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序章
12話
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俺がデュランダルを振り切るとデュランダルから金色に輝く鋭い斬撃が円を描くように俺を囲む様に陣取っていた邪幻獣デビルスカーレットレオ達を両断して行った。
俺がデュランダルで両断した邪幻獣は両断されたそばから次々と煙となって空の彼方へと霧散して行った。
「これで少しはあいつ等も安らぎを感じてくれると良いけど、まあ、後はあの世の番人閻魔さんがどうにかしてくれるだろ」
さて、あの子狼達のことも気になるしさっさとコメル達と合流しるかな。
俺は勇者の力を【神の書】再封印すると、その場を後にしてコメル達が退避して行った大陸の聖域へ向かって走り出した。
数分走り続けると向こうに薄く黄色い結界で囲まれている領域が見えて来た。
「……お、やっと着いたか」
俺が結界の境界線を越えて聖域内に入るとそこには俺が各ゴーレム達に指示した通りに大工ゴーレムが我が家の別邸を建設している最中だった。
おお~、こっちの別邸は本邸の母屋より少し小さい感じなんだな。
まあ、大きさとかは全然気にしてないからこのまま作業を任せっぱなしにしても大丈夫そうだな。
「ところでコメル達はどこにいるんだ。現場に派遣していた衛兵ゴーレムと監視ゴーレムは既に各自の通常任務に就いているみたいだけど」
俺はコメル達を探すために辺りを見回していると建設中の別邸から少し離れた所に小屋よりも大きく人が住む家よりも小さい建物が目に入ってきた。
「お、もしかしてあそこにいるのかな」
俺は見つけた建物に向かって歩き出すと、向かっている途中に建物の扉が開いて中からコメルとすっかり怪我も治り体毛も丁寧に洗ってもらったのか見事な白銀色を取り戻して綺麗になったフェンリルの子供達が出て来た。
「お、コメルここにいたのか。少し探しちゃったよ。……それでその子達の怪我は……問題なさそうだな。一先ずは安心したよ」
「はいです。入念に回復魔法をかけてついでに体も優しく丁寧にきっちり綺麗にしてあげたです。それで勇人さん邪幻獣化してしまったスカーレットレオ達はどうなりましたです?」
「ああ、痛みも何も感じさせずにきっちりあの世に送ってやったよ。今頃は閻魔さんの世話にでもなってるんじゃないか。まあ、何にしてももう苦しい思いはしてないはずだ」
「そうですかです。ありがとうです勇人さん。あの子達に代わってお礼を言うのですよ。本当にありがとうございますです」
「な~に気にするなよ。これは俺の仕事の一つだし、それに俺もあいつ等が苦しんでる姿をこれ以上見たくなかったしな。俺のためにやった事でもあるんだ。だからコメルお前は全然気にしなくて良いんだぜ」
「…………はいです」
俺とコメルが二人で話し込んでいると何を思ったのかほっぺたをプクリと膨らませたフェンリルの子供達がトコトコとこちらに近づいて来て俺の足に体を擦り付けて来た。
「お、何だ何だ。こいつ等、俺ばかりコメルと話してるから嫉妬して俺のことを警戒してるのかな」
「勇人さん、それは違うですよ。勇人さんが私としか話さなくて自分たちの事を構ってくれないから、かまってかまってアピールを必死にしているのですよ。…………本当にみんな可愛いのですよ」
「…………マジか。…………お前達、そんなに甘えん坊だったのか?……この可愛い奴らめ」
俺は近くにあった切り株に腰を下ろすとフェンリルの三姉弟のうち一人を持ち上げ膝の上に降ろし頭や背中などを撫でて俺の足元で寛ぎだした残りの二人の背中も撫で少しの間休憩していた。
「さて、コメルこいつ等のことだけど……おそらくだけど親はさっきの邪幻獣達に殺されてしまったと見て間違いないと思うか。もしそうならこいつらのことも考えるとここよりも聖域島で面倒を見た方が良いと思うんだが。聖域島の方が結界の力もここよりより強力だしな。どう思う」
「ですです。私もそれがこの子達にとって一番良いと思うです」
うん。やっぱりそうだよな。
「よし、こいつ等を聖域島に連れて行くか。うんうん。シュバルツ達に念のためフェンリル達の住処を作らせておいて良かった。これであいつ等の頑張りも報われるな」
俺はこの後の方針が決まったので未だ俺の膝の上と足元で寛ぎ眠っているフェンリルの子供達を優しく起こしてコメルと共に聖域島へ向かった。
俺がデュランダルで両断した邪幻獣は両断されたそばから次々と煙となって空の彼方へと霧散して行った。
「これで少しはあいつ等も安らぎを感じてくれると良いけど、まあ、後はあの世の番人閻魔さんがどうにかしてくれるだろ」
さて、あの子狼達のことも気になるしさっさとコメル達と合流しるかな。
俺は勇者の力を【神の書】再封印すると、その場を後にしてコメル達が退避して行った大陸の聖域へ向かって走り出した。
数分走り続けると向こうに薄く黄色い結界で囲まれている領域が見えて来た。
「……お、やっと着いたか」
俺が結界の境界線を越えて聖域内に入るとそこには俺が各ゴーレム達に指示した通りに大工ゴーレムが我が家の別邸を建設している最中だった。
おお~、こっちの別邸は本邸の母屋より少し小さい感じなんだな。
まあ、大きさとかは全然気にしてないからこのまま作業を任せっぱなしにしても大丈夫そうだな。
「ところでコメル達はどこにいるんだ。現場に派遣していた衛兵ゴーレムと監視ゴーレムは既に各自の通常任務に就いているみたいだけど」
俺はコメル達を探すために辺りを見回していると建設中の別邸から少し離れた所に小屋よりも大きく人が住む家よりも小さい建物が目に入ってきた。
「お、もしかしてあそこにいるのかな」
俺は見つけた建物に向かって歩き出すと、向かっている途中に建物の扉が開いて中からコメルとすっかり怪我も治り体毛も丁寧に洗ってもらったのか見事な白銀色を取り戻して綺麗になったフェンリルの子供達が出て来た。
「お、コメルここにいたのか。少し探しちゃったよ。……それでその子達の怪我は……問題なさそうだな。一先ずは安心したよ」
「はいです。入念に回復魔法をかけてついでに体も優しく丁寧にきっちり綺麗にしてあげたです。それで勇人さん邪幻獣化してしまったスカーレットレオ達はどうなりましたです?」
「ああ、痛みも何も感じさせずにきっちりあの世に送ってやったよ。今頃は閻魔さんの世話にでもなってるんじゃないか。まあ、何にしてももう苦しい思いはしてないはずだ」
「そうですかです。ありがとうです勇人さん。あの子達に代わってお礼を言うのですよ。本当にありがとうございますです」
「な~に気にするなよ。これは俺の仕事の一つだし、それに俺もあいつ等が苦しんでる姿をこれ以上見たくなかったしな。俺のためにやった事でもあるんだ。だからコメルお前は全然気にしなくて良いんだぜ」
「…………はいです」
俺とコメルが二人で話し込んでいると何を思ったのかほっぺたをプクリと膨らませたフェンリルの子供達がトコトコとこちらに近づいて来て俺の足に体を擦り付けて来た。
「お、何だ何だ。こいつ等、俺ばかりコメルと話してるから嫉妬して俺のことを警戒してるのかな」
「勇人さん、それは違うですよ。勇人さんが私としか話さなくて自分たちの事を構ってくれないから、かまってかまってアピールを必死にしているのですよ。…………本当にみんな可愛いのですよ」
「…………マジか。…………お前達、そんなに甘えん坊だったのか?……この可愛い奴らめ」
俺は近くにあった切り株に腰を下ろすとフェンリルの三姉弟のうち一人を持ち上げ膝の上に降ろし頭や背中などを撫でて俺の足元で寛ぎだした残りの二人の背中も撫で少しの間休憩していた。
「さて、コメルこいつ等のことだけど……おそらくだけど親はさっきの邪幻獣達に殺されてしまったと見て間違いないと思うか。もしそうならこいつらのことも考えるとここよりも聖域島で面倒を見た方が良いと思うんだが。聖域島の方が結界の力もここよりより強力だしな。どう思う」
「ですです。私もそれがこの子達にとって一番良いと思うです」
うん。やっぱりそうだよな。
「よし、こいつ等を聖域島に連れて行くか。うんうん。シュバルツ達に念のためフェンリル達の住処を作らせておいて良かった。これであいつ等の頑張りも報われるな」
俺はこの後の方針が決まったので未だ俺の膝の上と足元で寛ぎ眠っているフェンリルの子供達を優しく起こしてコメルと共に聖域島へ向かった。
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