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第3話 異世界ならではのメンバー
しおりを挟む「光りはこの先を指しているな!」
「ティラ!」
涼よりまともな奴なら何でもいい。オイこら!
涼とルビティラは勇者石が放つ光を辿ると瓦礫を片付けている亜人の2人に光が当たる。
青い勇者石は白虎の耳と白と黒のシマシマの尻尾をしたモノクロな髪の色青年の亜人を選び。
ピンクの勇者石は耳が長い栗鼠リスみたいな見た目の茶色い髪と長い尻尾の亜人の少女を選んだ!
「何だこの光?」
「私にもです!」
2人は光に気づく。
「ティラ!」
見つけた!と喜びの表現をしながら2人に近づくルビティラ。
「オイ!ルビティラ!」
「え!何だこいつは!?」
「可愛い!」
亜人の少女はルビティラを撫でる。
「ティラ!」
照れるじゃないかって、何照れてんだアイツは…
「おーいルビティラ!」
「ティラ!」
いいとこなのに…じゃないだろ!勇者探しに来たんだろ俺ら!
「何だ君は?」
白虎の亜人の青年が聞いてきた。
「俺は猿渡涼!ホウキュウジャーだ!」
「ティラ!ティラ!」
変なチーム名つけるなって…お前も言うか!
「ホウキュウジャー??何ですか?それ?」
「いやまずはこのテカってる魔獣が先じゃないか?」
「何だよ宝石獣見た事ないのか?」
「ほ、宝石獣だって!?」
「ウソ!生き残って居たの!?」
亜人の2人は尋常じゃない驚き方をした。
それもその筈、宝石獣は実は100年前に魔人族によって滅ぼされてしまっておりずっと姿を見た事がないのだ。
「ルビティラ、お前貴重だったんだな!」
「ティラ!」
まあな!自慢げに言うなよ。
「で、君は誰だい?」
「ああ、戦隊だ!お前達もな!」
「は?」
何言ってるんだ?
「この人は見たところ人間族みたいだけど…」
「あの僕達もって言うのは?」
「この勇者石がお前達を選んだんだ!」
涼は青とピンクの勇者石を取り出し2人に手渡す。
「要は勇者だ!」
「勇者ってあの伝説の!?」
「宝石獣と一緒に戦ったって言う御伽話のかい?」
御伽噺扱いされてんのか?この世界の勇者ってのは?
「お前達2人は俺以外のメンバーに選ばれたんだ!」
「僕が勇者?」
「私もですか?」
石は綺麗だけど全くピンと来ませんね…
ていうかこの男信用できないんだが…
「ああ!でこいつはルビティラ!」
「ティラ!」
よろしく!と挨拶してるみたいだ。
「俺達と一緒に魔人達と戦ってくれないか?」
カッコ良く決まったぜ!お決まりなら返事は二つ返事で…
「断る」
「出来ません」
「そう断るか!」
て…あれ?
「えーーーなんでーー!?」
「ウガァァァ!」
何故だーって俺が聞いてるから!
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「魔人族と戦う何て無理です」
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「それにホウキュウジャーなんてダサい名前って勇者にしてはふざけてないか?」
「俺は真面目!大真面目!」
「とにかくやらない!これは返す!」
「私もごめんなさい!」
2人は勇者石を涼に返すとその場を立ち去る。
「あ!ちょっと待ってくれよ!」
あいた!転んだ…
「マジかよ…」
「ティラ…」
何やってんだかって、お前が喋れれば苦労してないわ!
本当にこいつが喋れればまだ信憑性があったぞ。
「ティラ!」
変身すりゃ良かったじゃんって…その手があったか…
全く情けない…現実は特撮と違うのね…
誘いを断った2人は無残な有様になってしまった自分の家を眺めながら瓦礫に座り込む。
「全く何が勇者だの、ホウキュウジャーだの嘘ならもっとまともな嘘をつくもんじゃないか。」
「あの人確かにこの村救ってくれたらしいよ!」
少女の亜人は村の住人から話を聞いた。
「たとえそうでも、あんなふざけた奴の誘いには乗りたくない」
「でも、本当に助ける力が手に入るなら…お父さん達見たいな思いはもうしないのかも…」
確かにあの涼とか言う人間族が言ってた勇者になればもう父さん達を失うなんて思いを…この村のみんなに味あわせる事はなくなるかもしれないが…
「大変だ!村の食料と子供達が居ないぞ!」
村人の1人が声を上げて叫ぶ。
な、何だって!あの魔人はそれが目的で大人を襲っていたのか!
「勇者様が話を聞いて飛び出していったぞ!」
「え!あの人行っちゃったの!?」
「アイツ馬鹿か!」
2人は慌てて駆け出して行く。
「どうだ?ルビティラ臭うか?」
「ティラ!」
あの村の外れの森にいるんだな!
「よし!行くぞ!」
「おい勇者!」
「勇者さん!」
あれ?さっきの亜人達。
「何をする気なんだ?」
「決まってんだろ!助けに行くんだ!」
「貴方1人でですか?無茶です!」
「人間が魔人相手に勝てる訳ないだろ!」
「1人じゃないさ!なあルビティラ!」
「ティラ!」
当たり前だ!頼もしいじゃないか相棒。
「宝石獣は神の使いとも言われた伝説の生き物。それが味方に回るなんて」
宝石獣は人とは絶対に交わらないと言い伝えられておりこの世が悪しき魔獣蔓延る時、現れ選んだ人間と共に立ち向かうと御伽話ではあった。
「急がないと子供達が危ない!」
涼は駆け出す。
「待て!人間族が何で亜人族を無償に助ける!」
「は?」
「私達、亜人族は見ての通り人の姿に似てるだけて世間では魔物と認知されています。」
だから亜人は人間族の奴隷であれと心なき商人達の売り物されている。
人間族は亜人をただの道具か魔物としか思ってはいない物が多数だ。
「決まってるだろ、俺が戦隊だからだ!」
「は?何を言ってるんだ??」
「さっきから戦隊って何なんですか?」
「戦隊はヒーローだ!いつだって子供達の笑顔と未来の為に戦うんだ!」
そうだ、俺はスーツアクターだった主役ではなかった…でも俺の仕事は観客を脅かしてやられ役としてヒーローの引き立て役になる事だ、でも子供達のキラキラした目を守れる仕事だから始めたんだ!主役じゃなくても悪役でも雑魚の兵士でも俺は自分が笑顔になれたヒーローを子供達に教えたいから戦隊に憧れたんだ!
「子供達の笑顔を守れるなら俺は勇者になる!子供達のヒーローそれが戦隊だ!」
そうだよ、最初から答えはあの舞台にあったんだ…何で忘れてたんだろ…
「この世界が何であれ、種族が何だろうと泣いてる人を子供を助けるそれが勇者で戦隊だ!」
「それが…戦隊…」
戦隊が何なのかは判らないが…少なくともこいつは…悪い奴じゃない、それだけは信じても大丈夫だと思えるな僕は…
「あの、私も子供を助ける力がありますか!」
「ああ!だから勇者石が選んだんだ!」
涼ははっきり言うと勇者石を渡す。
「勇者さん、私やります!」
「おう!」
「仕方ないな…心配だから僕もなってやる…」
もう、素直じゃないんだから。
「歓迎するぜ!な、ルビティラ!」
「ウガァァァ!」
ルビティラが吠えると2人の勇者石が輝き砕け宝救剣と青い丸い宝石とピンクのダイヤが出てきた。
「これでお前達も勇者、ホウキュウジャーだ!」
よっしゃ!まずはブルーとピンクだ!
「あははは!食い物もたんまり、ガキ共でスープを作るとするか!」
キノコ魔人が鍋をグツグツと煮込んでいる。
村の子供達は泣き叫んでいる。
「おいキノコ野郎!」
「あん?」
「ティラ!」
ガブッチョ!
ルビティラはキノコ魔人の傘に噛み付く。
「ぎゃー痛たたたた!」
ルビティラが噛み付いている隙に涼達は兵士を蹴散らし子供達を解放した。
「ルビティラ!子供達を逃すんだ!」
「ウガァァァ!」
ガッテン!とルビティラはキノコ魔人を離して蹴飛ばし、子供達の先頭に立って村まで連れて行った。
「痛たたた、貴様らー!」
「キノコ野郎!よくも子供達をさらったな!」
「村を襲った事を後悔させてやる!」
「絶対に許さない!」
「行くぞ!」
涼達は宝救剣を構えて各チェンジストーンをはめ込む。
レッド!ザ!宝救武装!
ブルー!ザ!宝救武装!
ピンク!ザ!宝救武装!
「よしさっき教えた掛け声いくぜ!」
「「「宝救武装ホウキュウチェンジ!」」」
三人の宝救剣から光が放たれ、白虎の亜人の身体に青い光りの粒子を纏うと青いスーツと金の装飾の鎧が装着され右上の肩当て下にアクアマリンが装着されダイヤモンドを齧るトリケラトプスのシルエットが描かれる、栗鼠の少女にはピンク色のスーツと同じく金の装飾の鎧とピンクダイヤモンドが装着されダイヤモンドを齧るパキケファロサウルスのシルエットが描かれる。涼のお揃いのバックルが装着され最後に白虎の青年は青いトリケラトプスのマスク、栗鼠の少女はパキケファロサウルスのヘルメットが装着され、三人は変身完了した。
「な、三人だと!?」
「よっしゃー!三人だー!打ち合わせ通りに行くぞ!」
「アレ本気でやるんですか!?」
「恥ずかしいぞ!」
「情熱のルビー!ホウキュウレッド!」
て、聞いてないしっ!!
はぁ、もうやけくそだ!
「揺蕩うアクアマリン!ホウキュウブルー!」
「輝くピンクダイヤモンド!ホウキュウピンク!」
「「「勇気の宝石を身に纏い!」」」
「宝石戦隊!」
「「「ホウキュウジャー!!」」」
後ろから各色の花火が打ち上がる。
「決まったーーー!」
恥ずかしい…
勇者ってこんな事やるの!??
いや、やらないから!
「こら!変なパフォーマンスすんな!やっちまえ!」
キノコ魔人は怒鳴り上げると兵士達を差し向けてきた。
「戦隊の大事な名乗りを馬鹿にするなよ!」
涼は声を上げながら剣を構えて向かって行った。
何を言っている??
さ、さあ?何だろ?
2人も剣を構えて涼に続いて行く!
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