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第100話 噴火を止めろ

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「戦隊って…訳わかんないわよ!」

「まあ、正義の味方だ」

「泥棒猫。アンタはその子と街の連中をまかせた。」

「任せたってちょっと!!」

そう言うと2人は宝石獣に飛び乗りプリズムで出来たコックピットに転送された。

「「宝石合体!」」

2人の掛け声で三体の宝石獣はその身体をバラバラに弾ける。まずカルタノが胴体と両足を形成し人型の中核を作り出し、次にラルトルの頭が右肩にくっつき胴体を腕の形に組み直し拳を作り鋭い尻尾は手首にくっつき武器として槍になり合体し右手を構築する。次にオニステも同じ様に頭が左肩に着き胴体を折りたたむ様に合体し拳を作り出し合体しヒレは開き弓の様な形になり左の手首にくっつき
トゲ付きの尻尾は弓の先にくっつくと左手が完成し合体最後に頭と兜がくっつき合体完了した。

「「完成!カルタノハオー・アーチャー!」」

「あれが宝石巨人!」

「かっこいい!!」

カルタノハオー・アーチャーは飛行能力はない代わりに両手の武器で戦う形態である。
合体が完了し着地した場所は溶岩の真上だった。

「「熱っちーーー!」」

「ぐわ!」
熱ちいわ!馬鹿野郎!!

カルタノハオーは飛び上がりひっくり返りコックピットまで熱さが伝わって声を上げた。

「何やってんのよっ!!」

思わず声を上げた。

「あちち!マグマの上だったか」

「コックピット越しじゃ見えないか」

「ガウ!」
この馬鹿共が!ちゃんと周りを見ないか!

「半分はお前のせいだろう!」

「ウガァァ!」
んだとこらっ!!

「言い争いしてる場合じゃないでしょ!早く溶岩なんとかしなさいよ!」

パーシーがメガホンを取り出して声を上げた。

「たくも!」

パーシーはそれだけ言うと子供を連れてここから離れた。

「おっとそうだった!」

「だがこの溶岩をどうするか??」

「冷やしてみるか?」

「ウガァァァァ!」
よしきた!

カルタノは口から冷気を吐き出しマグマに当てると急激に冷やされたマグマは固まり岩になった。

「よし!」

「いや、大元が止まらないとダメだ!」

冷やした矢先にまた溶岩が流れ振り出しに戻ってしまった。

「やっぱマグマ相手は無理か」

「自然災害だからな」

いやこれはあの女のせいだが。

「ガル!」
いっそ山ごと吹っ飛ばすか?怖い事言うなよ!

「せめて雨でも降ればな」

「雨か…」

確かに雨が降ればこの流れは少しマシにはなり噴火も収まるかもしれないが。

「ガル!」
よそ見をするな。

「「え?」」

ドカン!

飛んできた岩に当たるカルタノハオー。

「いけね岩飛んで来るんだ!」

「落石までは無理だ!」

「くそ…やっぱ水だな」

カイエンは宝救剣にアクアマリンをはめ込みグリップを引きコックピットの内で剣をモニターに向けるとカルタノの口から勢いよく水が放たれた。
水は溶岩に当たると一瞬で固まるが以前噴火が収まらない為勢いが止まらずまた溶岩が流れてきた。

「やはりダメか!?」

「まずいもうすぐ森だ!」

「ガウ!」
何とかしろクソ餓鬼共!お前も何とかしろよ!

「森には生き物がいる!それにまだ逃げ遅れがいたらヤバイぞ!」

「くそ…どうすりゃ…」

火ならともかくマグマじゃな…

「まてよ…確か昔…学校の授業で…」

アレは確か陸が出来る原理の話で、冷えた溶岩が岩になり陸を広げた…大量の水…水=海!

「そうだ!食い止められるかもしれない!」

「なんかあんのか?」

「ああ、もしかしたら一気に止められるかもしれない!」

「本当か?」

「カイエン確か岩を出す人口宝石があったよな?」

「あ、ああ確かに」

前に涼達と作ったアレか!主に陸地がないと直ぐに消えちまうからお蔵入りになった奴だ。

「アレでこの辺り一帯を覆い尽くせないか?」

「俺は無理だが、カルタノ?お前は出来るか?」

「ガウ!」
誰に物を言ってんだ!そんなもの朝飯前だ!さすが最強の宝石獣マナ量が凄いな。

「よし!」

「和樹何する気だ?」

「あのマグマを山ごと冷やす!」

「何!?」

「説明する暇はない。カルタノまずはお前の力で流れてる溶岩をコイツでせき止めてくれ!ここいら一帯丸ごと囲んでくれ!」

「ガウ!」
けっ…クソ餓鬼が…はよやれ首無し!

「口が減らないなたく」

カイエンは岩宝石を取り出すと宝救剣にはめ込みグリップを引いた。

「岩宝石(ロックジュエル)!」

そして剣をスクリーンに向けるとエネルギーがカルタノに伝わる。

カルタノハオーの右手のラプトルランスが回転を始めると地面に突き刺さし穴を掘るとそこから次々と大岩が作られると空中を飛び溶岩の前に落ちていき溶岩をせき止めした。

「よし!カイエン次は必殺技に火の属性を付属して上空へ放て!」

「は?上に放つ?何でだよ?」

「時間がない早く!」

「わかったよ!信じてやるよ!カルタノ!」

「ウガァァァァ!」
おっしゃあ!!

カルタノハオーは左のステゴアローを構えラプトルランスを弓矢の様に構える。
カイエンは宝救剣にルビーをはめ込みグリップを引く。

「カルタノハオー・アーチャー!ストライクバンカーフィニッシュ!」

カルタノハオーが炎を纏った弓矢を放つと光の弓矢は炎を纏いながら螺旋を描きながら空へ放たれ雲に当たる。すると雷が鳴り響き始めた。

「よし!」

和樹は通信宝石を取り出し真宝剣にはめ込みルーガルに通信した。

「ルーガル!聞こえるか?」


港ではルーガルとパーシーが島の人々を誘導し避難させていた。

「慌てないで大丈夫だから!」

「このワニは我輩達勇者の仲間ですぞ。だから安心して下され!」

島の住民は粗方避難が完了していた。ルーガルが上手くやってくれたおかげもあるが、やはりパーシーが奴隷の子供達を連れてきて誘導を手伝ってくれたのが一番大きかった。
彼女は島の人々とは顔見知りだったからだ。

(ルーガル!聞こえるか?)

「今のは?」

「通信宝石ですな!…はい!こちらルーガル!」

ルーガルは通信宝石を剣にはめ込み応答する。

(人民の避難は?)

「粗方終わりましたぞ!」

(そうか。ルーガル!今から俺の言う通りに動いてくれ!)

「何ですぞ?」

(ワニ爺は手空いてるか?)

「と言ってますがワニ殿!」

「ワニ!」
今空いたぞ!

「空いたらしいですぞ!」

(いいか!ワニ爺そっからカルタノハオーのいる辺りまでに海水を飛ばしてくれ!)

「は?海水を飛ばす!?」

「ワニ??」
何させるきじゃ??海水なんてしょっぱいぞ!

(時間がないんだ頼む!)

「何だかわかりませんが、分かりましたぞ!ワニ殿!!」

「ワニ!」
わかった。よっしゃやるか!ルーガルワシに入れ!

「とお!」

ルーガルはワニ爺の中に入るとプリズムのコックピットに転送された。

「ワニ!」

ゴッキュ!ゴッキュ!

しょっぱいが致し方ない。

ワニ爺はそう言って海水を飲み始めた。

「ワニ!」
準備オッケー!やれ!

「では!涼殿お手製!ゲップ宝石!」

ルーガルは人口宝石をはめ込みグリップを引くと剣をスクリーンに向ける。
ワニ爺はそこからカルタノハオーに狙いを定め口を開けそして。

「ゲーップ!!」

ワニ爺は口からゲップをしたまま飲んだ海水を吐き出し山頂へ飛ばすと、吐いた海水は堰き止めている岩の中の溶岩には当たるとたちまち囲った処が海水で満ちていく。

「やり方は汚いが上手くいった!」

「成る程なため池みたいにして溶岩を冷やしたのか!!」

岩を囲んでたのは海水を溜め込み溶岩を冷やす為だったのだ。水溜りになれば溶岩が流れても大丈夫だ。

ていうか普通の水でもいいんじゃまあいいか。

「こっちも来たな!」

ぴちゃん

「あ、雨!?」

いつのまにか雷雲が発生し積乱雲が出来大粒の雨が降る。

「さっき必殺技を撃ったのは大気を温めて積乱雲を作るためだ!」

成る程な、技のエネルギーと炎の熱で大気を温めて積乱雲を発生させ雨を降らせたのか。

雨が降ったおかげで火山が少し収まり始めたのかマグマが少し流れなくなる。

「よし、もうひと押しだ!加工に岩を落として穴を小さくするぞ!」

「ため池なら走れるよなカルタノ!」

「ガル!」
おうよ!

カルタノハオーはジャンプし囲ったため池に入ると山の山頂目指し登る。

「今だジャンプだ!」

カルタノハオーはジャンプした。

火山の火口の上にいる。

カルタノハオーはラプトルランスからエネルギーを放ち周りの岩を破壊し火口へ放り込むと火山の火口は小さくなり雨のおかげで冷えやっと噴火は収まった。
カルタノハオーは地面に落ちると大の字になる衝撃で囲いは壊れ水が流れたがもうマグマは冷えて固まっているため問題なかった。

流れた水も川に流れ直ぐに引いた。

「お、終わった~」

「きつかった…」

2人は変身を解くとバラけたカルタノの背に寄りかかる。

「ガル…」
けっまあ良くやったんじゃないか?

素直に褒めろよ全く。
こうしてやっと火山の噴火騒ぎは幕を閉じた。


後日近くのアンジェラ王国が救援が来た。

島の人々も住んでいる動物や害の無い魔物達も奇跡的に無事だった。あのババアの敷地は即刻取り下げられ自然に帰り誰のものでもなくなり普通に入れる様になった。

ババアはアイカが殺した為結果的に悪事は解決しその息子もアンジェラ王国へ逮捕され連行されたと言っていた。

「ありがとうございます勇者様!何とお礼を言えばいいか!」

島の村長か?らしい人が俺達にお礼を言って来た。更には島の人々まで。

「いや、俺達は別に何もしてないから」

「全て自然にそうなっただけだ」

「謙遜しちゃって~」

「五月蝿い!」

「それより我輩達何しにこの島へ来たのでしたっけ?」

「「…あ…黒曜石!」」

そうだ、黒曜石を取りに来たんだよ!あとタングステン!!

しかし、溶岩騒ぎでババアの屋敷は大破した上に鉱山ほ溶岩で入れなくなり黒曜石は多分マグマにやられたな。

「マジか…」

「降り出しですぞ…」

「黒曜石結局手に入らなかったか」

諦める三人。

「え?黒曜石なら沢山あるじゃない!」

「「「何!?」」」

「ホラ、アレよ!アレ!」 

パーシーの指先は噴火して落ちて来た溶岩。

「あ!黒曜石は火山石だ!」

そう黒曜石とはつまり溶岩が固まった岩、つまり火山石の事なのだ。

「え、つまりこの黒い焼けた石が全部黒曜石なのか!?」

「そうよ。アンタ達知らないで来たの?」

「じゃあ、あの黒曜石は…」

「黒曜石は工芸品としても使われてるからね。アレはひときわ綺麗だった奴よ。だから頂いたたの!落としちゃったけどね!」

てへっと舌を出すパーシー。

ブラキオの奴…知ってたなあの野郎!!

あんなに苦労して正体は火山石かよ。つまり火山がありゃどこでも取れるって事だったの。

「まあ、任務完了だな。」

「後はタングステンですな!」

「タングステンなら私達の村にたんまりありますよ!」

村の村長がそう言った。

「本当か!」

「はい!何分掘ればそこら中から出ますから」

「成る程な」

「まあ、とりあえず見つかったな」

「じゃあお言葉に甘えて頂いていきますね!」

三人は目的の黒曜石とタングステンを手に入れた。 

しかし、後にベルに聞いたら相当量が必要らしく暫く集める為に島にいることにした。
まあ帰る頃にはたんまり集まってるだろ。

多分…
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