34 / 86
第三章
■五月山修羅は第一騎士団長と出会う
しおりを挟む
□修羅サイド□
童貞野郎の第一騎士団長をどうにかする!
自分のことは棚に上げてそんなことを考えつつ、修羅は第一騎士団長と接触すべく動いていた。
大体、なぜモブ顔なのに攻略対象者に入るのだと、制作者に問いたい。第一騎士団の若手のホープであるあいつならわからなくはない。だが、いい年をしているし嫌味はないが取り立てて顔がいいわけでもないのに……微妙に人気があったのが、いまだに納得できない修羅だった。
そんな思いを抱えていたから、初手からミスしてしまったのかも知れない。
「騎士バルザクトの従騎士だな? それにしては、随分と品の無いことをする」
誰が温和だと言ったのだろう。
修羅の首筋に添えられた鋭利なナイフが、薄皮一枚に触れる。それだけで皮膚は切れ、赤い血が刃を濡らす。
「それで? この私を尾行した理由を教えてもらおうか。彼が命じたわけではあるまい」
建物の影に引きずり込まれ、喉元にナイフを当てられてやっと、自分がジェンドに捕まったことを知った修羅は、ナイフよりも鋭利な声音に自分がやってはいけないことをやってしまったことに気がついた。
恐ろしさに鳥肌が立ち、蛇に睨まれた蛙のように動けなくなる。
「言え。なにが目的だ」
後ろから襟首を絞められる、言えという割りに声を出すのを許さぬやりようは中々に非道い。
あまりの実力が違い、その恐ろしさに震える。このままでは、バルザクトまで累が及ぶかも知れないと思い至り、無理矢理呼吸を整え、瞬間的に付与魔法を行使してなんとか不意を突きジェンドの腕から逃れ――土下座した。
「大変っ、申し訳ございませんでしたっ」
「…………ほぉ。私の拘束を振り切るか、面白い。よかろう、話は聞いてやる」
愉快そうな声音に背を押され、額を地面につけたまま修羅は口を開く。
「包み隠さず申し上げますっ。自分は、バルザクト様のことが心配でっ、どうにかあなたに繋ぎを取り、バルザクト様のお仕事のお手伝いをさせていただきたく、お願いしたいと思い、後を付けておりましたっ」
「バルザクトから、仕事について聞いているのか?」
「内容は教えていただいてませんっ、しかし、外での仕事があるので他の騎士につくようにと言われたので、気になってバルザクト様の後を付けさせていただきましたっ、あとは独自に調べましたっ」
苦しい言い訳だったかも知れないが、とにかくこれで突き通そうと腹を決めた修羅が言い切った途端、その下げていた頭を踏みつけられた。
「わかりやすい嘘をつくな、クズが」
地を這うような声と共に殺気がジェンドからあふれ、四肢を地につけたままの修羅は体を硬直させる。額がゴリゴリと地面に押しつけられるが、逃げることができない。
どうしてこんなことに、という焦燥のような疑問が浮き上がる。第一騎士団長がこんな凶悪な性格だとはゲームにはなかった。これは、ゲームとの差分なのか、それともゲーム内で描ききれなかった部分なのか。
「これが最後だ、包み隠さず申せ」
それが最後通牒なのだと本能で理解する。この世界に来て、死が近いところにあるせいだろうか、修羅の本能は間違いなく鋭さを増していた。
「それが本当の事であると、どうやって証明する」
異世界から来たことや、この世界がゲームに酷似していることなど、一切合切を吐き出した修羅は、ステータス画面をジェンドに見せることで、証明して見せた。
「ほぉ、これは面白い。これが貴様の世界の文字か、なにが書かれているのだ」
「はい。ここに、自分の情報が記載されています。体力や魔力の残量だとかは数字で、使える魔法や持ち物など、色々と」
「体力や魔力の残量が数値でわかるのか、それは便利なことだな。わかった、お前の言葉を信じよう、それで、私を尾行していた理由はなんだ」
長身のジェンドに、ゲーム内でも第一騎士団長に請われて、ヒロインが仮面舞踏会に出るイベントがあることを伝えた。
