上 下
33 / 164

第33話 強敵を倒せ!ダサいネームのパワーアップアイテム

しおりを挟む
砂漠と化したカイアナス。
ヴァンデストを追って俺達は塔の階段を登っていく。
塔の中は妙な空間と結界のせいでショートカットが出来ない為闘技場から見えたしろまで走る事が出来ないのだ。

「たく、どんだけ長いんだよこの階段…」

「文句言うなよ。ここしか道はないんだから」

「仕方ないだろ頭抱えて走ってんだから」

「( i _ i )」

いや、頭をつけて走ろよカイエン。

「我輩足が棒になってきましたぞ…」

「まあ、さっきから登りっぱなしだからな」

「もうすぐ出口ですよ!」

もうすぐ出口に出る。

「はぁ…はぁ…ついた…てぇーーー!?」

目の前はサバンナらしき場所に魔物だらけ!?
人間の次は魔物の大群かよ。なんか色々混じってるのもいるし!?キメラ言うんだっけ? 

「うわ、今度は魔物かよ…」

「人間よりはマシだろう!」

「言えてるな!」

カイエンは頭をくっつけた。

カイエンと信道は宝救剣と宝救丁を抜き、チェンジストーンとチェンジエッグをセットし変身を開始する。

ブラック!ザ!宝救武装!
へい!とりあえずゴールド一丁

「宝救武装!」
「乾杯!」

2人はブラックとゴールドに変身し魔物に突っ込んで行った。

「はぁ、やっと着きましたな…」

「はぁ…!?コハクあれ!?」

「え?な!?まさかアレは!」

え?何だどうした?

ブルー!ザ!宝救武装!
ピンク!ザ!宝救武装!

「「宝救武装!」」

コハクとリアは血相を変えて魔物の大群向かい走りながら変身した。

「オイ!2人共!?」

「何かあったんであろうか?」

「判らない、ルーガル俺達も!」

「行きますぞ涼殿!」

涼とルーガルも宝救剣を構えてチェンジストーンをはめると2人を追いながら変身する。

レッド!ザ!宝救武装!
グリーン!ザ!宝救武装!

「「宝救武装!」」

2人も皆の跡を追って魔物の大群に入っていく。

「はぁー!」

カイエンがライオンの魔物を斬りつけようとすると。
カキン!とコハクは割り込みカイエンの剣を止めた。

「お、おい!コハク!」

信道も濁酒銃から炎の弾丸を放つ。

「だめぇぇぇ!」

リアが宝救剣にピンクダイヤをはめ込みグリップを引くとダイヤの壁が現れ狙われた虎型の魔物を庇う。

「ちょ、リアちゃん!何をやってるんだ!?」

「コハク、ふざけてる場合じゃないだろ!」

「違う!この人達は魔物じゃない!」

人?だって?

「この人達は獣化した亜人族なんです!」

「は!?」

「え??」

「なにっ!?」

「嘘だろ!?」

皆声を上げた。この魔物が亜人族だって?
涼達は一旦合流し皆で背中を預け合う。

「2人共どういう事だよ!」

「亜人族は力をつけた者は元になった動物の姿になる事が出来るようになるんです!」

「まじか!?」

そんなの俺は知らない。当たり前か異世界だし。

「確かに亜人はそれ故に魔物呼ばわりされてるからな!」

だから亜人族は差別されてるのか。一部の国でガネットも前はそうだ。

「でも、大半が争いを好まないから獣化出来る亜人は殆どいない筈だ!」

「確かに我輩もそう聞いたことが」

「じゃあ何でこんなに獣化してんだよ!」

「まあ答えはアレしかないだろ!」

信道が指を指した先に…

「来たな勇者共!」

やっぱ怪人かよ。なんかサーカスのピエロみたいな怪人だなオイ。

「お前か町の人達を無理やり獣化させたのは!」

「その通り!ヴァンデスト様のエンターテイメントの為の調教さ!」

「オイピエロふざけんじゃねぇ!」

「ピエロではないわ!俺様は上級怪人のピエール様だ!その辺の雑魚と一緒にするな!」

「結局はピエロかよ!」

「ピエールだ!お前達やってしまえ!」

怪人ピエールが鞭で地面を叩くと獣化した亜人族達が牙と爪を剥き出しに襲いかかってきた。

「貴様らも町の愚民と判れば攻撃は出来まい!」

あの野郎!ワザとけしかけやがったな!

「涼、リア、コハク!あのムカつく顔の怪人をヤレ!俺達はここを何とかする!」

「でも!」

「任せておけ!」

「行ってくだされ!」

「すまない!」

「ありがとうございます」

「無理すんなよ!」

3人は獣化した亜人達を交わしピエールの元へ走る。

「さて、どうするかな?」

噛み付いてくるライオン亜人に交わして蹴りを入れる信道。

「ノープランかよ!」

カイエンの宝救剣は熊亜人に噛み付かれてる。つか重いっつの!

「離さないか!」

ラプトルバンカーを両方かじられて動かせないルーガル。

「カイエン!こいつらは魂あるのか?」

「ああ、確かにある!」

「下手には斬りつけられませんぞ!」 

さーてどうするかな…信道は思考をフル回転させ考える?


「コイツ!」

コハクは剣を振りかざすが。

「当たらんわバーカ!」

ピエールは体をゴムのように伸ばして簡単に交わす。なんだよインチキ!

「なら潰します!」

リアはパキケファログローブでピエール殴るが…ゴムのような弾力性で勢いが殺される。
しかも埋もれた。

「嘘っ!?」

「上級怪人には効かないわ!」

ピエールは埋もれた体を弾きリアを吹っ飛ばした。

「きゃあ!」 

リアは地面に転がる。

涼はルビーを宝救剣にはめ込みグリップを引くと炎の刃を放つ。

「おら!」

炎の刃はピエールにモロに当たる。

しかし、ピエールは焦げてすらない。

「マジかよ…」

「上級怪人には効かないわ!」

ピエールは腕をゴムの様に後ろに伸ばしてパチンコの様に放ちその手は弾丸の勢いで涼を吹っ飛ばした。

「うわー!」

痛てぇし!何のパクリだよ!異世界だからって。駄目だこのまま歯が立たない。



一方その頃、場所の秘密基地では。

「みんな大丈夫かしら…」

ワニ爺を膝に乗せて身体を綺麗に磨いているアリシア姫。

ドッカーーーン!

「うわ!何!?」

「ワニ?」

なんじゃ!?驚いた拍子に膝から落ちてひっくり返るワニ爺。 

ベルの研究室から爆発音がした。
ドアが開くと煙があがり中から黒こげになったベルが出てきた。

「ベルちゃん大丈夫!?」

「で、出来たであります!!」

「何がよ?」

「パワーアップアイテムがであります!」

ベルは完成したアイテムをアリシア姫に見せる。

「これがパワーアップアイテム!」

見た目は銀色の丸い形のパーツで刃の部分と持ち手の所ははまる様に穴があり、鍔の部分が丸い宝救剣がそのままガッチリハマり蓋をし上下左右に動くレバーを引く仕掛けだ。

「であります!ガチっとハマってパワーアップ!名付けてガッチ・ランクアップ!」

ベルが高らかに発明品の名前を言う。

「…え…えーと…」

「ワニ!」

ダサすぎじゃ!2人には聞こえないがアリシア姫は何となく察した。

「さっそく涼さん達に渡さないとって…あれ?皆さんは?」

「あそこよ!」

秘密基地から出るとアリシアが人差し指を塔に向けた。

「なら向かうであります!」

「向かうってどうやって?」

正直あんな危ない所へ行くなんて無理だろ。

「うーむであります」

「アーアー!」

「ゴルーケン?」

ゴルーケンが足元によって来て足を嘴で突く。

「鳥さん届けてくれるでありますか?」

「アーアー!」

ゴルーケンは羽をバタバタさせる。

どうやら当たりらしい。

「じゃあ頼むであります!」

ゴルーケンは飛び上がると足にアイテムを持つと外へ行き塔へ飛んで行った。


「うわー!」

涼達は上級怪人ピエールに全く勝てない。

こんなに力の差があるなんて。

「「はあ!」」 

リアとコハクが剣を突き刺さすが全く貫けない。

「無駄だってんだよ!」

ピエールは目からビームを放ち2人を吹っ飛ばした。

「「うわー!」」

リアとコハクは壁に埋まる。

「リア!コハク!」

「加勢に行かねば!」

「だけどこれじゃ!」

信道達も悪戦苦闘中。  

「くそ!」

「万策尽きたな!勇者共!」

何かないのか!?何か方法は?くそ特撮とはいかないのかよマジで… 

「アーアー!」

「ん?」

「ゴルーケン!」

ゴルーケンが登って来た階段から現れた。 

「ゴルーケン!お前何でここにいるんだ?」

「アーアー!」

だから判らないって。

ゴルーケンは涼の周りを飛び回ると渡されたパワーアップアイテムを涼に落とした。

「何だこれは?」

涼は受け取る。

「アレは確か!」

🎶🎶

リアの人口宝石が光りながら音を鳴らす。

「通信ジュエル?」

リアはバックルから取り出し剣にはめ込みグリップを引く。
ジュエルから光が出てホログラムのアリシア姫が出てきた。

(みんな!大丈夫!?)

「姫様!」

(今ゴルーケンがパワーアップアイテムをそっちへ持って行ったわ!)

「パワーアップアイテム?」

あの魔人族いつのまに作ったんだ。

(姫様交代であります!涼さん!)

「ベル!これはなんだ?」

(いいから石を外してそのガッチ・ランクアップを着けるであります!)

ガッチ・ランクアップ!?何だそのダサすぎる名前は!?

「わかった!」

涼はチェンジストーンを外して変身を解くと、渡されたアイテムを宝救剣の鍔にはめ込み蓋をする。ガチっと音がなりしっかりハマるとレバー上にスライドした。

ガッチリアップ!

音がなる。

「え?何これ?」

(次は上の赤い矢印に向かってレバーを二回最後に真ん中でポチっとであります!)

涼はレバーを二回上にスライドさせ真ん中にレバーを止めるとレバーにはめ込まれた人口宝石を押す。

アップ!アップ!アップ!ガッチランクアップ!フレイム!熱すぎっ!!

酷く五月蝿い音が鳴り止むと炎が吹き上がり涼に纏い。更に赤く輝く鎧に炎のディティールとガーネットが散りばめられた角が左右の肩当てが現れ最後にパートナーを模したヘルメットを被り赤いマントを羽織り変身完了!

「うおー!強化変身来たーーーー!」

涼は声を上げた。待ちに待った強化変身がついに来たぜ!来ちゃったぜー!

「何だその姿は!」

「へへ!情熱のルビー改め!灼熱のルビー!ホウキュウレッド・ランクアップ!」

これも俺の世界の特撮のレッドの強化形態の名前だぜ!

どうでもいいわ!早く闘えよ!

しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた

佐藤醤油
ファンタジー
 貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。  僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。  魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。  言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。  この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。  小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。 ------------------------------------------------------------------  お知らせ   「転生者はめぐりあう」 始めました。 ------------------------------------------------------------------ 注意  作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。  感想は受け付けていません。  誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。

実家が没落したので、こうなったら落ちるところまで落ちてやります。

黒蜜きな粉
ファンタジー
ある日を境にタニヤの生活は変わってしまった。 実家は爵位を剥奪され、領地を没収された。 父は刑死、それにショックを受けた母は自ら命を絶った。 まだ学生だったタニヤは学費が払えなくなり学校を退学。 そんなタニヤが生活費を稼ぐために始めたのは冒険者だった。 しかし、どこへ行っても元貴族とバレると嫌がらせを受けてしまう。 いい加減にこんな生活はうんざりだと思っていたときに出会ったのは、商人だと名乗る怪しい者たちだった。 騙されていたって構わない。 もう金に困ることなくお腹いっぱい食べられるなら、裏家業だろうがなんでもやってやる。 タニヤは商人の元へ転職することを決意する。

