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第155話 新しい馬車で旅立ち

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「え?熊が合体したのか!?」
「パッキーの代わりに右についてますよ!」
「やっぱりあの宝石獣も合体出来るのか!!」

あらかた火事を消し終えたコハク達が向かうと右手が変形したバックべアードが合体したホウキュウオーがそこに居た。
 
「お前合体できたのか!?」

「グガァァァ!」

勘違いすんな。あの鉄屑を追い払う為だ。借りはこれでチャラだ。

「何にしても有り難いですぞ熊殿!」
「涼。これなら行けるんじゃないか?」
「ああ、ルビティラ!」
「よっしゃーティラーー!」

ホウキュウオーの身体が真っ赤に輝きだしオレンジ色の炎のディティールが刻まれるとホウキュウオーの背中に追加されたブースターから炎が吹き出し飛び上がる。

「ホウキュウオーS+べアードナックル!」

「それがどうした?そんな寄せ集めの宝石巨人ではっ!僕の芸術には勝てないっ!!」

機械仕掛けの帝王とホウキュウオーはぶつかり合う。

互いのパンチがぶつかり合うと機械仕掛けの帝王の右の拳にヒビが入る。

「何!?」

さっきまで勝って当たり前みたいな発言をしていた時也だが自分の巨人がヒビが入るとは思わず声を上げた。

「そんな、馬鹿な!!これは完成形なんだぞ!!勝って当たり前なんだぞ!!」

機械仕掛けの帝王は剣を構えてると消えながらホウキュウオーに接近し至近距離から剣を叩き込むが。
べアードナックルがそれを受け止め、拳になっている熊の顎でバリンといい音を立てながら剣はバラバラに破壊された。

「う、嘘だ!!アレは剛銀なんだぞ!?折れる訳が!?」

「強い!あの鉄屑を赤子同然にいなすとは!!」
「凄いパワーだぜ!バックべアード!」
「流石初代勇者の宝石獣だな~」

コックピットの三人も驚いている。

「貴様らぁ!僕の芸術を壊してただで済むと思うなっ!」

時也は声を上げる。
機械仕掛けの帝王は巨大なエネルギーの球をフルパワーで作り出す。

「上等だ!」

ホウキュウオーの右手から長い剣が飛び出た。
バックべアードの口から大太刀が飛び出たのだ。

「死ねぇぇーーーーーー!」

機械仕掛けの帝王は巨大なエネルギー球を森全体に叩き込む。

「やらせるかぁーーー!」

ホウキュウオーはエネルギー球に真っ向から飛び込むと右のべアードブレードでエネルギー球を一刀両断した。
切り裂かれたエネルギー球は空中で大爆発した。

「そ、そんな…」

「皇時也!覚悟はできてんな?」

ホウキュウオーの右手のバックべアードが緑色に輝きだし振り上げた拳から巨大な熊のエネルギーが作り出された。

「ひっ!!」

「「「ホウキュウオーS!爆砕熊隕石(バクサイクマメテオ)!」」」

そしてその巨大な熊の拳を機械仕掛けの帝王に叩きつける。

機械仕掛けの帝王は地面に叩きつけられどんどん潰れていく。

「何故だ!!何故僕の芸術が!!あんな石ころなんかにぃーーーーーー!」

機械仕掛けの帝王は皇時也を乗せたまま跡形もない方ペシャンコに叩き潰すと機械仕掛けの帝王は大爆発した。

「ち、また出直しですわ」

アイカは時也の最後を確認すると闇の中へ消えた。


「涼!」

アリシア達が戦いを終えた涼達を出迎えた?

