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第137話 潜入調査
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アンジェラ女王率いるレジスタンスと同盟を結んだ涼達。
涼達は一旦船に戻りコハクとベルに事の事情を話した。
「同盟ね~」
右肩を包帯で巻き腕を固定しているコハクはベッドの上でそう言った。
「コハク大丈夫なの?」
「ああ、実は貫通したって言っても治りが早くてね。何より最初から殺す気なんかなかった。みたいなくらい以外と傷は深くなかったんだよ」
「進化したコハクの回復力を見越してたみたいでありますよまるで…」
あんな大穴開けて傷がそれほど深くない!?
やっぱり手加減されていたんだ。これで信道の裏切りが事情あっての事だと推測が出来る。
「俺は痛かったがな…」
涼の場合はマジで大穴開けたからだ。
骨は何ともなかったが暫くは無理だぞこれ。
「治療術を使っても肉体の傷は治りが遅いでありますね」
「大体3日はかかる傷よね…」
「そうですね…て、パーシーさん!?」
「やっほ~!」
「ウッス!」
いつのまにか船に乗り込んでいたパーシーと肩に座ってるポップ。
「お前達いつのまに!?」
「いいじゃない仲間なんだし」
「仲間って…」
「私達は初代勇者のメンバーの末裔よ。」
子孫ってだけだろうが…まあいいか。
「で、どうしたんだ?作戦決行はまだ決まってないんだろ?」
「ええ、だからスパイに行くわよ!」
「スパイ?」
「斑鳩帝国へスパイに行くのよ!」
はい!?この女何を言ってんだよ!?
「斑鳩にってお前馬鹿か!?顔が割れてる俺達が行ったらそく蜂の巣だぞ!」
「それに斑鳩は要塞帝国といわれるんでありますよ!簡単には入れないでありますよ!」
「私なら入れるわ!」
「どんな自身だい?君みたいな一般人がどうこう出来るわけ!?」
「私は初代勇者の末裔にして世間を騒がせる怪盗 パ・ルームよ。潜入ならおまかせよ!」
パーシーはそう言うと服を脱ぎ捨てると仮面を被り黒いふわふわスカートに赤いスカーフを巻いた女怪盗に変身した。
「怪盗パ・ルーム??知ってるか?」
「いや全然」
「失礼ねアンタ達!私のご先祖様は大怪盗で世界を救った初代勇者なのよ!!」
「そうなのか?2人共?」
涼は顔見知りのカイエンとルーガルに聞いた。
「さあな?自称だから信憑性はない」
「我輩はそう思いますが…」
まあ、お前はな…頭は良くないしな見た目は変わろうが。
「とにかく、私なら斑鳩に乗り込めるわ!でも情報収集は顔が割れてない人に頼むわ!」
「顔が割れてないって…俺達全員顔がバレてるんだぜ」
「俺も海斗や信道に知られてるし」
「確かにポップは無理だけど動物なら平気でしょ~」
パーシーはリアをじっと見る。
「私ですか!?」
「ちょ、待った!ロリコンまがみが居座る城にリアを送るのかまさか!?いくら栗鼠に変身できてもそれは無茶すぎるだろ!」
「彼女の動物化以外城には入り込めない。それに顔が割れてても唯一バレてないのは彼女だけよ」
確かに敵側にはリアの動物化の栗鼠は見られてないから潜入は容易いと思うが。危険すぎる。
「だがな!」
「アンタ達だってお姫様が心配なんでしょ!?それに囚われてる人達の安否も知らないし何より敵の情報がないと動きようがないのよ!このままお姫様が傷物にされていいの?」
そ、それは…
「私やります!」
「リア!?」
「やめてくれ!危険過ぎる。」
「それに栗鼠の姿だって突然の事でままだ慣れてないんだぞ!」
「それでも姫様達の安否を知る事が第一です。大丈夫です。女の子は見た目以上に強いのは知ってるでしょ?」
