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2.反魂の書と出会う。
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訳も分からないといった様子の豊かではあるがそんなの普通の人間であれば誰しもそう感じるであろう。病院へ行こうとすれば何かが焼かれていて、その本を消火したらそれが本で。そして本に導かれるままに付いてきてしまったら変な格好をした人間達が居て…情報過多で頭がおかしくなりそうだ。そんな豊に眼鏡を掛けたシルクハットを被った男性…ルークは呆然としている豊を無理やり立ち上がらせてとある場所へと連れて行く。
「さあさあ!これぐらいで驚かないでよ~壺中の天の人間さん?…っというか言いにくいから名前教えてくんない?僕たちは君を殺そうとも食べようともしてないんだからさ~?…ねっ?」
妙に気迫のある言葉ではあるがさすがに自分自身でもその”壺中の天の人間”というのには長ったらしさを感じたので豊は馴れ馴れしく腕を掴まれている手を離させてからルークと周囲の人間に自己紹介をする。
「えっと…。志郎 豊です。よろしくお願いします。」
「うんうん。志郎君ね~。まさに焚書にはぴったりじゃない?…『文書を知ろうという人間を焼く』焚書士としてはなかなかジョークが入ってさ。」
「!!!ルークさん!」
「……あなた、俺に喧嘩でも売ってるんですか?」
さすがの豊でもルークの言葉に反感を覚えるが彼は口笛を吹いて歩を進める。そんな豊ではあるが先ほどのルークの嫌味に反応をした女性が彼に向けて軽く謝罪をする。淡いピンクローズの長い髪をした女性は自身をアスカ・卿・ミスリアと名乗った。
「ルークさんがあなたに無礼を働いた事、申し訳ありません。…ルークさん。なかなか壺中の天の人間が現れないものだからイラついていて…。」
「そんなのアスカが謝る方がおかしいわよ。…ねぇ?豊君?」
「えっと…君は?」
申し訳なさそうにするアスカとは打って変わり銀髪で巻き髪をしたツインテールの少女が突如として豊に話し掛ける。しかもその少女はポンチョを羽織っているのだが腹部と脚が露出されどこを見ても良いのか分からない。…ただ、腹部に大きな植物のツタのような刺青が入れられていた。そんな豊に少女はケラケラと笑ってから突っ立っている緑髪のでバンダナを付けた青年を交えて自己紹介をする。
「私はレジーナ。…通称は拘泥の書。よろしく。…恥ずかしがり屋さん?」
「…サラ。暴露の書だ。よろしくな人間。」
「…?拘泥??暴露…の書?…君達は一体??」
「そんなことよりも!!早く行かないとルークが行っちゃうんだからついて行くわよ!…ま。あの子は平気だろうけど?」
「????」
レジーナの言葉に豊は疑問に思いながら先導するルークについて行くのであった。
先導をするルークが大きな扉を開ければそこには幾人かの人間がそこに居た。そして傍らには体の何処かに刺青を入れられている人間も居たのである。しかしそんなことよりも豊が気になったのは…場所が本に囲まれた場所の世界であったことだ。
「す…ごい。本がめちゃくちゃある…。図書館でもこんなにないのに」
「!!!ルーク司書官、それにアスカ書簡!お疲れ様です!!」
「「「お疲れ様です!!!」」」
「!!??な…なんだ?」
突然の挨拶に豊が驚けばルークは彼を前に出して先ほどのような紹介をする。
「みんなご苦労!…ついに我が焚書士に新しい仲間が出来た!…名前は志郎 豊!…壺中の天からきた人間だ!」
「!!!壺中の天!??やっと来たんですね!良かった…。」
「そしたら相棒は誰と?」
焚書士たちが声を上げれる中でルークは言葉を言い放てば…その場が凍り付いたのである。その感覚に豊は不思議に感じる。
「志郎君の相棒は反魂の書。…リィナだ。」
「……えっ?あの疫病神?」
「あの子を使いこなせるのかしら?」
「司書官。無理があるんじゃ…?」
口々に言い放つ焚書士に豊は少し苛立ちを感じる。迎えられたかと思えば出来ないというレッテルを貼られそうになる。そしてリィナという人物を”疫病神”だと罵る様には激しい憤りを感じるのだ。名前からして女の子のだと思うのだが……他人だろうが人を尊重しない人間は豊はあまり良く思えない。
「まぁまぁ。みんなもそんな風に言わないでよ~?…彼も怒っているようだし?…さっ。志郎君。君の相棒になるお姫様を紹介しよう。…アスカ?扉を。」
「あっ!はい!!今、開錠します。」
「…開錠?」
豊が疑問に思えばアスカは自身の腕時計と天井にある古時計を照らし合わせた。するとなんということか。…轟音を立てて本棚からエレベーターが現れたのだ。驚く豊を連れてルークとリィナはエレベーターへ乗り込む。そしてアスカとサラはその場に残るのであった。
エレベーターへと乗り込んで地下へと入る3人ではあるが少しホコリ臭い。鼻を抑えながら進む豊は先導するルークとレジーナに問い掛ける。
「あの…本当に何処に連れて行くんですか?ホコリ臭いし、電灯だって薄暗いし…。」
「だってここ、牢屋だもん。しかも厳重にされてるし?」
「…牢屋?なんでそこに案内されなきゃ?」
するとルークは立ち止まってとある一室へと立ち止まり解除キーを入力してから入室をする。訳の分からぬまま豊も入室をすれば…鎖に繋がれた傷だらけの少女が座り込んでいた。電灯が薄暗くてあまり判断はできぬがホワイトローズのミディアムの髪にアメジストの瞳はルークと豊に向けて苛立ちの炎を宿る。そんな彼女に溜息を吐いてからルークは衝撃で唖然としている豊に彼女の紹介をする。
「この子がリィナ。…通称、反魂の書だよ。リィナ?この人がお前の相棒になる人間、志郎 豊君だ。」
「…シロウ ユタカ。……お前も大嫌いだ。」
彼女の怒りを感じる言葉に豊は戦慄した。
「さあさあ!これぐらいで驚かないでよ~壺中の天の人間さん?…っというか言いにくいから名前教えてくんない?僕たちは君を殺そうとも食べようともしてないんだからさ~?…ねっ?」
妙に気迫のある言葉ではあるがさすがに自分自身でもその”壺中の天の人間”というのには長ったらしさを感じたので豊は馴れ馴れしく腕を掴まれている手を離させてからルークと周囲の人間に自己紹介をする。
「えっと…。志郎 豊です。よろしくお願いします。」
「うんうん。志郎君ね~。まさに焚書にはぴったりじゃない?…『文書を知ろうという人間を焼く』焚書士としてはなかなかジョークが入ってさ。」
「!!!ルークさん!」
「……あなた、俺に喧嘩でも売ってるんですか?」
さすがの豊でもルークの言葉に反感を覚えるが彼は口笛を吹いて歩を進める。そんな豊ではあるが先ほどのルークの嫌味に反応をした女性が彼に向けて軽く謝罪をする。淡いピンクローズの長い髪をした女性は自身をアスカ・卿・ミスリアと名乗った。
「ルークさんがあなたに無礼を働いた事、申し訳ありません。…ルークさん。なかなか壺中の天の人間が現れないものだからイラついていて…。」
「そんなのアスカが謝る方がおかしいわよ。…ねぇ?豊君?」
「えっと…君は?」
申し訳なさそうにするアスカとは打って変わり銀髪で巻き髪をしたツインテールの少女が突如として豊に話し掛ける。しかもその少女はポンチョを羽織っているのだが腹部と脚が露出されどこを見ても良いのか分からない。…ただ、腹部に大きな植物のツタのような刺青が入れられていた。そんな豊に少女はケラケラと笑ってから突っ立っている緑髪のでバンダナを付けた青年を交えて自己紹介をする。
「私はレジーナ。…通称は拘泥の書。よろしく。…恥ずかしがり屋さん?」
「…サラ。暴露の書だ。よろしくな人間。」
「…?拘泥??暴露…の書?…君達は一体??」
「そんなことよりも!!早く行かないとルークが行っちゃうんだからついて行くわよ!…ま。あの子は平気だろうけど?」
「????」
レジーナの言葉に豊は疑問に思いながら先導するルークについて行くのであった。
先導をするルークが大きな扉を開ければそこには幾人かの人間がそこに居た。そして傍らには体の何処かに刺青を入れられている人間も居たのである。しかしそんなことよりも豊が気になったのは…場所が本に囲まれた場所の世界であったことだ。
「す…ごい。本がめちゃくちゃある…。図書館でもこんなにないのに」
「!!!ルーク司書官、それにアスカ書簡!お疲れ様です!!」
「「「お疲れ様です!!!」」」
「!!??な…なんだ?」
突然の挨拶に豊が驚けばルークは彼を前に出して先ほどのような紹介をする。
「みんなご苦労!…ついに我が焚書士に新しい仲間が出来た!…名前は志郎 豊!…壺中の天からきた人間だ!」
「!!!壺中の天!??やっと来たんですね!良かった…。」
「そしたら相棒は誰と?」
焚書士たちが声を上げれる中でルークは言葉を言い放てば…その場が凍り付いたのである。その感覚に豊は不思議に感じる。
「志郎君の相棒は反魂の書。…リィナだ。」
「……えっ?あの疫病神?」
「あの子を使いこなせるのかしら?」
「司書官。無理があるんじゃ…?」
口々に言い放つ焚書士に豊は少し苛立ちを感じる。迎えられたかと思えば出来ないというレッテルを貼られそうになる。そしてリィナという人物を”疫病神”だと罵る様には激しい憤りを感じるのだ。名前からして女の子のだと思うのだが……他人だろうが人を尊重しない人間は豊はあまり良く思えない。
「まぁまぁ。みんなもそんな風に言わないでよ~?…彼も怒っているようだし?…さっ。志郎君。君の相棒になるお姫様を紹介しよう。…アスカ?扉を。」
「あっ!はい!!今、開錠します。」
「…開錠?」
豊が疑問に思えばアスカは自身の腕時計と天井にある古時計を照らし合わせた。するとなんということか。…轟音を立てて本棚からエレベーターが現れたのだ。驚く豊を連れてルークとリィナはエレベーターへ乗り込む。そしてアスカとサラはその場に残るのであった。
エレベーターへと乗り込んで地下へと入る3人ではあるが少しホコリ臭い。鼻を抑えながら進む豊は先導するルークとレジーナに問い掛ける。
「あの…本当に何処に連れて行くんですか?ホコリ臭いし、電灯だって薄暗いし…。」
「だってここ、牢屋だもん。しかも厳重にされてるし?」
「…牢屋?なんでそこに案内されなきゃ?」
するとルークは立ち止まってとある一室へと立ち止まり解除キーを入力してから入室をする。訳の分からぬまま豊も入室をすれば…鎖に繋がれた傷だらけの少女が座り込んでいた。電灯が薄暗くてあまり判断はできぬがホワイトローズのミディアムの髪にアメジストの瞳はルークと豊に向けて苛立ちの炎を宿る。そんな彼女に溜息を吐いてからルークは衝撃で唖然としている豊に彼女の紹介をする。
「この子がリィナ。…通称、反魂の書だよ。リィナ?この人がお前の相棒になる人間、志郎 豊君だ。」
「…シロウ ユタカ。……お前も大嫌いだ。」
彼女の怒りを感じる言葉に豊は戦慄した。
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