大工スキルを授かった貧乏貴族の養子の四男だけど、どうやら大工スキルは伝説の全能スキルだったようです

飼猫タマ
ファンタジー
田舎貴族の四男のヨナン・グラスホッパーは、貧乏貴族の養子。義理の兄弟達は、全員戦闘系のレアスキル持ちなのに、ヨナンだけ貴族では有り得ない生産スキルの大工スキル。まあ、養子だから仕方が無いんだけど。 だがしかし、タダの生産スキルだと思ってた大工スキルは、じつは超絶物凄いスキルだったのだ。その物凄スキルで、生産しまくって超絶金持ちに。そして、婚約者も出来て幸せ絶頂の時に嵌められて、人生ドン底に。だが、ヨナンは、有り得ない逆転の一手を持っていたのだ。しかも、その有り得ない一手を、本人が全く覚えてなかったのはお約束。 勿論、ヨナンを嵌めた奴らは、全員、ザマー百裂拳で100倍返し! そんなお話です。

無能なので辞めさせていただきます!

サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。 マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。 えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって? 残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、 無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって? はいはいわかりました。 辞めますよ。 退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。 自分無能なんで、なんにもわかりませんから。 カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。

【完結】【勇者】の称号が無かった美少年は王宮を追放されたのでのんびり異世界を謳歌する

雪雪ノ雪
ファンタジー
ある日、突然学校にいた人全員が【勇者】として召喚された。 その召喚に巻き込まれた少年柊茜は、1人だけ【勇者】の称号がなかった。 代わりにあったのは【ラグナロク】という【固有exスキル】。 それを見た柊茜は 「あー....このスキルのせいで【勇者】の称号がなかったのかー。まぁ、ス・ラ・イ・厶・に【勇者】って称号とか合わないからなぁ…」 【勇者】の称号が無かった柊茜は、王宮を追放されてしまう。 追放されてしまった柊茜は、特に慌てる事もなくのんびり異世界を謳歌する..........たぶん….... 主人公は男の娘です 基本主人公が自分を表す時は「私」と表現します

異世界の貴族に転生できたのに、2歳で父親が殺されました。

克全
ファンタジー
アルファポリスオンリー:ファンタジー世界の仮想戦記です、試し読みとお気に入り登録お願いします。

僕の家族は母様と母様の子供の弟妹達と使い魔達だけだよ?

闇夜の現し人(ヤミヨノウツシビト)
ファンタジー
ー 母さんは、「絶世の美女」と呼ばれるほど美しく、国の中で最も権力の強い貴族と呼ばれる公爵様の寵姫だった。 しかし、それをよく思わない正妻やその親戚たちに毒を盛られてしまった。 幸い発熱だけですんだがお腹に子が出来てしまった以上ここにいては危険だと判断し、仲の良かった侍女数名に「ここを離れる」と言い残し公爵家を後にした。 お母さん大好きっ子な主人公は、毒を盛られるという失態をおかした父親や毒を盛った親戚たちを嫌悪するがお母さんが日々、「家族で暮らしたい」と話していたため、ある出来事をきっかけに一緒に暮らし始めた。 しかし、自分が家族だと認めた者がいれば初めて見た者は跪くと言われる程の華の顔(カンバセ)を綻ばせ笑うが、家族がいなければ心底どうでもいいというような表情をしていて、人形の方がまだ表情があると言われていた。 『無能で無価値の稚拙な愚父共が僕の家族を名乗る資格なんて無いんだよ?』 さぁ、ここに超絶チートを持つ自分が認めた家族以外の生き物全てを嫌う主人公の物語が始まる。 〈念の為〉 稚拙→ちせつ 愚父→ぐふ ⚠︎注意⚠︎ 不定期更新です。作者の妄想をつぎ込んだ作品です。

美しい姉と痩せこけた妹

サイコちゃん
ファンタジー
若き公爵は虐待を受けた姉妹を引き取ることにした。やがて訪れたのは美しい姉と痩せこけた妹だった。姉が夢中でケーキを食べる中、妹はそれがケーキだと分からない。姉がドレスのプレゼントに喜ぶ中、妹はそれがドレスだと分からない。公爵はあまりに差のある姉妹に疑念を抱いた――

処理中です...