13 / 164
第13話 王都ガネットの闇
しおりを挟む
次の日の朝すっかり回復したルビティラにが馬車を引っ張って俺達は計画していた王都へ向かっている。
そこで王に俺達の援助をお願いに行く為だ。
勇者なら名前を聞いただけで力を貸してくれるだろ特撮に関わらずあらゆるジャンルの話の共通だ。
多分な…
「ティラ!」
絶好調!さいですか笑
「なあ、ガネットに本当に行くのか?」
「カイエン。僕達が活動するにしても今のままでは危険でしかも資金が全く足りないんだ、なら僕達を売り込んで王を味方につけた方が効率はいいだろ!」
「カイエン殿は心配性ですな!我輩達は先代の勇者共とは違うんです!それを話し合いで解って頂くんです」
たく、蜥蜴は楽観的だなたく…
ガネットは前の勇者の真意を知ってる国だ、それにあの女…身なりからして貴族だった。それに前の勇者が生きていてしかも何だか崇拝した感じだった…やな予感しかしない…
「ティラ!」
なんか見えて来た!とルビティラは馬車を止めた。
「アレが王都か!行けルビティラ!」
「ちょい待った!」
カイエンが待ったをかける。
「なんだよカイエン」
「ルビティラ達はここで待っていた方がいい」
「何故ですか?カイエン殿?」
「城下町では目立ちすぎる。もし何かあったら街中じゃ他人を巻き込んで俺達が悪者になるかもしれないからな」
確かに昨日みたいに森の外の草原とかならまだしも街中でしかも宝石獣はかなり目立つし、もし怪人や魔人族が現れて対処しても周りを巻き込む可能性もある。かならず守れるとは限らないこれは特撮…お芝居じゃないんだ。
「我輩達は勇者ですぞ敵が来たら倒せば!」
「それで周りで怪我にや死人が出たらまずいだろ、王に会う前に犯罪者になったらまずい」
「考えすぎじゃないか?カイエン?」
「あり得ないとは言えない話ってだけだ」
カイエンの奴随分と慎重だな。
「わかったカイエンの提案に乗ろう!」
「涼」
「そうですねまたパッキー達が狙われる可能性もありますから」
「なら二手に分かれるか?街に行く組と馬車で待機する組みに!」
コハクは提案した。
確かに昨日みたいに全員でいなくなるよりはいいかもしれないな。
「いい考えだ!俺とルーガルが馬車に残ろう!」
「え!何故我輩が!?」
「俺は首無しでお前は蜥蜴だ!色んな意味で都合が悪いからだ」
確かにデュラハンとリザードマンが勇者なんて誰が信じるんだって話だ。特にルーガルは空気読めないからな…なんか起こしそうだしな。
「蜥蜴じゃないですぞ!我輩は勇者です!宝救剣だって持ってますし」
「俺達を勇者と人間族が信用するわけないからだ!まだ亜人族のが有効的なはずだ」
確かに見た目は人間とかなり同じ種族だ。歴史も人間との関わりがある種族なら城下町でも問題ないはずだ。
まあ、奴隷とかしてなければが。
「う…確かに人間族は我輩達を魔物扱いしますからな…」
「俺達は魔物だぞルーガル…」
こいつ自分を何だと思ってんだ…
「つわけだ、ここは任してくれ!」
「う…仕方ないですな…」
我輩も行きたかった…
やめとけって!
