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序章

5話

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 一通り秘密部屋の各部屋を確認した俺は操作パネルの所に戻って各部屋の設定に取り掛かることにした。

「おっと、その前にメルティアに言われた通りにステータスであの空間で手に入れたスキルの詳細を確認しないといけないな」

 俺はメルティアに言われた事を思い出してパネルの操作を一時中断しステータスを開いた。

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・芹沢勇人
・年齢15歳
・レベル1
・攻撃力 S+
・防御力 S-
・魔力  SS-
・素早さ S+
・器用さ S
・総合戦闘力 S+ 
・スキル【複製 S】【創造&付与 SSS】【秘密基地 SSS】
    【ディメンションゲート EX】【神の書 EX(不完全)】
    
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 俺はステータスのスキル欄に新たに記されていた【ディメンションゲート EX】と【複製 S】、【創造&付与 SSS】のスキルを一つ一つタップしてスキルの詳細を確認した。

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・【ディメンションゲート EX】:自分が一度行った事がある場所や見たことがある場所に異次元の扉を開いて行き来することが出来る。(尚、終焉神達が張った強力な結界を突破できるかは不明。確率は限りなく低い)
・【複製 S】:物質を制限なく複製することが出来る。しかし、神の武器である神器や一部の強力な力を秘めた聖剣、魔剣などは複製することは困難である。
・【創造&付与 SSS】:創造は自分がイメージしたスキルや魔法を魔力を消費することで新たに作り出すことが出来る。付与は自分が持つスキルを人や武器、防具などに宿すことが出来る。効果は永続的に続く。
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 どのスキルもエゲツナイ効果ばかりだな。まあ、譲渡だけは少し使いどころが難しいスキルだけど、まあ必ず出番はあるだろう。

 スキルの詳細を確認し終えた俺はパネルの操作に戻った。

「さてと先ずはすでに決まっている所から設定していくかな」

 俺は最初に工房にしようと決めていた入り口の扉の対面にある部屋から内装設定に取り掛かった。

 先ず、広大な部屋の中にキューブ型の万能工房と無数の保管庫、用途に応じた実験が出来る様に幾つかの実験場を作り最後に壁に埋め込む様にして収納した無数の保管庫を一括管理するための操作パネルを作った。

「うん。中々の出来だな。あれだけ広かった部屋がほとんど埋まっちゃったな。…………よし、次の部屋の設定に移るかな」

 その後は右側の二つの部屋と左側の部屋一つの用途が見つからずどの様な部屋にするかは一旦保留にして左側の残り一つの部屋の設定に取り掛かった。

 その後は右側の二つの部屋と左側の部屋一つの用途が見つからずどの様な部屋にするかは一旦保留にして左側の残り一つの部屋の設定に取り掛かった。

「えっと、この部屋は【ディメンションゲート】専用の部屋にするから内装はいじらなくて良いかな。……よし」

 俺は操作パネルで最後の部屋の照明などの最低限の設定を済ませた後、その部屋まで行き中に入ると床に手を当ててスキル【ディメンションゲート】を発動させた。

 俺が【ディメンションゲート】を発動させると部屋の床を埋め尽くすほどの大きさの魔法陣が現れ強烈な光を放つと魔法陣の中心から高さ三、四メートル幅四、五メートルの巨大で豪華な装飾が施された扉が現れた。

「ここまでは順調だな。問題はこの扉がちゃんと地球まで繋がっているかってことだけど、……まあ、実際に繋げてみるしかないかな。スキルの詳細の所にも地球に繋がる確率はもの凄く低いって書いてあったしな。……ダメでもともと繋がったらラッキーくらいに考えておこう」