「人身売買紛いのことが行われていて、女性は媚薬を飲まされて、買われていくという流れで……万が一、バルザクト様にもしものことがあったらと。自分ならば、助けることができるので、どうしてもその会場に潜入したかったんです」
現実にどこの屋敷で舞踏会が開催されているのかわからないのがネックだった。
「ほぉ? 従騎士のお前が、潜入とな。あそこは中々に、警備が厳重だぞ」
自分だけが使える、身を隠す特殊な道具があることを伝え、同行することを土下座で頼む。
「足手まといを連れていく訳にはいかん」
「足手まといになるかどうかは、実際に試してから決めてください」
そこではじめて顔を上げて不適に笑った修羅に、ジェンドは手を差し伸べ引き起こした。
「騎士バルザクトもそうだが、貴様も面白い」
かくして修羅は、ジェンドとの手合わせでボコボコになったものの、バルザクトに内緒で同行する権利をもぎ取った。
「へぇ、面白いことになってんじゃねぇか、シュラよぉ」
付与魔法を多用し、魔法に剣にとにかく手段を選ばず戦っても勝てなかったジェンドとの手合わせのことを聞いた第十騎士団長のカロルは、「そんだけ遊べば、今日の訓練はいらねぇだろう」と笑い、修羅を誘って町へと繰り出した。
カロルとの好感度が上がると発生する酒場イベントだと思い出したのは、大ジョッキよりも大きなジョッキに並々と注がれた酒がテーブルに届いてからだった。
「そうか……あれは小柄な女子が持ったからデカかったんじゃなくて、ガチででかいジョッキだったのか」
片手で持つには難のあるサイズに顔を引き攣らせる。
「よぉーし、じゃぁ、シュラの前途を祝して!」
「乾杯っ」
ジョッキを合わせて、一気にあおる。
正直、ジェンドとの手合わせですっかり体が興奮し、喉が渇いていたから酒がうまい。
そして必要なのは、この最初の一杯の飲みっぷりだ。これでさらにカロルの好感度があがる。上がらなくても飲むけどね、と、内心で呟きながら二杯目の酒をオーダーする。
「いい飲みっぷりじゃねぇか」
「久し振りなので、うまいです」
二杯目はじっくりと味わいながら飲もうと、ゆっくりとジョッキを傾ける。
「へぇ、どのくらいぶりなんだ?」
「ざっと――」
言いかけたところで自分のへまを悟り、そろりとカロルを見れば、カロルはおかしそうに目を細めていた。
「実戦でもそうだが、お前、脇が甘いよなぁ」
「面目次第もありません……」
しょんぼりする修羅の頭を小突き、頑丈なテーブルに肘をついたカロルはジョッキを傾けながら、けけけと笑う。修羅の秘密を気にした様子もなく酒を飲みつまみをつつく彼に、ホッと息をついて自分もつまみをつつく。
そして、どこをどうしたのか、バルザクトの話になっていた。
「バルザクト様は素晴らしいんですよー、とても努力家だし、とっても綺麗だし、華奢だし、優しいし、大好きなんですよぉぉっ」
「だけど男だろう、好きな女はいねぇのか? ほら、あそこのねぇちゃんとか」
カロルの視線を受けて給仕の女性がウィンクを飛ばしてくるのを、修羅はスンとした顔でスルーする。
「バルザクト様のほうが綺麗です」
「根本的に、性別が駄目だろう。もし本気で惚れたんなら、ウチじゃ無理だな。隣の隣の国なら、男同士でも結婚できるらしいが」
カロルの言葉に、眠たげに半分閉じていた修羅の目が瞬く。
「え? あ、いや、惚れたって、そうじゃなくて……」
「おまえなぁ、女と比べてる時点で、結構きてんじゃねぇのか? よくある話だがよ、お前、バルザクトが女を作ったらどうするよ? あの華奢な体で、ぼんきゅっぼんを抱くんだぞ? まぁ騎士やってるくらいだから、並の男より筋力はあるんだろうが」
カロルに言われ、酒でぼやけた脳裏に裸のぼんきゅっぼんを抱き寄せるバルザクトを思い描いた修羅は、途端にテーブルに突っ伏した。
「お……俺の、バルザクト様が……穢される……っ」
「ぶっ! はっはっはっは! もう手遅れじゃねぇか。おい、歩けるうちに帰れよ」
送り届けるなんて面倒だと酒場を放り出された修羅は、悶々とバルザクトのことを考えながら、ふらつく足取りで寮へと歩き出した。
童貞野郎の第一騎士団長をどうにかする!
