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第五章
□豊穣の巫女の護衛8
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その後、程なく意識を取り戻した巫女エルティナが、パレードを続けると決断してくださったので、我々の隊列は予定時刻をすこし押したものの、無事王城にたどり着くことができた。
少々駆け足だったのが、民には申し訳なかった。
「巫女エルティナ、ご決断を感謝いたします」
「もしやめてしまっては、きっと、心ない方々を喜ばせてしまったでしょう。わたくしはもう、逃げたくないのです」
そう言って私を正面から見つめた彼女は、力強く微笑んだ。
「あなたに出会うことができて、本当に幸運でした。あなたは、わたくしの、輝ける太陽です」
「私が、太陽、ですか?」
彼女の言葉に戸惑う私に笑顔で頷くと、嫋やかなその両手で私の手を取ってしっかりと握った。
「女性であるのに、騎士の道をすすむあなたが、わたくしに勇気をくださいました。わたくしはもう、黙って負けるのはやめます」
彼女の強さに目眩がする。私は、仕方なしに騎士になっただけで、そのまま流されているだけなのに、あと一年と経たずに父が決めるであろう相手と諾々と結婚をするだけの……流されるだけの人生を送っている私を、そんな目で見ないでほしい。
私の手を離して毅然と顔を上げて進む彼女の背が眩しくて、真っ直ぐに見ることができなかった。
隣を歩くジェンド団長が私の肩を叩いて、気にするなというように苦笑を向ける。
彼からみれば、私は男で、だから巫女を騙していることを気にしているのだと思ったのだろう。嘘から出たまことか……。
息苦しさが胸を埋めるが、今更引き返すことはできない。最後までやり切るのみだ。
顔を上げ、私も前を向こう。
せめて最後の時まで、この偽りを隠し通す。それが、私の誠意だ。
◇◆◇
巫女エルティナは国王陛下の前で帰城の挨拶をして、一連の神事は終了した。
これ以降は、巫女への慰労を込めた晩餐会があり、夜半には舞踏会がひらかれる。
晩餐会での席次は、巫女の両サイドに妃殿下と王太子妃殿下が配されて、男性からの守りを厚くしてある。陛下並びに両妃殿下は席順にご快諾くださったそうで、我が国の王族の懐の深さに、尊敬の念が増すというものだ。
清楚なドレスに着替えた巫女エルティナを、感慨深く見守る。純白の豊穣の巫女の服も似合っていたが、こうしたドレス姿というのも華やかで美しい。
「アーバイツ様も晩餐をご一緒できたら、心強かったのですけれど」
「宮廷の料理はいただいたことがないので、あとで感想を教えてくださいね。では、後ほど舞踏会でお会いいたしましょう」
悪戯を共有するように視線を交わし、少し苦手意識が薄れた神官長と共に、晩餐会に向かう彼女を見送る。
そして、私は別室に用意されている騎士の正装を身につけた。勿論男物だ、彼女には男装するのだと伝えてある。
男性恐怖症は多少なりとも改善しているようだが、さすがに密着してしまうと緊張が増して、体が強張るということで、ジェンド団長のすすめでこんなことになった。まさかの女装からの男装……。あり得ないにも程があるのではないか。
第一騎士団とは騎士の最高峰だが、ガチガチにお堅いわけではないのだなと、改めて実感する。
「宮廷などという、魑魅魍魎の跋扈する場所で、お綺麗なままでなどいられるわけがないだろう」
わざわざ正装を持ってきてくださった、ジェンド団長はそう笑ってから、大きな手で頭を撫でてきた。
「お前は、そうだな、そのままでいればいい。眩しいくらいに真っ直ぐに、生きていてくれ」
「……私は、真っ直ぐでなどありませんよ」
苦いモノがこみ上げて顔を歪める私に、彼は笑って背を叩いて部屋を出ていった。
部屋の鍵をかけてさらに部屋の中を検め、他の人間の気配がないのを確かめてから胸の肉襦袢を外すと、安堵のため息が漏れた。町中で遭遇した魔獣から魔力吸収をしたせいで、胸がわずかに育ち、息苦しかったのだ。
化粧を落としてから黒い巫女の衣装を脱ぎ、厚手のしっかりとした下着を着込んで、堅苦しい騎士の正装を身につける。
