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第20話 柳生の教え
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その日、私は外へ遊びに行く気がどうしても出なくてお屋敷の中、誰もいない道場で稽古をするわけでもなくたたずんでいた。
天狗様には悪いけど、お竹の相手を頼んできた。お竹の底抜けの明るさには私も結構救われるところがあるけど、今はそういう気分じゃなかったから。
道場はひんやりとしていて、足の裏がちょっと痛い。普段ならおじ様やお弟子様たちが激しい稽古をしているはずだけど、家光様の体調がすぐれないという事で、お見舞いに行っているのだとか。
もうじき家光様に武芸を見せるわけだけど、大丈夫かな?
「あー、ダメダメ。なんか余計な事考えちゃうなぁ」
しんと静まり返った道場の中にいると落ち着くのかなと思ったらそうでもなくて、あれこれ考えてしまう。
青竜様の事、これから起こるかもしれない異変の事、私たちがそれを何とかできるかとか、さっきのおじ様たちの事も……色んな考えが頭の中をぐわんぐわんと駆け巡るせいで、ちょっと頭が痛くなってきた。
「はぁ……なんで急に……」
ごろんと道場の床に大の字で寝転がる。こんなところ、見つかったら怒られるけど、まぁいいや。
「もうちょっとって一か月かぁ……」
思い返すと、天狗様と出会ってから不思議な事ばかり続いている。
下手すると私、死んじゃうんじゃないかってこともあったけど、なんでかな、あまり嫌だなとは思わない。
楽しい……というわけじゃないけど、やりがいを感じる。
あぁ、私、人の為、世の為になってるんだって思うんだよね。
でも、今はなんか違う。不安でいっぱいだ。
今に思うと、私たちがやってる事って江戸を、そしてこの日の本を守るとんでもない事なんだよね。
これまでがうまくいっていたから、どこか簡単に考えていたけど、もし玄武様の時だって失敗していたら……。
「あぁもう! 終わったことまで考えだしたらきりがない!」
もしかしたらが頭の中でえんえんと響いてくる。
うー嫌だなぁ。一度こびりつくと全然離れないや。
そうやってもんもんと私が悩みにふけっていると、「誰です!」と怒鳴られた!
その瞬間、私はびしっと立ち上がり、気を付けの態勢を取っていたのです。
だって、この声は……。
「お、お母様?」
「お松?」
振り返ると、そこにいたのは私の母、るいの姿があった。
お母様は普段から質素な服装をしていたけど、いつも凛々しくてむしろその姿の方がどんな綺麗な着物よりも似合っていた。
強くて、優しくて、かなり厳しい……でも大好きな母だ。
「何をしているのです、こんなところで。一人稽古をしているようにも見えませんでしたが?」
「あ、えと……考え事を……」
まぁうん、嘘じゃない。
寝転がっていたのはさておいても、私としては真剣な悩みなのです。
とはいえ、こんなことお母様にだって相談できないんだけどさ。
あーどっちにしても、こりゃ叱られるだろうなぁ……。
「ふむ……」
と、思ったのでしたが、一向にかみなりは落ちてきません。
お母様はじっと私を見つめながら、その場に正座した。当然、私も正座する。
「母に話してみなさい」
「うっ……そ、それは……」
お母様ってはいつも直球なんだよなぁ。
お父様も生きていた頃からお母様には敵わないんだもの。よくお酒を飲んでいる隠しているくせに、すぐにばれるし。
「母には言えぬ事ですか?」
「い、いえ、そうでは……」
うぅ、お母様の視線が鋭い。
なんだか全部見抜かれているんじゃないかって思えてくるよ。
「あの……もしも、大変な事がおきるかもしれなくて、でもそれが一体どういうものなのかはわからなくて、だけどそれを何とかできるのは自分だけかもってなった時、どうしたらいいのかな……なんて?」
うわー私、無茶苦茶いってるよぉ!
