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第六章
□合同訓練
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部屋で着替え、装備を身につけるため、シュラと共用の居間に向かいながら、昨夜は魔力を補給するために行った森のようすを思い出していた。
重い気配に、動物たちが息を潜め、森のところどころで恐ろしげな咆吼があがっているのに、静けさもあるのだ。
ギルドは森の奥への進入を禁じ、国は一般人の安全確保のために、原因がわかるまでの間、森のそばを抜ける街道は護衛付き以外を認めないこととした。
薄気味悪さを感じながらこっそりと森に入り込み、なんとか見つけた魔獣から身体が変化しないギリギリまで魔力を吸収して帰路についた。
奇しくも、シュラの言う『迷宮暴走』が近いことを、肌で感じた。
昨夜補給した魔力のお陰でいつもより充実した肉体は、誤差の範囲程度に膨らんだ胸元だが、これが騎士としてギリギリの線だろう。
「バルザクト様、手袋はこちらをお使いください」
シュラが取り出した革の手袋は明らかにいま私が使っているものよりもいいもので、これまでの経験からいくとこれも国宝級のものではないかと思ったが、断る前に右手から手袋を剥がされ、そして素早く新しいものを嵌められた。
「魔力の通りがよく、防御力も上がります。きっとバルザクト様を助けてくれますから」
私が拒否しないでいると左手も取られ、今度はゆっくりと手袋を脱がされた。
「ありがたく借りよう」
「プレゼントです、返品は受け付けません」
感謝を口にした私に、彼は新しい手袋を嵌めるとその手を取って手のひらに口付けた。
それが求愛だと知っているのだろうか? いや、彼の世界の常識では、違う意味なのかも知れない……だけど、この胸の高鳴りを押さえる術がわからない。
私の内心を誤魔化すように、手袋をした手を動かせば、はじめて付けるのに恐ろしい程しっくりと馴染んだ。緩みもキツさもなく、感嘆の息を飲み込む。
「あともう一つ、髪留めがあるので、こちらのソファにかけていただいてもよろしいですか」
請われてソファに座ると、彼の手が私の髪を結わえていた紐を外し、持っていた櫛でゆっくりと髪を梳いてくれる。
心地よさに目を閉じて、彼の手に身を任せた。
「よ……っと、あれ? ええと……うまく……難……っ」
髪をまとめる段階になって、髪を引かれたり、何度もやり直したりする彼に思わず笑ってしまう。
「大丈夫だ、私がやろう」
彼の手から櫛と紐を受け取り、いつも通りにきっちりとまとめると、頭がすこしすっきりして体がすこし軽くなった気がする。
髪を弄ってもらったことで、気分転換になったのは確かだが、それだけではないのだろうな。
「どうだ? 結べたか?」
「はいっ、いつも通りかっこいいです」
手探りで結んだが、大丈夫だったようだ。
櫛をシュラに返し、手早く防具を身につけ、腰に剣を提げる。全装備を付けると身が引き締まる。
「では行こうか」
微笑んで彼を振り向けば、彼は力強く頷きドアを開けた。
◇◆◇
ボルテス団長とヒリングス副団長を先頭に、詰め所から騎乗して王宮へと向かう。
団長も珍しく今日はしっかりと装備を身に纏っている。いつもは簡易的な防具しか身につけていないので、なかなかに勇ましく凜々しいお姿だ。
道行く人々が興味津々で見送るなかを王宮へと入れば、既に数団集まっていた。早めに出てきたのだが、一番乗りではなかったようだ。
団長達が集まる中、我々団員は指示された場所で待機する。
ボルテス団長もそうだが、辺りの緊張感がいつもとは違う。
「久しいな、騎士アーバイツ」
親しげに声を掛けてきたのは、第一騎士団所属ピルケス・オルドーだった。豊穣の巫女の控え室に粗野なご令嬢を連れて来た御仁で、シュラから彼も攻略対象者だと聞いた。確かに若くして栄誉ある第一騎士団に所属しており、王の信頼もあつい伯爵家の三男であり、線が細くはあるが容姿が整っている為に、貴族の子女からの人気が高いという噂はきく。
「お久しぶりです」
どの面を下げてと思う気持ちを抑えて向き直った私に、彼は静かに頭をさげた。
「――あの時は、申し訳ないことをした。あなたが、職務に忠実でいてくれてよかった」
爽やかな笑顔で謝罪して、握手のために強引に右手を取ろうとしたところを、後ろに控えていたシュラが前に出てそれを阻んだ。
「シュラ、控えなさい。騎士ピルケス、礼は不要です、私は私のすべきことをしたまでだ。もしあなたに反省すべきことがあるのでしたら、それはあなた自身が行うことです、私に謝罪も報告も要りません」
穏やかな口調を心がけてそう伝えれば、彼は端整な顔に一瞬気まずそうな表情を浮かべたが、すぐに爽やかな笑顔を浮かべた。
「承知した、感謝する。あれから、我が第一騎士団も心を入れ替えて訓練に励んできた、あの時のような無様はもう晒さないと誓おう。今日の合同訓練、お互いに全力を尽くそう」
「はい、よろしくお願いいたします」
お手柔らかにと頼みたいのを堪え、あくまで余裕を持って返事をする私に、彼は少し躊躇ってから一歩近づき声を潜めて忠告をくれた。
曰く、第一騎士団はまだしも第二騎士団の中には、私に対してよい感情を持っていない人間が数名居るので、訓練では気をつけるようにと。
軽く手を上げて、自身の所属の待機場所へ戻っていく彼の背を見送る。
「大丈夫ですか?」
険しい表情になってしまった私に、シュラが心配そうに声を掛けてきた。大丈夫か否かで言えば……大丈夫ではないだろうな。
それにしても、どの程度の範囲で私の女装が知られているのだろう……。知られていないとすれば、舞踏会で豊穣の巫女のエスコートをぽっと出の私がしたと聞けば、いい感情がないだろう。
「なんとかなるだろう。そう心配するな」
緊張しているのか顔色の冴えない彼の頬を撫でる。もしかすると私の顔色のほうが悪いかも知れないが、虚勢を張って笑みを浮かべる。
「バルザクト様――」
彼がなにか言いかけた時、時刻の到来を知らせる声があがり、騎士は前に従騎士は後方に下がり整列する。
私は第五騎士団の最後尾に付き、正面を向いて直立した。
各騎士団の精鋭たち――いうまでもなく屈強な体格の男たちが並ぶなか、一際小柄で細い私が浮いているのを苦々しく思いながらも、表情には出さぬように引き締める。
「これより、全騎士団合同訓練を行う! 訓練をはじめるにあたり、スザーレント王太子殿下よりお言葉をいただく」
第一騎士団長であるジェンド団長の言葉に続き、騎士服に身を包んだ王太子殿下が労いのお言葉をくださる。
王太子殿下は騎士団の総団長であるので、今回の観覧は理解できるのだが、うしろに王妃殿下と王太子妃殿下がいらっしゃるのがわからないなと思いながら、王太子殿下のお言葉が終わり視線をお二人のほうへ向けると、気のせいだろうか、お二人がこちらを見ている気がする。
確かに豊穣の巫女のエスコートをしたときに、第五騎士団所属であることをお伝え申し上げたが、だからといって気にされる程の接点はないと思うのだが……。
我々は力の限り訓練をするだけだが、無様を晒したくはないな。
気を取り直して周囲の団員をこっそりと周囲を見回せば、この訓練で実力を示すことができれば、もっと上の団へあがることができる可能性に高揚しているようだ。
前方に並び立つ騎士団長及び実力者達の顔ぶれに、本当になぜ私がここにいるのかわからなくなる。
せめて魔獣相手ならば、それなりについていけるとは思うのだが。
そんなことを考えていると、轟音と共に警鐘が鳴り響いた。
重い気配に、動物たちが息を潜め、森のところどころで恐ろしげな咆吼があがっているのに、静けさもあるのだ。
ギルドは森の奥への進入を禁じ、国は一般人の安全確保のために、原因がわかるまでの間、森のそばを抜ける街道は護衛付き以外を認めないこととした。
薄気味悪さを感じながらこっそりと森に入り込み、なんとか見つけた魔獣から身体が変化しないギリギリまで魔力を吸収して帰路についた。
奇しくも、シュラの言う『迷宮暴走』が近いことを、肌で感じた。
昨夜補給した魔力のお陰でいつもより充実した肉体は、誤差の範囲程度に膨らんだ胸元だが、これが騎士としてギリギリの線だろう。
「バルザクト様、手袋はこちらをお使いください」
シュラが取り出した革の手袋は明らかにいま私が使っているものよりもいいもので、これまでの経験からいくとこれも国宝級のものではないかと思ったが、断る前に右手から手袋を剥がされ、そして素早く新しいものを嵌められた。
「魔力の通りがよく、防御力も上がります。きっとバルザクト様を助けてくれますから」
私が拒否しないでいると左手も取られ、今度はゆっくりと手袋を脱がされた。
「ありがたく借りよう」
「プレゼントです、返品は受け付けません」
感謝を口にした私に、彼は新しい手袋を嵌めるとその手を取って手のひらに口付けた。
それが求愛だと知っているのだろうか? いや、彼の世界の常識では、違う意味なのかも知れない……だけど、この胸の高鳴りを押さえる術がわからない。
私の内心を誤魔化すように、手袋をした手を動かせば、はじめて付けるのに恐ろしい程しっくりと馴染んだ。緩みもキツさもなく、感嘆の息を飲み込む。
「あともう一つ、髪留めがあるので、こちらのソファにかけていただいてもよろしいですか」
請われてソファに座ると、彼の手が私の髪を結わえていた紐を外し、持っていた櫛でゆっくりと髪を梳いてくれる。
心地よさに目を閉じて、彼の手に身を任せた。
「よ……っと、あれ? ええと……うまく……難……っ」
髪をまとめる段階になって、髪を引かれたり、何度もやり直したりする彼に思わず笑ってしまう。
「大丈夫だ、私がやろう」
彼の手から櫛と紐を受け取り、いつも通りにきっちりとまとめると、頭がすこしすっきりして体がすこし軽くなった気がする。
髪を弄ってもらったことで、気分転換になったのは確かだが、それだけではないのだろうな。
「どうだ? 結べたか?」
「はいっ、いつも通りかっこいいです」
手探りで結んだが、大丈夫だったようだ。
櫛をシュラに返し、手早く防具を身につけ、腰に剣を提げる。全装備を付けると身が引き締まる。
「では行こうか」
微笑んで彼を振り向けば、彼は力強く頷きドアを開けた。
◇◆◇
ボルテス団長とヒリングス副団長を先頭に、詰め所から騎乗して王宮へと向かう。
団長も珍しく今日はしっかりと装備を身に纏っている。いつもは簡易的な防具しか身につけていないので、なかなかに勇ましく凜々しいお姿だ。
道行く人々が興味津々で見送るなかを王宮へと入れば、既に数団集まっていた。早めに出てきたのだが、一番乗りではなかったようだ。
団長達が集まる中、我々団員は指示された場所で待機する。
ボルテス団長もそうだが、辺りの緊張感がいつもとは違う。
「久しいな、騎士アーバイツ」
親しげに声を掛けてきたのは、第一騎士団所属ピルケス・オルドーだった。豊穣の巫女の控え室に粗野なご令嬢を連れて来た御仁で、シュラから彼も攻略対象者だと聞いた。確かに若くして栄誉ある第一騎士団に所属しており、王の信頼もあつい伯爵家の三男であり、線が細くはあるが容姿が整っている為に、貴族の子女からの人気が高いという噂はきく。
「お久しぶりです」
どの面を下げてと思う気持ちを抑えて向き直った私に、彼は静かに頭をさげた。
「――あの時は、申し訳ないことをした。あなたが、職務に忠実でいてくれてよかった」
爽やかな笑顔で謝罪して、握手のために強引に右手を取ろうとしたところを、後ろに控えていたシュラが前に出てそれを阻んだ。
「シュラ、控えなさい。騎士ピルケス、礼は不要です、私は私のすべきことをしたまでだ。もしあなたに反省すべきことがあるのでしたら、それはあなた自身が行うことです、私に謝罪も報告も要りません」
穏やかな口調を心がけてそう伝えれば、彼は端整な顔に一瞬気まずそうな表情を浮かべたが、すぐに爽やかな笑顔を浮かべた。
「承知した、感謝する。あれから、我が第一騎士団も心を入れ替えて訓練に励んできた、あの時のような無様はもう晒さないと誓おう。今日の合同訓練、お互いに全力を尽くそう」
「はい、よろしくお願いいたします」
お手柔らかにと頼みたいのを堪え、あくまで余裕を持って返事をする私に、彼は少し躊躇ってから一歩近づき声を潜めて忠告をくれた。
曰く、第一騎士団はまだしも第二騎士団の中には、私に対してよい感情を持っていない人間が数名居るので、訓練では気をつけるようにと。
軽く手を上げて、自身の所属の待機場所へ戻っていく彼の背を見送る。
「大丈夫ですか?」
険しい表情になってしまった私に、シュラが心配そうに声を掛けてきた。大丈夫か否かで言えば……大丈夫ではないだろうな。
それにしても、どの程度の範囲で私の女装が知られているのだろう……。知られていないとすれば、舞踏会で豊穣の巫女のエスコートをぽっと出の私がしたと聞けば、いい感情がないだろう。
「なんとかなるだろう。そう心配するな」
緊張しているのか顔色の冴えない彼の頬を撫でる。もしかすると私の顔色のほうが悪いかも知れないが、虚勢を張って笑みを浮かべる。
「バルザクト様――」
彼がなにか言いかけた時、時刻の到来を知らせる声があがり、騎士は前に従騎士は後方に下がり整列する。
私は第五騎士団の最後尾に付き、正面を向いて直立した。
各騎士団の精鋭たち――いうまでもなく屈強な体格の男たちが並ぶなか、一際小柄で細い私が浮いているのを苦々しく思いながらも、表情には出さぬように引き締める。
「これより、全騎士団合同訓練を行う! 訓練をはじめるにあたり、スザーレント王太子殿下よりお言葉をいただく」
第一騎士団長であるジェンド団長の言葉に続き、騎士服に身を包んだ王太子殿下が労いのお言葉をくださる。
王太子殿下は騎士団の総団長であるので、今回の観覧は理解できるのだが、うしろに王妃殿下と王太子妃殿下がいらっしゃるのがわからないなと思いながら、王太子殿下のお言葉が終わり視線をお二人のほうへ向けると、気のせいだろうか、お二人がこちらを見ている気がする。
確かに豊穣の巫女のエスコートをしたときに、第五騎士団所属であることをお伝え申し上げたが、だからといって気にされる程の接点はないと思うのだが……。
我々は力の限り訓練をするだけだが、無様を晒したくはないな。
気を取り直して周囲の団員をこっそりと周囲を見回せば、この訓練で実力を示すことができれば、もっと上の団へあがることができる可能性に高揚しているようだ。
前方に並び立つ騎士団長及び実力者達の顔ぶれに、本当になぜ私がここにいるのかわからなくなる。
せめて魔獣相手ならば、それなりについていけるとは思うのだが。
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