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第117話 禁断のエネルギー
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見知らぬ世界の赤潮だらけの汚染された海に放り出された涼達は状況確認と情報を得る為に三チームに分かれ調査と船の修理を始めた。
船に残ったカイエン、コハク、和樹、リア、ベルが残って船の片付けと応急修理をしている。
「どうだ?直りそうか?」
「部品無しでありますよ!見ての通りでありますよ!」
「やっぱり簡単に直すのは無理か…」
「なあ」
「何でありますか?首無し」
「愛のスキルを使えばいいんじゃないのか?」
「無理でありますよ!宝石以外は部品無しじゃ作れないでありますか!」
愛の即時錬成は戦闘の際は宝石をはめ込みその材質で即時に何かを作れるが、それ以外は部品がないと作れない。無から有は作れないこれ常識であります。
「頑張ってもエンジンを少し動かすくらいしか修理は無理でありますね」
「それだけ出来れば取り敢えず何とかなるだろ」
「後はアイツらが陸地を見つけて来てくれればな」
「飛ぶのは無理なの?」
「無理であります…バラバラで作り直しでありますよ…全く…」
そりゃ、あんだけ派手に爆発すればな…飛行ユニットが爆弾でピンポイントでぶっ壊されてしまったのだ。
「とにかく、あいつらが何かを見つけて連絡してくるのを待つしかないか…」
「幸いだったのは宝石獣達がみんなこの船に乗っていた事ですよ、もし基地に居たら…」
「奪われていたな絶対…」
ホントにそれだけが救いだったよ。
ガネットは今頃どうなってんだろうな。
その頃、プテラに乗り込み海上を飛んでいる涼達。
プテラの中のプリズムで出来たコックピット内で外の様子を確認しながら画面の地図を埋めていた。
「見渡す限り赤潮の海だらけだな」
「一体どうしてこんな事に?」
「とにかく今はここが何処かを確認しなきゃ!」
「テラー!」
陸地だよ~!何本当か!?
プテラは陸地を発見しコックピットの画面に見てる景色を拡大して見せた。
「助かった陸地だ!」
「やったぜ!」
「見て大きな建物があるわよ!!」
画面に見えた建物の影を見落とさなかったアリシア。
「プテラ降りてくれ!」
「テラー!」
オーケーアーミーゴー!五月蝿いな本当に…
プテラは着陸し涼達はプテラのコックピットから降りた。
プテラは小さくなり海斗の鞄に潜る。
「陸地ではあるが…」
「芝が枯れ果ててますよ…」
「土もまさか死んでるの!?」
降りた陸地は酷い有様の荒野だった。
草木は一本も無く枯れ果てしかも土はもはや砂だ。何の栄養もない。
「まるで原発の後だな…」
「原発?」
「のぶさんの祖父さんの時代の爆弾だよ。」
「爆弾なの?」
「正しくは原子炉です。でも使い方間違えると滅びを招くやばいエネルギーです」
現実の世界のヤバイが便利なエネルギー。
莫大な電気を起こせる代わりにトラブルが起きたら汚染されて生き物は住めなくなるヤバイ代物だ。
「そんな危険な物が涼達の世界に!?」
「まあ、何十年も昔だ。今はあくまでもエネルギーとして使われてる」
「でも、危険に代わりはないですよね」
「未だに対処方法が埋めて自然消滅を待つしかないって言う始末だ、しかも何千年もかかる」
「何それ!?」