豊穣の巫女を守護した騎士は、その誉れとして舞踏会での巫女のエスコート役を務めることになっている。
最初はエスコートなしでエルティナ様だけ出席する予定だったのだが、ジェンド団長が昼間の襲撃事件を受けて、私を『男装』させてエスコートさせると彼女に提案してしまった。
そして、彼女もそれを嬉々として受け入れた。
色々どうかしていると思うのは、私だけだったらしい。男装して騎士団に所属している分際で言えたギリではないのだが……胃が痛い。
部屋に置いてあった水を飲み、胃のあたりを擦る。
ああ、髪もどうにかしなくてはいけないか。
縛っていた髪を解き、鏡台にあった整髪剤を使って髪を後ろになでつけ、眉墨で女装時に細く整えた眉をすこし太くして凜々しくする。
見慣れた自分の姿に満足して、襟を整えた。
◇◆◇
「素敵ですわ、アーバイツ様」
ドレスを着替えたエルティナ様を迎えに行くと、きらきらしい瞳で胸の前で祈るように両手を組んだ彼女に熱心に見つめられた。
「ありがとうございます、エルティナ様もとてもお綺麗です。先程の藍色のドレスも素敵でしたが、こちらの淡いグリーンのドレスもとても似合っていらっしゃいますね。あなたをエスコートできて、私はとても幸せです」
右手を胸に当てて跪き、差し出された彼女の指先に口付けを落とす。
はにかんだ微笑みを浮かべる彼女が、とても愛らしい。
立ち上がって肘を差し出せば、するりと彼女の手が添えられる。身長差も丁度いい具合で、私は彼女の歩幅に合わせてエスコートした。
さて、本来第一騎士団のエリートがするべき豊穣の巫女のエスコートを、問題児の掃きだめである第五騎士団に所属する木っ端貴族の私がするというのは前代未聞であり、どれ程の好奇の視線に晒されるのかと思えば、ああ、胃が痛む。
一年と経たずに退団する予定だからその間おとなしくしていればやり過ごせるだろう、そう自分に言い聞かせる。不安な顔は絶対にできない、エルティナ様を不安にさせてはパートナー失格だ。いくら王宮を警備する第一、第二騎士団の団員からの視線が厳しくても、顔に出すことをしてはいけない。
指定された場所は、王族が入場する豪奢な扉の前だった。見知ったジェンド団長がすこし離れた位置で第二騎士団の団長と話をしているのを見つけ、すこしだけ緊張が解れる。
国王陛下ご夫妻と王太子殿下ご夫妻の直前に入る予定となっているが、まだ王族の方々はいらしていない。
「そういえば、晩餐会はいかがでしたか?」
周囲の様子から、陛下たちの到着はまだだろうと、エルティナ様の緊張を解すべく話題を振る。
「はっ、はい。とても素敵な料理で……」
言葉が尻すぼみになり、躊躇ったあとに自嘲気味な笑みを私に向けた。
「実は、緊張してしまって、あまり味はしなかったんです。でもお料理は、とても美しくて、それに皆様とても優しく話しかけてくださって。とても楽しいひとときを過ごさせていただきました」
本音を話してくださった彼女を微笑んで見下ろす。
「それはよかった」
廊下のざわめきに顔を巡らせて、陛下たちがいらしたことを知り、壁際に寄り胸に手をあて視線を下げて臣下の礼を取る。エルティナ様も、膝を落とし視線を下げた。
「許す、二人とも面をあげよ」
陛下の声に、緊張しながらゆっくりと顔をあげる。
自分が仕える主なので勿論お姿は知っているが、これほど近くでとなると、騎士に任命された時以来だ。
二言三言エルティナ様に声を掛けた陛下が、不意にこちらを見て、感心するように私の天辺からつま先までを眺めた。
「第五騎士団だったか?」
「はい、バルザクト・アーバイツと申します」
本当は名を覚えていてもらいたくないのだが、名乗らねばならぬ雰囲気に、姿勢を正して静かに答える。
陛下もそうだが、王妃殿下の好奇心に満ちた視線もつらい。
「なるほど、なるほど。この度はご苦労である。あとひと仕事頑張ってくれ」
そう言って私の肩を叩くと、私の返事を待たずに扉の前に進んでゆく。王妃殿下のキラキラとした視線がわからない、王太子殿下のなんとも言えない視線も、王太子妃殿下の王妃殿下に劣らぬキラキラした目もわからない。
戸惑っていると、ジェンド団長から指示されて、扉の前に誘導された。
「なに、入場こそ緊張するだろうが、一曲踊れば誰も気にしなくなるさ、そうなれば巫女と共に退場して構わんよ。さぁ、準備はいいな? 扉を開けるぞ」
ジェンド団長の言葉に頷いて、エルティナ様と視線を交わしてから前を見る。
今日の主役はエルティナ様、私はそれを支える騎士となるのだ。
少々駆け足だったのが、民には申し訳なかった。
「巫女エルティナ、ご決断を感謝いたします」
「もしやめてしまっては、きっと、心ない方々を喜ばせてしまったでしょう。わたくしはもう、逃げたくないのです」
そう言って私を正面から見つめた彼女は、力強く微笑んだ。
「あなたに出会うことができて、本当に幸運でした。あなたは、わたくしの、輝ける太陽です」
「私が、太陽、ですか?」
彼女の言葉に戸惑う私に笑顔で頷くと、嫋やかなその両手で私の手を取ってしっかりと握った。
「女性であるのに、騎士の道をすすむあなたが、わたくしに勇気をくださいました。わたくしはもう、黙って負けるのはやめます」
彼女の強さに目眩がする。私は、仕方なしに騎士になっただけで、そのまま流されているだけなのに、あと一年と経たずに父が決めるであろう相手と諾々と結婚をするだけの……流されるだけの人生を送っている私を、そんな目で見ないでほしい。
私の手を離して毅然と顔を上げて進む彼女の背が眩しくて、真っ直ぐに見ることができなかった。
隣を歩くジェンド団長が私の肩を叩いて、気にするなというように苦笑を向ける。
彼からみれば、私は男で、だから巫女を騙していることを気にしているのだと思ったのだろう。嘘から出たまことか……。
息苦しさが胸を埋めるが、今更引き返すことはできない。最後までやり切るのみだ。
顔を上げ、私も前を向こう。
せめて最後の時まで、この偽りを隠し通す。それが、私の誠意だ。
◇◆◇
巫女エルティナは国王陛下の前で帰城の挨拶をして、一連の神事は終了した。
これ以降は、巫女への慰労を込めた晩餐会があり、夜半には舞踏会がひらかれる。
晩餐会での席次は、巫女の両サイドに妃殿下と王太子妃殿下が配されて、男性からの守りを厚くしてある。陛下並びに両妃殿下は席順にご快諾くださったそうで、我が国の王族の懐の深さに、尊敬の念が増すというものだ。
清楚なドレスに着替えた巫女エルティナを、感慨深く見守る。純白の豊穣の巫女の服も似合っていたが、こうしたドレス姿というのも華やかで美しい。
「アーバイツ様も晩餐をご一緒できたら、心強かったのですけれど」
「宮廷の料理はいただいたことがないので、あとで感想を教えてくださいね。では、後ほど舞踏会でお会いいたしましょう」
悪戯を共有するように視線を交わし、少し苦手意識が薄れた神官長と共に、晩餐会に向かう彼女を見送る。
そして、私は別室に用意されている騎士の正装を身につけた。勿論男物だ、彼女には男装するのだと伝えてある。
男性恐怖症は多少なりとも改善しているようだが、さすがに密着してしまうと緊張が増して、体が強張るということで、ジェンド団長のすすめでこんなことになった。まさかの女装からの男装……。あり得ないにも程があるのではないか。
第一騎士団とは騎士の最高峰だが、ガチガチにお堅いわけではないのだなと、改めて実感する。
「宮廷などという、魑魅魍魎の跋扈する場所で、お綺麗なままでなどいられるわけがないだろう」
わざわざ正装を持ってきてくださった、ジェンド団長はそう笑ってから、大きな手で頭を撫でてきた。
「お前は、そうだな、そのままでいればいい。眩しいくらいに真っ直ぐに、生きていてくれ」
「……私は、真っ直ぐでなどありませんよ」
苦いモノがこみ上げて顔を歪める私に、彼は笑って背を叩いて部屋を出ていった。
部屋の鍵をかけてさらに部屋の中を検め、他の人間の気配がないのを確かめてから胸の肉襦袢を外すと、安堵のため息が漏れた。町中で遭遇した魔獣から魔力吸収をしたせいで、胸がわずかに育ち、息苦しかったのだ。
化粧を落としてから黒い巫女の衣装を脱ぎ、厚手のしっかりとした下着を着込んで、堅苦しい騎士の正装を身につける。
豊穣の巫女を守護した騎士は、その誉れとして舞踏会での巫女のエスコート役を務めることになっている。
最初はエスコートなしでエルティナ様だけ出席する予定だったのだが、ジェンド団長が昼間の襲撃事件を受けて、私を『男装』させてエスコートさせると彼女に提案してしまった。
そして、彼女もそれを嬉々として受け入れた。
