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7.厳しい道のり。
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リィナを守る為、そして、自分の頑固な性格の故の為に焚書士になる道を選んだ豊ではあるが…その前に2つの問題が生じた。
「書き取りのテストと…契約の試験?ですか?」
「はい。そうなんです。」
「契約の試験なら分かりますけど…どうして書き取りのテストも?」
分厚い国語辞典と漢字辞典、英和辞典を机に置いてから豊は書簡かつ先輩であるアスカに投げかける。隣にはリィナも居るのだが彼女はよく眠っていた。そんな仲良しな2人を尻目に何かを思うアスカではあったが押し殺して豊の問い掛けに答えをかざした。
「焚書はもともとは機密データや文字の羅列にそぐわない内容がある時に焼かれます。本来であれば全部焼却する…というのが昔のやり方ではありますが、最近では要らない文字を焼けばそれで書物を制御できると考えられているのです。」
「は…はぁ。」
一応は頷いてはいるがピンと来ていない豊にアスカは言葉を続ける。
「つまり書物は文字の羅列でありデータ。何かの文字1つでも効力を増してしまえば、私達人間に襲い掛かり、暴走してしまうのです。」
「えっと…。だからなんでそこで文字を?」
勘の鈍い豊にアスカは少し溜息を吐いてから言い放つ。
「つまり!!!私たちは多種多様な文字!いや、単語を知らなければなりません!そうしないと書物が力を増して暴走してしまい私たちの世界が崩壊するでしょう!…分かりましたか?豊君?」
「あ…はい。ワカリマシタ。」
「それならよし!あなたは壺中の天から来たと聞いてますからビシバシ行きますよ!…じゃあまずは漢字からやりますので!ノートと筆記用具を用意しておいてください。」
「わ…分かりました。」
一旦、部屋を退出するアスカと書物の形状に収められている暴露の書ことサラを見届けてから豊は授業の準備をする。ノートと筆記用具、そして分厚い漢字辞典をペラペラとなんとなくめくっていく。本特有の香りに包まれながら豊はぼんやりと考えて呟いていた。
「…なんで使役しようと考えるのかな?…別に上も下も無いのに。」
「…なにが?」
「あっ!リィナ、起こしちゃった?ごめんね。」
「別に良い。起きようと思ってたんだ。…ふわぁ~。」
大きく伸びをするリィナは目をこすりながら豊の独り言に疑問を抱く。そして尋ねることにした。
「志郎。お前は書物と人間に上も下も無いって思ったのか?」
「まぁ…そうだけど。」
「なぜ?」
アメジストの瞳で見つめる彼女に豊は少し考えてから笑った。
「だって。書物も人間も、利用するとかしないとか。反撃するとかしないとか。喧嘩を吹っ掛けずに、ただお互いを尊重し合って生きていればいいのにって思って。」
「……お前。」
「???なに?」
するとリィナは豊を指さして一言。
「バカだな。」
「なっ!??なんでよ~!良い事言ったと思ったのに~!」
「バカはバカだ。…私は眠る。おやすみ。」
「って!リィナってばぁ~!」
少しむくれている青年を傍目に少女は彼に背を向けて軽く微笑むのであった。
それから数日。書き取りのテストはなんと合格点を達していた。恐らく日頃の勉強の成果であろう。…ただ、上達しない課題があった。
「はぁ~!またダメだぁ~!」
空間の書にて鉄人形と死闘を繰り返してしるのだが豊はパートナーであるリィナを上手く使うことが出来ない。彼は知っているのだ。無理に反魂の力を使えば豊自身は強くはなれるがリィナは苦痛に苛まれることを。だから使えないでいるのだ。
結局は鉄人形にボコボコにされて怪我を負う始末。反魂の力で少しだけ癒して貰えるのが限度だと豊は分かっていた。
「ま~たボコボコにされた~。…早く契約したいのに。」
寝っ転がって空を見つめる豊に寄り添うリィナは言葉を紡ぐ。
「なぁ…志郎。」
「ん~?なに~?」
リィナが覚悟を決めて言葉にしようとすれば彼女はためらって言葉にできなかった。そんな彼女をよそに豊は疑問を浮かべるが指導者としてシャボン玉から見下ろしていたアスカは下に降りて豊に説教をする。
「また何やってんですか!これからが本番なのに!まったく!」
怒っている様子のアスカに豊は笑うことしか出来ない。
「あはは~。すいません…。なんか、見本とか見せてくれませんか?」
「見本?」
「はい!それなら分かるかもって!」
なんとか誤魔化そうと話を逸らせばアスカは少し考え込んでから手元の書物を手に取って唱えた。
「我に示せ!…暴露の書!サラ!!!」
すると書物から人に変わっていきサラが現れた。毎度のことながら驚く豊にサラはめんどくさそうに、果てしなくめんどくさそうな顔をしてアスカの前に降り立つ。