そう正に今この状況はそれだ。昔学校の授業や老人ホームのじいちゃん達から怖さを一杯聞いたからな。
「アレか?建物って?」
「アレね空から見たのは!!」
「もう廃棄じゃないか…」
「明らかにヤバイ実験してた施設だなこりゃ」
壊れ方からみて爆破だな。
しかも、だいぶたってる…そこら中に蔓が生えて密集していてしかも瓦礫だらけだ。
何処の破棄された工場だよ全く。
涼たは取り敢えず剣を構えて中に入って行く。
まだ明るいが結構暗い。
「誰もいないわね?」
「何かの実験施設ですかね?」
「うーむ。こっから部品をいくつか失敬して船に戻るか…ん?」
涼は下に続く階段を見つけた。
階段は錆びていてギシギシいっているがけして降りられない訳ではなかったので下に降りてみることにした。
「何だここは?」
そこはガラス張りの実験室がある部屋だった。
割れたガラスの先には何かの装置があるが破損が酷く何かは判らない。
「ん?あんまりこの辺は壊れては無いみたいだな。よっと!」
涼は剣で動かないコンテナを破壊し中の配線や部品をいくつかひっぺがしで鞄にしまう。
「取り敢えず戻るか…ん?」
涼はホコリをかぶった標識みたいな物を踏んづけた。涼は拾い上げホコリをはたくと描かれていたのは丸い円の周りに三等分した円形が描かれている。これは…まさか…
「おいおい…ちょっと待てよ!?このマークってまさか!?」
涼は慌てて階段を駆け上がりアリシア達に合流する為に走る。
「一体何を作っていたのかしら?」
「判りませんね。でもまだ使えそうな部品があって良かったですね!」
「ええ、涼と合流して帰りましょう!」
アリシア達は何かを作っていたベルトコンベアがある部屋にいた。
アリシア達も部品を拾い集め鞄に詰めていた。
「おーい!二人とも!!」
「あ、涼!何処にいたのよ!」
「涼さん部品たんまりですよ!」
「2人とも、これみろ!!」
涼はさっき拾った壁紙を見せた。
「何よこれ?」
「りょ、涼さん…それって…」
「ああ、これは原子炉のマークだ!!」
そう原子炉つまり核のマークだ。
原子力発電で見るあの危険マークだ。
「原子炉って今アンタ達が言ってたヤバイエネルギー!?」
「そうだ。つまり此処は…」
「原子力発電の跡地!?」
「いや、核実験場だろ此処は!!」
「何にしてもヤバイ実験施設って事しゃないの!!」
その通りだよ。
間違いない。ここは原子炉の実験施設か何かだったに違いない。
汚染された大地に赤潮だらけの海。
それらが指し示すのはヤバイ核実験をしていたって事だ。
恐らく失敗して放置されたんだな此処は。
「嘘だろ…汚染されたのが核なら…ここには生き物なんかいねぇぞ!!」
「何ですって!?」
「見た感じだいぶたってはいるが安全とはまず言えないからな。こりゃ速く戻ろう」
涼達が急いで建物から出ようとした時だった。
「ウガァァァァ!」
突然目の前に現れた角を生やし身体中が溶けたようになり機械入り混じっている怪物が現れた。
「な、何よアレ!!」
「汚染されておかしくなった生き物かな?」
「何にしてもヤバそうだぞありゃ!?」
体が溶解している怪物は身体からガトリング砲を引っ張り撃ってきた。
「マズイじゃん!」
涼達は慌てて交わす。
三人は物陰に飛び込んだ。
やがて弾がきれ煙が腫れていく。
レッド!ザ!宝救武装!
イエロー!ザ!宝救武装!
マジェスティ!ザ!宝救武装!