 俺は地球に繋がれば良いなくらいの感覚で異次元扉に手を当てて自分の家の自室を思い浮かべた。

 すると異次元扉が盛大に光り始めた。

「…………え、扉が開いたって言うことは地球と繋がったってことで良いんだよな」

 俺が意を決して開いた扉の中に入ろうとすると、頭の中に『ザァー、ザァー、あ、ありえ…………奇跡…………えない』と言う声が響いて来た。

 ん?なんだこの頭の中に響いてる声は――――なんかメルティアの声みたいだけど。

 俺はもっと良くこの声を聞き取ろうと思い頭の中で響く声に意識を集中させた。

 意識を集中させてから少しすると頭の中に響いていた声が鮮明に聞き取れる様になった。

『何が私の声みたいだけどですか。これは……そう正に奇跡なんですよ。スキルの詳細には超低確率だけど地球と繋がる可能性があるとは追記しましたが、私は正直に言って無理だと思っていたんです。勇人さんが地球に戻るにはイザレアにいる邪神達を倒し地球に二重にかけられた結界の一つを破らないと無理だとそう思っていたんです!!…………ですが異次元扉はちゃんと繋がりました。異次元扉は行く場所に繋がらないと扉は絶対に開きません。だからこれは奇跡なんです』

「なんだよこっちの声聞こえてたのか。…………それでこの異次元扉だけど…………ちゃんと俺が思い浮かべた家の自室に繋がってるのかな。…………俺、メルティアの話を聞いて少し心配になって来たんだけど」

『そればかりは実際に中に入ってみないとわかりませんね。…………あ、そうでした勇人さんを送り出す前は少々バタバタしていて伝え忘れていたのですが先程あなたのサホートをさせる為に私の分身体を派遣しました。あと少しでそちらに着くと思いますので…………っと言ってるそばから来たみたいですね。後の話は分身体の私に聞いて下さい。私は少し力を使い過ぎてしまったので休ませていただきますね。では』

 メルティアはそう言うと通信を切った。

 メルティアが通信を切ったと同時に背後から何かが迫って来るのを感知して右手を背後に着きだすと飛んで来た何かが俺の右手の掌に衝突した。

「むぎゅ、きゅ~~~、(ポテッ)」

「ん?…………なんだこの羽の生えたちっさいのはどこから湧いて出たんだ」

 俺は自分の掌に当たって床で気絶している妖精の様なちっこい生物の羽をつまみ目の前まで持ち上げてじ~っと観察しているとちっこい生物が身じろぎをしだした。

「ん~、ん~、…………はっ、こ、ここはどこですか?」

 俺は辺りをキョロキョロと見回し始めたちっこいのに俺の存在を気付かせるためにちっさいのの頭を小突いて声を掛けた。

「おい、ちっこいのこっちだこっち。お前がメルティアが言ってたメルティアの分身体って奴か。メルティアはまだ伝えたいことがあったみたいだけど、続きはお前に聞けばいいのか」

「あ、勇人さんこんな所にいたのですか。それで質問の答えですがその通りです。ここから先は私から伝えさせていただきます。では先ず、伝えたいことは二つあるのですが、先ず一つ目、私には鑑定の能力があります。そして、私のこの体は精霊体なので勇人さんの体の中に宿ることが出来ます。なので勇人さんも私が体に宿っている状態であれば鑑定の能力を使うことが出来ます。二つ目は勇人さんのパラレルワールドの地球のご両親についてです。勇人さんはご両親についてどの様に把握していますか?」

「え、それは五年ほど前にダンジョンに潜った限帰って来てないからもう死んでると思っているけど、…………まさか違うのか。まさか父さんと母さんは生きているのか」

「結論から言いますと……はい。ご両親は生きていらっしゃいます。しかし、いる場所がいる場所なので今の段階ですと地上に帰還するのは厳しいと思います。なにしろ現在人類が攻略できるダンジョンの平均階層は大体百階層くらいで一部の人間勇人さんのおじいさんやおばあさん、それにご両親と言った極一部の人だけが五百階層第の効力を可能としているくらいですからね。今の段階ではお二人がいるヨーロッパのどこかのダンジョン二千階層に辿り着くことは出来ないでしょう。出来るとしたら勇人さんくらいです」

「父さんと母さんの詳しい居場所を知ることは出来ないのか」

「残念ですが……私の千里眼でもヨーロッパのどこの国のどこのダンジョンの何階層にいるかまではわからなかったです。勇人さんが地球に戻ったら地道に探すしか無いですね」

「そうか。…………まあでも二人とも無事でヨーロッパのどこかのダンジョンにいるってことがわかっただけでも凄い収穫だな。教えてくれてありがとうメルティア」

「……いいえ、こんな事しか出来なくてすいません」


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