「ああ、頼むぞカイエン、ルーガル!」
「よし僕達だけで行こう!」
「皆んなお留守番よろしくね!」
リアが言うと宝石獣達が行ってらっしゃいと鳴いた。
「ギャオ…」
退屈はヤダっつーの!ラルトルは小さいまま涼達の荷物に紛れた。
涼達はラルトルが付いて来てる事に気付かず城下町へ足を運んだ。
城下町ガネット
金属や宝石の工芸品が特産品の街で彼方此方で売店が出ている。先代の勇者達も此処を拠点にしていたって話だ。
「綺麗ですね!」
「良く出来てるもんだ!」
「宝石細工が主流の街なんだな」
ん?宝石細工が主流の街?どっかで聞いた様な気がするな…ん~まさかな…
周りの人達はやたらと俺達をジロジロ見ている。
おまけにヒソヒソ話だ。
「俺達こんなデカイ街にまで名が広まってるのかな?」
何か有名人になったみたいだな。
「コハク、アレ見て!」
リアの指先には首輪をつけられた亜人の男性が仕事をしている。
それだけじゃない、身なりのいい貴族達は首輪に紐をつけた亜人達をまるで散歩させるみたいに連れ歩いていた。
「この国も亜人を…」
「まあ、ここはまだマシな方ではあるが…」
「コハク、涼さんに伝えた方が…」
「いや、自ずと知るさ…」
2人は今はまだ語らず目の前の未来を信じてる涼をそっとしておく事にした。
亜人=奴隷と言う考え方が根強いこの世界。
もっと酷い扱いをされた者達や更には売り物にする為に亜人攫い何かもいるのを涼は知らない。
俺達は暫く歩くとデカイ城門にたどり着いた。コハクが見張りに俺達の事を話して謁見出来るか聞いてみてくれた。
「え?俺達が来るのを待っていた?」
「らしいよ」
「私達の活躍がここまで伝わっていたんですね!」
「こりゃ期待が出来るんじゃないか!」
マジかよてっきり追い出されるかとばっかり思っていた。まあ、宝救剣を見せればいやでも通してくれると思っていたから丁度いいか。
「何でもそろそろこの辺りに立ち寄るだろうと噂があったらしい」
「へぇ~」
見張りの兵士が城門を開け俺達は城へ足を踏み入れた。
見た目もだが中も中世ヨーロッパの城みたいにだった、国の王様って凄いんだな。
案内役の人達が俺達を玉座の間へ連れてくるとデカイ扉を開けてくれた。
玉座には髭を生やした王様が座っている。
うわー余計に異世界と確信が持てるなこりゃ…
「お前達が最近噂になっている勇者達か?」
「はい、ガネット国王陛下!」
「お初にお目にかかります!」
「王様!俺達はホウキュウジャー!正義の味方だ!よろしくおねがいします!」
オイ!涼失礼だぞ!
涼さん本当にお馬鹿!
僕達は慌てて涼にひざまづかせた。
「ホウキュウジャー??勇者ではないのか?」
「俺達は勇者で戦隊だ!」
「涼、君の世界の常識が伝わるわけないだろ!」
「王様申し訳有りません!この人はまだ来て間もなくて」
もう~王様の前で馬鹿しないで!
「お前達、勇者の剣を見せて見ろ!」
え?宝救剣を?
「いいっすよ!」
俺達は自分の宝救剣を側近に渡すと王様はまじまじと見ている。
「本物の様だな…伝承の図面と同じだ」
宝救剣の図面か~まあ伝説の剣だしな伝承が残ってても不思議はないか。
御伽話もあるくらいだしな。
「王様!宝救剣を!」
あれ?王様は俺達の宝救剣を返そうとしない。
「あの?」
国王は突然立ち上がり声を上げた。
「この者達を捕らえよ!」
はいっ??
何処からか現れた兵士達に俺達は押さえつけられた。
「な、なんだよ!?」
「どういう事ですか!?」
涼が馬鹿やったからか!?いやそれでも押さえつけられる筋合いはない。
「な、何ですか一体!?」
「黙れ!賊共!」
「はーー!?俺達が賊だぁーー!?」
「昨晩貴様らは勇者様達より剣を奪い積荷の宝石を奪い逃走した盗賊だと話は聞いている!」
何だよそれ!?
ていうかその勇者が俺達何だぞ!
「はっ!?何だよそれ!俺達が被害者なんだぞ!」
「そうです。僕達の宝石獣が何者かに奪われてそれを取り返しただけです!」
「宝石獣だと!?やはり貴様が偽勇者を語る盗賊か!」
「だから違います!」
何を言ってるんですか!私達が偽勇者!?誰がそんなデマを!
「違いませんわ!」
ん?どっかで聞いた声…
玉座の奥から誰か出てきた。
「陛下この者達ですわ!勇者様達の剣を奪い国の工芸品の材料を宝石獣で奪った盗賊達は!」
「あーー!お前は昨日の泥棒女!」
アイツはルビティラを散々傷つけた女じゃない
か!何でこんな所に堂々と!