「「「宝救武装(ホウキュウチェンジ)!」」」
三人は煙から返信しながら飛び出すと体が溶解している怪物に突っ込み3人は怪物を斬りつけた。
怪物は奇声を上げながら溶けてなくなった。
涼達は勇者石を外して変身を解いた。
「一体何だったのよ今の!?」
「さあ?」
「とにかく一旦船に戻ろう!」
「じゃあ通信ね!」
アリシアは通信宝石を取り出すが雑音ばかりで繋がらない。
「またなの~」
「通信障害が発生する程磁場が乱れてるのか?」
「仕方ない、このまま一旦船に帰ろう!」
鞄からプテラが飛び出すと涼達をコックピットへ転送する。
「帰る前にこの一帯を空から確認してくれないかしら?」
「テラーー!」
姫さまの為なら喜んで~テラ~!やっぱうるさいなこいつ。
プテラは実験施設があった辺りを飛び回る。
しかし、やはりその周りは草木はロクに生えておらず生き物の骨が散乱してるだけだった。
街は無かった。いやあったとしても多分いないだろ。
「もういいわ。ありがとうプテラ!」
「よしプテラ戻るんだ!」
「テラー!」
ほいきた~
プテラは巨大な翼を広げると高く飛び上がり船の方まで飛んで行く。
スターダムオリオン号ではベル達が何とか使える部品や代用可能な物をかき集めてようやくコンソールだけは応急修理を終えた。
「はぁ~やっと応急処置が終わったでありますよ」
「ベルちゃんお疲れ様。はいジュース」
「ありがとうであります!」
ベルはジュースを一気飲み。
「全く一日かかりで通信機一つ直すだけか」
「まあ、これが取り敢えずつかえるだけましだろ」
「電源入れるであります!」
ベルが電源を入れると雑音が入るが確かに何かを受信した。
「ル…ベル…き056たるか?」
酷いノイズだな。
「全くもうであります!」
ベルが周波数を合わせる。
「ベル!聞こえるか?こちら涼!聞こえるか?応答しろったら!!」
「涼さんでありますか?」
「ベル!聞こえるか?」
「やっと通信機がつかえる様にしたでありますよ!」
ノイズは酷いが何とか拾っている電波で通信するベル達。
「今、船の上空だ!ハッチを開けてくれ!」
「涼さんが戻ったであります!首無しと和樹ハッチを開けて欲しいであります!」
「壊れてんだぞどうやって?」
「コンテナの出入り口にハンドルがあるから。それを回して!」
つまり人力かよ…文句言うなであります!!
「たく、行くぞ!」
「わかってる!」
2人は船の底の格納庫へ向かうと取り付けられたハンドルを2人で時計回りに回すと天井のハッチが開くと上からプテラが入って来た。
プテラから涼達が出て来る。
「おかえり涼」
「収穫はあったのか?」
「取り敢えずな。後、大変な事がわかった」
「大変な事?」
「詳しくはブリッジで話す」
涼達は格納庫を離れベル達がいるコックピットのブリッジへ向かう。
「姫様!おかえりであります!」
「ベルちゃん只今。これおみあげ!」
アリシアは向こうで取ってきた部品をベルに手渡す。
「おお!これなら使えそうであります。やっとエンジンの応急処置が出来るでありますよ!」
「本当かベル!」
「エンジンが直れば色々助かるからな」
「で、涼。君達は何をみたんだ?」
「あ、そうだったな!実はな…」
涼は大陸で見た事を全て話す。
「核がこの世界に!?」
「ああ、間違いないホラ!」
涼は拾ったマークを和樹に見せる。
「確かに原子炉のマークだ!何故こんな物が異世界に!?」
「異世界って言うか此処は地球なんじゃないか?」
「海斗何でそうなるんだ?」
「よくあるだろ?パラレルワールドがどうとかって言うアレ。ここもそうなんじゃ…」
確かに並行世界つまりパラレルワールドって似た異世界って可能性が無いとも言えないが。
けどにしちゃ違いすぎて逆に信憑性がない。
「ん?そのマーク…」
「ベルちゃんコレ知ってるの?」
そうベルはこのマークを見た事があったのだ。
「このマークは確か…そう持ち逃げした資料にあったマークでありますよ!!」
「持ち逃げって魔王軍から抜ける時に持ち出した資料の事か?」
「はいであります!間違いなくこのマークがあったであります!」
「ベルちゃんその資料は?」
「勿論あるでありますよ!」
ベルはちゃんと秘密基地から持って来ていたのだ。ベルはガマ口カ鞄からその資料を取り出した。
「ホラあるでありましょう!」
「本当だ!同じマークだ」
「何で魔人族が核兵器を!?」
「なあ、ベル。これが魔王軍にあるって事は…この世界は…」
「そう…ここは…」
ベルは口を開く。
「魔界であります…」
船に残ったカイエン、コハク、和樹、リア、ベルが残って船の片付けと応急修理をしている。
「どうだ?直りそうか?」
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「やっぱり簡単に直すのは無理か…」
「なあ」
「何でありますか?首無し」
「愛のスキルを使えばいいんじゃないのか?」
「無理でありますよ!宝石以外は部品無しじゃ作れないでありますか!」
愛の即時錬成は戦闘の際は宝石をはめ込みその材質で即時に何かを作れるが、それ以外は部品がないと作れない。無から有は作れないこれ常識であります。
「頑張ってもエンジンを少し動かすくらいしか修理は無理でありますね」
「それだけ出来れば取り敢えず何とかなるだろ」
「後はアイツらが陸地を見つけて来てくれればな」
「飛ぶのは無理なの?」
「無理であります…バラバラで作り直しでありますよ…全く…」
そりゃ、あんだけ派手に爆発すればな…飛行ユニットが爆弾でピンポイントでぶっ壊されてしまったのだ。
「とにかく、あいつらが何かを見つけて連絡してくるのを待つしかないか…」
「幸いだったのは宝石獣達がみんなこの船に乗っていた事ですよ、もし基地に居たら…」
「奪われていたな絶対…」
ホントにそれだけが救いだったよ。
ガネットは今頃どうなってんだろうな。
その頃、プテラに乗り込み海上を飛んでいる涼達。
プテラの中のプリズムで出来たコックピット内で外の様子を確認しながら画面の地図を埋めていた。
「見渡す限り赤潮の海だらけだな」
「一体どうしてこんな事に?」
「とにかく今はここが何処かを確認しなきゃ!」
「テラー!」
陸地だよ~!何本当か!?
プテラは陸地を発見しコックピットの画面に見てる景色を拡大して見せた。
「助かった陸地だ!」
「やったぜ!」
「見て大きな建物があるわよ!!」
画面に見えた建物の影を見落とさなかったアリシア。
「プテラ降りてくれ!」
「テラー!」
オーケーアーミーゴー!五月蝿いな本当に…
プテラは着陸し涼達はプテラのコックピットから降りた。
プテラは小さくなり海斗の鞄に潜る。
「陸地ではあるが…」
「芝が枯れ果ててますよ…」
「土もまさか死んでるの!?」
降りた陸地は酷い有様の荒野だった。
草木は一本も無く枯れ果てしかも土はもはや砂だ。何の栄養もない。
「まるで原発の後だな…」
「原発?」
「のぶさんの祖父さんの時代の爆弾だよ。」
「爆弾なの?」
「正しくは原子炉です。でも使い方間違えると滅びを招くやばいエネルギーです」
現実の世界のヤバイが便利なエネルギー。
莫大な電気を起こせる代わりにトラブルが起きたら汚染されて生き物は住めなくなるヤバイ代物だ。
「そんな危険な物が涼達の世界に!?」
「まあ、何十年も昔だ。今はあくまでもエネルギーとして使われてる」
「でも、危険に代わりはないですよね」
「未だに対処方法が埋めて自然消滅を待つしかないって言う始末だ、しかも何千年もかかる」
「何それ!?」
そう正に今この状況はそれだ。昔学校の授業や老人ホームのじいちゃん達から怖さを一杯聞いたからな。
「アレか?建物って?」
「アレね空から見たのは!!」
「もう廃棄じゃないか…」
「明らかにヤバイ実験してた施設だなこりゃ」
壊れ方からみて爆破だな。
しかも、だいぶたってる…そこら中に蔓が生えて密集していてしかも瓦礫だらけだ。
何処の破棄された工場だよ全く。
涼たは取り敢えず剣を構えて中に入って行く。
まだ明るいが結構暗い。
「誰もいないわね?」
「何かの実験施設ですかね?」
「うーむ。こっから部品をいくつか失敬して船に戻るか…ん?」
涼は下に続く階段を見つけた。
階段は錆びていてギシギシいっているがけして降りられない訳ではなかったので下に降りてみることにした。
「何だここは?」
そこはガラス張りの実験室がある部屋だった。
割れたガラスの先には何かの装置があるが破損が酷く何かは判らない。
「ん?あんまりこの辺は壊れては無いみたいだな。よっと!」
涼は剣で動かないコンテナを破壊し中の配線や部品をいくつかひっぺがしで鞄にしまう。
「取り敢えず戻るか…ん?」
涼はホコリをかぶった標識みたいな物を踏んづけた。涼は拾い上げホコリをはたくと描かれていたのは丸い円の周りに三等分した円形が描かれている。これは…まさか…
「おいおい…ちょっと待てよ!?このマークってまさか!?」
涼は慌てて階段を駆け上がりアリシア達に合流する為に走る。
「一体何を作っていたのかしら?」
「判りませんね。でもまだ使えそうな部品があって良かったですね!」
「ええ、涼と合流して帰りましょう!」
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「おーい!二人とも!!」
「あ、涼!何処にいたのよ!」
「涼さん部品たんまりですよ!」
「2人とも、これみろ!!」
涼はさっき拾った壁紙を見せた。
「何よこれ?」
「りょ、涼さん…それって…」
「ああ、これは原子炉のマークだ!!」
そう原子炉つまり核のマークだ。
原子力発電で見るあの危険マークだ。
「原子炉って今アンタ達が言ってたヤバイエネルギー!?」
「そうだ。つまり此処は…」
「原子力発電の跡地!?」
「いや、核実験場だろ此処は!!」
「何にしてもヤバイ実験施設って事しゃないの!!」
その通りだよ。
間違いない。ここは原子炉の実験施設か何かだったに違いない。
汚染された大地に赤潮だらけの海。
それらが指し示すのはヤバイ核実験をしていたって事だ。
恐らく失敗して放置されたんだな此処は。
「嘘だろ…汚染されたのが核なら…ここには生き物なんかいねぇぞ!!」
「何ですって!?」
「見た感じだいぶたってはいるが安全とはまず言えないからな。こりゃ速く戻ろう」
涼達が急いで建物から出ようとした時だった。
「ウガァァァァ!」
突然目の前に現れた角を生やし身体中が溶けたようになり機械入り混じっている怪物が現れた。
「な、何よアレ!!」
「汚染されておかしくなった生き物かな?」
「何にしてもヤバそうだぞありゃ!?」
体が溶解している怪物は身体からガトリング砲を引っ張り撃ってきた。
「マズイじゃん!」
涼達は慌てて交わす。
三人は物陰に飛び込んだ。
やがて弾がきれ煙が腫れていく。
レッド!ザ!宝救武装!
イエロー!ザ!宝救武装!
マジェスティ!ザ!宝救武装!
「「「宝救武装(ホウキュウチェンジ)!」」」
三人は煙から返信しながら飛び出すと体が溶解している怪物に突っ込み3人は怪物を斬りつけた。
怪物は奇声を上げながら溶けてなくなった。
涼達は勇者石を外して変身を解いた。
「一体何だったのよ今の!?」
「さあ?」
「とにかく一旦船に戻ろう!」
「じゃあ通信ね!」
アリシアは通信宝石を取り出すが雑音ばかりで繋がらない。
「またなの~」
「通信障害が発生する程磁場が乱れてるのか?」
「仕方ない、このまま一旦船に帰ろう!」
鞄からプテラが飛び出すと涼達をコックピットへ転送する。
「帰る前にこの一帯を空から確認してくれないかしら?」
「テラーー!」
姫さまの為なら喜んで~テラ~!やっぱうるさいなこいつ。
プテラは実験施設があった辺りを飛び回る。
しかし、やはりその周りは草木はロクに生えておらず生き物の骨が散乱してるだけだった。
街は無かった。いやあったとしても多分いないだろ。
「もういいわ。ありがとうプテラ!」
「よしプテラ戻るんだ!」
「テラー!」
ほいきた~
プテラは巨大な翼を広げると高く飛び上がり船の方まで飛んで行く。
スターダムオリオン号ではベル達が何とか使える部品や代用可能な物をかき集めてようやくコンソールだけは応急修理を終えた。
「はぁ~やっと応急処置が終わったでありますよ」
「ベルちゃんお疲れ様。はいジュース」
「ありがとうであります!」
ベルはジュースを一気飲み。
「全く一日かかりで通信機一つ直すだけか」
「まあ、これが取り敢えずつかえるだけましだろ」
「電源入れるであります!」
ベルが電源を入れると雑音が入るが確かに何かを受信した。
「ル…ベル…き056たるか?」
酷いノイズだな。
「全くもうであります!」
ベルが周波数を合わせる。
「ベル!聞こえるか?こちら涼!聞こえるか?応答しろったら!!」
「涼さんでありますか?」
「ベル!聞こえるか?」
「やっと通信機がつかえる様にしたでありますよ!」
ノイズは酷いが何とか拾っている電波で通信するベル達。
「今、船の上空だ!ハッチを開けてくれ!」
「涼さんが戻ったであります!首無しと和樹ハッチを開けて欲しいであります!」
「壊れてんだぞどうやって?」
「コンテナの出入り口にハンドルがあるから。それを回して!」
つまり人力かよ…文句言うなであります!!
「たく、行くぞ!」
「わかってる!」
2人は船の底の格納庫へ向かうと取り付けられたハンドルを2人で時計回りに回すと天井のハッチが開くと上からプテラが入って来た。
プテラから涼達が出て来る。
「おかえり涼」
「収穫はあったのか?」
「取り敢えずな。後、大変な事がわかった」
「大変な事?」
「詳しくはブリッジで話す」
涼達は格納庫を離れベル達がいるコックピットのブリッジへ向かう。
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「ベルちゃん只今。これおみあげ!」
アリシアは向こうで取ってきた部品をベルに手渡す。
「おお!これなら使えそうであります。やっとエンジンの応急処置が出来るでありますよ!」
「本当かベル!」
「エンジンが直れば色々助かるからな」
「で、涼。君達は何をみたんだ?」
「あ、そうだったな!実はな…」
涼は大陸で見た事を全て話す。
「核がこの世界に!?」
「ああ、間違いないホラ!」
涼は拾ったマークを和樹に見せる。
「確かに原子炉のマークだ!何故こんな物が異世界に!?」
「異世界って言うか此処は地球なんじゃないか?」
「海斗何でそうなるんだ?」
「よくあるだろ?パラレルワールドがどうとかって言うアレ。ここもそうなんじゃ…」
確かに並行世界つまりパラレルワールドって似た異世界って可能性が無いとも言えないが。
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「ん?そのマーク…」
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「このマークは確か…そう持ち逃げした資料にあったマークでありますよ!!」
「持ち逃げって魔王軍から抜ける時に持ち出した資料の事か?」
「はいであります!間違いなくこのマークがあったであります!」
「ベルちゃんその資料は?」
「勿論あるでありますよ!」
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「本当だ!同じマークだ」
「何で魔人族が核兵器を!?」
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マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。
えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって?
残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、
無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって?
はいはいわかりました。
辞めますよ。
退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。
自分無能なんで、なんにもわかりませんから。
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