「であります!リアなら大丈夫でありますよ。私がお助けアイテムをバッチリ持たせるでありますから、」
お前だから余計に心配なんだよ…まあ確かに敵の情報を知るには潜入が1番手っ取り早いし何よりネズミと同じくらい小さい栗鼠になれるリアしか城には潜り込めないしな。
「わかった…だけど必ず生きて帰るんだぞ!」
「泥棒。リアになんかあったら許さないからな!」
「泥棒じゃないわよ義賊よ!猫ちゃん!」
「僕は虎だ!」
今は言い争うなよ。
後日の深夜。
準備を整えたリアとパーシーは冷蔵庫の前に集まる。
「斑鳩は確か大陸の先の大帝国だろ?マーキングしてないから行けないだろ?」
「ご心配なく。私が近くの村にマーキングしたから!」
「いつのまに…私は怪盗よ。神出鬼没が褒め言葉!」
いや関係ないだろ多分。
パーシーが座標を設定し冷蔵庫を開けると冷蔵庫に転移ホールが出来上がりこれを通り抜けて向こう側に行くのだ。
「でわ言って来ますね!」
「気をつけてな!」
「飛べる奴がいないから気をつけてな!」
ゴルーケンもカブトもいないんじゃ後はルビティラだけ。
でも目立ち過ぎるから返って危険だ。
「必ず情報を持って帰りますから!」
「パーシー。リアを頼んだぞ!」
「この姿の時はパ・ルームよ!」
「いいから早く行け!」
「はいはい。行くわよリア!」
「はい!」
2人は冷蔵庫に飛び込んで行った。
リア達はパラケウス大陸の斑鳩帝国の側の廃墟になった村の物置の扉から出てくる2人。
「ここは…」
「斑鳩にやられた亜人の村よ…」
「そんは…ひどい…焼け野原じゃないですか!!」
村は無残な有様だった、焼けた地面に破壊された住居に死骸の動物達と魔界と変わらないじゃないか。
「見て、アレが斑鳩よ!」
パーシーの指刺す先にある、まるで巨大要塞みたいな城壁で覆われた巨大な城下町。
あれがパラケウス大陸全土を支配している超大国。
斑鳩帝国である。
その周りの湖に浮かぶ無数の島は監獄島と呼ばれる場所でそこに捕らえられた人々が奴隷として捕まり無理やり働かさせている。
「アレが斑鳩ですか!?」
「すっごくデカイでしょ。」
「どうやって入るんですか?周りは湖に囲まれているし城門はあの橋を渡らないといけません。」
「裏手に回るわ。ついてきて」
パーシーに連れられたリアは斑鳩帝国の城壁の裏側に来た。
湖が間にある為入り込むは無理だが考えがある。
「リア。アンタ達確か便利な宝石あるわよね?」
「人口宝石ですか?」
「そうよ。あの城壁の上まで何とかわたれないかしら?」
「私は栗鼠ですよ。そう言うのはお任せです。」
リアは剣を取り出し人口宝石をはめ込み持ち手のグリップを引いた。
「ワイヤー宝石!」
リアは剣を地面に突き刺さすと持ち手からワイヤー伸びて城壁に先の鉤爪が引っかかる。
「あんな細いのは私は無理よ」
「大丈夫。磁石(マグネット)!」
リアはパーシーの体に触れるとパーシーの体から一瞬ビリっときた。
「さあ、行きますよ!」
リアは小さな栗鼠に動物化しワイヤーを登っていく。
パーシーも恐る恐るワイヤーに飛び乗り少しずつ綱渡りである。
「あっととと!アレ?」
パーシーはバランスわ崩したが自分が下になっても落ちてない。むしろ凄い磁力でくっついていて落ちない。
「リアの術凄いわね!」
「賢者様直伝ですから!」
流石賢者に習っただけの事はある。
勇者たる者武器なしでも大丈夫な様にしなきゃな。
城壁の上に着いた2人。リアは手をかざすと剣が手元に現れた。しかも爪楊枝サイズ。栗鼠のまま呼んだからだ。
リアは元に戻る。
「さあ、城まで行くわよ」
「はい!」
2人は城壁をつたっていき城の真裏まで来るとパーシーが取り出した銃を撃つと鉤付きのワイヤーが飛び出すとベランダの手すりに引っかかる。
「あるなら使えばよかったじゃないですか?」