自分のことは棚に上げてそんなことを考えつつ、修羅は第一騎士団長と接触すべく動いていた。
大体、なぜモブ顔なのに攻略対象者に入るのだと、制作者に問いたい。第一騎士団の若手のホープであるあいつならわからなくはない。だが、いい年をしているし嫌味はないが取り立てて顔がいいわけでもないのに……微妙に人気があったのが、いまだに納得できない修羅だった。
そんな思いを抱えていたから、初手からミスしてしまったのかも知れない。
「騎士バルザクトの従騎士だな? それにしては、随分と品の無いことをする」
誰が温和だと言ったのだろう。
修羅の首筋に添えられた鋭利なナイフが、薄皮一枚に触れる。それだけで皮膚は切れ、赤い血が刃を濡らす。
「それで? この私を尾行した理由を教えてもらおうか。彼が命じたわけではあるまい」
建物の影に引きずり込まれ、喉元にナイフを当てられてやっと、自分がジェンドに捕まったことを知った修羅は、ナイフよりも鋭利な声音に自分がやってはいけないことをやってしまったことに気がついた。
恐ろしさに鳥肌が立ち、蛇に睨まれた蛙のように動けなくなる。
「言え。なにが目的だ」
後ろから襟首を絞められる、言えという割りに声を出すのを許さぬやりようは中々に非道い。
あまりの実力が違い、その恐ろしさに震える。このままでは、バルザクトまで累が及ぶかも知れないと思い至り、無理矢理呼吸を整え、瞬間的に付与魔法を行使してなんとか不意を突きジェンドの腕から逃れ――土下座した。
「大変っ、申し訳ございませんでしたっ」
「…………ほぉ。私の拘束を振り切るか、面白い。よかろう、話は聞いてやる」
愉快そうな声音に背を押され、額を地面につけたまま修羅は口を開く。
「包み隠さず申し上げますっ。自分は、バルザクト様のことが心配でっ、どうにかあなたに繋ぎを取り、バルザクト様のお仕事のお手伝いをさせていただきたく、お願いしたいと思い、後を付けておりましたっ」
「バルザクトから、仕事について聞いているのか?」
「内容は教えていただいてませんっ、しかし、外での仕事があるので他の騎士につくようにと言われたので、気になってバルザクト様の後を付けさせていただきましたっ、あとは独自に調べましたっ」
苦しい言い訳だったかも知れないが、とにかくこれで突き通そうと腹を決めた修羅が言い切った途端、その下げていた頭を踏みつけられた。
「わかりやすい嘘をつくな、クズが」
地を這うような声と共に殺気がジェンドからあふれ、四肢を地につけたままの修羅は体を硬直させる。額がゴリゴリと地面に押しつけられるが、逃げることができない。
どうしてこんなことに、という焦燥のような疑問が浮き上がる。第一騎士団長がこんな凶悪な性格だとはゲームにはなかった。これは、ゲームとの差分なのか、それともゲーム内で描ききれなかった部分なのか。
「これが最後だ、包み隠さず申せ」
それが最後通牒なのだと本能で理解する。この世界に来て、死が近いところにあるせいだろうか、修羅の本能は間違いなく鋭さを増していた。
「それが本当の事であると、どうやって証明する」
異世界から来たことや、この世界がゲームに酷似していることなど、一切合切を吐き出した修羅は、ステータス画面をジェンドに見せることで、証明して見せた。
「ほぉ、これは面白い。これが貴様の世界の文字か、なにが書かれているのだ」
