記憶喪失の逃亡貴族、ゴールド級パーティを追放されたんだが、ジョブの魔獣使いが進化したので新たな仲間と成り上がる

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第一部 第一章

28話

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 エルクとルリが再び凍り付いたキラーアントの巣へ入って行った時、エルクたちとは別行動で人面草の葉を採取するために人面草を探していたブロンとトイニーは森の中をしらみつぶしに探していた。

「あなた、人面草は見つかりましたか」

「いや、まだだ。そっちはどうだ。トイニー」

「こっちも全然見つかりません。少し違う所を探してみましょうか」

「そうだな。それとここからは手分けして探そう。その方が一緒に探すよりも早く見つかるかも知れない」

「そうですね」

 そして、ブロンとトイニ―は別々に人面草を探すことにした。

 妻のトイニーと別れたブロンはこの森の中心部を探すことにした。

「ん、この辺りは少し湿気ているな。近くに水辺でもあるのか」

 ブロンはこの辺りを中心に探してみる事にした。

 ブロンが森の中心部を探し始めてから十分くらいたた頃、ブロンは遂に小川を発見した。

「こんな所に川が流れていたのか。どれ、この付近を探してみるか」

 ブロンが森の中心を流れる川の付近を探している頃、妻のトイニーは森の西側を捜索していた。

「森の西の方はまだ調べていなかったから着てみたけど、こっちの方は森と言うよりまるでジャングルね。木々が鬱蒼としていてとても蒸し暑いわあ」

 トイニーはそのまま暫く人面草を探して汗を搔きながら歩き回っていると、前方にそこそこ大きい沼が姿を現した。

「あら、こんな所に沼があったのね。ここで少し休んでいきましょ。それにしてもあの子たちちゃんと村人たちの看病が出来ているのでしょうか。その様な経験あの子たちにはありませんから少し心配ですね。ん、あら、あの花少しさっきより位置が動いてないかしら」

 トイニーは不審に思いその怪しい花へと近付いて行った。

 トイニーが不審な花を発見した時、ブロンは小川の水辺を中心に人面草を探していた。

「この辺りにあると思ったのだがな。そう簡単には見つからないか。ん、この気配は魔物かどこだ」

 ブロンは感じた魔物の気配を探して辺りを見回した。

「ん、あいつか。っ!!何であんなところに。くそっ」

 ブロンが辺りを見回していると、同じ川の水辺の少々離れた所にウォーターリザードを見つけた。

 しかし、不味い事にそのウォーターリザード目指している先にブロンたちが探していた人面草があったのだ。

「このトカゲ風情が、その草を食べるんじゃない」

 ブロンはもの凄い速さでウォーターリザードのもとに駆け寄ると、その横っ面を右手に魔力を纏って殴りつけた。

「ゴッアアアア」

 ブロンに横っ面を殴り飛ばされたウォーターリザードは盛大に吹っ飛ぶとその場で倒れ動かなくなった。

「よし、ようやく人面草を見つけたぞ。確かこいつの葉が必要なんだよな。えっと、これで一、二、三、四、五、五枚手に入ったな。もうこの辺りには無さそうだ。一旦トイニーの所に行くか」

 そしてブロンはその場を離れてトイニーの向かったこの森の西へと向かって行った。

 その頃、不審な花を見つけたトイニーはその不審な花、人面草を絞めていた。

「全く、見た目が花の草なんて紛らわしいですね。これで最後ですか。これで葉は二十三枚ですか、まあ、これだけあれば大丈夫でしょう。さてと、さっさと、ここを離れてブロンと合流しましょうか。ここは蒸し蒸ししていて嫌いです」

 そして、ブロンとトイニーは最初に別れたあたりで偶然遭遇してそのままテキト村に戻って行った。 



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次回の投稿は今日の16時頃のよていです。どうぞお楽しみに。    


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