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第一章
■五月山修羅は悶絶する
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□修羅サイド□
そもそも魔法とは画面で選択し、あるいはショートカット操作で実行するものだった。だが、この世界ではそのような機能は存在しておらず、そうなれば魔法の行使方法が違うのも当然だった。
「魔力を操作し、それを魔法とする」
その感覚を魔法のない世界から来た修羅では、言葉だけで理解することができなかった。
だから、幼子にする初歩的な魔力操作の訓練方法をバルザクトが選んだのは道理であり、それしか修羅に教える方法はなかった……のではあるが。
問題は、性的に未熟な者に行うにはいいが、そうでない場合に行うと少々困ったことになるのをバルザクトが知らなかったことだ。
バルザクトの細い、しかし剣だこで固くなった手に手を取られ、そのひんやりとした感触にどぎまぎした修羅だったが、握られた左手から注がれる熱い奔流が体を巡った瞬間――強制的な性的刺激に一気に股間を滾らせた。
駆け抜ける痛みに似た欲求は、速やかに右手から抜けていったが、痛いほどに高ぶった体は残されたままだった。
もう一度と、魔力を通そうとするバルザクトが静止の声で止まってくれたのは、せめてもの幸いだった。もう一度魔力が通されていれば、間違いなく暴発していた。間違いなく、だ。
バルザクトの手を借りて前屈みで公衆トイレの個室に這々の体で入り、痛いほどに屹立する己を取り出して、見栄も外聞も無く擦りあげる。
程なく……三擦り半の素早さで処理を終え、バクバクと鳴る心臓が治まってからトイレを出た。
勿論『浄化』の魔法で、下履きの湿りと栗の花めいた臭いを消して。
そもそも魔法とは画面で選択し、あるいはショートカット操作で実行するものだった。だが、この世界ではそのような機能は存在しておらず、そうなれば魔法の行使方法が違うのも当然だった。
「魔力を操作し、それを魔法とする」
その感覚を魔法のない世界から来た修羅では、言葉だけで理解することができなかった。
だから、幼子にする初歩的な魔力操作の訓練方法をバルザクトが選んだのは道理であり、それしか修羅に教える方法はなかった……のではあるが。
問題は、性的に未熟な者に行うにはいいが、そうでない場合に行うと少々困ったことになるのをバルザクトが知らなかったことだ。
バルザクトの細い、しかし剣だこで固くなった手に手を取られ、そのひんやりとした感触にどぎまぎした修羅だったが、握られた左手から注がれる熱い奔流が体を巡った瞬間――強制的な性的刺激に一気に股間を滾らせた。
駆け抜ける痛みに似た欲求は、速やかに右手から抜けていったが、痛いほどに高ぶった体は残されたままだった。
もう一度と、魔力を通そうとするバルザクトが静止の声で止まってくれたのは、せめてもの幸いだった。もう一度魔力が通されていれば、間違いなく暴発していた。間違いなく、だ。
バルザクトの手を借りて前屈みで公衆トイレの個室に這々の体で入り、痛いほどに屹立する己を取り出して、見栄も外聞も無く擦りあげる。
程なく……三擦り半の素早さで処理を終え、バクバクと鳴る心臓が治まってからトイレを出た。
勿論『浄化』の魔法で、下履きの湿りと栗の花めいた臭いを消して。
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