「口を控えろ!このお方はガネット陛下の親族にしてガリウス公爵のご令嬢!アイカ様だ」
公爵だって!?じゃあ、勇者様ってまさか…
「俺達の剣が戻ったのか!」
「やれやれ、やっと帰ってきましたか!」
「フン!」
コイツらは先代の馬鹿勇者!!
マジかよ…この国は魔人族とグルって事かよ!!カイエンの予想が当たったなオイ…
「おー!勇者様方!ささ、勇者の剣を!」
国王は口調が変わり先代勇者達に宝救剣を渡した。コハクとリアの剣も取られた。
「宝救剣を返せ!」
「は?何だよお前コレは俺達の剣だ!取られてやっと帰って来たんだぜ!」
この身長高くてチャラいやつかなり頭にくる。
凄い鼻につく。
「僕達の剣を盗んでおいて無様な言い訳ですか?」
「救いようのないゲスだな…」
「それはお前達だろうが!ゲームだの何だの言って好き放題してるだろうが!」
何だよコレ…俺達ハメられたのか!?
「オイ!そいつらは先代の馬鹿勇者だぞ!魔人族のグルを信じるのかよ!」
「何を訳の分からぬ事を言っている、この方々が最近現れた勇者の者達だ!」
「そうですよ!叔父上。この方々が最近活躍されている勇者のパーティ!勿論私も」
「おお!王族の誇りだぞアイカ!」
気持ち悪いくらいデレデレした顔しやがって。
この女が嘘800並べたのか!!
「なんだって!?」
「勇者は私達です!」
「亜人が勇者な訳あるか!汚らわしい獣の化け物が勇者を語るな!」
「オイ!いくら王様だからってな!そんないい方ないだろうが!」
「亜人は奴隷で魔物。これは世の常識!貴方も捨てちんで買うならもっとまともな奴隷を買うべきでしたわね!」
「フン、どうせ路地裏にいた奴を拾っただけだ、汚らしいドブ猫とドブネズミ風情が!」
国王はふんぞり帰る。
何だよそれ…差別かよ…人と違うから奴隷になるのは当たり前だぁ?お前ら本当にその話を信じるのかよ!
「それに貴様の様な品格のかけらも無い余所者が勇者な訳は無いからな!大方寝屋に忍び込み盗んだであろう!」
「俺達ホウキュウジャーはヒーローだ!嘘は絶対に言わない!!」
そうだ、勇者はヒーローなんだ…特撮は戦隊は皆んなの笑顔の為に…
「頭までおかしくなったか?愚かな盗賊だ」
「この野郎!!」
俺は兵士達を跳ね除けあのふざけた国王に殴りかかる。
「ぐほっ!」
周りにいた兵士に殴られ俺は転がり腹を抱える。
「涼さん!」
「涼!」
「賊風情が王に拳を向けるか!牢屋へたたき込んでおけ!」
「はっ!」
俺達は身ぐるみを剥がされ牢屋へ連れていかれた。
「ギャオ!」
やばいなこりゃ…とラルトルはこっそりと抜け出して城から出て馬車へ急いだ。
「さて剣は取り返した後は奴らの宝石獣か」
「陛下!ご安心を剣が戻った今勇者様達に敵はありません!」
アイカは胸を張り王にそう言った。
流石我が姪であり継承権3位だな。
「後はアイカの勇者の剣ともう一本と積荷の宝石か!」
「宝石獣もいるとなると都合がいい」
「ええ、化け物退治で素材を手に入れて宝石獣の破片を提供するいい考えですね!」
「先代勇者様達から受け継いだ伝統工芸は国の宝!何とぞ頼みましたぞ勇者様!」
「「「お任せを!」」」
先代勇者達はお辞儀をすると玉座を後にした。
「それからアイカ!」
「はい!」
「まもなく娘が帰って来る。出迎えも頼んだぞ!」
「アリシアが…はい。叔父上!」