だって仕方ないじゃん、他にどう説明しろって言うのさ。
江戸が変な奴に狙われていて、神様たちも大変なんですなんて説明できないよ。
こういう具体性のない説明をすること、お母様は大嫌いなんだよねぇ……うぅ怖いなぁ。
「お松」
「はい!」
ほら来たぞ。
お母様の声は刀のように鋭い感じだ。
「あなたが何を言ってるのか、母にはさっぱり理解できません」
「うっ……」
「ですが、真剣な悩みだという事はわかりました。何がおこるかわからない。しかし確実に起こる何か。ふむ、確かに、目に見ないものは不安ですし、怖いものですね。しかし、それがなんだというのです」
「へっ?」
怒られるかと思いきや、お母様からは意外な言葉だ。
「いついかなる時でも、物事にすばやく対応できるように心がける。これは兵法の一つであると、宗矩様はおっしゃっていました。しかし例え何かが起きようと、そこで心を乱してはならぬ。それが我ら柳生の教えです」
「お爺様の?」
「えぇそうです。ですが、お松には少し難しい話でしょうね。むしろ、あなたは、十兵衛様に似ているから……ですので、あのお方の言葉を贈りましょう」
「……!」
お父様の言葉。
私はきゅっと唇をしめて、姿勢を正す。
「うだうだ考えていないで、とにかく進め」
「……はい?」
「相手が懐に飛び込んでくるのだから返り討ちにすればよい」
「あの、お母様」
「いかなる手段を使ってでも生き残ればよし!」
「ちょ、ちょっと待ったぁ!」
な、なんてこと言い出すのかしら、このお母様ってば!
「おや、聞こえませんでしたか?」
「い、いえ、そうではなくて……あの、それがお父様のお言葉なんですか?」
「えぇ、あの人は大体こういう事ばかり言っていましたよ?」
えーもっと、こう、戦いの心構えとか何かこう心に来る言葉とか、なんかないのかしら……あ、でもお父様ならあり得る。
お父様ってばあまり物事を深く考える人じゃなかったし、口は悪いし、変に正直だし、そのせいで家光様にひどく怒られて危うく一族から追放されそうになったって言うし。
いや、でもなんかあるでしょ、そんな勢い任せみたな……。
「お松、あの人の言葉を難しく考えなくてもいいのです。いうなれば、その姿勢こそがあの人にとっての平常心。あれこれを頭で、理屈をこねるより、それが良いと思えばそのままに。心の赴くままに走る。ただそれだけの事なのです」
「心の赴くままに……?」
「あなたが、今何をしたいのか、それを考えればいいだけです。お松、あなたはまだ子どもです。どんなに頑張って宗矩のお爺様や父のようになるのは無理です。ですが、それでも、女子とはいってもあなたはあの剣豪・柳生十兵衛の娘です。ならば、その思うままにやってみればいいのです」
お母様はそれだけを伝えると、立ち上がる。
私のやりたい事か……剣術、そうだ、私は剣術がしたいんだ。もっともっといろんなことを学びたい。
でもその為には、江戸が平和じゃなくちゃいけないんだ。
だったら、どうするのか……なんだ、簡単な事ね。
悪い奴をぶっ飛ばして、平和にして、ゆっくりと剣術を学べばいいのよ。
それが私のやりたい事だわ。
「その顔、あなたのお父様にそっくりよ」
「え?」
今気が付いたけど、私、笑っていたみたいだ。
「あなたが何をしようとしてるのかはわかりません。ですが、それはきっと、良き事だと思っています。なぜならあなたは私たちの娘、剣豪・柳生十兵衛の娘ですもの。万が一にも、悪い道を進むわけがありませんから」
お母様はふっと小さく笑ってくれた。
「でも、お勉強はしなさい。剣なんて振っても生活の役には一切役に立たぬのですから。その点、お勉強は違います。どんな時でも、どんなことでも応用できます。数字と計算ぐらいはできるようにならねば、お家の家計簿をどうやりくりするつもりですか。あなたもいずれは嫁ぐのですからそれぐらいはできるようにならなくてはいけませんからね!」
なんて、思った瞬間にはくわっと目を見開いて、早口でこれだもの……やっぱり、お母様って怖い。
天狗様には悪いけど、お竹の相手を頼んできた。お竹の底抜けの明るさには私も結構救われるところがあるけど、今はそういう気分じゃなかったから。
道場はひんやりとしていて、足の裏がちょっと痛い。普段ならおじ様やお弟子様たちが激しい稽古をしているはずだけど、家光様の体調がすぐれないという事で、お見舞いに行っているのだとか。
もうじき家光様に武芸を見せるわけだけど、大丈夫かな?
「あー、ダメダメ。なんか余計な事考えちゃうなぁ」
しんと静まり返った道場の中にいると落ち着くのかなと思ったらそうでもなくて、あれこれ考えてしまう。
青竜様の事、これから起こるかもしれない異変の事、私たちがそれを何とかできるかとか、さっきのおじ様たちの事も……色んな考えが頭の中をぐわんぐわんと駆け巡るせいで、ちょっと頭が痛くなってきた。
「はぁ……なんで急に……」
ごろんと道場の床に大の字で寝転がる。こんなところ、見つかったら怒られるけど、まぁいいや。
「もうちょっとって一か月かぁ……」
思い返すと、天狗様と出会ってから不思議な事ばかり続いている。
下手すると私、死んじゃうんじゃないかってこともあったけど、なんでかな、あまり嫌だなとは思わない。
楽しい……というわけじゃないけど、やりがいを感じる。
あぁ、私、人の為、世の為になってるんだって思うんだよね。
でも、今はなんか違う。不安でいっぱいだ。
今に思うと、私たちがやってる事って江戸を、そしてこの日の本を守るとんでもない事なんだよね。
これまでがうまくいっていたから、どこか簡単に考えていたけど、もし玄武様の時だって失敗していたら……。
「あぁもう! 終わったことまで考えだしたらきりがない!」
もしかしたらが頭の中でえんえんと響いてくる。
うー嫌だなぁ。一度こびりつくと全然離れないや。
そうやってもんもんと私が悩みにふけっていると、「誰です!」と怒鳴られた!
その瞬間、私はびしっと立ち上がり、気を付けの態勢を取っていたのです。
だって、この声は……。
「お、お母様?」
「お松?」
振り返ると、そこにいたのは私の母、るいの姿があった。
お母様は普段から質素な服装をしていたけど、いつも凛々しくてむしろその姿の方がどんな綺麗な着物よりも似合っていた。
強くて、優しくて、かなり厳しい……でも大好きな母だ。
「何をしているのです、こんなところで。一人稽古をしているようにも見えませんでしたが?」
「あ、えと……考え事を……」
まぁうん、嘘じゃない。
寝転がっていたのはさておいても、私としては真剣な悩みなのです。
とはいえ、こんなことお母様にだって相談できないんだけどさ。
あーどっちにしても、こりゃ叱られるだろうなぁ……。
「ふむ……」
と、思ったのでしたが、一向にかみなりは落ちてきません。
お母様はじっと私を見つめながら、その場に正座した。当然、私も正座する。
「母に話してみなさい」
「うっ……そ、それは……」
お母様ってはいつも直球なんだよなぁ。
お父様も生きていた頃からお母様には敵わないんだもの。よくお酒を飲んでいる隠しているくせに、すぐにばれるし。
「母には言えぬ事ですか?」
「い、いえ、そうでは……」
うぅ、お母様の視線が鋭い。
なんだか全部見抜かれているんじゃないかって思えてくるよ。
「あの……もしも、大変な事がおきるかもしれなくて、でもそれが一体どういうものなのかはわからなくて、だけどそれを何とかできるのは自分だけかもってなった時、どうしたらいいのかな……なんて?」
うわー私、無茶苦茶いってるよぉ!
だって仕方ないじゃん、他にどう説明しろって言うのさ。
江戸が変な奴に狙われていて、神様たちも大変なんですなんて説明できないよ。
こういう具体性のない説明をすること、お母様は大嫌いなんだよねぇ……うぅ怖いなぁ。
「お松」
「はい!」
ほら来たぞ。
お母様の声は刀のように鋭い感じだ。
「あなたが何を言ってるのか、母にはさっぱり理解できません」
「うっ……」
「ですが、真剣な悩みだという事はわかりました。何がおこるかわからない。しかし確実に起こる何か。ふむ、確かに、目に見ないものは不安ですし、怖いものですね。しかし、それがなんだというのです」
「へっ?」
怒られるかと思いきや、お母様からは意外な言葉だ。
「いついかなる時でも、物事にすばやく対応できるように心がける。これは兵法の一つであると、宗矩様はおっしゃっていました。しかし例え何かが起きようと、そこで心を乱してはならぬ。それが我ら柳生の教えです」
「お爺様の?」
「えぇそうです。ですが、お松には少し難しい話でしょうね。むしろ、あなたは、十兵衛様に似ているから……ですので、あのお方の言葉を贈りましょう」
「……!」
お父様の言葉。
私はきゅっと唇をしめて、姿勢を正す。
「うだうだ考えていないで、とにかく進め」
「……はい?」
「相手が懐に飛び込んでくるのだから返り討ちにすればよい」
「あの、お母様」
「いかなる手段を使ってでも生き残ればよし!」
「ちょ、ちょっと待ったぁ!」
な、なんてこと言い出すのかしら、このお母様ってば!
「おや、聞こえませんでしたか?」
「い、いえ、そうではなくて……あの、それがお父様のお言葉なんですか?」
「えぇ、あの人は大体こういう事ばかり言っていましたよ?」
えーもっと、こう、戦いの心構えとか何かこう心に来る言葉とか、なんかないのかしら……あ、でもお父様ならあり得る。
お父様ってばあまり物事を深く考える人じゃなかったし、口は悪いし、変に正直だし、そのせいで家光様にひどく怒られて危うく一族から追放されそうになったって言うし。
いや、でもなんかあるでしょ、そんな勢い任せみたな……。
「お松、あの人の言葉を難しく考えなくてもいいのです。いうなれば、その姿勢こそがあの人にとっての平常心。あれこれを頭で、理屈をこねるより、それが良いと思えばそのままに。心の赴くままに走る。ただそれだけの事なのです」
「心の赴くままに……?」
「あなたが、今何をしたいのか、それを考えればいいだけです。お松、あなたはまだ子どもです。どんなに頑張って宗矩のお爺様や父のようになるのは無理です。ですが、それでも、女子とはいってもあなたはあの剣豪・柳生十兵衛の娘です。ならば、その思うままにやってみればいいのです」
お母様はそれだけを伝えると、立ち上がる。
私のやりたい事か……剣術、そうだ、私は剣術がしたいんだ。もっともっといろんなことを学びたい。
でもその為には、江戸が平和じゃなくちゃいけないんだ。
だったら、どうするのか……なんだ、簡単な事ね。
悪い奴をぶっ飛ばして、平和にして、ゆっくりと剣術を学べばいいのよ。
それが私のやりたい事だわ。
「その顔、あなたのお父様にそっくりよ」
「え?」
今気が付いたけど、私、笑っていたみたいだ。
「あなたが何をしようとしてるのかはわかりません。ですが、それはきっと、良き事だと思っています。なぜならあなたは私たちの娘、剣豪・柳生十兵衛の娘ですもの。万が一にも、悪い道を進むわけがありませんから」
お母様はふっと小さく笑ってくれた。
「でも、お勉強はしなさい。剣なんて振っても生活の役には一切役に立たぬのですから。その点、お勉強は違います。どんな時でも、どんなことでも応用できます。数字と計算ぐらいはできるようにならねば、お家の家計簿をどうやりくりするつもりですか。あなたもいずれは嫁ぐのですからそれぐらいはできるようにならなくてはいけませんからね!」
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