「あれだけ高いと届かなくて。リア肩に乗って!」
「はい!」
リアは再び栗鼠に変身しパーシーに捕まる。
「行くわよ!」
パーシーは城壁から飛び城の壁に足を当て止まるとワイヤーを登っていき鉤爪を引っかけたベランダまで一気に登るとベランダに着地した。
「到着!」
リアは肩から飛び降りて元に戻る。
パーシーはヘアピンを外して鍵穴を弄るとガチャっと音がした。
ベランダが開くと2人は中に入る。
見たところ客間だ。やたらデカイ城だからいくつもあるのだ。
「よし!」
パーシーは服を脱ぐところ早着替えしメイド服になる。
「パーシーさんその姿は?」
「ここのメイド服よ。下調べしといたの!この格好なら怪しまれないわ。」
「成る程!で、どうしますか?」
「リアはあの通風孔から周りを調べて姫様を探して革命の事を伝えて。後斑鳩の情報を集めて」
「パーシーさんは?」
「私は城の中を偵察してみるわ!」
「わかりました!」
リアは栗鼠に変身するとカーテンを伝って通風孔に入り込んだ。
「ご武運を!」
「ちゅちゅ!」
また後で。
リアは通風孔の中へ入っていった。
パーシーも部屋を出ると偵察を始めた。
通風孔を進むリア。
まるでネズミみたいな気分である。
「しかし、姫様は何処でしょうか?」
栗鼠の姿のリアが腕を組んでいると。
バチンバチンとムチの音がする。
「あの音は?」
リアは音のする方へ行き通風孔から顔を出すと。
そこには口を塞がれ両手両足を紐で縛られた亜人の女性が金髪の小さな女の子に鞭で叩かれている。
「ホラ!私が悪いと言いなさい!」
「ん!ん!ん!」
「汚らわしい化け物が!お兄様と私の玩具になれるだけありがたいと思いなさいよ!」
そこにいたのは、斑鳩帝国の第2王女 シルフィーナ・斑鳩である。この王女は重度のブラコンであり兄同様大の亜人嫌いである。
「お兄様もあんなまな板を側室に選ぶなんて!最低よ!」
シルフィーナは再びムチで亜人の女性を叩く。
「次の玩具をお持ちなさい!」
「は!シルフィーナ姫様!」
執事らしき男がそう言うと新たな亜人の女性2人を連れてきた。殆ど裸同然の布一枚で口を塞がれ手を縛られている。
「さあ、壊してあげるわよ!怪物!!」
シルフィーナは連れてこられた亜人の女性達を再び弄び始めた。
リアはその光景を黙って見てるしかなく。辛いが見て見ぬ振りして通風孔の中へ戻る。
「斑鳩帝国はどこまで亜人達をあんな…いけない。自分の仕事しなきゃ!」
リアは再び通風孔を走る。
その頃パーシーは下の部屋を掃除道具片手に掃除するフリをしながら調べていた。
「リア大丈夫かしら?」
パーシーがつぶやきながら物色してる時だった。
「そこのメイド!」
「は、はい!」
「うん?今は深夜だぞ?ここで何をしているのだ?」
部屋に入ってきたのは角を生やしたナイスバディの熟女かな?
「えーと…眠れなくて掃除をしていました!!」
「眠れない?何だ貴様も抱かれたりなくて秘め事でもしていたのか?」
「な、な、な、な!!何を言ってるんですか!!」
「あはは!隠すな隠すな!どれ私が連れて行ってやろう。」
「ど、何処へですか?」
「何処って主人様の所だ。抱かれたりぬから身体が火照っておるのだろ?共に可愛がられに行くといい!」
「い、いや私は別に!!」
「照れるな照れるな!!」
パーシーは強引に何処へ連れていかれた。
通風孔を走り回るリアはやがてだいぶ下までやって来た。
やがてオイルみたいな臭いがした為そこへ向かう。
そこには魔宝獣と大量の見た事の無い兵器が量産されていた。しかも、足かせをつけた亜人の男や一般市民達が燃料の補給やパーツなどを作らされて組み立てなどもやらされている。
「これは酷い…あ!」
その中には見覚えがある人達もいた。
「信道さん!」
信道が1人の男性に肩を貸して一緒にあるいている?