アイカは玉座を離れた。
アイカと先代勇者達は応接間で寛いでいる。
「伯父上は私にゾッコンだから必ず信じると言いましたでしょ!」
「アイカは可愛いだけじゃなく頭もいいんだな~」
「いちゃつくな…」
「まずは宝石獣です!僕達がログアウトするには世界制服…バッドエンドを達成させないと!」
王は知らない、王族の親族がまさか魔人族と繋がっているなんて誰も疑う訳がなかった。
そこで王に俺達の援助をお願いに行く為だ。
勇者なら名前を聞いただけで力を貸してくれるだろ特撮に関わらずあらゆるジャンルの話の共通だ。
多分な…
「ティラ!」
絶好調!さいですか笑
「なあ、ガネットに本当に行くのか?」
「カイエン。僕達が活動するにしても今のままでは危険でしかも資金が全く足りないんだ、なら僕達を売り込んで王を味方につけた方が効率はいいだろ!」
「カイエン殿は心配性ですな!我輩達は先代の勇者共とは違うんです!それを話し合いで解って頂くんです」
たく、蜥蜴は楽観的だなたく…
ガネットは前の勇者の真意を知ってる国だ、それにあの女…身なりからして貴族だった。それに前の勇者が生きていてしかも何だか崇拝した感じだった…やな予感しかしない…
「ティラ!」
なんか見えて来た!とルビティラは馬車を止めた。
「アレが王都か!行けルビティラ!」
「ちょい待った!」
カイエンが待ったをかける。
「なんだよカイエン」
「ルビティラ達はここで待っていた方がいい」
「何故ですか?カイエン殿?」
「城下町では目立ちすぎる。もし何かあったら街中じゃ他人を巻き込んで俺達が悪者になるかもしれないからな」
確かに昨日みたいに森の外の草原とかならまだしも街中でしかも宝石獣はかなり目立つし、もし怪人や魔人族が現れて対処しても周りを巻き込む可能性もある。かならず守れるとは限らないこれは特撮…お芝居じゃないんだ。
「我輩達は勇者ですぞ敵が来たら倒せば!」
「それで周りで怪我にや死人が出たらまずいだろ、王に会う前に犯罪者になったらまずい」
「考えすぎじゃないか?カイエン?」
「あり得ないとは言えない話ってだけだ」
カイエンの奴随分と慎重だな。
「わかったカイエンの提案に乗ろう!」
「涼」
「そうですねまたパッキー達が狙われる可能性もありますから」
「なら二手に分かれるか?街に行く組と馬車で待機する組みに!」
コハクは提案した。
確かに昨日みたいに全員でいなくなるよりはいいかもしれないな。
「いい考えだ!俺とルーガルが馬車に残ろう!」
「え!何故我輩が!?」
「俺は首無しでお前は蜥蜴だ!色んな意味で都合が悪いからだ」
確かにデュラハンとリザードマンが勇者なんて誰が信じるんだって話だ。特にルーガルは空気読めないからな…なんか起こしそうだしな。
「蜥蜴じゃないですぞ!我輩は勇者です!宝救剣だって持ってますし」
「俺達を勇者と人間族が信用するわけないからだ!まだ亜人族のが有効的なはずだ」
確かに見た目は人間とかなり同じ種族だ。歴史も人間との関わりがある種族なら城下町でも問題ないはずだ。
まあ、奴隷とかしてなければが。
「う…確かに人間族は我輩達を魔物扱いしますからな…」
「俺達は魔物だぞルーガル…」
こいつ自分を何だと思ってんだ…
「つわけだ、ここは任してくれ!」
「う…仕方ないですな…」
我輩も行きたかった…
やめとけって!
「ああ、頼むぞカイエン、ルーガル!」
「よし僕達だけで行こう!」
「皆んなお留守番よろしくね!」
リアが言うと宝石獣達が行ってらっしゃいと鳴いた。
「ギャオ…」
退屈はヤダっつーの!ラルトルは小さいまま涼達の荷物に紛れた。
涼達はラルトルが付いて来てる事に気付かず城下町へ足を運んだ。
城下町ガネット
金属や宝石の工芸品が特産品の街で彼方此方で売店が出ている。先代の勇者達も此処を拠点にしていたって話だ。
「綺麗ですね!」
「良く出来てるもんだ!」
「宝石細工が主流の街なんだな」
ん?宝石細工が主流の街?どっかで聞いた様な気がするな…ん~まさかな…
周りの人達はやたらと俺達をジロジロ見ている。
おまけにヒソヒソ話だ。
「俺達こんなデカイ街にまで名が広まってるのかな?」
何か有名人になったみたいだな。
「コハク、アレ見て!」
リアの指先には首輪をつけられた亜人の男性が仕事をしている。
それだけじゃない、身なりのいい貴族達は首輪に紐をつけた亜人達をまるで散歩させるみたいに連れ歩いていた。
「この国も亜人を…」
「まあ、ここはまだマシな方ではあるが…」
「コハク、涼さんに伝えた方が…」
「いや、自ずと知るさ…」
2人は今はまだ語らず目の前の未来を信じてる涼をそっとしておく事にした。
亜人=奴隷と言う考え方が根強いこの世界。
もっと酷い扱いをされた者達や更には売り物にする為に亜人攫い何かもいるのを涼は知らない。
俺達は暫く歩くとデカイ城門にたどり着いた。コハクが見張りに俺達の事を話して謁見出来るか聞いてみてくれた。
「え?俺達が来るのを待っていた?」
「らしいよ」
「私達の活躍がここまで伝わっていたんですね!」
「こりゃ期待が出来るんじゃないか!」
マジかよてっきり追い出されるかとばっかり思っていた。まあ、宝救剣を見せればいやでも通してくれると思っていたから丁度いいか。
「何でもそろそろこの辺りに立ち寄るだろうと噂があったらしい」
「へぇ~」
見張りの兵士が城門を開け俺達は城へ足を踏み入れた。
見た目もだが中も中世ヨーロッパの城みたいにだった、国の王様って凄いんだな。
案内役の人達が俺達を玉座の間へ連れてくるとデカイ扉を開けてくれた。
玉座には髭を生やした王様が座っている。
うわー余計に異世界と確信が持てるなこりゃ…
「お前達が最近噂になっている勇者達か?」
「はい、ガネット国王陛下!」
「お初にお目にかかります!」
「王様!俺達はホウキュウジャー!正義の味方だ!よろしくおねがいします!」
オイ!涼失礼だぞ!
涼さん本当にお馬鹿!
僕達は慌てて涼にひざまづかせた。
「ホウキュウジャー??勇者ではないのか?」
「俺達は勇者で戦隊だ!」
「涼、君の世界の常識が伝わるわけないだろ!」
「王様申し訳有りません!この人はまだ来て間もなくて」
もう~王様の前で馬鹿しないで!
「お前達、勇者の剣を見せて見ろ!」
え?宝救剣を?
「いいっすよ!」
俺達は自分の宝救剣を側近に渡すと王様はまじまじと見ている。
「本物の様だな…伝承の図面と同じだ」
宝救剣の図面か~まあ伝説の剣だしな伝承が残ってても不思議はないか。
御伽話もあるくらいだしな。
「王様!宝救剣を!」
あれ?王様は俺達の宝救剣を返そうとしない。
「あの?」
国王は突然立ち上がり声を上げた。
「この者達を捕らえよ!」
はいっ??
何処からか現れた兵士達に俺達は押さえつけられた。
「な、なんだよ!?」
「どういう事ですか!?」
涼が馬鹿やったからか!?いやそれでも押さえつけられる筋合いはない。
「な、何ですか一体!?」
「黙れ!賊共!」
「はーー!?俺達が賊だぁーー!?」
「昨晩貴様らは勇者様達より剣を奪い積荷の宝石を奪い逃走した盗賊だと話は聞いている!」
何だよそれ!?
ていうかその勇者が俺達何だぞ!
「はっ!?何だよそれ!俺達が被害者なんだぞ!」
「そうです。僕達の宝石獣が何者かに奪われてそれを取り返しただけです!」
「宝石獣だと!?やはり貴様が偽勇者を語る盗賊か!」
「だから違います!」
何を言ってるんですか!私達が偽勇者!?誰がそんなデマを!
「違いませんわ!」
ん?どっかで聞いた声…
玉座の奥から誰か出てきた。
「陛下この者達ですわ!勇者様達の剣を奪い国の工芸品の材料を宝石獣で奪った盗賊達は!」
「あーー!お前は昨日の泥棒女!」
アイツはルビティラを散々傷つけた女じゃない
か!何でこんな所に堂々と!
「口を控えろ!このお方はガネット陛下の親族にしてガリウス公爵のご令嬢!アイカ様だ」
公爵だって!?じゃあ、勇者様ってまさか…
「俺達の剣が戻ったのか!」
「やれやれ、やっと帰ってきましたか!」
「フン!」
コイツらは先代の馬鹿勇者!!