「はい。ここに、自分の情報が記載されています。体力や魔力の残量だとかは数字で、使える魔法や持ち物など、色々と」
「体力や魔力の残量が数値でわかるのか、それは便利なことだな。わかった、お前の言葉を信じよう、それで、私を尾行していた理由はなんだ」
長身のジェンドに、ゲーム内でも第一騎士団長に請われて、ヒロインが仮面舞踏会に出るイベントがあることを伝えた。
「人身売買紛いのことが行われていて、女性は媚薬を飲まされて、買われていくという流れで……万が一、バルザクト様にもしものことがあったらと。自分ならば、助けることができるので、どうしてもその会場に潜入したかったんです」
現実にどこの屋敷で舞踏会が開催されているのかわからないのがネックだった。
「ほぉ? 従騎士のお前が、潜入とな。あそこは中々に、警備が厳重だぞ」
自分だけが使える、身を隠す特殊な道具があることを伝え、同行することを土下座で頼む。
「足手まといを連れていく訳にはいかん」
「足手まといになるかどうかは、実際に試してから決めてください」
そこではじめて顔を上げて不適に笑った修羅に、ジェンドは手を差し伸べ引き起こした。
「騎士バルザクトもそうだが、貴様も面白い」
かくして修羅は、ジェンドとの手合わせでボコボコになったものの、バルザクトに内緒で同行する権利をもぎ取った。
「へぇ、面白いことになってんじゃねぇか、シュラよぉ」
付与魔法を多用し、魔法に剣にとにかく手段を選ばず戦っても勝てなかったジェンドとの手合わせのことを聞いた第十騎士団長のカロルは、「そんだけ遊べば、今日の訓練はいらねぇだろう」と笑い、修羅を誘って町へと繰り出した。
カロルとの好感度が上がると発生する酒場イベントだと思い出したのは、大ジョッキよりも大きなジョッキに並々と注がれた酒がテーブルに届いてからだった。
「そうか……あれは小柄な女子が持ったからデカかったんじゃなくて、ガチででかいジョッキだったのか」
片手で持つには難のあるサイズに顔を引き攣らせる。
「よぉーし、じゃぁ、シュラの前途を祝して!」
「乾杯っ」
ジョッキを合わせて、一気にあおる。
正直、ジェンドとの手合わせですっかり体が興奮し、喉が渇いていたから酒がうまい。
そして必要なのは、この最初の一杯の飲みっぷりだ。これでさらにカロルの好感度があがる。上がらなくても飲むけどね、と、内心で呟きながら二杯目の酒をオーダーする。
「いい飲みっぷりじゃねぇか」
「久し振りなので、うまいです」
二杯目はじっくりと味わいながら飲もうと、ゆっくりとジョッキを傾ける。
「へぇ、どのくらいぶりなんだ?」
「ざっと――」
言いかけたところで自分のへまを悟り、そろりとカロルを見れば、カロルはおかしそうに目を細めていた。
「実戦でもそうだが、お前、脇が甘いよなぁ」
「面目次第もありません……」
しょんぼりする修羅の頭を小突き、頑丈なテーブルに肘をついたカロルはジョッキを傾けながら、けけけと笑う。修羅の秘密を気にした様子もなく酒を飲みつまみをつつく彼に、ホッと息をついて自分もつまみをつつく。
そして、どこをどうしたのか、バルザクトの話になっていた。
「バルザクト様は素晴らしいんですよー、とても努力家だし、とっても綺麗だし、華奢だし、優しいし、大好きなんですよぉぉっ」
「だけど男だろう、好きな女はいねぇのか? ほら、あそこのねぇちゃんとか」