「大丈夫か?」
「信道。私達の事はいいんだぞ!」
「そうもいくかよ」
「母さんや杏ちゃんもお前が勇者様達を裏切るなんて聞いたら泣くぞ!」
「親父。今はそれどころじゃ無い。」
信道はそう言うと立ち去る。
「信道!今のお前を見て親父は泣いているぞ!」
「仕方ないだろ…この状況じゃよ…」
信道はそう言うと通風孔の側で座る。
「いるんだろ?リア。」
「気づいていたんですか?」
栗鼠の姿のリアが信道に近寄る。
「まあな。」
「信道さん。やっぱり裏切って無かったんですね!」
「何しにきた?」
「情報を探りにです。」
「ここには何もない。見つかる前に消えろ」
「信道さん!」
「姫様なら…ジュリアンの部屋だ。そっから真上に行け」
信道はそう言うと足元の通風孔に指を刺す。
「信道さん…」
「涼に言っとけ。次は敵だってな…」
信道はそう言うとその場を去る。
リアは通風孔へ入ると言われた通り上へ向かう。
涼達は一旦船に戻りコハクとベルに事の事情を話した。
「同盟ね~」
右肩を包帯で巻き腕を固定しているコハクはベッドの上でそう言った。
「コハク大丈夫なの?」
「ああ、実は貫通したって言っても治りが早くてね。何より最初から殺す気なんかなかった。みたいなくらい以外と傷は深くなかったんだよ」
「進化したコハクの回復力を見越してたみたいでありますよまるで…」
あんな大穴開けて傷がそれほど深くない!?
やっぱり手加減されていたんだ。これで信道の裏切りが事情あっての事だと推測が出来る。
「俺は痛かったがな…」
涼の場合はマジで大穴開けたからだ。
骨は何ともなかったが暫くは無理だぞこれ。
「治療術を使っても肉体の傷は治りが遅いでありますね」
「大体3日はかかる傷よね…」
「そうですね…て、パーシーさん!?」
「やっほ~!」
「ウッス!」
いつのまにか船に乗り込んでいたパーシーと肩に座ってるポップ。
「お前達いつのまに!?」
「いいじゃない仲間なんだし」
「仲間って…」
「私達は初代勇者のメンバーの末裔よ。」
子孫ってだけだろうが…まあいいか。
「で、どうしたんだ?作戦決行はまだ決まってないんだろ?」
「ええ、だからスパイに行くわよ!」
「スパイ?」
「斑鳩帝国へスパイに行くのよ!」
はい!?この女何を言ってんだよ!?
「斑鳩にってお前馬鹿か!?顔が割れてる俺達が行ったらそく蜂の巣だぞ!」
「それに斑鳩は要塞帝国といわれるんでありますよ!簡単には入れないでありますよ!」
「私なら入れるわ!」
「どんな自身だい?君みたいな一般人がどうこう出来るわけ!?」
「私は初代勇者の末裔にして世間を騒がせる怪盗 パ・ルームよ。潜入ならおまかせよ!」
パーシーはそう言うと服を脱ぎ捨てると仮面を被り黒いふわふわスカートに赤いスカーフを巻いた女怪盗に変身した。
「怪盗パ・ルーム??知ってるか?」
「いや全然」
「失礼ねアンタ達!私のご先祖様は大怪盗で世界を救った初代勇者なのよ!!」
「そうなのか?2人共?」
涼は顔見知りのカイエンとルーガルに聞いた。
「さあな?自称だから信憑性はない」
「我輩はそう思いますが…」
まあ、お前はな…頭は良くないしな見た目は変わろうが。
「とにかく、私なら斑鳩に乗り込めるわ!でも情報収集は顔が割れてない人に頼むわ!」
「顔が割れてないって…俺達全員顔がバレてるんだぜ」
「俺も海斗や信道に知られてるし」
「確かにポップは無理だけど動物なら平気でしょ~」
パーシーはリアをじっと見る。
「私ですか!?」
「ちょ、待った!ロリコンまがみが居座る城にリアを送るのかまさか!?いくら栗鼠に変身できてもそれは無茶すぎるだろ!」
「彼女の動物化以外城には入り込めない。それに顔が割れてても唯一バレてないのは彼女だけよ」
確かに敵側にはリアの動物化の栗鼠は見られてないから潜入は容易いと思うが。危険すぎる。
「だがな!」
「アンタ達だってお姫様が心配なんでしょ!?それに囚われてる人達の安否も知らないし何より敵の情報がないと動きようがないのよ!このままお姫様が傷物にされていいの?」
そ、それは…
「私やります!」
「リア!?」
「やめてくれ!危険過ぎる。」
「それに栗鼠の姿だって突然の事でままだ慣れてないんだぞ!」
「それでも姫様達の安否を知る事が第一です。大丈夫です。女の子は見た目以上に強いのは知ってるでしょ?」
「であります!リアなら大丈夫でありますよ。私がお助けアイテムをバッチリ持たせるでありますから、」
お前だから余計に心配なんだよ…まあ確かに敵の情報を知るには潜入が1番手っ取り早いし何よりネズミと同じくらい小さい栗鼠になれるリアしか城には潜り込めないしな。
「わかった…だけど必ず生きて帰るんだぞ!」
「泥棒。リアになんかあったら許さないからな!」
「泥棒じゃないわよ義賊よ!猫ちゃん!」
「僕は虎だ!」
今は言い争うなよ。
後日の深夜。
準備を整えたリアとパーシーは冷蔵庫の前に集まる。
「斑鳩は確か大陸の先の大帝国だろ?マーキングしてないから行けないだろ?」
「ご心配なく。私が近くの村にマーキングしたから!」
「いつのまに…私は怪盗よ。神出鬼没が褒め言葉!」
いや関係ないだろ多分。
パーシーが座標を設定し冷蔵庫を開けると冷蔵庫に転移ホールが出来上がりこれを通り抜けて向こう側に行くのだ。
「でわ言って来ますね!」
「気をつけてな!」
「飛べる奴がいないから気をつけてな!」
ゴルーケンもカブトもいないんじゃ後はルビティラだけ。
でも目立ち過ぎるから返って危険だ。
「必ず情報を持って帰りますから!」
「パーシー。リアを頼んだぞ!」
「この姿の時はパ・ルームよ!」
「いいから早く行け!」
「はいはい。行くわよリア!」
「はい!」
2人は冷蔵庫に飛び込んで行った。
リア達はパラケウス大陸の斑鳩帝国の側の廃墟になった村の物置の扉から出てくる2人。
「ここは…」
「斑鳩にやられた亜人の村よ…」
「そんは…ひどい…焼け野原じゃないですか!!」
村は無残な有様だった、焼けた地面に破壊された住居に死骸の動物達と魔界と変わらないじゃないか。
「見て、アレが斑鳩よ!」
パーシーの指刺す先にある、まるで巨大要塞みたいな城壁で覆われた巨大な城下町。
あれがパラケウス大陸全土を支配している超大国。
斑鳩帝国である。
その周りの湖に浮かぶ無数の島は監獄島と呼ばれる場所でそこに捕らえられた人々が奴隷として捕まり無理やり働かさせている。
「アレが斑鳩ですか!?」
「すっごくデカイでしょ。」
「どうやって入るんですか?周りは湖に囲まれているし城門はあの橋を渡らないといけません。」
「裏手に回るわ。ついてきて」
パーシーに連れられたリアは斑鳩帝国の城壁の裏側に来た。
湖が間にある為入り込むは無理だが考えがある。
「リア。アンタ達確か便利な宝石あるわよね?」
「人口宝石ですか?」
「そうよ。あの城壁の上まで何とかわたれないかしら?」
「私は栗鼠ですよ。そう言うのはお任せです。」
リアは剣を取り出し人口宝石をはめ込み持ち手のグリップを引いた。
「ワイヤー宝石!」
リアは剣を地面に突き刺さすと持ち手からワイヤー伸びて城壁に先の鉤爪が引っかかる。
「あんな細いのは私は無理よ」
「大丈夫。磁石(マグネット)!」
リアはパーシーの体に触れるとパーシーの体から一瞬ビリっときた。
「さあ、行きますよ!」
リアは小さな栗鼠に動物化しワイヤーを登っていく。
パーシーも恐る恐るワイヤーに飛び乗り少しずつ綱渡りである。
「あっととと!アレ?」
パーシーはバランスわ崩したが自分が下になっても落ちてない。むしろ凄い磁力でくっついていて落ちない。
「リアの術凄いわね!」
「賢者様直伝ですから!」
流石賢者に習っただけの事はある。
勇者たる者武器なしでも大丈夫な様にしなきゃな。
城壁の上に着いた2人。リアは手をかざすと剣が手元に現れた。しかも爪楊枝サイズ。栗鼠のまま呼んだからだ。
リアは元に戻る。
「さあ、城まで行くわよ」
「はい!」
2人は城壁をつたっていき城の真裏まで来るとパーシーが取り出した銃を撃つと鉤付きのワイヤーが飛び出すとベランダの手すりに引っかかる。
「あるなら使えばよかったじゃないですか?」
「あれだけ高いと届かなくて。リア肩に乗って!」
「はい!」
リアは再び栗鼠に変身しパーシーに捕まる。
「行くわよ!」
パーシーは城壁から飛び城の壁に足を当て止まるとワイヤーを登っていき鉤爪を引っかけたベランダまで一気に登るとベランダに着地した。
「到着!」
リアは肩から飛び降りて元に戻る。
パーシーはヘアピンを外して鍵穴を弄るとガチャっと音がした。
ベランダが開くと2人は中に入る。
見たところ客間だ。やたらデカイ城だからいくつもあるのだ。
「よし!」
パーシーは服を脱ぐところ早着替えしメイド服になる。
「パーシーさんその姿は?」
「ここのメイド服よ。下調べしといたの!この格好なら怪しまれないわ。」
「成る程!で、どうしますか?」
「リアはあの通風孔から周りを調べて姫様を探して革命の事を伝えて。後斑鳩の情報を集めて」
「パーシーさんは?」
「私は城の中を偵察してみるわ!」
「わかりました!」
リアは栗鼠に変身するとカーテンを伝って通風孔に入り込んだ。
「ご武運を!」
「ちゅちゅ!」
また後で。
リアは通風孔の中へ入っていった。
パーシーも部屋を出ると偵察を始めた。
通風孔を進むリア。
まるでネズミみたいな気分である。
「しかし、姫様は何処でしょうか?」
栗鼠の姿のリアが腕を組んでいると。
バチンバチンとムチの音がする。
「あの音は?」
リアは音のする方へ行き通風孔から顔を出すと。
そこには口を塞がれ両手両足を紐で縛られた亜人の女性が金髪の小さな女の子に鞭で叩かれている。
「ホラ!私が悪いと言いなさい!」
「ん!ん!ん!」
「汚らわしい化け物が!お兄様と私の玩具になれるだけありがたいと思いなさいよ!」
そこにいたのは、斑鳩帝国の第2王女 シルフィーナ・斑鳩である。この王女は重度のブラコンであり兄同様大の亜人嫌いである。
「お兄様もあんなまな板を側室に選ぶなんて!最低よ!」
シルフィーナは再びムチで亜人の女性を叩く。
「次の玩具をお持ちなさい!」
「は!シルフィーナ姫様!」
執事らしき男がそう言うと新たな亜人の女性2人を連れてきた。殆ど裸同然の布一枚で口を塞がれ手を縛られている。
「さあ、壊してあげるわよ!怪物!!」
シルフィーナは連れてこられた亜人の女性達を再び弄び始めた。
リアはその光景を黙って見てるしかなく。辛いが見て見ぬ振りして通風孔の中へ戻る。
「斑鳩帝国はどこまで亜人達をあんな…いけない。自分の仕事しなきゃ!」
リアは再び通風孔を走る。
その頃パーシーは下の部屋を掃除道具片手に掃除するフリをしながら調べていた。
「リア大丈夫かしら?」
パーシーがつぶやきながら物色してる時だった。
「そこのメイド!」
「は、はい!」
「うん?今は深夜だぞ?ここで何をしているのだ?」
部屋に入ってきたのは角を生やしたナイスバディの熟女かな?