「…はぁ。…だる。先輩の手本ってか?」
頭を掻きながらアスカに尋ねるサラに彼女が頷く。すると目の前には鉄人形がなんと3体も居た。少し舌打ちをしてからサラはアスカの返答無しに彼女の思いのままの形状になった。
「な…何これ?」
…その姿に豊は驚いていた。
「書き取りのテストと…契約の試験?ですか?」
「はい。そうなんです。」
「契約の試験なら分かりますけど…どうして書き取りのテストも?」
分厚い国語辞典と漢字辞典、英和辞典を机に置いてから豊は書簡かつ先輩であるアスカに投げかける。隣にはリィナも居るのだが彼女はよく眠っていた。そんな仲良しな2人を尻目に何かを思うアスカではあったが押し殺して豊の問い掛けに答えをかざした。
「焚書はもともとは機密データや文字の羅列にそぐわない内容がある時に焼かれます。本来であれば全部焼却する…というのが昔のやり方ではありますが、最近では要らない文字を焼けばそれで書物を制御できると考えられているのです。」
「は…はぁ。」
一応は頷いてはいるがピンと来ていない豊にアスカは言葉を続ける。
「つまり書物は文字の羅列でありデータ。何かの文字1つでも効力を増してしまえば、私達人間に襲い掛かり、暴走してしまうのです。」
「えっと…。だからなんでそこで文字を?」
勘の鈍い豊にアスカは少し溜息を吐いてから言い放つ。
「つまり!!!私たちは多種多様な文字!いや、単語を知らなければなりません!そうしないと書物が力を増して暴走してしまい私たちの世界が崩壊するでしょう!…分かりましたか?豊君?」
「あ…はい。ワカリマシタ。」
「それならよし!あなたは壺中の天から来たと聞いてますからビシバシ行きますよ!…じゃあまずは漢字からやりますので!ノートと筆記用具を用意しておいてください。」
「わ…分かりました。」
一旦、部屋を退出するアスカと書物の形状に収められている暴露の書ことサラを見届けてから豊は授業の準備をする。ノートと筆記用具、そして分厚い漢字辞典をペラペラとなんとなくめくっていく。本特有の香りに包まれながら豊はぼんやりと考えて呟いていた。
「…なんで使役しようと考えるのかな?…別に上も下も無いのに。」
「…なにが?」
「あっ!リィナ、起こしちゃった?ごめんね。」
「別に良い。起きようと思ってたんだ。…ふわぁ~。」
大きく伸びをするリィナは目をこすりながら豊の独り言に疑問を抱く。そして尋ねることにした。
「志郎。お前は書物と人間に上も下も無いって思ったのか?」
「まぁ…そうだけど。」
「なぜ?」
アメジストの瞳で見つめる彼女に豊は少し考えてから笑った。
「だって。書物も人間も、利用するとかしないとか。反撃するとかしないとか。喧嘩を吹っ掛けずに、ただお互いを尊重し合って生きていればいいのにって思って。」
「……お前。」
「???なに?」
するとリィナは豊を指さして一言。
「バカだな。」
「なっ!??なんでよ~!良い事言ったと思ったのに~!」
「バカはバカだ。…私は眠る。おやすみ。」
「って!リィナってばぁ~!」
少しむくれている青年を傍目に少女は彼に背を向けて軽く微笑むのであった。
それから数日。書き取りのテストはなんと合格点を達していた。恐らく日頃の勉強の成果であろう。…ただ、上達しない課題があった。
「はぁ~!またダメだぁ~!」
空間の書にて鉄人形と死闘を繰り返してしるのだが豊はパートナーであるリィナを上手く使うことが出来ない。彼は知っているのだ。無理に反魂の力を使えば豊自身は強くはなれるがリィナは苦痛に苛まれることを。だから使えないでいるのだ。
結局は鉄人形にボコボコにされて怪我を負う始末。反魂の力で少しだけ癒して貰えるのが限度だと豊は分かっていた。
「ま~たボコボコにされた~。…早く契約したいのに。」
寝っ転がって空を見つめる豊に寄り添うリィナは言葉を紡ぐ。
「なぁ…志郎。」
「ん~?なに~?」
リィナが覚悟を決めて言葉にしようとすれば彼女はためらって言葉にできなかった。そんな彼女をよそに豊は疑問を浮かべるが指導者としてシャボン玉から見下ろしていたアスカは下に降りて豊に説教をする。
「また何やってんですか!これからが本番なのに!まったく!」
怒っている様子のアスカに豊は笑うことしか出来ない。
「あはは~。すいません…。なんか、見本とか見せてくれませんか?」
「見本?」
「はい!それなら分かるかもって!」
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「…はぁ。…だる。先輩の手本ってか?」
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…その姿に豊は驚いていた。
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