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第67話 悪食

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女性が集められた城の大広間の中心に飛び降りてきたカイト。

「さあ、女の子達パーティを楽しもうぜ!」

カイトは不自然な程有頂天だ。

「アレ本当に元凶なのか??」

「和樹さんと同じ様に邪気にやられてるにしては不自然な程元気ですよね…」

確かに邪気に取り憑かれてるとは思えない。

取り憑かれてるなら体が魔人族見たいな見た目になるはずだが、コイツは変なテンション以外は全く変わりがない。

「くんくん…ん!?腐った肉の匂いがするな!そこかぁっ!!」

カイトは声を上げるとテーブルに置いてあったナイフをルーガルの尻尾になげるとズバッと尻尾は斬れた。

「うわっ!我輩の尻尾がぁ!!」

驚いたルーガルは声を上げた。

「大丈夫なのか!?」

「あ、問題は無いかった直ぐに生えますから!」

ルーガルがそう言うと斬れた先から液体がにじみ出しそのまま新しい尻尾が生えた。

「復活ですぞ!」

「やっぱ蜥蜴じゃん…お前…」

「蜥蜴じゃありませんぞ!」

「おいおい…言い争いしてる場合じゃないぞ…」

涼達の周りを武装した女性達が取り囲んでいた。

「やはり居ましたわね犯罪者共!」

「それはお前だろ泥棒女!!」

「アイカに難癖つけてんじゃねーよ!!」

カイトが割り込んで来た。

「お前な…あれだけ事されたのに信じてるのか?その女はお前をずっと騙していたやつだぞ。いい加減道化に成り下がるのはやめろ!」

「道化じゃねーし。俺はアイカを女の子達を全て信じる!」

たく…女好きを通り越してやがる。だから道化にされるんだろが。

「しかし情けない姿で潜り込んで来回したわね。女装趣味とはとんだ変態集団ですわ」

「好きでこんな格好するわけないだろ!!」

「大体この街の連中に何をしやがったんだ?まるで奴隷みたいに」

「新たな活動拠点に汚い男と食い物は邪魔なんだよ!!食っても食っても食い足りねぇからな!」

カイトはそう言うと場にある料理を貪り食い始めた。

「こんな時に食事とは余裕だな!」

「いや~不味いんだよな~この飯はよ!!」

カイトの口調が変わり始めた。舌まで気持ち悪い動きで舌なめずりを始めた上に目が赤くなり始めた。

「な、なんか変じゃない?」

「確かに…まるで様子が変わりました」

「飯だ…女だ…@&#?ga#ぐわぜろや」

カイトの口が裂け始め口がどんどん広がりはじめた。

「お前…本当に人か?」

「侵食が終わったみたいね」

「侵食?」 

「カイト様には寄生型の魔人を仕込んだ魔石を与えたのよ。やがては自我を食らわれ汚らしい怪物に変貌するのよ。カズ様と違って自爆はせず欲望のままに動く馬鹿な怪物ですがね」

アイカが言い終わるとカイトの体からみるみる変態していく。
髪は長くなり口が裂け始めて長くなりいやらしさと気持ち悪さが混ざったネズミの様な蛇の様な怪物に変貌した。

「飯…ぐばぜ/@@1\ろや!」

怪物に変貌したカイトは口を開けそのままテーブルに食らいつき食べ始めた。
その姿は余りに意地汚く俗に言う悪食と言う奴だ。 

カイトは狂った様に手当たり次第に食らいつきやがては周りにいた女性達を食べようと襲い始めた。城に集められた女性達は皆出口向かって走り逃げ始めた。

「あの馬鹿完全に邪気に食われたか」 

「どうするんですか!?」

「ああなったら浄化できるのかよ姫?」

「判らないわよ。でもこのままじゃ…」

「とにかくやるしかないぞ!」

涼達は宝救剣、宝救丁、宝救聖剣を取り出し勇者石を剣とチェンジエッグにはめ込みグリップを引きボタンを持ち手で押した。

レッド、ブルー、ピンク、グリーン、ブラック、マジェスティ!ザ!宝救武装!
へい!とりあえずゴールド一丁!

「「「「「「宝救武装(ホウキュウチェンジ)!」」」」」」

「乾杯(プロージット)!」

7人は走りながら城を飛び出し掛け声を上げると剣から光が飛び出し7人は変身した。

「宝石戦隊!」

「「「「「「「ホウキュウジャー!」」」」」」」

7人が名乗ると七色の花火が上がる。

「あ、変身したでありますね」

「わかるのか?」

「花火上がってるからね」

「あれ、どんな仕組みなんだろうな??」

馬車から城下町を見ていた和樹は疑問に思うが、まあどうでもいいか。

「毎度毎度飽きずにやりますわ」

「毎度毎度面倒起こす奴よりはマシだ!」

「涼くだらない意地をはるな…」

全くである。

「グワ36や@agwp!agt@Tdwk'!」

「何をぼさいてるか分からなくなってきたぞ」

「とにかく邪気を払わなきゃ!」

「良しみんな行くぜ!」

「させませんわよ!」

アイカがそう言うと逃げた女達が武器を構えて取り囲んで来た。

「さぁ皆んなカイト様の寵愛が欲しいならあの犯罪者達を殺しなさい!」

「寵愛だぁ!?あんな醜い奴のが欲しいのかよ!」

怪物に変貌してもはや汚いだけだ。

「カイト様の愛は私がもらうわよ!」

「いいえ私よ!」

「恋敵は殺す!!」

ヤバイ目がいっちまってる!?間違いなく操られてる。

女達が武器を振りかざし涼達を殺しにかかってくる。

「うわ!あぶなっ!」

「やめるんだ!!」

コハクは斧を振りかざすガマガエルみたいな女の武器を弾いた。

「姫様!」

「あぶね!」

リアと信道がアリシアに降りかかる刃を剣で弾き飛ばすが次から次に来るのでアリシアも応戦するしかなくなる。

「もうっ!これじゃ浄化できないわよ!」

声を上げるアリシア。 

本当に何人いるんだよ…たく…

「ヒェー!」

大砲まで持ち出しルーガルにぶっ放された。
ルーガルが交わすとカイエンの頭目掛けていく。

「おっとあぶなっ!」

「((((;゚Д゚)))))))」

カイエンは頭を外し交わすと再びくっつけた。

「離れ業すぎますぞカイエン殿!!」

「お前もよく見て交わせよルーガル!」

「すまない…」

言い争いしてる場合じゃない。

今度は城から大砲がぶっ放されてきた。

「「ギョエー!!」」

ルーガルとカイエンは交わす。

涼、コハク、アリシアが背中合わせに会話を始めた。

「くそ、これじゃ戦えない」

「流石に一般人には斬りにかかれないからな」

「じゃあどうするのよ!!」

「不器用なりに今はいなすしか!」

涼達は再び武器を構えて突っ込んでくる女達を何とかいなしている。

「無様ね。そんなブサイク達をさっさと殺してくればいいじゃない~」

その言葉そっくり返してやろうか!!

「おらよっと!」

「な、のぶさん!」

信道は涼の背中を踏み台に飛び上がり1人カイトが変貌した怪物にビームサーベルにした剣を振りかざす。

怪物カイトは両手から剣を生やし応戦した。

「何!?」

「けけけ、やっと馴染んだぜ!」

怪物カイトが喋った。

「何だお前は?」

「俺様はこの人間の体に馴染むために手当たり次第食い物を貪りようやく主人格に成り代わったのさ!」

どうやらあの訳わからない衝動とバカぐいは全てこの表に出て出た怪物本人が体を馴染ませる為の行動だったんだ。

怪物は信道の剣を弾き口からビームを放ち信道を吹っ飛ばした。

「うわぁぁぁぁぁ!」

信道は階段から転がり横たわる。

「力だ!もっと力を得るためにこの女達を全て喰らってやる!!」

悪食怪物の体がどんどん巨大になっていく。

「あの黒い石使ってないのになんで!?」

「いや、体内になる石がそうだから。多分エネルギーが溜まってデカくなったんだ!」

悪食怪物は巨大化すると周りにある建物から何まで手当たり次第に食べ始めた。
周りにいた女達も口を開けた悪食怪物が吸い込み飲み込んでいった。

「いいわよどんどん食べなさい。人間から魔宝石を奪いなさい!」

「あの野郎最初からこれが狙いだったのか!」

「酷い…いくらなんでもこんなの酷いわ!」

「人の命を弄んで」

「この悪魔め!!」

「私は魔人族側の英雄の娘よ。褒め言葉として受け取るわ!」

つくづく頭の悪い回答しやがって。頭にくるなクソ!

「でもどうしよう…あんな大きくなったらもう私の力じゃ…」

「だったらブラキオで!」

「我がやったら人間ごと消えるぞ!」

巨大化した宝石獣達が駆けつけてきた。

「涼、乗るティラ!」

「おっしゃ!」

涼達は宝石獣に飛び乗りプリズムで出来たコックピットに転送された。

「ブラキオ。消えるってどういう事なの?」

「完全に取り込まれて浄化したら人間事消えてしまうんだ」

「マジかよ!」

「何とかならないのか?ブラキオ」

「手は無くないが…」

「あるなら言えよ!どうすりゃいいんだよ!このままじゃ街が!」

「えーい少し黙らぬか!」

ブラキオが声を上げた。

「お前ら我の扱いが本当に雑になりおって」

「早く教えろよ!」

「あの馬鹿勇者と魔石を体内から引き剥がす。そうすれば人間は助かり奴も我が細胞一つ残さず消し去れる」

は?引き剥がすって…まさか…

「あの化け物に食われろってか!?」

「ざっくり言うな。恐らく取り込んだ人間はまだ奴の体内に居る筈だ。奴を引き剥がす事ができるはずだ」

「だからってあの気持ち悪い奴の中に入るなんてな…」

生理的に無理だ。

「下手したらどうなる?」

「あの人間も完全に同化しもう消すしかなくなる…」

「残酷な事言うなよ!お前神なんだろ?」

「今の我にはこれが限界だ。」

「要はあの化け物の腹から馬鹿勇者を連れ出せばいいんだよな?」

「まあそうだ」

「わかった。俺が行く!」

「のぶさん!?」

「何故のぶ殿が行く必要がある!?」

「料理人だからだ」

料理人は今関係ないだろ。

「のぶやめろって!」

「そうですよ。それに料理に関係はないですよ!!」

「あるよ、大ありだ。」

「信道?」

「聞こえんだよ。取り込まれたアイツの声を…腹空いたって叫んでる空腹は最大地獄ってよく祖父さんは言ってた」

確かに第二次大戦の後は皆食べる物がなく地獄の様な空腹で溢れていたった聞いた事がある。農家さん達は皆んな腹一杯食べる事が夢だったって語っていたなそういや。

「それに…あんな食い方は料理人して絶対に許す事は出来ない!」

「だから今は料理は…」

「わかった。のぶさんに任せる!」

「涼!?」

「俺はのぶさんを信じる!」

「サンキュ涼!ゴルーケン!」

「アーアー!」

ゴルーケンは鳴きながら飛び上がり悪食怪物に飛んでいく。

「ちょ、のぶ!」

「涼殿、何故?」

「仲間だからだ」

「は?」

「仲間だから信じて待つ。それが戦隊だ!」

「だからお前の世界の芝居の常識は知らないっての!」

カイエンは涼に声を上げた。

「大丈夫だ。仲間を信じるお前を信じろ!」

だから知らないから!

「全く馬鹿なんだから涼って…」

「でも、いつもその通りに不思議となるんですよね。」

「ですな!仲間を信じるお前を信じろかいい言葉ですな!」

「どうせ特撮とか言う奴の受け降りだろ」

正しくはロボットアニメである笑

「しらんわ!」

「回想シーンにまで茶々入れんなよカイエン!」

「はいはい馬鹿はそこまでよ!信道を信じて私達は怪物を止めるわよ!」

「「「「「「オウ!」」」」」」

涼達も悪食怪物に宝石獣達と突っ込んで行く。

「ゴルーケン降ろせ!」

「アーアーアー!」

ゴルーケンは怪物の頭に信道を落とした。
信道は空中で濁酒銃を取り出すとシリンダーに水晶とオパールを入れシリンダを回した。

シェイク!シェイク!シェイク!上がったぜ!

「清酒一撃!はっ!」

濁酒銃から清酒の球が放たれる。

清らかな香りのお酒に誘われて怪物は口を開けると信道も一緒に入り飲み込まれた。
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