カロルの視線を受けて給仕の女性がウィンクを飛ばしてくるのを、修羅はスンとした顔でスルーする。
「バルザクト様のほうが綺麗です」
「根本的に、性別が駄目だろう。もし本気で惚れたんなら、ウチじゃ無理だな。隣の隣の国なら、男同士でも結婚できるらしいが」
カロルの言葉に、眠たげに半分閉じていた修羅の目が瞬く。
「え? あ、いや、惚れたって、そうじゃなくて……」
「おまえなぁ、女と比べてる時点で、結構きてんじゃねぇのか? よくある話だがよ、お前、バルザクトが女を作ったらどうするよ? あの華奢な体で、ぼんきゅっぼんを抱くんだぞ? まぁ騎士やってるくらいだから、並の男より筋力はあるんだろうが」
カロルに言われ、酒でぼやけた脳裏に裸のぼんきゅっぼんを抱き寄せるバルザクトを思い描いた修羅は、途端にテーブルに突っ伏した。
「お……俺の、バルザクト様が……穢される……っ」
「ぶっ! はっはっはっは! もう手遅れじゃねぇか。おい、歩けるうちに帰れよ」
送り届けるなんて面倒だと酒場を放り出された修羅は、悶々とバルザクトのことを考えながら、ふらつく足取りで寮へと歩き出した。
2
お気に入りに追加
259
あなたにおすすめの小説
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。

おばさんは、ひっそり暮らしたい
波間柏
恋愛
30歳村山直子は、いわゆる勝手に落ちてきた異世界人だった。
たまに物が落ちてくるが人は珍しいものの、牢屋行きにもならず基礎知識を教えてもらい居場所が分かるように、また定期的に国に報告する以外は自由と言われた。
さて、生きるには働かなければならない。
「仕方がない、ご飯屋にするか」
栄養士にはなったものの向いてないと思いながら働いていた私は、また生活のために今日もご飯を作る。
「地味にそこそこ人が入ればいいのに困るなぁ」
意欲が低い直子は、今日もまたテンション低く呟いた。
騎士サイド追加しました。2023/05/23

絶対に間違えないから
mahiro
恋愛
あれは事故だった。
けれど、その場には彼女と仲の悪かった私がおり、日頃の行いの悪さのせいで彼女を階段から突き落とした犯人は私だと誰もが思ったーーー私の初恋であった貴方さえも。
だから、貴方は彼女を失うことになった私を許さず、私を死へ追いやった………はずだった。
何故か私はあのときの記憶を持ったまま6歳の頃の私に戻ってきたのだ。
どうして戻ってこれたのか分からないが、このチャンスを逃すわけにはいかない。
私はもう彼らとは出会わず、日頃の行いの悪さを見直し、平穏な生活を目指す!そう決めたはずなのに...……。

白い結婚は無理でした(涙)
詩森さよ(さよ吉)
恋愛
わたくし、フィリシアは没落しかけの伯爵家の娘でございます。
明らかに邪な結婚話しかない中で、公爵令息の愛人から契約結婚の話を持ち掛けられました。
白い結婚が認められるまでの3年間、お世話になるのでよい妻であろうと頑張ります。
小説家になろう様、カクヨム様にも掲載しております。
現在、筆者は時間的かつ体力的にコメントなどの返信ができないため受け付けない設定にしています。
どうぞよろしくお願いいたします。

婚約者に毒を飲まされた私から【毒を分解しました】と聞こえてきました。え?