「えーと…眠れなくて掃除をしていました!!」
「眠れない?何だ貴様も抱かれたりなくて秘め事でもしていたのか?」
「な、な、な、な!!何を言ってるんですか!!」
「あはは!隠すな隠すな!どれ私が連れて行ってやろう。」
「ど、何処へですか?」
「何処って主人様の所だ。抱かれたりぬから身体が火照っておるのだろ?共に可愛がられに行くといい!」
「い、いや私は別に!!」
「照れるな照れるな!!」
パーシーは強引に何処へ連れていかれた。
通風孔を走り回るリアはやがてだいぶ下までやって来た。
やがてオイルみたいな臭いがした為そこへ向かう。
そこには魔宝獣と大量の見た事の無い兵器が量産されていた。しかも、足かせをつけた亜人の男や一般市民達が燃料の補給やパーツなどを作らされて組み立てなどもやらされている。
「これは酷い…あ!」
その中には見覚えがある人達もいた。
「信道さん!」
信道が1人の男性に肩を貸して一緒にあるいている?
「大丈夫か?」
「信道。私達の事はいいんだぞ!」
「そうもいくかよ」
「母さんや杏ちゃんもお前が勇者様達を裏切るなんて聞いたら泣くぞ!」
「親父。今はそれどころじゃ無い。」
信道はそう言うと立ち去る。
「信道!今のお前を見て親父は泣いているぞ!」
「仕方ないだろ…この状況じゃよ…」
信道はそう言うと通風孔の側で座る。
「いるんだろ?リア。」
「気づいていたんですか?」
栗鼠の姿のリアが信道に近寄る。
「まあな。」
「信道さん。やっぱり裏切って無かったんですね!」
「何しにきた?」
「情報を探りにです。」
「ここには何もない。見つかる前に消えろ」
「信道さん!」
「姫様なら…ジュリアンの部屋だ。そっから真上に行け」
信道はそう言うと足元の通風孔に指を刺す。
「信道さん…」
「涼に言っとけ。次は敵だってな…」
信道はそう言うとその場を去る。
リアは通風孔へ入ると言われた通り上へ向かう。
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それからナードは毎日ダンジョンへ入り、敵のLPを吸収し続けた。
増やしたLPを消費して、魔法やスキルを習得しつつ、ナードはどんどん強くなっていく。
一方その頃、セシリアのパーティーでは仲間割れが起こっていた。
冒険者ギルドでの評判も地に落ち、セシリアは徐々に追いつめられていくことに……。
これは、やがて勇者と呼ばれる青年が、チートスキルを駆使して最強へと成り上がり、自分を裏切った初恋の相手に復讐を果たすまでの物語である。
僕の家族は母様と母様の子供の弟妹達と使い魔達だけだよ?
闇夜の現し人(ヤミヨノウツシビト)
ファンタジー
ー 母さんは、「絶世の美女」と呼ばれるほど美しく、国の中で最も権力の強い貴族と呼ばれる公爵様の寵姫だった。
しかし、それをよく思わない正妻やその親戚たちに毒を盛られてしまった。
幸い発熱だけですんだがお腹に子が出来てしまった以上ここにいては危険だと判断し、仲の良かった侍女数名に「ここを離れる」と言い残し公爵家を後にした。
お母さん大好きっ子な主人公は、毒を盛られるという失態をおかした父親や毒を盛った親戚たちを嫌悪するがお母さんが日々、「家族で暮らしたい」と話していたため、ある出来事をきっかけに一緒に暮らし始めた。
しかし、自分が家族だと認めた者がいれば初めて見た者は跪くと言われる程の華の顔(カンバセ)を綻ばせ笑うが、家族がいなければ心底どうでもいいというような表情をしていて、人形の方がまだ表情があると言われていた。
『無能で無価値の稚拙な愚父共が僕の家族を名乗る資格なんて無いんだよ?』
さぁ、ここに超絶チートを持つ自分が認めた家族以外の生き物全てを嫌う主人公の物語が始まる。
〈念の為〉
稚拙→ちせつ
愚父→ぐふ
⚠︎注意⚠︎
不定期更新です。作者の妄想をつぎ込んだ作品です。
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