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第123話 貴族組

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無事にポーカーシティを修復した涼達。
涼とアリシアは街の人達に謝って回った、やはり責められたし罵声も沢山浴びせられたが愛が地下の原子炉があった事への説明や、この街に陣取っていた間藤ジンの証言をアリシアが録音宝石を使い録音していたおかげで皆に伝わり分かって貰ったのだ。

録音宝石はアリシアが作った人口宝石で王室の公務の発言などを録音する為に作ったのだ。やはり王族となると色々と権力者からの圧力や色々あるからだ。

そして間藤ジンが使っていた研究室から大量の部品が見つかり、それを持ち帰ってみると船の修理に使えそうと判り、早速ベルは調べてみると飛行ユニットとレーダーか何とか応急処置可能と判り早速修理している。

「はぁ~終わったであります~」

操縦機の下からスパナ片手にで出来たベル。

「ベル!直ったのか?」
「あくまでも応急処置ではありますが何とか飛べる様になったでありますよ!」

やったぜ!
これで此処を発てる。

「流石ベルちゃん!」
「頼りになるわ!」
「えへへであります!でもあくまでま応急処置でありますからそんな長くは飛べないでありますよ!」
「やっぱりちゃんと修理しなきゃ駄目なのかい?」
「頑張りましたけど、此処までか精一杯です」
「無理に長時間は飛べない。また壊れちまうからな」

整備な協力した和樹と愛はそう言った。
やはり合わない部品とかも無理に使ってる分直ぐに壊れやすいのは否めない為だ。
しかし、少しでも飛べれば後は部品を交換して完全に直せれば魔界城へ向かえるはずだ。

「みんな、判っているとは思うけど、魔王軍の本拠地へ行っても戦っては駄目よ。あくまでもガネットへ戻る方法を見つける為に向かうんだからね!」
「向こうを片付けたら直ぐにまた戻って今度こそヴァニティをぶっ倒すぞ!」

意気込んでそう言う涼。
魔王ヴァニティを倒す為に魔界へ乗り込んだが、裏切った斑鳩帝国の連中が何をしてるかわかったもんじゃないからな。
まずは、戻らなければならない。

「でも魔界城は何処なんだ?」
「レーダーが修理出来たからな。調べられる筈だ」

和樹がコンソールを弄る。
するとコックピットの画面に地図が現れた。
しかし、所々虫食いみたいな有様になっている。

「何だこりゃ?全然わかんないぞ?」
「こちらもあくまで応急処置なんで、贅沢言わないで下さいよ先生…」
「俺達が昔、魔王軍にいた頃の地図を重ねてみよう!」

和樹がそう言うと3人は真宝剣のデータを光に変えてコンソールに繋ぐと画面に地図が現れ三枚が重なり大陸の地図が出来上がってきた。

「おお!地図だ!」
「僕達はよく分かれて行動していたので」
「地図がバラバラだったんですよ!」
「で、重ねてみたら一枚の大陸の地図に早変わりか」
「このデカイ黒い丸は間違いなく魔王の城か?」
「はい。そうです師匠。魔界城です」

魔界城は今いる大陸からそんな離れてないみたいだな、これはついてるぜ。
でも、逆を言えば敵の数はきっと多くて危険と言う事でもあるわけか。

「でも行くしかないわね!」
「飛行ユニットはデリケートでありますからそんな長時間は無理でありますよ。」
「あの、行く前に治療室で寝てるあの人の故郷まで送ってあげませんか?」
「確かに戦いに巻き込まむ訳には行きませぬしな」
「場所は確かこの辺りです。」

