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第106話 超ビッチ現る

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次の朝、海斗の考えの元グルミ族の森の薬草を分けて貰い大量の薬を作って来た。
湧き水の通り道を抜けるとガジュマルの木の下の空洞から再び湿地帯にやって来た。

「海斗さん本当に効くんですか?」

「植物なら絶対にこいつが効くはずです!」

「まあ、普通の植物ならな…」

海斗は作った薬を二人に渡す。瓶に入っている。
三人は薬を懐にしまい込むと剣を構え奥へ進んで行く。やがてあの食人植物達が屯っている洞窟の側まで来た。

「着きましたね!」

「ついでにもてなしてくれるみたいだな!」

信道の言う通りだった。
この前の人食い植物達が蔓を伸ばしながら現れた。

「こうして見ると実まで付いてる奴もいるんだな!」

「食えますかね?」

「そんなの後にしてくだいさよ!」

「そうだな!二人共構えろ!」

「「はい!」」

三人は剣を取り出し三人は勇者石を取り出すと二人は剣にはめ込み信道はチェンジエッグに入れてボタンを押す。

ピンク!ザ!宝救武装!
イエロー!ザ!宝救武装!
へい!とりあえずゴールド一丁!

「「宝救武装!」」

「乾杯!」

三人は走りながら変身する。

「でわ二人共てはつ通りに頼みます!」

「わかりました!」

「行くぜ!」

三人は飛んでくる植物の茎を交わし高く飛び上がり植物に瓶ごと薬を投げた。

薬は人食い植物に当たり爆発すると中の液体がかかり植物達がみるみる枯れていく。そうこれは除草剤だ。

海斗は昨晩植物なら除草剤が効くかもしれないと考え一晩かけて大量に作ったのだ。

「読み通りやっぱ植物だな!」

海斗がそう言って着地する。
しかし枯れたはずの植物は復活し口から溶解液を吐き出す。

「あぶね!」

海斗はバク転して交わす。交わした場所が溶けてるこりゃヤバイ。

「馬鹿!植物は根元を潰さなきゃずっと復活するぞ!」

「あ、そうだった!!」

リアと信道は植物の根元に投げそれが根っこにまで伝わり枯れて復活しなかったが、海斗は花にぶつけた為に再生したのだ。

「でもいくら薬があっても」

「数ばっかいやがる」

「そうだ!」

リアは人口宝石を取り出す。

「ドンブラ宝石!」

リアは人口宝石をはめ込みグリップを引き宝救剣を地面に刺す。
すると周りの地面がぬかるみみたいにドロドロになる。ただし刺して半径2メートルだ。

「また涼のネタ宝石か?」

「はい、なんか地面を泥沼みたいにするらしいんです!」

「有名な未来のロボのパクリですか涼さん…」

「ロボ?」

「猫って言い張るたぬきです」

違うわ!

「なんにしても奴らの根っこも泥濘みにはまった!あの泥濘みにあるったけの除草剤を投げつけろ!」

「はい!」

「おらよ!」

信道の指示で二人は飛び上がり除草剤を泥濘みと化した地面に投げ入れた。

「〆だ!濁酒銃!」

信道はチェンジエッグに勇者石を入れ濁酒銃のシリンダーに入れ蓋をしシリンダーを回した。

シェイク!シェイク!シェイク!〆の一杯!

「雷酒一撃はっ!」

信道が放った雷の弾丸が泥濘みには放たれると浸かっていた瓶は割れ中の除草剤が一気に広がり泥濘みにはまった人食い植物達は皆どんどん枯れていく。
気味の悪い奇声を上げながら植物達は枯れていき動かなくなった。
泥濘みが元の地面に戻ると三人は洞窟へ近づく。

「とりあえずこれで大丈夫だろ」

「早く中に入って鉱石を手に入れましょう!」

「でも、結構量いるからな。一日じゃ無理だ。何回かに分けないとな」

三人が洞窟へ入ると。

ガサゴソガサゴソ。ん?今の音は?

「今、聞き覚えのある音かしたような…」

「私も聞こえました…」

「奇遇だな俺もだ、しかもかなり身近で聞こえるアレだ」

そう飲食店でもたまに聞こえてきて、ゴミ屋敷なら必ず聞こえてくるあの音だ。つまり、奴がいる!
そう巨大ゴキブリが洞窟中に張り付いてそこら中を埋め尽くしていた。

「「「いっ!?」」」

三人は固まる。次の瞬間…

「「「ぎゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」」」

あまりの気持ち悪さに声を上げた三人は外へ飛び出した。

「とりもち宝石!」

「油宝石!」

「雷酒一撃!」

三人は外へ飛び出しながら反転し、とりもちを放ちゴキブリ達の動きを止め油を洞窟にばら撒き更に洞窟内へ雷の弾丸を放った。

ドッカーーーン!!

洞窟が爆発し中が火の海になる。
中の害虫達は瞬く間に燃え死んだ。
洞窟の中が鎮火すると三人はやっと中へ入る。

「気持ち悪るかった…」

「何なんですかこの洞窟といい植物といい!」

「アレが原因じゃないか?」

信道の指の先でやたらと明るく場所が見える。

「なんか嫌な予感しかしないんですか…」

「私も…」

「行くしかないだろ…」

三人は恐る恐ると洞窟の奥へ行くとそこには巨大な目玉がある気味の悪い花を咲かす植物と白い人型の昆虫みたいな奴が卵を産んでいる。

「な、何だあれ?」

「魔物ですか?」

「だろうなありゃ」

三人は壁際から様子を伺う。

白い人型の昆虫は人の顔に触手を生やし白い女の怪物だった。

「人型のゴキブリ!?」

「みて下さい!」

あの怪物が産んだ卵が孵る。

中から巨大な気持ち悪い幼虫が産まれた、その周りには蛹がいる。蛹が羽化すると白い姿の虫が生まれわずか数秒で黒くなりおなじみのゴキブリになる。

「うわぁーー!」

思わず声を上げる海斗。

「何者じゃ?」

ゴキブリの怪物と一つ目植物が気づいてしまった。

「な、何なんだよお前は!?ゴキブリか!?」

「ゴキブリとは失礼な!我はビューティー!クインコックローチだ!」

「結局はゴキブリじゃないかっ!!」

海斗は声を上げた。

コックローチはゴキブリの英名だ!

「後ろの人食い植物は何なんだ?」

「妾のかわゆき花よ!」

「それはラフレシアっつんだよ!」

花がどうみてもラフレシアだ。

「どうやら最近の騒ぎはお前らみたいだな!」

「お前、皇時也って知ってるか?」

「時也様の客か?」

「知ってるって事は貴女元々人間ですか!?」

「ええ、そうですが?」

「何でそんな姿にされたのにこんな事してるんですか?」

確かにそうだ。

あんなゴキブリにされてしかも時也を様呼ばわり。普通なら恨むだろ!

「私は私の子供達を育ててるだけじゃ!」

「子供達ってそのゴキブリかかよ!?」

「失礼な妾の大切な子供達じゃ!」

「アンタどうかしてるぞ!そんな姿にされて普通なら恨むだろ!!」

「時也様は私を救い、妾の願いを叶えて下さった方じゃ!」

は?願いだと??マジで何をほざいてやがる。

「妾のハーレムを実現してくれたのじゃ!」

ゴキブリクイーンが上を見上げると、そこには干からび死んでいる沢山の男達がいた。

「な、何だありゃ!?」

「みんな干からびてます!?」

「まさか、あのゴキブリの幼虫は!?」

「ええ、妾と夫達の子供達じゃ!!」

いやあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!

それだけは聞きたくなかったわ!!

だが、それだけではあの干からび方は説明が出来ない。おそらく後ろのラフレシアの養分にされたんだ。

「どうしてこんな事!?」

「妾はただ男を喰いたかっただけじゃ。世間は妾のハーレムを認めなくてな~貢ぎ物として金すら寄越さぬ詐欺師共を妾が食い家族を増やしとるだけじゃ!」

「なんか、全く理解が出来ません…」

「無類の男好きが怪人になったって事なのか?」

「この地の男は妾のいた世のホスト共と違い女子に優しくて助かるわい」

「ホスト?今ホストって言ったのか!?」

「ホスト?」

「キャバクラの逆です!」

「いや、海斗俺でも解らないぞ…」

あ、そうかこの異世界には無いのかそう言うの。まあ似たような物なる確かあったような。

「何でアンタがホストを知ってるんだ?」

「何故って?私は2001年に好きで仕方なかったホストの男を愛故に刺したの!でも叶わぬ恋に酔いしれた私は彼らの思い出を素敵に残したかったのよ。だから殺したの!それでこの世界に呼ばれたのよ~」

は?2001年!?ちょっと待てや!まさかこのゴキブリクイーンは!?

「お前、俺より過去から来た異世界人なのかっ!?しかもヤンデレ!!」

「ヤンデレ?」

「1番達が悪い歪んだ愛情です…」

「だから分からないって言ってんだろ!」

つまりコイツは過去の日本から迷い込んだ歪んだ愛情の塊の殺人者って事かよ!!しかも自分は悪い事した自覚なしってマジかよ…

「だって結婚してくれなかったのじゃ、妾の運命の殿方ではなかった故に思い出としてキッパリお別れしたの。でもこの世界はまさに天国!一日中〇〇に勤しみ子供が産まれ家族が増え独り立ちして行きまた家族が増えるのよ~」

キャラ崩壊してるし。

つかよ、コレは色んな意味でイカれてる。

「さあて、妾の次の夫にはお前達を指名してやろう!うひゃひゃ!」

舌舐めずりするゴキブリクイーン。

「ふざけんなっ!ゴキブリの花婿なんで死んでもなるかっ!!」

「殺人者が怪人なら」

「こっちも情けはいらねーよな!」

三人は剣を構える。

本来なら相手が人という時点で今の発言はどうかと思うが、けどあんな無残な姿で弄んで殺してるコイツをどうにかしないわけにはいかない。

「妾達と戦うか?」

「いい加減にキャラ作ってんじゃねーよ!アバズレがっ!」

「妾の愛をアバズレと言うか!平等夫達を愛し愛でて子を作ったでわないか!」

「黙れ!それをアバズレ言うんだろがっ!!」

海斗は声を上げた。アバズレってそう言う意味だっけ??

「落ち着け海斗!もはや何言ってるかは理解すら出来ないぞ!」

「今は目の前のこの人じゃない怪物を何とかしましょうよ」

二人は海斗を宥める。もはや訳わからない。

「さっさと斬りましょう!」

「同感だ!」

「街の人々を苦しめたんですから!」

三人は剣を構え斬りにかかる。

「行きなさい坊や達!」

ゴキブリクイーンがそう言うと蛹から一気に羽化した巨大ゴキブリ達が襲いかかる。

「気持ち悪いんだよ!」

海斗は頭を斬り確実に倒して行く。

「妾の子供達を殺したな!!」

「だったらさし向けるな!!」

その通りだ。

「オラ!」

リアと信道はラフレシアの花がついた人食い植物を攻撃する。

人食い植物は牙を生やしたラフレシアの花が口みたいになっており舌の様な蔓がそこから伸び二人に襲いかかる。
二人は交わしながら伸びて来た蔓を斬りながら本体へ近づいて行く。
人食い植物はラフレシアの口から強烈な悪臭の液体を飛ばして来た。

「んぐ!?」

「くっさ!涼のオナラ宝石のがましだ!」

どう言う意味だ!こんな時に回送シーンに割り込むな!!

うわこりゃたまらん!!近づけない!!

「師匠!!」

「よそ見するでないわ!」

ゴキブリクイーンが気持ち悪い羽音をさせながら凄い速さで爪で斬り裂いて来る。

海斗は交わすが右腕が少しかする。かすった箇所がヒリヒリしてくる。やばい食らうと毒をモロに食らうかもしれない!?

「臭くて近づけない!」

「ゴキブリ達は平気ってか!?」

この酷い臭いの中平然と二人に襲いかかる巨大ゴキブリ達。

「ヤバいどうしよう…」

とりもち宝石を使うか?いやこのスピードじゃまず当たらないし絶対に効かないこいつには!速い上に元が人ならこんなもんで止まるとは思えない。

「くそ、流石にカッコ悪いなこりゃ…」

何か方法ないか??

動き回り直ぐに産まれるわ羽化するわのこいつらを纏めて潰す方法は!?

ん?潰す…潰す…潰す…重力!!

「あ、そうかアレだ!」

海斗は人口宝石を取り出す。

「ちょ、待てや!それは使うな!!」

「それは制御が効かなくてお蔵入りになった奴ですよ!こんな所で使ったら!!」

「使わなきゃ自分達はこいつらの玩具ですよ!いいんですかっ!?」

「「いいわけあるかっ!」」

「よしわかった!使え海斗!」

信道は自分の濁酒銃を海斗へ渡した。

「重力宝石(グラビティジュエル)!」

海斗は真宝剣に人口宝石をはめ込みグリップを引くと剣をゴキブリクイーンの足元へ投げ込み離れた。すると…

ドシンッ!!

「ぐはっ!」

「キャッ!」

「ぐえっ!な、なんじゃこれは!?立てぬ…」

真宝剣を中心に回りに重力がのしかかり、ゴキブリクイーンだけじゃなく周りにいたリアと信道も重力で潰されうつ伏せになってしまう。重力宝石は役3分間周り半径3メートルに10倍の超重量をかけ押しつぶす人口宝石である。敵味方関係なく重力で押しつぶしてしまう為にボツになった人口宝石で作ったのはカイエンだ。

この超重量に耐えられず周りの卵と蛹はどんどん潰れていく。

「ぼ、坊や達~」

ゴキブリクイーンは助けようとするが起き上がれず身動きが取れない。

「い、今だ…海斗…やれ!」

「はい!借ります師匠!濁酒銃!」

海斗は濁酒銃を構えてゴキブリクイーンに従順を合わせた。

「や、やめぬか!!」

「シトリン、ルビー、タンザナイト装填!」

海斗は3つの宝石をシリンダーに入れるとシリンダーを回す。

シェイク!シェイク!シェイク!上がったぜ!

「ノッキーン・ポチーン一撃!」

海斗は引き金を引くと銃口から無色透明の弾丸が放たれるとゴキブリクイーンにヒットするとゴキブリクイーンはみるみる焼けて溶けていく。

「わ、妾が溶けて消えてゆく!?」

ノッキーン・ポチーンとはアイルランドの度数90の危険な酒でそのまま飲むと焼ける様な痛みを食らう危険なお酒なのだ。

「お…お…の…れ…」

ゴキブリクイーンは完全に溶け死んだ。

それと同時に重力が終わるといつのまにか人食い植物までも枯れて完全に死んでいた。

「とっさに除草剤を口ん中に放り込んだ…イテテ」

信道は腰をぐいと伸ばす。ゴキゴキと音がした。かなりきつやこの超重量。 

「あいたたた…」

リアも背中を伸ばす。

三人は無残な事になった周りを見て頭が痛くなる。どうやら最初から悪党だった人間が異世界に紛れ込んでいるようだ。
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