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第三章 コルマノン大騒動
53 到着、コルマノン
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雲一つない快晴の空。その下で、シルヴァとシアンはついに隣町『コルマノン』へ到達した。
「ここが『コルマノン』かー」
アーチ状の門の下を通り、街中へと入って行く二人。シアンは好奇心旺盛にその街並みをキョロキョロと見渡している。
その街の景色はシルヴァとシアンが出会った『オルレゾー』の町よりもこじんまりとしていて、建物の高さは基本的に低くめで『オルレゾー』にあったマンションなどは見当たらない。
「そういえば」
町に入り、その中を歩きながらシルヴァはシアンの方を見た。彼女は周囲を楽しそうに見渡していたが、シルヴァの声を聞くと視線を彼に向ける。
「アレンから貰った『液状武装』……だっけ? 手ぶらみたいだけど、どこにあるの?」
シルヴァは不思議そうにシアンへと聞いた。
シルヴァから見る限り、シアンは黒い帽子を被り、白いワンピースを着ている。けれど、その両手には何も持っていない。
さっきから気になってちらりと彼女の体を見ていたけれど、『液体武装』が見つからないのだ。てっきりマントとして通常は装備しておくのかなあ、とシルヴァは思っていたが、ワンピースにマントはあまり似合わなかったらしい。故に彼女は『液状武装』をまた別のものに変化させているのだと推測できるのだが……。
「えへへー。どこだと思う?」
シルヴァの言葉を聞いて、シアンは体をそーっとのぞき込むように傾けて、悪戯っぽく笑ってみせた。それに合わせて、猫耳もぬーっと傾いていくのがなんとも可愛らしい。
「ブレスレット……にしてるわけじゃない、か」
シルヴァはそんなシアンの腕に注目してみるも、そこには白く細い腕が露出しているだけで、何かをつけているわけではない。
「うーん、おしい! かな」
悩むシルヴァを見て、シアンはちょっと嬉しそうにしながら歩いていくシルヴァの前に立つ。シルヴァは彼女を前にして立ち止まった。
シアンはそのままワンピースの裾を少したくし上げて、周りに気づかれない程度にシルヴァへ生足を晒す。
「ちょ……」
いきなりの行動にシルヴァは少しあたふたするも、その真意をすぐに悟って理解した。
彼女の右足首。そこには金色のアンクレットが着けられていた。なるほど、シルヴァが考えたようにブレスレットとして腕ではなく、足首にアンクレットとして着けていたようだ。
シルヴァはシルヴァにそれを見せると、すぐに裾を離して下げる。それからシルヴァのもとへもたれ掛かるように寄り添った。
「……で、最初にどこ行く?」
上目遣いで尋ねてくるシアンに、シルヴァは彼女から視線を背けて一旦深呼吸をする。何というか、純粋ゆえの可愛さというのだろうか。悶えでたまらずシルヴァは視線を背けてしまった。
そしてすぐに平常な表情を取り戻すと、シアンを直視する。彼女の肩を優しくぐいっと前に押しやり、シルヴァは言った。
「ま、まずは宿の確保かな」
シルヴァはそれから辺りを見回すと、とある看板を見つけてそれを指さす。
「ほら、そういう情報はその町の人に聞くのが一番ってことでね。もう昼時だし、ご飯ついでにさ」
その看板には『食事処-彩食絹華』としなやかな筆書きでしたためられていた。
シルヴァはその看板に書いてある店名の下の、店の場所のありかを示す矢印に沿って小道へと進んでいく。
そんなシルヴァの背中をじーっと見ていたシアン。彼が路地裏とも言うには少し大きな小道に入ったところで、一人シルヴァに気づかれずため息をついた。
「はあ……。アプローチ間違えたかも」
「ここが『コルマノン』かー」
アーチ状の門の下を通り、街中へと入って行く二人。シアンは好奇心旺盛にその街並みをキョロキョロと見渡している。
その街の景色はシルヴァとシアンが出会った『オルレゾー』の町よりもこじんまりとしていて、建物の高さは基本的に低くめで『オルレゾー』にあったマンションなどは見当たらない。
「そういえば」
町に入り、その中を歩きながらシルヴァはシアンの方を見た。彼女は周囲を楽しそうに見渡していたが、シルヴァの声を聞くと視線を彼に向ける。
「アレンから貰った『液状武装』……だっけ? 手ぶらみたいだけど、どこにあるの?」
シルヴァは不思議そうにシアンへと聞いた。
シルヴァから見る限り、シアンは黒い帽子を被り、白いワンピースを着ている。けれど、その両手には何も持っていない。
さっきから気になってちらりと彼女の体を見ていたけれど、『液体武装』が見つからないのだ。てっきりマントとして通常は装備しておくのかなあ、とシルヴァは思っていたが、ワンピースにマントはあまり似合わなかったらしい。故に彼女は『液状武装』をまた別のものに変化させているのだと推測できるのだが……。
「えへへー。どこだと思う?」
シルヴァの言葉を聞いて、シアンは体をそーっとのぞき込むように傾けて、悪戯っぽく笑ってみせた。それに合わせて、猫耳もぬーっと傾いていくのがなんとも可愛らしい。
「ブレスレット……にしてるわけじゃない、か」
シルヴァはそんなシアンの腕に注目してみるも、そこには白く細い腕が露出しているだけで、何かをつけているわけではない。
「うーん、おしい! かな」
悩むシルヴァを見て、シアンはちょっと嬉しそうにしながら歩いていくシルヴァの前に立つ。シルヴァは彼女を前にして立ち止まった。
シアンはそのままワンピースの裾を少したくし上げて、周りに気づかれない程度にシルヴァへ生足を晒す。
「ちょ……」
いきなりの行動にシルヴァは少しあたふたするも、その真意をすぐに悟って理解した。
彼女の右足首。そこには金色のアンクレットが着けられていた。なるほど、シルヴァが考えたようにブレスレットとして腕ではなく、足首にアンクレットとして着けていたようだ。
シルヴァはシルヴァにそれを見せると、すぐに裾を離して下げる。それからシルヴァのもとへもたれ掛かるように寄り添った。
「……で、最初にどこ行く?」
上目遣いで尋ねてくるシアンに、シルヴァは彼女から視線を背けて一旦深呼吸をする。何というか、純粋ゆえの可愛さというのだろうか。悶えでたまらずシルヴァは視線を背けてしまった。
そしてすぐに平常な表情を取り戻すと、シアンを直視する。彼女の肩を優しくぐいっと前に押しやり、シルヴァは言った。
「ま、まずは宿の確保かな」
シルヴァはそれから辺りを見回すと、とある看板を見つけてそれを指さす。
「ほら、そういう情報はその町の人に聞くのが一番ってことでね。もう昼時だし、ご飯ついでにさ」
その看板には『食事処-彩食絹華』としなやかな筆書きでしたためられていた。
シルヴァはその看板に書いてある店名の下の、店の場所のありかを示す矢印に沿って小道へと進んでいく。
そんなシルヴァの背中をじーっと見ていたシアン。彼が路地裏とも言うには少し大きな小道に入ったところで、一人シルヴァに気づかれずため息をついた。
「はあ……。アプローチ間違えたかも」
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