に自身を投影させたようにレジーナは豊に挑発をしたのだ。
「あんたの正義って奴も冷めたものね!…結局はリィナの、”反魂”の書頼りじゃない!…それでもあなたは自分の、その甘々な正義感で戦うつもり?」
彼女の行動にリィナは青ざめ、そして豊は彼女を守るように庇う。しかし、それでも豊の正義への決意は固い。
「それでも俺は…、その甘々な正義であっても戦うよ。…それが骨組みになって、柱となるならね!」
そして契約の刻印が刻まれた左手首を見せては掲げ呪文を唱える。
「我思う故に我あり。…かの書物の名においてその力を示せ!…反魂の書。発動!!!」
するとリィナがふわりと浮き上がり書物の姿となる。そして豊と一心同体になった…のではなく、リィナは長い棒状の姿となって現れたのだ。白銀に染まった槍のような長い棒になったリィナに豊自身も驚くが、それはリィナも分かっていた。
『シロウ。お前は私を守ると言っただろう?』
脳内に響き渡る凛とした声に豊は戸惑いつつも返事をする。
『うん。…君が苦しまない程度には、だけど。いや、極力!』
『そんな甘っちょろいこと言うな。だからお前は馬鹿なくせに格好付けたがりなんだ。恥を知れ。』
「そんなこと言うなよ!!!結構気にしてんのに!!!」
豊が脳内で語り掛けるリィナに大声で文句を言ってしまった。レジーナは彼の大声に唖然としてから再び深い溜息を吐く。さすがに書物とはいえ、女の子に蔑まれるような視線をされれば傷付くのが男というものではないか…と豊は勝手に思って勝手に羞恥を感じ、勝手に試合を放棄したい気持ちに駆られた。そんないじけた様子の彼にリィナは気にせずに話し掛ける。
『レジーナの能力は強い。ムカつくがお前の手助けをしないと、お前と一緒に焼身する。…でも、今のままの戦闘形態じゃ私の身体が持たない。』
『…じゃあどうすれば?』
『それは…』
「あぁ~!!!もういいでしょ!!!?こんなに時間あげたんだから!…本気で来なさい!じゃないと死ぬわよ?」
言いかけた途端レジーナは痺れを切らしたかのように術を唱える。それは”拘泥”という意味合いに相応しい武器でその言葉で豊を本気で殺そうとするのだ。
「炎よ。我が名の名称、拘泥においてそなたに力を与える。…我が力となり僕となり我が身を勝利へと導け!…炎のぉ…進撃!!!」
するとジッポライターの炎はたちまち大きくなり、炎の刃となって豊を襲った。しかし豊はとっさに自分が持っている槍…リィナで薙ぎ払ってしまう。自分のとっさの判断でリィナを使ってしまったのだが…炎の刃は消失してしまった。少し驚いてからレジーナは興味がありげな表情を見せる。
「ふぅ~ん?…とっさの判断とはいえ、この拘泥の書の私の攻撃を打ち消した…と。…リィナ?あんたやるわね?…でも、これからが本気よ?焼かれたくなければ、豊君に掛け合って今の形態を辞めた方が賢明だと思うけど?」
するとレジーナは炎を操り球状にして豊に攻撃を仕掛ける。そして彼女は自身の能力を明言するのだ。
「私の…”拘泥”の書の能力は、自分の特出した部分を伸ばす力。今回は炎だけど、その人物の、相棒の得意分野であったら魔術や格闘技などの攻撃も一時的ではあるけど普段よりもかなり高い能力を発揮することが出来るの。…そんな私の能力に、あなたたちは勝てるかしら?」
球状にした炎を操り豊へと差し向ける。それを豊は逃げながら向かってくる炎を打ち消していった。いや、今の彼には振り払うことしか出来ない。それが精一杯の力なのだから。
しかし、容赦のないレジーナの攻撃ではあるが豊も、そして、リィナも諦めてはいない。
…必ず拘泥の書に勝つ!絶対!!!
2人の意識が意思疎通した。
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