54 / 91
第一部 第一章
54話
しおりを挟む
エルクは、皆の了解を得た後、手元にパネルを出現させるとパネルを操作して皆が席に着いているテーブル席の中心に巨大なモニターを表示させてそのモニターにのこサンクリット王国全土を網羅した地図を表示した。
「主様、この地図はどの様に用意されたのですか」
エルクはトイニーからの質問に答えた。
「この箱庭には外の様子を調べる事が出来るシステムが付いていてね。飛行型偵察ドローンと言うのだけど、レベル一の箱庭ではこのドローンを最大で五十体まで起動することが出来るんだよ。それで、そのドローンを飛ばしてサンクリット王国全土の地図を作らせていたんだ。大体、三日前からね」
エルクはどの様に地図を作ったかを説明しながら無限収納から数種類の書類を人数分取り出して傍に控えていたメイドゴーレムに配らせた。
「今メイドゴーレムに配らせた書類はこのサンクリット王国に生息している動物、魔物、薬草を含む植物の資料だ。その書類を参考にしてどの動物、魔物、薬草を含む植物を集めて来るか担当者同士で意見を出し合って決めて欲しい。決まったらこの紙に担当ごとに何を集めることに決まったかを記してこの城の俺の書斎の机に置いてから各自出発してくれ。では、俺とルリは一足先に出発する。ルリ行くぞ」
「わかったわ。皆、焦らなくて良いから十分に熟考したうえで決めてちょうだい。それじゃあ、行って来るわね」
そして、食堂を出たエルクとルリは白の玄関わきに設定した箱庭のゲートを通って辺境の街マスイの冒険者ギルドからほど近く人気の少ない裏路地に出た。
「ふう、ルリ、先ずは依頼を受けに冒険者ギルドに行くぞ。出来れば俺達の等級よりも一つ上のゴールド級の依頼で実りの言い依頼があると良いんだけどな。少し出発するのが遅くなってしまったから急ぐとしよう」
「ええ、そうね。もう朝の九時を回ってしまったから急いだほうが良いわね」
エルクとルリはそう言うと、裏路地から小走りで冒険者ギルドへと向かった。
エルクとルリはギルドに着くと他の事にはわき目も振らずに依頼ボードに直行してゴールド級の依頼の欄を物色し始めた。
「お、ルリ、この依頼何てどうだ。予定通りゴールド級の依頼だし、報酬も今あるゴールド級の依頼の中ではいい方だぞ」
「そうね。えっと、『ここマスイから領都ロクスに続く街道の近くにある迷いの森の浅層に中層に生息しているはずのオーガ十五体の群れが出現した。街道を通る商人や旅人たちが困っている。十五体のオーガを討伐してほしい』か、よくこんな良い依頼がこんな時間まで残っていたわね。まあ、報酬も二百五十万だし良いんじゃないのこの依頼で」
そして、受ける依頼を決めたエルクとルリは、依頼書を受付カウンターに持って行き受付嬢に受領を求めた。
「はい。受領完了しました。ですがこの依頼には少し注意事項がありまして、決してオーガが中層から浅層に出て来た原因を調べようとはなさらないで下さい。迷いの森中層の調査依頼はミスリル級の依頼ですので、それと、この調査依頼は現在あるミスリル級の冒険者パーティーが受領なさっていますので心配せずにオーガ十五体を討伐してきてくださいね。それでは行ってらっしゃいませ」
そして、エルクとルリはマスイの街を出て領都ロクス方面にある迷いの森に向かって自前の魔道馬車を走らせた。
面白い。
この続きが気になる。
と思いましたら是非、
お気に入り登録して頂けると嬉しいです。
執筆作業の励みになりますのでよろしくお願いします。
「主様、この地図はどの様に用意されたのですか」
エルクはトイニーからの質問に答えた。
「この箱庭には外の様子を調べる事が出来るシステムが付いていてね。飛行型偵察ドローンと言うのだけど、レベル一の箱庭ではこのドローンを最大で五十体まで起動することが出来るんだよ。それで、そのドローンを飛ばしてサンクリット王国全土の地図を作らせていたんだ。大体、三日前からね」
エルクはどの様に地図を作ったかを説明しながら無限収納から数種類の書類を人数分取り出して傍に控えていたメイドゴーレムに配らせた。
「今メイドゴーレムに配らせた書類はこのサンクリット王国に生息している動物、魔物、薬草を含む植物の資料だ。その書類を参考にしてどの動物、魔物、薬草を含む植物を集めて来るか担当者同士で意見を出し合って決めて欲しい。決まったらこの紙に担当ごとに何を集めることに決まったかを記してこの城の俺の書斎の机に置いてから各自出発してくれ。では、俺とルリは一足先に出発する。ルリ行くぞ」
「わかったわ。皆、焦らなくて良いから十分に熟考したうえで決めてちょうだい。それじゃあ、行って来るわね」
そして、食堂を出たエルクとルリは白の玄関わきに設定した箱庭のゲートを通って辺境の街マスイの冒険者ギルドからほど近く人気の少ない裏路地に出た。
「ふう、ルリ、先ずは依頼を受けに冒険者ギルドに行くぞ。出来れば俺達の等級よりも一つ上のゴールド級の依頼で実りの言い依頼があると良いんだけどな。少し出発するのが遅くなってしまったから急ぐとしよう」
「ええ、そうね。もう朝の九時を回ってしまったから急いだほうが良いわね」
エルクとルリはそう言うと、裏路地から小走りで冒険者ギルドへと向かった。
エルクとルリはギルドに着くと他の事にはわき目も振らずに依頼ボードに直行してゴールド級の依頼の欄を物色し始めた。
「お、ルリ、この依頼何てどうだ。予定通りゴールド級の依頼だし、報酬も今あるゴールド級の依頼の中ではいい方だぞ」
「そうね。えっと、『ここマスイから領都ロクスに続く街道の近くにある迷いの森の浅層に中層に生息しているはずのオーガ十五体の群れが出現した。街道を通る商人や旅人たちが困っている。十五体のオーガを討伐してほしい』か、よくこんな良い依頼がこんな時間まで残っていたわね。まあ、報酬も二百五十万だし良いんじゃないのこの依頼で」
そして、受ける依頼を決めたエルクとルリは、依頼書を受付カウンターに持って行き受付嬢に受領を求めた。
「はい。受領完了しました。ですがこの依頼には少し注意事項がありまして、決してオーガが中層から浅層に出て来た原因を調べようとはなさらないで下さい。迷いの森中層の調査依頼はミスリル級の依頼ですので、それと、この調査依頼は現在あるミスリル級の冒険者パーティーが受領なさっていますので心配せずにオーガ十五体を討伐してきてくださいね。それでは行ってらっしゃいませ」
そして、エルクとルリはマスイの街を出て領都ロクス方面にある迷いの森に向かって自前の魔道馬車を走らせた。
面白い。
この続きが気になる。
と思いましたら是非、
お気に入り登録して頂けると嬉しいです。
執筆作業の励みになりますのでよろしくお願いします。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
1,293
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる