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*《仲直り》

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 裸エプロンの大男に組み敷かれた赤い髪の美青年は、驚く暇も与えられず唇をまたしても奪われた。強引に絡まれる口内と蹂躙される舌に翻弄され、息さえするのも辛い。――しかも腰辺りには硬いものが押し当てられ、さらに恐れおののいた。
 だが赤い髪の青年は褐色肌の男には力で敵わないので、抵抗するにもできない。
「……んんぅ、んぅ…………! ぁんっ……! シ……ギュン……」
 息吐く暇もなくシギュンの名前を呼んで弱まった力で押し返せば、「ふふっ」なんて軽く笑ってシギュンはフレンチ・キスをヨルへ送る。
 解放されたときにはヨルは淫らに透明な糸を口端に垂らし、はぁはぁ……と乱れた呼吸をした。だが彼の中心部も淫乱なキスで怒張してしまったようだ。
 だからシギュンは、彼の股間にそっと触れて撫で上げた。ヨルの身体がビクついた。
「あぅっ!? な……に?」
「なにじゃありませんよ。ヨルも私のテクニシャンなキスでここを大きくさせたのかと思うと、嬉しくて」
 ホックを外されてジッパーを引き下げられて下着越しだが露見される、ヨル自身にシギュンはじっくりと熱の籠った視線で見つめていく。それが余計にヨルの頬を染めあげた。
「み、見るな、バカ。……恥ずかしい」
「恥ずかしくなんてありませんよ。ヨルのペニスは可愛い外見の割には大きくて、でも射精しやすくて――」
「いちいち人の気にしていることを言うな!」
 羞恥心が勝って脚を閉じかけようとするヨルに、シギュンは両腕を差し込んで開脚させた。裸エプロンなの胸の合間から鍛え上げられた胸筋と熟れた大きなつぼみが咲いている。――誰がシギュンをこんなに床上手にさせたかと思うと、激しい嫉妬心に襲われた。
 シギュンが下着を剥ぎ取り、ヨル自身を口に含もうとする。「待て」ヨルが静止を掛けて、シギュンの動きを封じたかと思えば……上から襲うように彼を強く抱きしめたのだ。
「ごめん。本当にごめん。……こんな格好で謝るのも良くないけれど、心配させた」
「……」
「シギュン、俺はお前の為ならなんだってする。でも今のシギュンは、俺を無理に悦ばせようとしている……気がする」
「……ヨル」
 ヨルは抱きしめてからシギュンを見つめる。シギュンは顔を上げたかと思えば……また泣き出しそうな顔をした。だからヨルはそんな彼を自分の視線に合わせて顔を埋め、「シギュンが、大好きだ」耳元で囁いて告白をした。
 ――シギュンの頬が、身体がかっと熱くなり沸騰する。するとシギュンの行動は早い。もう一度、ヨル自身を見つめおもむろに口へ含んだかと思えば、自身のアリの巣穴に長く太い指を挿入した。
 シギュンが上下に扱くたびヨルの身体が震え、甘露な声が響く。
「うっぁぁっっ……、なん、でぇ……。変な、こと……いった?」
「はふ……! 変じゃない、です。……ヨルが柄にもなくかっこいい、言葉を、言うから!」
「あぅっ!!? ひぅぅっ!!!?」
 シギュンが唾液を交え喉の奥を開かせた状態で奉仕をすれば、ヨルはあっけなく達する。とろんとした頬を真っ赤に染めて、充血をした深緑の瞳の憂いさにシギュンの鼓動は高鳴る。
 だからまだ十分に解れていない後ろの三本指を引き抜いて、ヨル自身へ充てがい……ずちゅりと音を立てて挿入する。――二人の身体がシンクロして震える。
「うぁっ……! シギュン、平気、かよ?」
「はい……」
 身悶えて腰を振ってしまうヨルとわざと腰を上下に揺すってシギュンは誘う。狭い坑道は果てしなくきつく、しきりにヨルもシギュンも苦しそうではあるが、次第に解れてきてスムーズに挿入ができた。
「あぁぅ……! うぅ…………、シギュン……」
 か細い声で求めるヨルにシギュンは応えるように厚い唇で薄い唇に触れ、開けて舌を挿入する。絡まるような舌にヨルは恥辱された気分になって、熟れた果実のように全身を火照らせた。
 そんな無垢で恥ずかしがり屋なヨルへシギュンは唇を離してから、一気に腰を上下に揺さぶりピストンを打ち込ませる。――そのおかげでヨルは顔を仰け反らせ、涙を零す。
「あぅ! ――イ、イクっ!!!」
 最初に達したのはまたしてもヨルであった。その次にシギュンが果てて、お互い息をしあう。……ウサギのエプロンには白濁液が付着して、それが堪らなくいやらしげだった。
 目を逸らそうとするヨルへシギュンは繋がれて、対面した形で彼を強く抱擁した。
「ねぇ、ヨル。私はこうやって、愛を紡いでくれて、気遣いをしてくれて……優しいヨルが私は大好きです」
「そんな、俺は別に――」
「大好きだから。愛しているから。……だから私を置いてどこかに行かないで」
 真剣みを帯びた青く澄んだ両目に見透かされ、ヨルは「ごめん……」また謝罪をする。もしかしたらシギュンは、自分が身を引いて去ることを危惧したのかと思うと、自分の想起したものは果てしないほど残酷なことに気が付いた。
「わかればいいのです。――じゃあ、何回もセックスしましょっか!」
「え、それはもう……。俺、疲れていて――」
「なんでもするって言いました、よね?」
 獲物を狙う狩人のような視線にヨルは身体を震えたかと思えば、二人は何度も性行為をした。
 ウサギとクマが手を握っているイラスト時計は夜の二時を回っていた。
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