こん
恋愛
成人パーティーに参加した私は言われのない罪で婚約者に問い詰められ、遂には毒殺をしようとしたと疑われる。
「あくまでシラを切るつもりだな。だが、これもお前がこれを飲めばわかる話だ。これを飲め!」
そう言って婚約者は毒の入ったグラスを渡す。渡された私は躊躇なくグラスを一気に煽る。味は普通だ。しかし、飲んでから30秒経ったあたりで苦しくなり初め、もう無理かも知れないと思った時だった。
【毒を検知しました】
「え?」
私から感情のない声がし、しまいには毒を分解してしまった。私が驚いている所に友達の魔法使いが駆けつける。
※なろう様で掲載した作品を少し変えたものです
とまどいの花嫁は、夫から逃げられない
椎名さえら
恋愛
エラは、親が決めた婚約者からずっと冷淡に扱われ
初夜、夫は愛人の家へと行った。
戦争が起こり、夫は戦地へと赴いた。
「無事に戻ってきたら、お前とは離婚する」
と言い置いて。
やっと戦争が終わった後、エラのもとへ戻ってきた夫に
彼女は強い違和感を感じる。
夫はすっかり改心し、エラとは離婚しないと言い張り
突然彼女を溺愛し始めたからだ
______________________
✴︎舞台のイメージはイギリス近代(ゆるゆる設定)
✴︎誤字脱字は優しくスルーしていただけると幸いです
✴︎なろうさんにも投稿しています
私の勝手なBGMは、懐かしすぎるけど鬼束ちひろ『月光』←名曲すぎ

【完結済】隣国でひっそりと子育てしている私のことを、執着心むき出しの初恋が追いかけてきます
鳴宮野々花@書籍2冊発売中
恋愛
一夜の過ちだなんて思いたくない。私にとって彼とのあの夜は、人生で唯一の、最良の思い出なのだから。彼のおかげで、この子に会えた────
私、この子と生きていきますっ!!
シアーズ男爵家の末娘ティナレインは、男爵が隣国出身のメイドに手をつけてできた娘だった。ティナレインは隣国の一部の者が持つ魔力(治癒術)を微力ながら持っており、そのため男爵夫人に一層疎まれ、男爵家後継ぎの兄と、世渡り上手で気の強い姉の下で、影薄く過ごしていた。
幼いティナレインは、優しい侯爵家の子息セシルと親しくなっていくが、息子がティナレインに入れ込みすぎていることを嫌う侯爵夫人は、シアーズ男爵夫人に苦言を呈す。侯爵夫人の機嫌を損ねることが怖い義母から強く叱られ、ティナレインはセシルとの接触を禁止されてしまう。
時を経て、貴族学園で再会する二人。忘れられなかったティナへの想いが燃え上がるセシルは猛アタックするが、ティナは自分の想いを封じ込めるように、セシルを避ける。
やがてティナレインは、とある商会の成金経営者と婚約させられることとなり、学園を中退。想い合いながらも会うことすら叶わなくなった二人だが、ある夜偶然の再会を果たす。
それから数ヶ月。結婚を目前に控えたティナレインは、隣国へと逃げる決意をした。自分のお腹に宿っていることに気付いた、大切な我が子を守るために。
けれど、名を偽り可愛い我が子の子育てをしながら懸命に生きていたティナレインと、彼女を諦めきれないセシルは、ある日運命的な再会を果たし────
生まれ育った屋敷で冷遇され続けた挙げ句、最低な成金ジジイと結婚させられそうになったヒロインが、我が子を守るために全てを捨てて新しい人生を切り拓いていこうと奮闘する物語です。
※いつもの完全オリジナルファンタジー世界の物語です。全てがファンタジーです。
※この作品は小説家になろう、カクヨムにも投稿しています。

結婚30年、契約満了したので離婚しませんか?
おもちのかたまり
恋愛
恋愛・小説 11位になりました!
皆様ありがとうございます。
「私、旦那様とお付き合いも甘いやり取りもしたことが無いから…ごめんなさい、ちょっと他人事なのかも。もちろん、貴方達の事は心から愛しているし、命より大事よ。」
眉根を下げて笑う母様に、一発じゃあ足りないなこれは。と確信した。幸い僕も姉さん達も祝福持ちだ。父様のような力極振りではないけれど、三対一なら勝ち目はある。
「じゃあ母様は、父様が嫌で離婚するわけではないんですか?」
ケーキを幸せそうに頬張っている母様は、僕の言葉にきょとん。と目を見開いて。…もしかすると、母様にとって父様は、関心を向ける程の相手ではないのかもしれない。嫌な予感に、今日一番の寒気がする。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇
20年前に攻略対象だった父親と、悪役令嬢の取り巻きだった母親の現在のお話。
ハッピーエンド・バットエンド・メリーバットエンド・女性軽視・女性蔑視
上記に当てはまりますので、苦手な方、ご不快に感じる方はお気を付けください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる