55 / 164
第55話 宝石神の問いかけ
しおりを挟む
涼達の前についに現れた宝石神ブラキオサンドライトはゆっくりと歩き始めた。
「ルビティラ。ブラキオサンドライトって?」
「ブラキオとサンドライトをかけたティラ!いいネーミングティラ!」
そんな場合か!!あんなデカいのが突然現れて歩いてんだぞ。
「見た感じ襲ってこない?」
「何処へ向かってんだ?」
そんなブラキオサンドライトにお構いなく向かっていくカルタノハオーとゲーターオー。
「あいつら何考えてんだよ」
「あんな大きいのに勝てるわけないです!」
「俺達は逃げるぞ!」
「でも、まだワニ爺達が!」
そうだワニ爺達がまだあいつらの手に…
「今は逃げる!必ず助け出す!」
「我輩達の相棒はきっと大丈夫ですぞ!」
「カイエン、ルーガル」
二人共パートナーが心配なのに。いやパートナーだからこそ信じてるんだな。
「わかった!体制を立て直すぞ!」
「ゴルーケン。ガネットまで飛んでいけ!」
「アーアー!」
ゴルーケンは雄叫びを上げるとこの場を離脱した。
「アイツら逃げてくぞ」
「ほっときましょう。今はまず」
「このラスボスを倒してログアウトだ!」
カルタノハオーは空からゲーターオーは海からブラキオサンドライトに攻撃する。
「カルタノハオー!破砕斬!」
カルタノハオーは空から必殺技をブラキオサンドライトの頭に叩きつけた。
しかし、傷一つついてない。
「な、何だと!?」
「傷一つついてないのかよ!」
「アレキサンドライトはダイヤと同等の強度ですから」
アレキサンドライトは非常に堅く強度はダイヤモンドと同じくらい硬い。
さすが宝石神と言われてるだけある堅さは半端ない。
「カイト様早くあの巨大な宝石を!」
「おうよ!」
「いやここは引きましょう!」
「は?何でだよ!?」
いやカルタノハオーが無理ならゲーターオーだって奴に傷をつけるのは無理だろ。
「どう見たって部が悪いですよ!」
「オマケに俺達を見ちゃいないぞ!」
ブラキオサンドライトはハンターズなんか見る気もせずに歩いている。
「ちょっと私は時期女王よ!眼中にないってどういう事よ!命令よ!止まりなさい!」
ブラキオサンドライトは無視。
「馬鹿!引くぞ!」
「わかってる!」
「アイカさん行きますよ!」
「ですが!アレキサンドライトですよ!あんな巨大な希少宝石は滅多に」
「あのデカ物はまず調べてから挑む。それまで我慢しろ!」
「いや~ん。私の王の宝石~」
ハンターズも戦線離脱した。
ガネットに戻った涼達は真っ先に城へ向かう。
ガネット国王に事の自体を報告した。
「宝石神を見つけただと!本当かアリシア!?」
「はい、間違いなく宝石神です!」
「そうか、ついに見つかったか。」
「だけど奴は滅茶苦茶デカいぜ!山よりデカイ」
そんなのが一体何処へ向かって歩いているんだ?それにどうしてあのブラキオサウルスは目覚めたんだ?
「報告します!巨大な魔物がこのガネットに向かっています!」
慌てて兵士が玉座へ駆け込み報告してきた。
「な、なんだと!?」
「なんでも巨大な宝石の山のようだそうです」
巨大な宝石の山!?
