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第82話 10人の勇者

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すやすやと寝息をたてている。

「猿渡くん?」

「ん…」

「猿渡くん」

「はっ??」

アレ?ここは?

「何やってるんだい?」

アレこの人…遊園地の掃除係のおじさん。

「掃除のおじさん」

「もう閉館だぞ。何故更衣室で寝てるんだい?」

「へ?寝てた?」

涼は周りを見渡す。確かに此処は俺がバイトしてる遊園地だ。

「そうだ俺はホウキュウジャーになって戦ってて」

「何を言ってるんだい?君は雑魚兵のスーツアクターだろ?」

「確かに俺はレッドで」

「夢でも見てたんだろ!いつか出来るといいなレッドに。さあもう帰りなさい」

涼は訳がわからずとりあえず家に帰る事にした。
涼は小さな古いアパートで暮らしている。

両親の元を離れ一人で毎日バイト漬けとレッスンを受ける日々。正直25歳にもなって俳優を目指すなんて無謀なのもいい事だ。

金も毎日かかってしょうがない。

でも涼は小さな頃遊園地のヒーローショーの最後で俳優さんと握手した嬉しさを忘れる事が出来なかったのだ。

翌朝涼はスーパーのアルバイトへ向かう。
俳優のオーディションにはまた受からず仕事がない。だから仕事に専念していた。

昼休みの時間。

涼はバイト先のスーパーの紙パックのお茶108円と108円の大きいパンを食べている。

金がないから節約しないと。

涼はバイト先ではパートのおばさん達との仲は良好だったが…

「それやっとけ言ったよな?猿渡さん!」

「はい…すいません…」

「社会人ならそれくらいちゃんとして!」

自分より後から入った社員との反りがどうも合わない。

後から来たずっと歳下が社員で自分はアルバイト。それでずっと俺を下に見ているのだ。

他にもずっと歳上のアルバイトはいるのにだ、その人達にはぺこぺことしている正直早くいなくなって欲しかったが我慢した。何故ならこいつが休みのシフトを管理してるからだ。だから我慢しなきゃならない。

時間も会社の都合で毎回毎回変わる為に俳優になる為のレッスンもオーディションの応募も中々出来ず休みも飛び飛びで直ぐにまた始まる…なんの為に仕事してんだよたく…

「よし、行くかな」

涼は仕事が休みの日に遊園地に行き公演の時間に合わせてスーツアクターの仕事をしている。午前の部から昼の部とオーディションの開始時刻と上手く合わせて仕事をしている。

正直ストレスや疲れが溜まっている中でのこの仕事はかなりキツかった。

涼は電車の中で駅に着くまで眠ると遊園地の裏口から楽屋に入り着替えるとスタンバイを始めた。

「さあ、子供達!大きな声でホウキュウジャーを呼びましょう!せーの!」

ホウキュウジャー!!

ヒーローショーのナレーションのお姉さんが子供達とヒーロー達を呼ぶ。

「みんな!お待たせ!」

「「「「「宝石戦隊!ホウキュウジャー!」」」」」

名乗りを終えたスーツアクターたちに沢山の声援と拍手が響く。

「猿渡行くぞ!」

「は、はい!」

涼はヒーロー役のスーツアクター達に小道具の武器を振りかざす。

ヒーロー側も小道具の武器で応戦する。
しかし、涼はなんだか物足りなく感じていた。
もっと重くて本当にドラマの様な痛みや悲しみも感じていた様な気がしていた。

「くらえ!」

赤のスーツアクターの剣で切り裂かれた涼は絶妙なタイミングで舞台から出た。

「ふう…」

役目を終えた涼はヘルメットを外して汗を拭う。

「猿渡!」

「は、はい!」

声をかけて来たのはこのチームのリーダーである小柳さんだ。

小柳さんは特撮の会社から派遣され俺たちスーツアクターを指示している司令塔のような上司だ。

「今日は良かったぞ!自分勝手ではなく子供達が1番盛り上がるタイミングを見逃さなかったな!」

「そ、そうですか…」

涼は照れ臭かった。

「どうだ?今度悪役の幹部のオーディションがあるんだが?受けてみないか?」

「え!」

悪役の幹部だって!

それはかなりの大役だ!ヒーローを正直やりたいがそれも一度はやってみたかった。

つまり悪役側の準主役だ。
 
「はい!やらせて下さい!」

その後嫌味な後輩兼社員に頭を下げ土曜日悪役幹部のオーディションを受ける涼。

オーディション会場には若手もいればベテランの俳優さんから声優まで沢山の人がいた。
俺はこの人達の中に混ざらないと行けないのか!

「よーしやるぜ!」

自分の番になる。

涼の目の前に4人の審査員がいる。

「猿渡涼です。宜しくお願い致します!」

「では、猿渡さん貴方は何故このオーディションに望んだのですか?」

審査員は説明する

「はい。ヒーローに近づく為です!」

「ヒーローに?」

「悪役はヒーローではないのですよ!」

「自分はヒーローを確かにやりたいです。でも悪役も同じくらいやりたい気持ちが溢れて来たからです」

「一生ヒーローに負ける役だとしてもですか?」

「見てくれる子供達が自分の演技で悪い奴と思ったなら、それは演じきれた最高の勲章です。自分はその勲章をずっと追い続けられる俳優になる為にこのオーディションに来ました」

「わかりました。では演技を始めて下さい」

涼は演技を始める。

不思議となんだか周りに不思議なビジョンが見えてくる。今まで見えなかったのにそれになぜか役がイメージ出来ている。
やがてオーディションが終わり涼は会場を後にする。

「オーディションの結果はいつなんだろうな~早くこないかな~」

なんか不思議だった今まで周りや先生からもダメ出しが1番多くしかも芝居が完結してるまで言われていたのに不思議と自然に出来た気がするんだよ。こんな楽しくオーディションに来たのはいつ以来だろうな。

そして暫くしてスーパーの仕事中に一本の電話が入る。

「はい猿渡です」

涼は電話に出た。

電話の相手はオーディションの結果だった。

結果は…

「そうですか…」

不合格だった。でも監督さんが怪人役のオーディションがまたあるから是非来て欲しいって言って貰えた。

「今まで1番の進歩だな!」 

涼は昼食を終えてテーブルでうつ伏せになり眠る。





誰だ?

涼!

誰なんだ?
  

「涼!起きるティラ!」 

「!?」

暗い闇の中に浮かぶ歪んだ空間。

その先に赤い宝石のティラノサウルスがいた。

「お前は?」

「涼、忘れたティラか?」

「誰なんだよ?」

「俺はルビティラ!ダサいけどお前が着けてくれた名前ティラ。涼みんながお前を待ってるティラ!」

「待ってるって何言ってんだよ?」

涼は目の前にいる不思議な生き物に何だかんだ見覚えがあるような気がした。

「涼は今魂だけがそっちの世界で形になってるだけだティラ!早く戻るティラよ長くは入り口を保てないティラ!」

「魂だけって何言ってんだよ!?俺はこうして…っ!?」

涼は自分の手が半透明になっていることに気がついた。

涼は魔宝石が砕けた時一瞬契約が切れてエネルギー体として元の世界に流れていたのだ。

しかし…

「今のままだと涼は消えるティラ!」

「マジかよ…夢だよなこれ?だって俺は次のオーディションに行かなきゃ!」

「涼!」

「俺は俳優になるんだ。ヒーローになる夢を掴む為に!」

「涼はもうヒーローだティラ!」

「え?」

「涼はまだこっちの世界で役目を終えてないティラ。みんながお前を待ってるティラ!」

「みんな?」

アレ?何かが頭から溢れてくる。

それはみんなの顔だった。

「俺は…」

「涼、お前は勇者で俺達の世界のレッドティラよ!だから早く帰って来いティラ!」

「は!?」

そうだ…お前はルビティラ…俺のパートナーの宝石獣。

「思い出した…俺は今…いや俺達は…」

涼はそういうと歪んだ空間にいるルビティラに手を伸ばす。

「「俺達は戦隊だ!」」


テナルディエが砕いた石から赤いレッドベリルが飛び出すと輝き更にそれにヒビが入る。

「な、何が起きてるの?」 

レッドベリルがバリンと砕けると中から真っ赤に光輝く赤いティラノサウルスが飛び出した。

「ティラ!」

飛び出した赤いティラノサウルスは巨大化しテナルディエ達を蹴散らす。

「うわ!」

「な、何ですのアレは!?」

赤いティラノサウルスの中にはまるで炎が上がってるかの様に揺らいでいる。赤いルビーとレッドベリルの体が美しく輝き黄色の瞳に両足の武装を備えた姿のティラノサウルスは小さくなった。

「復活ティラ!」

「まさか、ルビティラちゃん!!」

「そうティラ!」

ルビティラだと!?復活したのか!!

「ルビティラ!」

「ルビティラ良かった!」

「元気になったんですね!」

「心配させやがって!」

「ルビティラが起きたって事は!?」

「おーい!みんなー!」

手を振りながらこっちに馬鹿な笑顔を見せてやってくる奴。そうだ…あいつだ!

「涼…涼!!」
 
アリシアは泣き叫びながら涼の腹に頭を埋めた。

「な、なんだよ急に?」

「うっ…ざい…馬鹿…ばーか…」

涙と鼻水でぐしゃぐしゃじゃないか。

「この馬鹿!!」

カイエンは涼をどついた。  

「心配させやがって!」

「うおーー!涼殿!!」

「全く君はいつも迷惑ばかり…」

「涼さん…本当に良かった…」

「簡単には死なないと思ったぞ。涼!」

仲間達が復活した涼に喜んでいると。

「貴様ら私らを無視するな?」

「ん?なんだあの黒豚?」  

「豚言うな!テナルディエだ!テナルディエ・ガリウスだ!」 

「ガリウスってあの豚男爵か?て、あぁ!泥棒女!!」

「今更ですの!この死に損ない!」

「まだ死ねるかよ!」

「貴様らこの場でミンチにしてやるわ!」

「ミンチになるのはお前だ豚男爵!」

「男爵!?」

テナルディエは真っ赤になり頭から湯気を吹き出す。

「おーい!涼!」

「師匠!」

「先生!無事でよかった!」

和樹達が駆け寄って来た。

「お前達!」

「あっちはいいのか?」

「ああ、マナリアが行けって!」

「先生僕達も戦隊です!」

「一緒にやりましょう涼さん!」

3人は真宝剣を見せる。

「その剣は!」

「貴様らまさか!?」

「そうだ豚男爵!俺達は勇者に返り咲いた!」

「マジかよ!て言う事は…10人体制来たーー!!」

「久々に涼の病気が…」

「またさいはつしましたか」

「次はアレだな」

絶対…

「よーし!みんな変身だ!」

涼の胸からレッドベリルの勇者石が飛び出すと更に宝救剣も現れ勇者石が合わさると剣は太陽の紋章がつきグレードアップした剣に変わる。

太陽!ザ!超宝救武装!

仲間達も剣に勇者石をはめ込む。

ブラック!ザ!宝救武装!
ブルー!ザ!宝救武装!
グリーン!ザ!宝救武装!
ピンク!ザ!宝救武装!
へい!とりあえずゴールド一丁!
マジェスティ!ザ!宝救武装!
バイオレット、イエロー、シアン!ザ宝救武装!

「超宝救武装(スーパーホウキュウチェンジ)!」

「「「「「「「「宝救武装(ホウキュウチェンジ)」」」」」」」」

「乾杯(プロージット)!」

掛け声に合わせ剣から10の光が飛び出した。
光は10人に纏いスーツと鎧を作り出し装着し涼は赤とオレンジを基準とした新しいスーツと太陽の様に燃える鎧とマントを纏い最後にパートナーを模したヘルメットを装着し変身完了した。

「な、何よこれ!?」

「10人だと!?」

「すげーパワーが溢れてくるぜ!よっしゃ10人でやるぞ!」

「やっぱり…」

「やるんですか…」

「また病気が再びか…」

「まあ今日くらいはいいだろ」

いつもしてるだろたく。

「太陽のベリル!ホウキュウレッド・ソレイユ!」

「激突のオニキス!ホウキュウブラック!」

「揺蕩うアクアマリン!ホウキュウブルー!」

「疾風のエメラルド!ホウキュウグリーン!」

「輝くピンクダイヤモンド!ホウキュウピンク!」

「一金提供!ホウキュウゴールド!見参!」

「償いのサファイア!ホウキュウバイオレット!」

「シトリンの一皿(スペシャリテ)!ホウキュウイエロー!お上がりよ!」

「創造のタンザナイト!ホウキュウシアン!」

「高貴の銀帝!ホウキュウシルバー!降臨!」

「「「「「「「「「「勇気の宝石見に纏い!」」」」」」」」」」

「我ら10人の救世主!」

「みんな一緒に!」

「「「「「「「「「「宝石戦隊!ホウキュウジャー」」」」」」」」」」

最後に10色の特大花火があがる。

決まったーーーーーーーー!

今まで1番…

恥ずかしいです…

同感…

変わらないな…

たまりませぬな!

いい感じ!

これは…かっこいい!!

何処がですか…

料理のネーミングに使えないかな?

「何一つ使えないわ!かかれ!!」

テナルディエが叫ぶと兵士達が武器を構えて数で攻めてくる。

「戦隊を舐めんなよ!!」

涼達も武器を構え真っ向から迎え打つ。

「派手じゃな今の勇者は…」

「涼が馬鹿だからティラ。て蛙さん誰ティラ?」

「お主も人事言えんぞ!」
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