リアが指先した場所を拡大する。今いる場所からそんな遠くないな!川もあるみたいだし食料が手に入れないとならないし行ってみるか。

「よしベル出発だ!」
「であります!ぽちゅっ!」

ベルはコンソールのボタンを押すとエンジンが動き出し飛行ユニットが作動しブースターから炎が上がると涼達の船、スターダムオリオン号が飛び上がる。

「あ、師匠あれ!」
「ん?」

船の窓から見える炊き出しを作りに行った村の人々が見送りに来てくれたのだ。

「信道の選択間違えてなかったわね」
「そうだな」
「さあ、目指すは南でありますよ!発進!」

ベルがレバーを引くとエンジンが加速し飛び上がった船は南へ向かって飛んで行った。

 ポーカーシティの側の海岸から出発して2時間近くで目的の村へ着いた涼達。

「やっぱり空だと速いな!」
「本当ね!」
「あーあーオーバーヒート目前でありますよ!!」

やっぱり応急処置じゃ長くは無理か。

「とりあえず村の側に着陸してメンテするでありますから!」

船は助けた魔人族の村の側に着陸した。

涼、アリシア、コハク、リア、信道は助けた魔人族の男を村へ送りに行く。ベルも今回は付いていく。
残りのメンバーは船で待機だ。

「じゃあ、お留守番お願いね!」
「任せて下され姫さま!」
「僕達は取り敢えずメンテナンスしときますね!」
「安心して行って来い!」
「師匠!食材頼みましたよ!!」
「くれぐれも気をつけてな!!」

船に残った仲間達はそう言うと見送った。

ヘルメス村
魔人族の南の小さな集落がある村。 

「皆さん、ありがとうございます」
「いや、別にいいって。」
「無事に届けられて良かったです」
「良かったらお礼をさせて下さい!」
「いや、別にいらねぇよ。」
「そう言わずに!私の家はそこですから」
「は、はあ…」

涼達は助けた男の家に招待された。

助けた男の家は工場だった。

「工場であります!!」
「はい、私の実家は鍛冶屋を営んでいまして!」
「鍛冶屋か~」

助けた男の両親は無事だった彼を出迎え泣きながら抱きしめる。あの辺り一帯で謎の病で死んだ人達が沢山でていると有名だったからだ。

「鍛冶屋って事は使わない部品とかあるでありますか?」

ベルが男の父親である鍛冶屋の親方なね聞いた。

「ああ、ウチの裏に山済みになってる沢山のガラクタならあるが」
「それ使っていいでありますか!!」
「ああ、息子を助けてくれた礼だ。好きなだけ持ってきな。」
「ありがとうであります」

ベルは早速裏庭のガラクタの山を確認しに向かう。

「嬢ちゃん。使えそうか?」
「もちのロンであります!これだけあれば船を修理出来るでありますよ!!」
「本当かベル!!」
「勿論であります!一気に本拠地へ向かえるでありますよ!」

そりゃ凄い。
人助けはするもんだな本当に!

「だが、これを運ぶのかい…」
「す、凄い量ですね…」
「という訳で2人共手伝ってくれるでありますよね?「

え…笑顔で言われても…
ベルがつぶらな瞳をうるうるさせる。
そんな、捨てられた子犬みたいな顔しないでくれよ。

「わかった…手伝うよ…手伝えばいいんだろ!」
「頑張りましょう、ベルちゃん!」
「2人共ありがとうであります!」
「運ぶならそこの荷台をつかいな!」
「ありがとうございます!」
「じゃあ、積むでありますよ!」

ベル達はガラクタの山を漁りその中から使える部品をありったけ荷台に乗せた。

「しかし、あんなガラクタが何になるんだ?」
「私達には必要ですから助かりますわ!」
「なあ、親方さんよ。食料を調達したいんだが…」
「ああ、知り合いに魚屋とかいるから紹介してやるよ」
「でも、俺達金がな…」
「なーに知り合いがやってる店だ。息子を助けてくれたんだ。俺が交渉してやるよ!」
「ありがとう助かります」

信道は親方からもメモを受け取り食料調達へ向かう。

「金ないのにのぶさんどうする気なんだろうな?」
「さあ?」

何か考えがあるのかね?

「他に何か力になれる事があれば言ってくださいよ。」
「なら、この魔界の状況を教えてくれないか?」
「世間って事かしら?」
「私達、この辺りに来て日が浅いんで、知らない事が多くて」
「分かりました。判る限りで宜しければお教えしますよ」
「お袋は学校の先生やっていたので!」

魔界にも学校があるんだな。
そんな感じに平和だなと呑気に構えてはられないのが直ぐにわかった。

「大変だまたきたぞ!」
「お袋。まだ税金が…」
「ええ、ずっと変わらずに」

税金?
涼とアリシアは声がした方へ走り出す。

「あ、旅の方!!」
「わりい。ベル達が来たら頼むわ!」


村の入り口では竜に跨る三本の角を生やした甲冑を来た兵士達と高そうな服を着て髭を生やしたいかにも偉そうな奴が来ていた。

「この度、この村の税金を上げる事になった。」

この発言に周りが騒めく。

「税の引き上げですって?」
「あの偉そうな連中は何だ?」
「貴様達がこうして生きていられる場所を提供しているのは我々貴族組だという事を理解してるならこの要求は飲むのが筋である」

見たまんまの偉そうな奴だな。
髭は微妙に小さいし…
関係ないでしょ…

「1家族に1人50ゴールド子供は20ゴールドだ。払えぬものは立ち退きだ!」
「はあ?ぶさけんな!明日食べるものもないじゃないか!!」
「何が貴族組だ!ヴァニティにくっついてるだけのくせに!」
「げ民が我々貴族に刃向かうか!抜刀!」

髭オヤジがそう言うと兵士達が剣を抜いた。
怯えて下がる人々。

「オイ、いい加減にしろよ。髭やろう!」
「髭!何だお前は?」
「貴族にしては随分と汚いやり方をするのですね?」
「ん?貴様達、角がないのか?」
「ああ」
「貴様ら角無しか?あははは!」

髭オヤジは大笑いした。
すると周りの兵士達も大笑い。

「何なんだ?」
「貴様、角無しの分際で喧嘩を売って来たのか?」
「角がないのが悪いのかよ?」
「悪いだと?魔人族は角を抜かれし者は魔人にあらず。故に貴様達を逮捕する!」

は?何だよそれ!?
兵士達が涼とアリシアを取り囲む。

「俺達は何もしてないだろ!?」
「角無しは魔人にあらず。故に存在が罪!プリズン送りだ!」

つまり角が無い魔人族は差別されてるのか!?
たく、核と差別といいこの世界は一体何がどうなっちまってんだよ!?

「捕らえよ!」

兵士達が剣を振りかざしてくる。
涼とアリシアは剣を引き抜き弾き返すと勇者石をはめ込む。

レッド!ザ!宝救武装!
マジェスティ!ザ!宝救武装!

「「宝救武装(ホウキュウチェンジ)!」」

2人は背中合わせに剣を敵に向けると、先から光が吹き出して兵士達の目を眩ませる。
そしてそのまま光は2人の身体に纏うと涼は鎧とスーツにブーツと手袋が装備され、アリシアも同じ装備にマントを纏い最後にパートナーを模したヘルメットを装着して変身完了した。

「な、何だ貴様達は!?」
「俺達は戦隊だ!」

涼はそう言うと兵士達の剣を弾く。涼は刃先を太くし宝救剣を模造刀の様にした。これなら殺されないですむ。
襲って来た兵士達をバッサバッサと倒していく涼達。

「おら!」
「はあ!」

アリシアも宝救聖剣を振り回して峰打ちにすると兵士達達は倒れていく。

「き、貴様らもしや…!?魔王陛下に反旗を振り返すあちら側の勇者か!?」
「あちら側だって?その口ぶりアンタ魔王軍の関係者か?」
「いかにも!」
「だったら都合がいい。アンタに聞きたい事があるからな!」
「のこのこ、こちら側に土足で入り込みおってからに!」
「御託はいいわ!一緒に来てもらうわよ!」

涼とアリシアは剣を向ける。
コイツを捕まえれば魔人族の使ってるゲートが判るはずだ。

「引け引け!急ぎ魔王陛下に伝達だ!」

髭やろうは馬車に乗り込み、他の兵士達も竜に乗り一目散に逃げてしまった。
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