おいおいそれって…
「まさか宝石神なの!?」
「ブラキオサンドライトはここを目指してるのか!?」
「マズイな…あんなデカいのが来たら街なんかペシャンコだぞ!」
それくらい奴はデカすぎるのだ。
島に擬態していた程の巨体で身体はアレキサンドライトだ攻撃なんかしてもまず傷一つつかないだろ。
「今のところ魔物はただ進んでいるだけで攻撃はしていません!」
「到着時刻は?」
「役48時間かと」
「2日でここまで来るのか!?」
「歩幅が違いすぎるからな」
「何にしても目的が判らぬ以上はただ危険なだけだ。急いで住民の避難だ!」
「はっ!」
ガネット国王の命令で兵士が出て行った。
「怒ってるのかしら?」
「起こしたからか?」
「仮にも神と言われてる宝石獣だからな…」
「いずれにせよ皆様にお願いせざる終えません…」
ガネット国王は申し訳なさそうだ。
そりゃ現時点で街を守れるのは俺達ホウキュウジャーだけだ。
「王様心配すんな!俺達に任せてくれ!」
「おお!やってくれますか!!」
ガネット国王の顔がパァっと明るくなる。
「ちょ、また安請け合いしたのかよ!」
「君は馬鹿か!あのデカさでどう対処するか作戦あるのか!!」
「決まってんだろ!エンガホウキュウオーでブラキオを止めるに」
「涼…ワニ爺達は取られたままだぞ…」
「…」
暫く沈黙する。
「そうだった…」
君は間違いなく本物のバカだ!
その通り!回想シーンだからってそこまで言うなよ!
「とりあえず馬車に戻って嬢ちゃん達に相談するか?」
「そうですよ!ベルちゃんとマナリア様なら何か知恵を出してくれるかも!」
「決まりですな!」
「よし一旦戻るぞ」
膝をついて落ち込んでる涼をみんなは置いていき馬車へ走る。
「涼、行くわよ!」
アリシアが涼を仕方なくひっぱていき涼達は玉座を後にした。
馬車は城の中庭に置いてある。
馬車はすっかり元に戻っていた。
「あ!みんは帰って来たティラ!」
先に戻っていたルビティラが出迎えた。
「みんなお帰りなさいであります!」
基地へ戻る涼達を出迎えるベル。
中はすっかり元に戻っていた。よく見たら色々と追加された物もチラホラだ。
「みんな、大変な事になったわね。」
「ひいお祖母様!」
「賢者さん」
涼達はマナリアとベルに説明した。
「ブラキオサンドライトでありますか」
「宝石神が目覚めたのね」
「ああ、何故かこの国へ向かっているらしいんだ」
「ええー個々に来るんでありますか!?」
「それだけ大きいなら街なんか簡単に潰されてしまうわ!」
「お祖母様何とかならない?」
頼むぜ賢者さんよ!!
「いくら私でもあれだけ巨大なマナの塊に術はかけられないわ!」
確かに宝石獣が魔宝石の塊って話だったな。
あのブラキオサンドライトはルビティラ達とは比じゃないほど巨大だ。そんな奴に魔法なんかけられる訳ない。
「そもそも何でこの国へ向かっているんでありますか!?」
「確かに…奴は起きたら、直ぐに動き出したからな」
「ブラキオサンドライトはどうやって目覚めた訳?」
「確かアリシアが泥棒女に胸ぐら掴まれたら互いの中にある剣と宝石が出てきて、直ぐに消えたら奴が起きた。」
そうだ、ブラキオはアリシアとアイカの中の剣と宝石に反応して目を覚ましたんだ!
「もしかして姫様を探してるんじゃ」
「私を!?」
「どういうことだよリア?」
「私達が宝石獣を呼び出した時も剣と石が合わさって呼び出したでしょ。それと同じでブラキオサンドライトは姫様に会いに来てるんじゃないでしょうか?」
確かに。もしそうなら話が通じるかもしれない。
「アーアー!」
「ん?ゴルーケンどうした?」
「くーくー!!」
継承者よ来たれって言ってたそうです。
「言ってたってマジがイカちゃん!」
「くーくー!」
ゴルーケンは最も古い宝石獣ですから更に上のブラキオの言葉が唯一わかったらしいんです。
「え?ルビティラ。ブラキオは何か言ってたのか?」
「いや訛りが酷すぎて分からんティラ!」
お前に判らないじゃ他の奴も分からないか。
「ルビティラちゃん達な理解出来ない程言葉が古いのね!」
「ゴルーケン間違いそう言ってたんだな?」
「アーアー!」
「くーくー!」
はい。間違いなくそう言ってたそうです。あと真に相応しくなくば死を覚悟しろとも言ってたそうです。
「つまりブラキオはアリシアを探してるんだな。」
「ちょっと待って。継承者って言ってもこっちには剣はないんだぞ。そのまま行ったんじゃ意味はないんじゃ」
「いや魔人族はずっとブラキオを探していたから必ず来る。その時にブラキオが真の継承者を選ぶんじゃないのか?」
真の継承者を選ぶ。
「つまり初代勇者が作ったこの国の真の継承者を選ぶ為にあの宝石獣は起きたのね!」
「それ以外は思い当たらないしな」
「行かなきゃ…」
アリシアは立ち上がった。
「本当にブラキオサンドライトが私を探しているなら、私はあの方と話をしたいわ!」
「アリシアちゃん…」
「だから皆んな。私に力を貸して!私をブラキオの所へ連れて行って!」
真剣な眼差しで訴えるアリシア。
俺達の答えは決まってる!
「おうよ!当たり前だろ!」
「我輩達はもう仲間ですからな!」
「ルーガル。たまには空気読むじゃないか」
「カイエン殿!!」
「僕も力を貸しますよ姫様」
「姫様。私達はいつも貴女の味方ですよ!」
「そうであります!姫様の為ならどんとこいであります!」
「皆んな気持ちは同じだよ。姫様。」
「信道…」
「俺達も力を貸すティラよ!」
宝石獣達もアリシアの周りに集まる。
アリシアはいつのまにかこんなに頼もしくて優しくて楽しい時間を過ごす仲間が出来ていた。姫ではなくアリシアとして接してくれる仲間が沢山。
「アリシアちゃん…いい仲間が沢山できたね」
マナリアはひ孫の成長を喜ぶ。
「よし、そうと決まれば出発だ!」
涼達は馬車を飛びだすと巨大化したゴルーケンに皆んな乗り込む。
今度は宝石獣達も小さくなりベルの鞄の中に入る。ルビティラはこれ以上小さくなれないのでゴルーケンの背に一緒に乗り込む。
全員乗り込むとゴルーケンは飛び上がりブラキオサンドライトの所まで飛んで行く。
「ついに見つかりましたか宝石神が」
涼から奪った本を片手に話すアッシュベル。
「ああ!なのにカズが撤退するって言うからよ!」
「どう考えもあのデカブツには傷つけられなかったんだ。まずは攻略法を探すのが正解だろ」
「確かに。奴の硬さとエネルギーは異常でしたからね」
流石のハンターズも今のままではブラキオサンドライトに太刀打ちは出来ないとふんだので撤退したのだ。
「ドクター。アンタの意見が聞きたい」
「そうですね。その宝石神はそんなに巨大だったのですね?」
「ええ。それでいて美しい輝き。私が王位を継いだら真っ先にアレを使い城を建てますわ!」
「お!いいなそれ!」
「今はそんな話じゃないでしょ。あの宝石獣をどうやって捕獲するかって話でしょ」
「分かりました。では私は準備しておきますよ」
「博士出来るんですか?」
「勿論ですとも。対策はありますから。ですがこの計画には邪魔が」
「あのヒーロー気取りどもか」
確かに涼達が邪魔に来るのは目に見えている。
「ですから彼らを足止めしてください」
アッシュベルはそう言うと白衣から改良したハザードシリーズを三人に渡した。
「博士。改良は済んだんですか?」
「ええ。今度は宝石獣達とのシンクロも可能にしましたから、あの宝石神にもかすり傷くらいは浴びせられますよ」
「それはすごいな!」
「早速試してみましょう!」
「よし、直ぐに出発するぞ。奴らに先越されない様にな!」
カズ達もブラキオサンドライトの元へ向かう。
「さて、いよいよですね。魔王陛下」
ガネットを出発した涼達が暫く飛んでいると太陽に光輝くアレキサンドライトの身体が光るブラキオサンドライトが見えてきた。
「居た!ブラキオだ!」
「ゴルーケン近くに降ろしてくれ。」
ゴルーケンはブラキオサンドライトが見える近くの森へ降り小さくなる。
マナリアは転移術で馬車を呼び出した。
「私と賢者様はここから皆さんをサポートするであります!」
「皆んな気をつけて!」
「涼。私をブラキオの顔まで連れて行って。直接話をしたいの!」
「わかった!」
「じゃあ、ホウキュウオーイカロスだな!」
「のぶさんゴルーケンを借りますね!」
「おう。しっかりな!」
「ルビティラ行くぜ!」
「よし来たティラ!」
ルビティラはそう言うと巨大化した。
マリケラとパッキーも巨大化しルビティラに並ぶ。
「ゴルーケン頼むな!」
「アーアー!」
ゴルーケンも声を上げた。
「宝石合体!」
涼の掛け声で四体の宝石獣がバラけると人型の宝石巨人に合体しその背中にゴルーケンが更に合体し翼を構成し合体完了。
涼達はアリシアと共にプリズムのコックピットへ乗り込む。
「行くぜ!」
ホウキュウオーイカロスは飛び上がりブラキオサンドライトの顔へ向かう。