「やったなお主達!」
「何とかな…」
「ありがとうございます。森も救われましたわ」
「でも、焼けちまって…」
「大丈夫。私達トレイニー族がいる限り森は生命を育みつづけますわ!」

それを聞いて安心する涼達。

バックべアードが木彫りの熊の姿で涼達の元へ歩いてくる。

「バックべアード」
「グガァァァ!」

バックべアードは口から緑色の光を吐くと涼の黒ずんだ両手に吹きかける。
すると涼の両手がみるみる治癒されていき黒ずんだ両手が遂に復活したのだ。

「治った!」
「バックべアード!」

「グガァァァ!」

別に気まぐれだ…

「バックべアードありがとう。」

バックべアードは森の奥へ進んで行く。

「バックべアード!私達この世界を救いたいの。その為には因果石が必要なんです!手掛かりを探す為に貴方のかけらを貸してくれませんか?」

「グガァァァ」

因果石だと?あんな紛い物を探すとはな…愚かな…

「お願いします!貴方の石のかけらを貸して下さい!」

「グガァァァ!」

かけらなんざ、さっきの戦闘でその辺に沢山ある。欲しけりゃ持って行きな…そして出て行け。

バックべアードはそれだけ言うと巨木と再び一体化した。

涼達は先程の戦闘のあった場所に戻ると緑色の宝石のかけらが確かに落ちていた。

「それがバックべアードの宝石のかけらです。そのかけらが光る先に仲間の稀少宝石獣が近くにいるはずです!」

「因果石を見つけるには全ての稀少宝石獣のかけらを集めその全ての光道の先に因果石はある!」

蝦蟇爺はそう言うとかけらをひとつまみ拾うとアリシアに渡した。

「これが因果石の手がかりなのね!」
「やりましたな姫様!」
「一歩前進だな!」
「涼さんの手も治ってよかったです」
「ですが、またその汚染された石を使えば貴方の手は二度と戻せません。覚えておいて下さい。」

トレイニーはそう言う。

「あ、ああ。」
「さて、次は姫様の剣ですね!」
「そうね。早く宝救聖剣を直さないと行けないもんね!」
「なあ、ドワーフとゴブリンが職人してるって街は何処か知らないか?」
「ああ、カングの街ですね。それならこの森からひたすら南へ向かえば着きますよ。」

トレイニーは教えてくれた。

「ですが、ドワーフはともかくゴブリンは頭はいいですが、色々聞きますから気をつけて下さいね」
「こっからどれくらいだ?」
「馬車なら半日、歩きなら丸一日かかります」
「やっぱ遠いか…」
「前みたいに馬車があればすぐなんですが~」

ルーガルが何気なくそう言う。

「馬車ですか?」
「はい、前は馬車であっちこっち旅をしてましたから」
「でしたら、こちらをお使い下さい!」

トレイニーはそう言うと折れてしまった木々を使い魔法で新たな馬車を作りあげた。

「おお~」
「凄い」
「前と同じ荷馬車かよ」
「まあ、いいじゃないか」
「これでまた一緒に旅が出来るわね。ルビティラちゃん」
「わーいティラ!」

て、居たのかよ!?ルビティラ。

「お前、帰ってなかったのかよ!?」
「帰っても暇だからティラよ。」

さいですか。

「じゃあ、ありがたく頂くよ。涼!」
「あれだな。」

涼は人口宝石を取り出し剣にはめ込む。

「リフォーム宝石!」

剣から光が差し新しい馬車に当たると荷台の中に扉が現れた。
中に入ると以前より広い空間が広がっていた。
まだ何も無いが扉があればガネットにある船と繋がる事が出来るからベル達とやりとりが出来そうだ。

「前より広いな~」
「いいじゃないですか~」
「向かってる間にガネットでお買い物して飾り付けしましょう!」
「はい!姫様!」
「盛り上がるのはいいが出発するぞ!」

入り口から涼が顔をだしそう言う。

ルビティラに手綱を付けると涼は馬車に乗り込んだ。

「出口はこの先です!」
「色々ありがとうなトレイニーさん!」
「皆さまの武運を祈ります!」
「心配すんな!必ず因果石を見つけてこの世界を救ってやる!またな!」

涼はそう言うとルビティラは馬車を引き走りだした。

トレイニーはその姿が見えなくなるまで見送った。
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