色々どうかしていると思うのは、私だけだったらしい。男装して騎士団に所属している分際で言えたギリではないのだが……胃が痛い。
部屋に置いてあった水を飲み、胃のあたりを擦る。
ああ、髪もどうにかしなくてはいけないか。
縛っていた髪を解き、鏡台にあった整髪剤を使って髪を後ろになでつけ、眉墨で女装時に細く整えた眉をすこし太くして凜々しくする。
見慣れた自分の姿に満足して、襟を整えた。
◇◆◇
「素敵ですわ、アーバイツ様」
ドレスを着替えたエルティナ様を迎えに行くと、きらきらしい瞳で胸の前で祈るように両手を組んだ彼女に熱心に見つめられた。
「ありがとうございます、エルティナ様もとてもお綺麗です。先程の藍色のドレスも素敵でしたが、こちらの淡いグリーンのドレスもとても似合っていらっしゃいますね。あなたをエスコートできて、私はとても幸せです」
右手を胸に当てて跪き、差し出された彼女の指先に口付けを落とす。
はにかんだ微笑みを浮かべる彼女が、とても愛らしい。
立ち上がって肘を差し出せば、するりと彼女の手が添えられる。身長差も丁度いい具合で、私は彼女の歩幅に合わせてエスコートした。
さて、本来第一騎士団のエリートがするべき豊穣の巫女のエスコートを、問題児の掃きだめである第五騎士団に所属する木っ端貴族の私がするというのは前代未聞であり、どれ程の好奇の視線に晒されるのかと思えば、ああ、胃が痛む。
一年と経たずに退団する予定だからその間おとなしくしていればやり過ごせるだろう、そう自分に言い聞かせる。不安な顔は絶対にできない、エルティナ様を不安にさせてはパートナー失格だ。いくら王宮を警備する第一、第二騎士団の団員からの視線が厳しくても、顔に出すことをしてはいけない。
指定された場所は、王族が入場する豪奢な扉の前だった。見知ったジェンド団長がすこし離れた位置で第二騎士団の団長と話をしているのを見つけ、すこしだけ緊張が解れる。
国王陛下ご夫妻と王太子殿下ご夫妻の直前に入る予定となっているが、まだ王族の方々はいらしていない。
「そういえば、晩餐会はいかがでしたか?」
周囲の様子から、陛下たちの到着はまだだろうと、エルティナ様の緊張を解すべく話題を振る。
「はっ、はい。とても素敵な料理で……」
言葉が尻すぼみになり、躊躇ったあとに自嘲気味な笑みを私に向けた。
「実は、緊張してしまって、あまり味はしなかったんです。でもお料理は、とても美しくて、それに皆様とても優しく話しかけてくださって。とても楽しいひとときを過ごさせていただきました」
本音を話してくださった彼女を微笑んで見下ろす。
「それはよかった」
廊下のざわめきに顔を巡らせて、陛下たちがいらしたことを知り、壁際に寄り胸に手をあて視線を下げて臣下の礼を取る。エルティナ様も、膝を落とし視線を下げた。
「許す、二人とも面をあげよ」
陛下の声に、緊張しながらゆっくりと顔をあげる。
自分が仕える主なので勿論お姿は知っているが、これほど近くでとなると、騎士に任命された時以来だ。
二言三言エルティナ様に声を掛けた陛下が、不意にこちらを見て、感心するように私の天辺からつま先までを眺めた。
「第五騎士団だったか?」
「はい、バルザクト・アーバイツと申します」
本当は名を覚えていてもらいたくないのだが、名乗らねばならぬ雰囲気に、姿勢を正して静かに答える。
陛下もそうだが、王妃殿下の好奇心に満ちた視線もつらい。
「なるほど、なるほど。この度はご苦労である。あとひと仕事頑張ってくれ」
そう言って私の肩を叩くと、私の返事を待たずに扉の前に進んでゆく。王妃殿下のキラキラとした視線がわからない、王太子殿下のなんとも言えない視線も、王太子妃殿下の王妃殿下に劣らぬキラキラした目もわからない。
戸惑っていると、ジェンド団長から指示されて、扉の前に誘導された。
「なに、入場こそ緊張するだろうが、一曲踊れば誰も気にしなくなるさ、そうなれば巫女と共に退場して構わんよ。さぁ、準備はいいな? 扉を開けるぞ」
ジェンド団長の言葉に頷いて、エルティナ様と視線を交わしてから前を見る。
今日の主役はエルティナ様、私はそれを支える騎士となるのだ。
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