「しかし、本当にデカイんだな…」
「でも凄い綺麗な宝石獣ですよね」
「これだけ高純度のアレキサンドライトはまず居ないからな」
「ブラキオサンドライトは奇跡で出来てるのね」
話してるウチにもうすぐブラキオサンドライトの頭に着く。
しかし…
ドカーン
何かがホウキュウオーに体当たりしてきた。
「うわっ!?なんだ??」
突撃してきたのはカルタノハオーだった。
「カルタノハオー!?」
「奴らも来たのか!」
考える事はみんな同じってか。
「涼。降ろして頂戴」
「アリシア!?」
「いつかはアイカとは決着つけなきゃいけないから」
アリシアは覚悟は出来ている。
「わかった。信じてるからな!」
「僕達が必ず」
「姫様の邪魔はさせませんからね!」
「ありがとう。ルビティラちゃん降ろして!」
「姫…必ず帰るティラよ!!」
「ええ!行ってくるわ!」
アリシアはそう言うとコックピットから降りた。
外へ降りると目の前にはアイカがいる。
「やはり来たわねアリシア」
「アイカ。決着をつけましょう。ブラキオサンドライト!」
アリシアほブラキオサンドライトを呼ぶとブラキオサンドライトは両目で二人を見た。
「貴方は私達に話があるのよね?貴方の話を聞かせて」
「ブラァァァァァ!!」
ブラキオサンドライトは声を上げると二人の中から剣と宝石が飛び出す。
すると同時に二人の身体が光り輝き何処かへ消えてしまった。
「え?どこよ此処は?」
「ここは?」
アリシアとアイカは見知らぬ空間へ飛ばされた。
「汝達に問いかける」
「だ、誰よ!?」
「まさか、ブラキオサンドライト!?」
そうこの声はブラキオサンドライトだ。
「何を問いかけるのですか?」
「汝達に問う。宝石とは何か?」
ブラキオサンドライトは二人に問いかける。
これが一体何の問いかけなのだろうか?
ブラキオサンドライトは何を考えいるのだろうか??
「ルビティラ。ブラキオサンドライトって?」
「ブラキオとサンドライトをかけたティラ!いいネーミングティラ!」
そんな場合か!!あんなデカいのが突然現れて歩いてんだぞ。
「見た感じ襲ってこない?」
「何処へ向かってんだ?」
そんなブラキオサンドライトにお構いなく向かっていくカルタノハオーとゲーターオー。
「あいつら何考えてんだよ」
「あんな大きいのに勝てるわけないです!」
「俺達は逃げるぞ!」
「でも、まだワニ爺達が!」
そうだワニ爺達がまだあいつらの手に…
「今は逃げる!必ず助け出す!」
「我輩達の相棒はきっと大丈夫ですぞ!」
「カイエン、ルーガル」
二人共パートナーが心配なのに。いやパートナーだからこそ信じてるんだな。
「わかった!体制を立て直すぞ!」
「ゴルーケン。ガネットまで飛んでいけ!」
「アーアー!」
ゴルーケンは雄叫びを上げるとこの場を離脱した。
「アイツら逃げてくぞ」
「ほっときましょう。今はまず」
「このラスボスを倒してログアウトだ!」
カルタノハオーは空からゲーターオーは海からブラキオサンドライトに攻撃する。
「カルタノハオー!破砕斬!」
カルタノハオーは空から必殺技をブラキオサンドライトの頭に叩きつけた。
しかし、傷一つついてない。
「な、何だと!?」
「傷一つついてないのかよ!」
「アレキサンドライトはダイヤと同等の強度ですから」
アレキサンドライトは非常に堅く強度はダイヤモンドと同じくらい硬い。
さすが宝石神と言われてるだけある堅さは半端ない。
「カイト様早くあの巨大な宝石を!」
「おうよ!」
「いやここは引きましょう!」
「は?何でだよ!?」
いやカルタノハオーが無理ならゲーターオーだって奴に傷をつけるのは無理だろ。
「どう見たって部が悪いですよ!」
「オマケに俺達を見ちゃいないぞ!」
ブラキオサンドライトはハンターズなんか見る気もせずに歩いている。
「ちょっと私は時期女王よ!眼中にないってどういう事よ!命令よ!止まりなさい!」
ブラキオサンドライトは無視。
「馬鹿!引くぞ!」
「わかってる!」
「アイカさん行きますよ!」
「ですが!アレキサンドライトですよ!あんな巨大な希少宝石は滅多に」
「あのデカ物はまず調べてから挑む。それまで我慢しろ!」
「いや~ん。私の王の宝石~」
ハンターズも戦線離脱した。
ガネットに戻った涼達は真っ先に城へ向かう。
ガネット国王に事の自体を報告した。
「宝石神を見つけただと!本当かアリシア!?」
「はい、間違いなく宝石神です!」
「そうか、ついに見つかったか。」
「だけど奴は滅茶苦茶デカいぜ!山よりデカイ」
そんなのが一体何処へ向かって歩いているんだ?それにどうしてあのブラキオサウルスは目覚めたんだ?
「報告します!巨大な魔物がこのガネットに向かっています!」
慌てて兵士が玉座へ駆け込み報告してきた。
「な、なんだと!?」
「なんでも巨大な宝石の山のようだそうです」
巨大な宝石の山!?
おいおいそれって…
「まさか宝石神なの!?」
「ブラキオサンドライトはここを目指してるのか!?」
「マズイな…あんなデカいのが来たら街なんかペシャンコだぞ!」
それくらい奴はデカすぎるのだ。
島に擬態していた程の巨体で身体はアレキサンドライトだ攻撃なんかしてもまず傷一つつかないだろ。
「今のところ魔物はただ進んでいるだけで攻撃はしていません!」
「到着時刻は?」
「役48時間かと」
「2日でここまで来るのか!?」
「歩幅が違いすぎるからな」
「何にしても目的が判らぬ以上はただ危険なだけだ。急いで住民の避難だ!」
「はっ!」
ガネット国王の命令で兵士が出て行った。
「怒ってるのかしら?」
「起こしたからか?」
「仮にも神と言われてる宝石獣だからな…」
「いずれにせよ皆様にお願いせざる終えません…」
ガネット国王は申し訳なさそうだ。
そりゃ現時点で街を守れるのは俺達ホウキュウジャーだけだ。
「王様心配すんな!俺達に任せてくれ!」
「おお!やってくれますか!!」
ガネット国王の顔がパァっと明るくなる。
「ちょ、また安請け合いしたのかよ!」
「君は馬鹿か!あのデカさでどう対処するか作戦あるのか!!」
「決まってんだろ!エンガホウキュウオーでブラキオを止めるに」
「涼…ワニ爺達は取られたままだぞ…」
「…」
暫く沈黙する。
「そうだった…」
君は間違いなく本物のバカだ!
その通り!回想シーンだからってそこまで言うなよ!
「とりあえず馬車に戻って嬢ちゃん達に相談するか?」
「そうですよ!ベルちゃんとマナリア様なら何か知恵を出してくれるかも!」
「決まりですな!」
「よし一旦戻るぞ」
膝をついて落ち込んでる涼をみんなは置いていき馬車へ走る。
「涼、行くわよ!」
アリシアが涼を仕方なくひっぱていき涼達は玉座を後にした。
馬車は城の中庭に置いてある。
馬車はすっかり元に戻っていた。
「あ!みんは帰って来たティラ!」
先に戻っていたルビティラが出迎えた。
「みんなお帰りなさいであります!」
基地へ戻る涼達を出迎えるベル。
中はすっかり元に戻っていた。よく見たら色々と追加された物もチラホラだ。
「みんな、大変な事になったわね。」
「ひいお祖母様!」
「賢者さん」
涼達はマナリアとベルに説明した。
「ブラキオサンドライトでありますか」
「宝石神が目覚めたのね」
「ああ、何故かこの国へ向かっているらしいんだ」
「ええー個々に来るんでありますか!?」
「それだけ大きいなら街なんか簡単に潰されてしまうわ!」
「お祖母様何とかならない?」
頼むぜ賢者さんよ!!
「いくら私でもあれだけ巨大なマナの塊に術はかけられないわ!」
確かに宝石獣が魔宝石の塊って話だったな。
あのブラキオサンドライトはルビティラ達とは比じゃないほど巨大だ。そんな奴に魔法なんかけられる訳ない。
「そもそも何でこの国へ向かっているんでありますか!?」
「確かに…奴は起きたら、直ぐに動き出したからな」
「ブラキオサンドライトはどうやって目覚めた訳?」
「確かアリシアが泥棒女に胸ぐら掴まれたら互いの中にある剣と宝石が出てきて、直ぐに消えたら奴が起きた。」
そうだ、ブラキオはアリシアとアイカの中の剣と宝石に反応して目を覚ましたんだ!
「もしかして姫様を探してるんじゃ」
「私を!?」
「どういうことだよリア?」
「私達が宝石獣を呼び出した時も剣と石が合わさって呼び出したでしょ。それと同じでブラキオサンドライトは姫様に会いに来てるんじゃないでしょうか?」
確かに。もしそうなら話が通じるかもしれない。
「アーアー!」
「ん?ゴルーケンどうした?」
「くーくー!!」
継承者よ来たれって言ってたそうです。
「言ってたってマジがイカちゃん!」
「くーくー!」
ゴルーケンは最も古い宝石獣ですから更に上のブラキオの言葉が唯一わかったらしいんです。
「え?ルビティラ。ブラキオは何か言ってたのか?」
「いや訛りが酷すぎて分からんティラ!」
お前に判らないじゃ他の奴も分からないか。
「ルビティラちゃん達な理解出来ない程言葉が古いのね!」
「ゴルーケン間違いそう言ってたんだな?」
「アーアー!」
「くーくー!」
はい。間違いなくそう言ってたそうです。あと真に相応しくなくば死を覚悟しろとも言ってたそうです。
「つまりブラキオはアリシアを探してるんだな。」
「ちょっと待って。継承者って言ってもこっちには剣はないんだぞ。そのまま行ったんじゃ意味はないんじゃ」
「いや魔人族はずっとブラキオを探していたから必ず来る。その時にブラキオが真の継承者を選ぶんじゃないのか?」
真の継承者を選ぶ。
「つまり初代勇者が作ったこの国の真の継承者を選ぶ為にあの宝石獣は起きたのね!」
「それ以外は思い当たらないしな」
「行かなきゃ…」
アリシアは立ち上がった。
「本当にブラキオサンドライトが私を探しているなら、私はあの方と話をしたいわ!」
「アリシアちゃん…」
「だから皆んな。私に力を貸して!私をブラキオの所へ連れて行って!」
真剣な眼差しで訴えるアリシア。
俺達の答えは決まってる!
