魔女として断罪された悪役令嬢は婚約破棄されたので魔王の妃として溺愛されることを目指します

悠月

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第三章 内政チートで魔王の国を改革! 魔王からの好感度アップを目指します

17 令和の世界の科学をヴィネ様に伝えましょう②

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「空を飛ぶ鉄の塊……のようなものは、再現できれば、おそらくこの世界を支配できるのであろうな。今は、辺境の小国でしかない我が国が、圧倒的な力で他の国に驚異を与えることになるであろう」

 確かにヴィネ様の言う通りだ。
 実際に、飛行機は、第一次世界大戦や第二次世界大戦などの現代戦では使用されている。
 どれだけ優れた軍事用の航空機を作ることができるかという技術力は、軍事力にそのまま直結するであろう。

「しかし、そこまでの力を私は求めてはいない。ただ、他の国に虐げられることなく、我が国の民が平和に暮らせればよいと考えている。と、考えると、民の生活が便利になる道具や仕組みを、まずはもたらしてくれればよいのではないか」

 当たり前に周囲に存在していたインフラや道具を、この世界で、素人の私が作り出すのは不可能だ。
 それこそ、私が創造神で「電気よ生まれろ」と念じるだけで生み出せるなら、話は別だが、そういうわけにはいかないのだから。
 だとしたら、私の話を聞いて、それを再現してくれる頭脳が必要だ。
 そのためにも、各分野の才能を持った者たちを子どものうちから集めて教育して、彼らの才能を伸ばし、将来的に研究機関に進んでくれる道筋を付けておきたい。
 ただ、それには何年、何十年とかかるだろうから、まずは国内の知性という知性を集めて、今から研究をスタートさせておいてもらいたいのだ。
 生まれや種族に関わらず、優れた人材を集めれば、その中には私の話を聞いただけで、それに近いものを再現したり、発明したりしてくれる天才もいるのではないか。
 そう考えたのである。

「中には、“科学”……? の力を利用せずとも、魔法で再現できる仕組みもあるであろう。たとえば、“電車”……? というものは、長距離移動を便利にさせるものらしいが、我らの中には、空間移動の魔法を駆使できる者もいる。遠くの者と会話したり、遠くの映像を見たりできる“スマートフォン”……? に関しても、我らの中には、水晶玉や水鏡を使えば可能な者がおるからな。私ももちろん、ある程度の遠見は可能だ」
「なるほど……空間移動ができるのは、ヴィネ陛下だけではないのですね」
「ああ、ある程度の魔力を持った者、魔道士や魔術師であれば、大抵、可能であろうと思う」
「なら、他の国よりも、物流に関しては、一歩リードしているということだわ。そうだわ、物流……通販……、魔術を使えば令和の日本より、もっと簡単に通販ができるんじゃないかしら? 通販の配送も、食事のデリバリーも、空間移動の力を持った人なら、簡単にできるということですよね?」
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