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序章

18話

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 俺は精神状態が落ち着いた潤が運転するリムジンに乗り込み何事もなく六時間程かけてt父方の実家である芹沢邸に到着した。

 車がゆっくりと停止し運転席から降りた潤が客席のドアを開けて

「勇人様、お待たせしました。芹沢家本邸に到着いたしました。どうぞお足元にお気お付けてお降りくださいませ」

「ああ、ありがと潤」

 俺は潤の案内に従って車から降りると目の前には見事な洋館がどっしりと構えていて、その洋館の玄関前には芹沢家に仕えている使用人や桜子さんを含めた秘書室のみんなが俺の出迎えに集まってくれていた。

「…………みんな…………ただいま。…………今戻ったよ」

 みんなが出迎えてくれるなんてここまでは予想してなかったな。

 ……あ!あの桜子さんが涙目になってるし何だか居た堪れないって感じになってるけど、もしかして電話で俺に言った事を気にしてるのかな。

「ねえ潤、何だか桜子さんが居た堪れないって感じの雰囲気をかもし出してるんだけど、もしかしてあの電話での件での事でなのかなあ」

「…………あ~、多分そうだと思います」

 やっぱりそうか。

 あんなの全然気にしなくて良いのになあ。

 …………そんな事よりじいちゃんとばあちゃんの姿が見えないなあ。

 まさか、俺が死んだと思い込んで体を壊して寝込んでるとかじゃないだろうなあ。

 俺がじいちゃん達の姿が見えず内心少しずつ焦り始めていると、突如西と東からとてつもない力を感じ俺が一気に警戒モードに入ると遠く彼方から徐々に何かが聞こえて来た。

「「…………ゆ…………と…………ゆう…………勇人!!…………勇人!!!!!」」

「…………え!?あれ絶対じいちゃんとばあちゃんだよね」

「あ、はいそうですね。お二人ともお仕事でそれぞれ海外に出張されてまいて私が報告した後直ぐに桜子さんがお二人にお知らせしたとのことだったのでお二人とも急いで帰って来られたんだと思います」

「…………ははは、はあ~、だから二人ともスキルを使って鬼神化と獣神化してるわけね。まあ良いか。丁度じいちゃんとばあちゃんが神化してる事だし二人がここに着いたら早速あっちの世界に二人を連れて行くとそるかな。二人にも伝えないといけない事があるしね」

 …………ふふふ、ばあちゃんは今獣神になってるからあっちにそのまま連れて行ったらとんでもないことになるかもな。

 何しろ獣神は獣達神様だから…………ふふふ、どうなるか今から楽しみで仕方ないな。

 その後、二人の声は徐々に俺以外の人にも聞こえ始め家の近所にある多くの家から住民達が何だ何だと顔をのぞかせ始めた頃、二人はようやく芹沢邸の大きな庭に轟音を立てて降りて来た。

 そう二人は空を飛んで来たのだ。

 やれやれ全く、二人とも無茶するんだから。

 二人は庭に降り立つとそのまま駆け出し一瞬で俺の前にやって来ると二人とも信じられないと言った顔で俺の顔や体を触り始めた。

「…………ゆ…………勇人…………お前本当に勇人なのか?…………」

 じいちゃんがそんなことを言いながら俺の顔を触っているとじいちゃんの隣からばあちゃんが「あなた!!何を言っているのこの子の顔を見てみなさい。勇人以外の何者でもないじゃない!!」と言って俺に抱き着いて来た。

 じいちゃんも「そうじゃな……そうじゃな」と言いながら俺とばあちゃんを覆う様にして抱きしめてくれた。

 ひとしきり三人で抱きしめ合った後、俺は今までの事を説明するためにじいちゃんとばあちゃんを予定通りに聖域島に招待することにした。

「うむ、わかった。そこで今までの事を説明してくれると言うのなら早速聖域島とやらに行こうではないか」

「…………そうね。勇人案内してくれるかしら」

「うん。ちょっと待ってて。今準備するから」

 俺は二人にそう言うとスキル【ディメンションゲート】を発動し異次元扉を俺達の前に召喚した。


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