「おうよ!当たり前だろ!」
「我輩達はもう仲間ですからな!」
「ルーガル。たまには空気読むじゃないか」
「カイエン殿!!」
「僕も力を貸しますよ姫様」
「姫様。私達はいつも貴女の味方ですよ!」
「そうであります!姫様の為ならどんとこいであります!」
「皆んな気持ちは同じだよ。姫様。」
「信道…」
「俺達も力を貸すティラよ!」
宝石獣達もアリシアの周りに集まる。
アリシアはいつのまにかこんなに頼もしくて優しくて楽しい時間を過ごす仲間が出来ていた。姫ではなくアリシアとして接してくれる仲間が沢山。
「アリシアちゃん…いい仲間が沢山できたね」
マナリアはひ孫の成長を喜ぶ。
「よし、そうと決まれば出発だ!」
涼達は馬車を飛びだすと巨大化したゴルーケンに皆んな乗り込む。
今度は宝石獣達も小さくなりベルの鞄の中に入る。ルビティラはこれ以上小さくなれないのでゴルーケンの背に一緒に乗り込む。
全員乗り込むとゴルーケンは飛び上がりブラキオサンドライトの所まで飛んで行く。
「ついに見つかりましたか宝石神が」
涼から奪った本を片手に話すアッシュベル。
「ああ!なのにカズが撤退するって言うからよ!」
「どう考えもあのデカブツには傷つけられなかったんだ。まずは攻略法を探すのが正解だろ」
「確かに。奴の硬さとエネルギーは異常でしたからね」
流石のハンターズも今のままではブラキオサンドライトに太刀打ちは出来ないとふんだので撤退したのだ。
「ドクター。アンタの意見が聞きたい」
「そうですね。その宝石神はそんなに巨大だったのですね?」
「ええ。それでいて美しい輝き。私が王位を継いだら真っ先にアレを使い城を建てますわ!」
「お!いいなそれ!」
「今はそんな話じゃないでしょ。あの宝石獣をどうやって捕獲するかって話でしょ」
「分かりました。では私は準備しておきますよ」
「博士出来るんですか?」
「勿論ですとも。対策はありますから。ですがこの計画には邪魔が」
「あのヒーロー気取りどもか」
確かに涼達が邪魔に来るのは目に見えている。
「ですから彼らを足止めしてください」
アッシュベルはそう言うと白衣から改良したハザードシリーズを三人に渡した。
「博士。改良は済んだんですか?」
「ええ。今度は宝石獣達とのシンクロも可能にしましたから、あの宝石神にもかすり傷くらいは浴びせられますよ」
「それはすごいな!」
「早速試してみましょう!」
「よし、直ぐに出発するぞ。奴らに先越されない様にな!」
カズ達もブラキオサンドライトの元へ向かう。
「さて、いよいよですね。魔王陛下」
ガネットを出発した涼達が暫く飛んでいると太陽に光輝くアレキサンドライトの身体が光るブラキオサンドライトが見えてきた。
「居た!ブラキオだ!」
「ゴルーケン近くに降ろしてくれ。」
ゴルーケンはブラキオサンドライトが見える近くの森へ降り小さくなる。
マナリアは転移術で馬車を呼び出した。
「私と賢者様はここから皆さんをサポートするであります!」
「皆んな気をつけて!」
「涼。私をブラキオの顔まで連れて行って。直接話をしたいの!」
「わかった!」
「じゃあ、ホウキュウオーイカロスだな!」
「のぶさんゴルーケンを借りますね!」
「おう。しっかりな!」
「ルビティラ行くぜ!」
「よし来たティラ!」
ルビティラはそう言うと巨大化した。
マリケラとパッキーも巨大化しルビティラに並ぶ。
「ゴルーケン頼むな!」
「アーアー!」
ゴルーケンも声を上げた。
「宝石合体!」
涼の掛け声で四体の宝石獣がバラけると人型の宝石巨人に合体しその背中にゴルーケンが更に合体し翼を構成し合体完了。
涼達はアリシアと共にプリズムのコックピットへ乗り込む。
「行くぜ!」
ホウキュウオーイカロスは飛び上がりブラキオサンドライトの顔へ向かう。
「しかし、本当にデカイんだな…」
「でも凄い綺麗な宝石獣ですよね」
「これだけ高純度のアレキサンドライトはまず居ないからな」
「ブラキオサンドライトは奇跡で出来てるのね」
話してるウチにもうすぐブラキオサンドライトの頭に着く。
しかし…
ドカーン
何かがホウキュウオーに体当たりしてきた。
「うわっ!?なんだ??」
突撃してきたのはカルタノハオーだった。
「カルタノハオー!?」
「奴らも来たのか!」
考える事はみんな同じってか。
「涼。降ろして頂戴」
「アリシア!?」
「いつかはアイカとは決着つけなきゃいけないから」
アリシアは覚悟は出来ている。
「わかった。信じてるからな!」
「僕達が必ず」
「姫様の邪魔はさせませんからね!」
「ありがとう。ルビティラちゃん降ろして!」
「姫…必ず帰るティラよ!!」
「ええ!行ってくるわ!」
アリシアはそう言うとコックピットから降りた。
外へ降りると目の前にはアイカがいる。
「やはり来たわねアリシア」
「アイカ。決着をつけましょう。ブラキオサンドライト!」
アリシアほブラキオサンドライトを呼ぶとブラキオサンドライトは両目で二人を見た。
「貴方は私達に話があるのよね?貴方の話を聞かせて」
「ブラァァァァァ!!」
ブラキオサンドライトは声を上げると二人の中から剣と宝石が飛び出す。
すると同時に二人の身体が光り輝き何処かへ消えてしまった。
「え?どこよ此処は?」
「ここは?」
アリシアとアイカは見知らぬ空間へ飛ばされた。
「汝達に問いかける」
「だ、誰よ!?」
「まさか、ブラキオサンドライト!?」
そうこの声はブラキオサンドライトだ。
「何を問いかけるのですか?」
「汝達に問う。宝石とは何か?」
ブラキオサンドライトは二人に問いかける。
これが一体何の問いかけなのだろうか?
ブラキオサンドライトは何を考えいるのだろうか??
0
お気に入りに追加
10
あなたにおすすめの小説
転生貴族のハーレムチート生活 【400万ポイント突破】
ゼクト
ファンタジー
ファンタジー大賞に応募中です。 ぜひ投票お願いします
ある日、神崎優斗は川でおぼれているおばあちゃんを助けようとして川の中にある岩にあたりおばあちゃんは助けられたが死んでしまったそれをたまたま地球を見ていた創造神が転生をさせてくれることになりいろいろな神の加護をもらい今貴族の子として転生するのであった
【不定期になると思います まだはじめたばかりなのでアドバイスなどどんどんコメントしてください。ノベルバ、小説家になろう、カクヨムにも同じ作品を投稿しているので、気が向いたら、そちらもお願いします。
累計400万ポイント突破しました。
応援ありがとうございます。】
ツイッター始めました→ゼクト @VEUu26CiB0OpjtL
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
神々に天界に召喚され下界に追放された戦場カメラマンは神々に戦いを挑む。
黒ハット
ファンタジー
戦場カメラマンの北村大和は,異世界の神々の戦の戦力として神々の召喚魔法で特殊部隊の召喚に巻き込まれてしまい、天界に召喚されるが神力が弱い無能者の烙印を押され、役に立たないという理由で異世界の人間界に追放されて冒険者になる。剣と魔法の力をつけて人間を玩具のように扱う神々に戦いを挑むが果たして彼は神々に勝てるのだろうか
30年待たされた異世界転移
明之 想
ファンタジー
気づけば異世界にいた10歳のぼく。
「こちらの手違いかぁ。申し訳ないけど、さっさと帰ってもらわないといけないね」
こうして、ぼくの最初の異世界転移はあっけなく終わってしまった。
右も左も分からず、何かを成し遂げるわけでもなく……。
でも、2度目があると確信していたぼくは、日本でひたすら努力を続けた。
あの日見た夢の続きを信じて。
ただ、ただ、異世界での冒険を夢見て!!
くじけそうになっても努力を続け。
そうして、30年が経過。
ついに2度目の異世界冒険の機会がやってきた。
しかも、20歳も若返った姿で。
異世界と日本の2つの世界で、
20年前に戻った俺の新たな冒険が始まる。
特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった
なるとし
ファンタジー
鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。
特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。
武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。
だけど、その母と娘二人は、
とおおおおんでもないヤンデレだった……
第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。
大工スキルを授かった貧乏貴族の養子の四男だけど、どうやら大工スキルは伝説の全能スキルだったようです
飼猫タマ
ファンタジー
田舎貴族の四男のヨナン・グラスホッパーは、貧乏貴族の養子。義理の兄弟達は、全員戦闘系のレアスキル持ちなのに、ヨナンだけ貴族では有り得ない生産スキルの大工スキル。まあ、養子だから仕方が無いんだけど。
だがしかし、タダの生産スキルだと思ってた大工スキルは、じつは超絶物凄いスキルだったのだ。その物凄スキルで、生産しまくって超絶金持ちに。そして、婚約者も出来て幸せ絶頂の時に嵌められて、人生ドン底に。だが、ヨナンは、有り得ない逆転の一手を持っていたのだ。しかも、その有り得ない一手を、本人が全く覚えてなかったのはお約束。
勿論、ヨナンを嵌めた奴らは、全員、ザマー百裂拳で100倍返し!
そんなお話です。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる