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第154話 機械仕掛けの帝王

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稀少宝石獣や初代勇者達が歴史から消えたのは、争いばかりで人間の進歩を感じなかったからか。
そればかりか、異世界の勇者が立て続けに未来から来たゲーム当たり前の連中ばかりだった事もあり余計に人間を信じられなくなったんだな。

「グガァァァ!」

わかったら消えろ。

「バックべアード!せめてこの方の手だけでも治して下さい。お願いします」

「グガァァァ!」

トレイニーよ。いくら貴様の頼みでも我は二度と人間には手はかさん…

バックべアードはそれだけ言うと木と再び同化した。

「バックべアード…」
「トレイニーさん…」

ドカン!

森の奥で爆発音が鳴る。

「な、何だ!?」
「爆発音かよ!?」
「森の奥じゃ!」
「一体誰が!?」
「考える間でもないみたいだな!」

信道の指の先に現れたのは、魔王軍の兵士達と人型の魔宝獣が3体にアイカだ。

「アイカ!」
「泥棒女!またテメェか!!」
「あら?国を滅ぼして高笑いしたテロリストじゃない!」
「それは貴様だろうが!」

ルーガルが声を上げた。

「一体何のようだい?」
「決まってますわ。初代勇者の宝石獣を頂きにきたのよ!」
「なんだと!?」
「知ってますわよ。因果石の手がかりがこの森にいる熊だそうですわね?」
「相変わらずの地獄耳ですね!」

全くだ。いつもいつも余計な事ばかりしやがって。

「大人しくその熊とやらの居場所を吐きなさい。じゃないと、この森は火事ですわよ!」
「な、何ですって!!」
「この野郎。またふざけた事を!!」
「放て!」

アイカの掛け声で火矢が放たれ周りの木々が燃える、

「な、テメェ!」
「言わない方が悪いんですわ~」
「待ったなしかよ!!」
「やめて下さい!森が生き物が死んでしまいますわ!!」
「トレイーさんよせ!」

トレイニーはアイカに縋り付き必至に頼み込むが。

「私に触れるんじゃないわよ!たかが植物風情が!」
「きゃ!」

アイカはトレイニーを蹴飛ばす。
トレイニーはアリシアの元へ転がる。

「女王に触るなどしょうしですわ!」

まだそんな事を言ってるのかこの女は!!

「トレイニー様!」
「大丈夫か?」
「ええ…それより森を…」

トレイニーは泣きながら必至に頼み込む。

「やめなさいアイカ!」

「初代勇者の剣が無い貴様が何が出来ますの?貴様はもはや王位継承は無いわ。目障りですわ。さっさと死になさいな!」

「貴様ら!」
「もう我慢ならん!!」
「悪いが俺も混ざるぞ!」
「でも涼!!」
「俺は簡単には死らないから心配すんな!蝦蟇爺。アリシア達を頼んだ!」
「任しておけ!」

蝦蟇爺はアリシア達とさっきの洞窟へ向かう。

「ふふふ。今の貴方なんて怖くもないわ!」
「ほざいてな!」

涼達は剣を構えると、勇者石を剣にはめ込み。信道はチェンジエッグに勇者石をはめ込みボタンを押す。

レッド!ザ!宝救武装!
ブラック!ザ!宝救武装!
ブルー!ザ!宝救武装!
グリーン!ザ!宝救武装!
ピンク!ザ!宝救武装!
へい!とりあえずゴールド一丁!

「「「「「宝救武装!」」」」」

「乾杯!」

6人の剣から光が吹き出すと身体に纏う。光の粒子はスーツと鎧とブーツとグローブを作り出す。最後にパートナーを模したヘルメットを装着し変身完了した。

「出ましたわね!」

「情熱のルビー!ホウキュウレッド!」
「激突のオニキス!ホウキュウブラック!」
「揺蕩うアクアマリン!ホウキュウブルー!」
「疾風のエメラルド!ホウキュウグリーン!」
「輝くピンクダイヤ!ホウキュウピンク!」
「一金提供!ホウキュウゴールド!見参!」

「「「「「「勇気の宝石身に纏い!」」」」」」

「宝石戦隊!」

「「「「「「ホウキュウジャー!」」」」」」

名乗を終えると6人の後ろから六色の花火があがる。

「勇者ですよね?」
「馬鹿地味てるがな…」
「私もやりたーい!」

アリシアは自分も戦いたい。

「本当毎回よくやりますわ」

「戦隊だからな!俺達は!」
「五月蝿いですわ!やっておしまい!」
「抜かせ!行くぜ!」

涼達は剣を構え敵兵へ向かって行く。

「コハク、リア、カイエン。お前達は火事を消すんだ!」

涼は三人に指示する。

「あいよ!」
「任せてくれ!」
「判りました!」

三人は火の回った森へ走る。

「ルーガル、のぶさん行くぜ!」
「ガッテン!」
「無理すんなよ涼!」

涼達は敵兵を剣で薙ぎ払う。

「オラオラ!」

涼は右に剣を左にティラノファングを構えると兵士の剣をファングで弾きながら噛みつき兵士をそのまま喰らう。
更に剣で周りにいた兵士達を斬り裂き薙ぎ払う。

「そらよ!」

信道は宝救丁をビームサーベルの様な光の刃を伸ばすと兵士をばっさばっさと斬り倒す。
敵兵達が信道の周りを取り囲み槍を構えて刺しにきたが、信道はしゃがみ交わすとそのまま右足で周りの兵士達を足払いし蹴散らすと転んだ兵士達に取り出した濁酒銃で一掃した。

「喰らうが良い!」

ルーガルは翼を広げ飛び上がり槍をぐるぐる回すと竜巻を作り出した。

「竜の竜巻(ドラゴツイスター)!」

ルーガルの放った竜巻が兵士達を纏めて蹴散らした。

兵士達を蹴散らしたルーガルは着地し槍を伸ばしアイカを狙らう。

「私を狙うんでしすの!?」
「喧嘩を売ったのは貴様だ!!」

しかし、槍は人型の魔獣が立ちふさがり弾き飛ばした。

「ち!邪魔が入ったか!?」
「ルーガル!」
「大丈夫か?」

涼達が駆けつける。

「女王を狙うとは何て蜥蜴ですの!」
「もう違うわ!!」
「今はいいからな」

人型の魔獣達が武器を構え三人に襲いかかる。

「きやがった!」

涼はティラノファングで黒い剣を弾き飛ばし斬りつけるが傷一つつかない。

「くそ!やっぱこの姿じゃ無理か…」

こんな時にソレイユに変身出来ないとはな…余計な事しやがってたく。

「だったらコイツで!」

涼は鞘型の強化アイテムのドンガン・バッチグーを取り出すが…

ズキ!

「いっつ!!」

両手に急に痛みが入り力が抜けてしまい離してしまった。
すると、すかさず魔獣はそれをバラバラに破壊してしまった。

「オイ!嘘だろ!」

魔獣は涼に黒い剣をふりかざす。
涼はファングで弾くが当てた瞬間ティラノファングが外れてしまい飛んでいってしまう。

「やばい!」

「あらよっ!涼殿!」

ルーガルが飛び上がり空中でキャッチし涼に投げつけるが涼は手に力が入らなくなりキャッチが出来なかった。

「涼殿!?」
「アイツまさか!?」

そう今になって両手がおかしくなったのだ。
力が入らず両手が震えてしまい力が入らない。

「やばい。手が痺れてきやがった。」
「今よ!あの殺人鬼を殺すのですわ!」

アイカはそう叫ぶと後ろからもう一体魔獣が現れ涼に斬りかかる。

「な!!」
「卑怯な!」

しかし、斬りかかった魔獣は突然生えた植物の茎に巻きつかれ動けなくなる。

「な、何ですの!?」

他の魔獣達も鶴に捕まり動けなくなる。

「グガァァァ!」

巨木から現れた木彫りの熊から現れたバックべアードが魔獣達をそのパワーで4体とも潰した。

「バックべアード!?」
「グガァァァ!」

バックべアードは雄叫びをあげた。

「獣の宝石獣!!始めてみましたわ!何て鮮やかな緑の宝石ですの~!皇時也、さっさと捕まえなさいな!」

「人使いが荒いな~全く」

空から空いた黒い穴から何か出てきた。

それは、巨大な甲冑みたいな見た目の巨大な機械仕掛けの巨人だった。

「な、何だありゃ!?」

「これが僕の切り札。機械仕掛けの魔獣の完成形。その名も機械仕掛けの帝王(デウスエクスエンペラー)だ!」

機械仕掛けの帝王を中で操作する皇時也。

「グガァァァ!」

バックべアードは雄叫びをあげながら機械仕掛けの帝王にベアハッグをお見舞いするが技を仕掛けたバックべアードの方がヒビが入ってしまう。

「無駄だ。石ころ風情が僕の帝王なな勝てるわけないだろ?」

機械仕掛けの帝王は巨大なエネルギーの球を作り出すとバックべアードに放った。その球は消えては現れを繰り返し目に追えない。

エネルギーの球がバックべアードに直撃する。

「グガァァァ!」

バックべアードは巨木に激突した。

「あははは!これでわかっただろ?お前ごとき脆い石粉風情が僕の芸術には勝てないっ!!」

機械仕掛けの帝王は巨大な剣を取り出すとバックべアードに近づく。

「さっさと片付けるとするか。因果石は欲しいからね!」

ドカン!

機械仕掛けの帝王は何かに蹴飛ばされた。

「うわ!な、何だ?」

そこに居たのはホウキュウオーだった。

「これ以上はさせねぇ!!」
「ちっ!寄せ集めの石ころ巨人が!」

機械仕掛けの帝王は飛び上がり自らも消えては現れを繰り返しホウキュウオーに近づく。
ホウキュウオーはトリケラキャノンを放ったが機械仕掛けの帝王には当たらず見えなくなり機械仕掛けの帝王は背後に突然現れホウキュウオーを斬りつけた。

「うわ!」
「こいつ消えたティラ!!」

「当たり前だ。空間を移動してるんだ。ウスノロの恐竜とは違うんだよ!!」

機械仕掛けの帝王は再び巨大なエネルギーの球を作り出す。
しかもさっきより強力なパワーだ。

「あの野郎!この森ごと吹っ飛ばす気か!!」
「涼。流石にアレはホウキュウオーじゃ無理だ」
「ソレイユになりましょう!」
「今の涼にソレイユは無理だティラ!負担がかかってしまうティラよ!!」
「馬鹿野郎!俺はいいからソレイユなれルビティラ!!」

涼はルビティラに喝を入れた。


「馬鹿はお前ティラよ!操縦するお前の手が焼けちまうティラよ!!」
「構うな!もう感覚はないからな。好きにやれ!」
「だが涼殿!!」
「この森には生きてる生き物も一杯いるんだ。それをみすみす奪わせるかよ!!」

涼はそう言うと操縦席の剣を 引き抜き構える。

機械仕掛けの帝王は巨大なエネルギーの球を投げ込んむ。
先程の様に奇妙な動きをし球を目で追えない涼達。

「くそ!」

「グガァァァ!」

バックべアードが雄叫びを上げながらホウキュウオーに向かってくる。

「バックべアード!?」
「お、おいこっちにきたぞ!?」
「わ、ぶ、ぶつかりますぞ!!」

バックべアードはホウキュウにぶつかった。

次の瞬間、機械仕掛けの帝王の放ったエネルギーの球は木っ端微塵に粉砕された。煙が辺りを覆い尽くす。

「な、何だと!?何が起きた!?」

煙が腫れるとホウキュウオーの右手がパッキーではなく、熊の頭が手になった巨大なナックルが装備されていた。
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