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第一部 第一章
87話
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フェリスとアリスが西のダンジョン内でシャドウウルフと遭遇した時、北のダンジョンに潜ったトイニーとノワールもボス部屋から出て来て地上を目指して登って来ていたダンジョンボスと遭遇していた。
二人の前に現れたダンジョンボスは白銀色に輝く体長三メートル近くあり、腕と足が異様に長いスリムな体型で長身のゴーレムだった。
「お母さま、このゴーレム明らかにこのダンジョンの等級にあってないと思うんだけど」
「そうですね。このゴーレムの素材はどうやらミスリル、いいえ、オリハルコンも混ざっているから、ミスリル合金のゴーレムみたいね。オリハルコンゴーレムよりは等級が下がるけれど、れっきとしたミスリル級魔物よ。でも、私の知っているゴーレムより随分と痩せ型ね」
「そうなんだ。ミスリルとオリハルコンの合金と言うことは、魔法が全く効かないってことだよね。お母さま、あの魔物をどうやって倒すつもりなの」
「そうですね。ミスリル合金のゴーレムなのでミスリルゴーレムやオリハルコンゴーレムよりは魔法は効果があると思いますが、何にしても決定打にならないのはその通りですからね。……さて、どうしましょうか」
トイニーとノワールはミスリル合金ゴーレムのスリムな体格から放たれたとは思えない強烈な連続のパンチやキックを余裕を持って避けながら魔法が殆ど効かないミスリル合金ゴーレムをどうやって倒すか話していた。
「あ、いい事を思いつきました。ノワール、あなたは手だけをワイバーン形態にすることは出来ますか?――出来ないのであれば今回は私があのミスリル合金ゴーレムを倒しましょう。……それで、出来ますか?」
トイニーの問いに首を傾げながらノワールは「部分ワイバーン化なら出来るけど」と答えた。
「まあ、その部分ワイバーン化と言うのはカッコ良くて良いですね。これからはこのモードをそう呼びましょう。……では、話を元に戻して、あなたが手を部分ワイバーン化出来ることは確認できたので、あのゴーレムをどの様に倒すのか説明しますね。――あなたも知っている通りあのゴーレムには魔法が殆ど効きません。しかし、それは魔法で直接攻撃を仕掛けた場合の話です。――なので、私達はワイバーン化した手を、いえ、もっと言うと爪を魔力で強度と切れ味を極限まで強化すれば、魔法での直接攻撃ではないからちゃんとあのゴーレムに効く筈です」
「……わかったわ。お母さま、とりあえず、やってみよう。ダメだったらまた考えれば良いしね」
結論をつけたトイニーとノワールは、丁度そのタイミングでミスリル合金ゴーレムが横に薙ぎ払ったその異様に長い腕を一歩後退して回避すると、薙ぎ払いの時に生じたゴーレムの隙を突いて懐に潜り込んで行った。
ゴーレムの懐に潜り込んだトイニーとノワールは潜り込む前に魔力を纏わせて極限まで強化した部分ワイバーン化した手をそれぞれ腹部と頭部に突き刺した。
トイニーとノワールに腹部と頭部を貫かれたミスリル合金ゴーレムは、その場から一、二歩、歩みを進めると、途端に動かなくなり前のめりになって倒れた。
「ねえ、お母さま、これって私達が勝ったってことで良いんだよね?」
ノワールはトイニーとゴーレムの下から抜け出た後、トイニーにそう聞いた。
「ええ、ゴーレムからも魔力反応はもう無いですし、私の勝ちで間違いないでしょう。……さて、これでここのダンジョンの氾濫も治まりましたし、マスイの街に戻りましょうか」
「うん」
トイニーはミスリル合金ゴーレムだった者の残骸をマジックポーチに仕舞うと、ノワールを連れてマスイの街に戻って行った。
二人の前に現れたダンジョンボスは白銀色に輝く体長三メートル近くあり、腕と足が異様に長いスリムな体型で長身のゴーレムだった。
「お母さま、このゴーレム明らかにこのダンジョンの等級にあってないと思うんだけど」
「そうですね。このゴーレムの素材はどうやらミスリル、いいえ、オリハルコンも混ざっているから、ミスリル合金のゴーレムみたいね。オリハルコンゴーレムよりは等級が下がるけれど、れっきとしたミスリル級魔物よ。でも、私の知っているゴーレムより随分と痩せ型ね」
「そうなんだ。ミスリルとオリハルコンの合金と言うことは、魔法が全く効かないってことだよね。お母さま、あの魔物をどうやって倒すつもりなの」
「そうですね。ミスリル合金のゴーレムなのでミスリルゴーレムやオリハルコンゴーレムよりは魔法は効果があると思いますが、何にしても決定打にならないのはその通りですからね。……さて、どうしましょうか」
トイニーとノワールはミスリル合金ゴーレムのスリムな体格から放たれたとは思えない強烈な連続のパンチやキックを余裕を持って避けながら魔法が殆ど効かないミスリル合金ゴーレムをどうやって倒すか話していた。
「あ、いい事を思いつきました。ノワール、あなたは手だけをワイバーン形態にすることは出来ますか?――出来ないのであれば今回は私があのミスリル合金ゴーレムを倒しましょう。……それで、出来ますか?」
トイニーの問いに首を傾げながらノワールは「部分ワイバーン化なら出来るけど」と答えた。
「まあ、その部分ワイバーン化と言うのはカッコ良くて良いですね。これからはこのモードをそう呼びましょう。……では、話を元に戻して、あなたが手を部分ワイバーン化出来ることは確認できたので、あのゴーレムをどの様に倒すのか説明しますね。――あなたも知っている通りあのゴーレムには魔法が殆ど効きません。しかし、それは魔法で直接攻撃を仕掛けた場合の話です。――なので、私達はワイバーン化した手を、いえ、もっと言うと爪を魔力で強度と切れ味を極限まで強化すれば、魔法での直接攻撃ではないからちゃんとあのゴーレムに効く筈です」
「……わかったわ。お母さま、とりあえず、やってみよう。ダメだったらまた考えれば良いしね」
結論をつけたトイニーとノワールは、丁度そのタイミングでミスリル合金ゴーレムが横に薙ぎ払ったその異様に長い腕を一歩後退して回避すると、薙ぎ払いの時に生じたゴーレムの隙を突いて懐に潜り込んで行った。
ゴーレムの懐に潜り込んだトイニーとノワールは潜り込む前に魔力を纏わせて極限まで強化した部分ワイバーン化した手をそれぞれ腹部と頭部に突き刺した。
トイニーとノワールに腹部と頭部を貫かれたミスリル合金ゴーレムは、その場から一、二歩、歩みを進めると、途端に動かなくなり前のめりになって倒れた。
「ねえ、お母さま、これって私達が勝ったってことで良いんだよね?」
ノワールはトイニーとゴーレムの下から抜け出た後、トイニーにそう聞いた。
「ええ、ゴーレムからも魔力反応はもう無いですし、私の勝ちで間違いないでしょう。……さて、これでここのダンジョンの氾濫も治まりましたし、マスイの街に戻りましょうか」
「うん」
トイニーはミスリル合金ゴーレムだった者の残骸をマジックポーチに仕舞うと、ノワールを連れてマスイの街に戻って行った。
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