マジかよ…この国は魔人族とグルって事かよ!!カイエンの予想が当たったなオイ…
「おー!勇者様方!ささ、勇者の剣を!」
国王は口調が変わり先代勇者達に宝救剣を渡した。コハクとリアの剣も取られた。
「宝救剣を返せ!」
「は?何だよお前コレは俺達の剣だ!取られてやっと帰って来たんだぜ!」
この身長高くてチャラいやつかなり頭にくる。
凄い鼻につく。
「僕達の剣を盗んでおいて無様な言い訳ですか?」
「救いようのないゲスだな…」
「それはお前達だろうが!ゲームだの何だの言って好き放題してるだろうが!」
何だよコレ…俺達ハメられたのか!?
「オイ!そいつらは先代の馬鹿勇者だぞ!魔人族のグルを信じるのかよ!」
「何を訳の分からぬ事を言っている、この方々が最近現れた勇者の者達だ!」
「そうですよ!叔父上。この方々が最近活躍されている勇者のパーティ!勿論私も」
「おお!王族の誇りだぞアイカ!」
気持ち悪いくらいデレデレした顔しやがって。
この女が嘘800並べたのか!!
「なんだって!?」
「勇者は私達です!」
「亜人が勇者な訳あるか!汚らわしい獣の化け物が勇者を語るな!」
「オイ!いくら王様だからってな!そんないい方ないだろうが!」
「亜人は奴隷で魔物。これは世の常識!貴方も捨てちんで買うならもっとまともな奴隷を買うべきでしたわね!」
「フン、どうせ路地裏にいた奴を拾っただけだ、汚らしいドブ猫とドブネズミ風情が!」
国王はふんぞり帰る。
何だよそれ…差別かよ…人と違うから奴隷になるのは当たり前だぁ?お前ら本当にその話を信じるのかよ!
「それに貴様の様な品格のかけらも無い余所者が勇者な訳は無いからな!大方寝屋に忍び込み盗んだであろう!」
「俺達ホウキュウジャーはヒーローだ!嘘は絶対に言わない!!」
そうだ、勇者はヒーローなんだ…特撮は戦隊は皆んなの笑顔の為に…
「頭までおかしくなったか?愚かな盗賊だ」
「この野郎!!」
俺は兵士達を跳ね除けあのふざけた国王に殴りかかる。
「ぐほっ!」
周りにいた兵士に殴られ俺は転がり腹を抱える。
「涼さん!」
「涼!」
「賊風情が王に拳を向けるか!牢屋へたたき込んでおけ!」
「はっ!」
俺達は身ぐるみを剥がされ牢屋へ連れていかれた。
「ギャオ!」
やばいなこりゃ…とラルトルはこっそりと抜け出して城から出て馬車へ急いだ。
「さて剣は取り返した後は奴らの宝石獣か」
「陛下!ご安心を剣が戻った今勇者様達に敵はありません!」
アイカは胸を張り王にそう言った。
流石我が姪であり継承権3位だな。
「後はアイカの勇者の剣ともう一本と積荷の宝石か!」
「宝石獣もいるとなると都合がいい」
「ええ、化け物退治で素材を手に入れて宝石獣の破片を提供するいい考えですね!」
「先代勇者様達から受け継いだ伝統工芸は国の宝!何とぞ頼みましたぞ勇者様!」
「「「お任せを!」」」
先代勇者達はお辞儀をすると玉座を後にした。
「それからアイカ!」
「はい!」
「まもなく娘が帰って来る。出迎えも頼んだぞ!」
「アリシアが…はい。叔父上!」
アイカは玉座を離れた。
アイカと先代勇者達は応接間で寛いでいる。
「伯父上は私にゾッコンだから必ず信じると言いましたでしょ!」
「アイカは可愛いだけじゃなく頭もいいんだな~」
「いちゃつくな…」
「まずは宝石獣です!僕達がログアウトするには世界制服…バッドエンドを達成させないと!」
王は知らない、王族の親族がまさか魔人族と繋がっているなんて誰も疑う訳がなかった。
0
お気に入りに追加
10
あなたにおすすめの小説
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
転生貴族のハーレムチート生活 【400万ポイント突破】
ゼクト
ファンタジー
ファンタジー大賞に応募中です。 ぜひ投票お願いします
ある日、神崎優斗は川でおぼれているおばあちゃんを助けようとして川の中にある岩にあたりおばあちゃんは助けられたが死んでしまったそれをたまたま地球を見ていた創造神が転生をさせてくれることになりいろいろな神の加護をもらい今貴族の子として転生するのであった
【不定期になると思います まだはじめたばかりなのでアドバイスなどどんどんコメントしてください。ノベルバ、小説家になろう、カクヨムにも同じ作品を投稿しているので、気が向いたら、そちらもお願いします。
累計400万ポイント突破しました。
応援ありがとうございます。】
ツイッター始めました→ゼクト @VEUu26CiB0OpjtL
補助魔法しか使えない魔法使い、自らに補助魔法をかけて物理で戦い抜く
burazu
ファンタジー
冒険者に憧れる魔法使いのニラダは補助魔法しか使えず、どこのパーティーからも加入を断られていた、しかたなくソロ活動をしている中、モンスターとの戦いで自らに補助魔法をかける事でとんでもない力を発揮する。
最低限の身の守りの為に鍛えていた肉体が補助魔法によりとんでもなくなることを知ったニラダは剣、槍、弓を身につけ戦いの幅を広げる事を試みる。
更に攻撃魔法しか使えない天然魔法少女や、治癒魔法しか使えないヒーラー、更には対盗賊専門の盗賊と力を合わせてパーティーを組んでいき、前衛を一手に引き受ける。
「みんなは俺が守る、俺のこの力でこのパーティーを誰もが認める最強パーティーにしてみせる」
様々なクエストを乗り越え、彼らに待ち受けているものとは?
※この作品は小説家になろう、エブリスタ、カクヨム、ノベルアッププラスでも公開しています。
シスターヴレイヴ!~上司に捨て駒にされ会社をクビになり無職ニートになった俺が妹と異世界に飛ばされ妹が勇者になったけど何とか生きてます~
尾山塩之進
ファンタジー
鳴鐘 慧河(なるがね けいが)25歳は上司に捨て駒にされ会社をクビになってしまい世の中に絶望し無職ニートの引き籠りになっていたが、二人の妹、優羽花(ゆうか)と静里菜(せりな)に元気づけられて再起を誓った。
だがその瞬間、妹たち共々『魔力満ちる世界エゾン・レイギス』に異世界召喚されてしまう。
全ての人間を滅ぼそうとうごめく魔族の長、大魔王を倒す星剣の勇者として、セカイを護る精霊に召喚されたのは妹だった。
勇者である妹を討つべく襲い来る魔族たち。
そして慧河より先に異世界召喚されていた慧河の元上司はこの異世界の覇権を狙い暗躍していた。
エゾン・レイギスの人間も一枚岩ではなく、様々な思惑で持って動いている。
これは戦乱渦巻く異世界で、妹たちを護ると一念発起した、勇者ではない只の一人の兄の戦いの物語である。
…その果てに妹ハーレムが作られることになろうとは当人には知るよしも無かった。
妹とは血の繋がりであろうか?
妹とは魂の繋がりである。
兄とは何か?
妹を護る存在である。
かけがいの無い大切な妹たちとのセカイを護る為に戦え!鳴鐘 慧河!戦わなければ護れない!
クラス転移で無能判定されて追放されたけど、努力してSSランクのチートスキルに進化しました~【生命付与】スキルで異世界を自由に楽しみます~
いちまる
ファンタジー
ある日、クラスごと異世界に召喚されてしまった少年、天羽イオリ。
他のクラスメートが強力なスキルを発現させてゆく中、イオリだけが最低ランクのEランクスキル【生命付与】の持ち主だと鑑定される。
「無能は不要だ」と判断した他の生徒や、召喚した張本人である神官によって、イオリは追放され、川に突き落とされた。
しかしそこで、川底に沈んでいた謎の男の力でスキルを強化するチャンスを得た――。
1千年の努力とともに、イオリのスキルはSSランクへと進化!
自分を拾ってくれた田舎町のアイテムショップで、チートスキルをフル稼働!
「転移者が世界を良くする?」
「知らねえよ、俺は異世界を自由気ままに楽しむんだ!」
追放された少年の第2の人生が、始まる――!
※本作品は他サイト様でも掲載中です。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった
なるとし
ファンタジー
鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。
特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。
武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。
だけど、その母と娘二人は、
とおおおおんでもないヤンデレだった……
第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる