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131 おくぼ
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太鼓の音が鳴り渡る。ちょっとした櫓から見渡せる円形状に机と椅子が配置されていて、個々に酒やらツマミやらを持ち寄っては騒ぎ合う。
フィリアたちは空いているところを見つけると、隣り合わせで座った。テーブルに買ったばかりのオクボやら、包装済みのリンゴ飴を置く。
「……知ってますか」
オクボのフタを開けながら、ソニアは口を開いた。
「オロシ削りはですね。オクトボールをワリバシで上から割りながら、オロシ削りをかけるのがいいんです」
「へぇ」
軽くなった腕と懐かしい手つきで、『オロシ削り』のオクボにオロシをかけて、言葉通りにオクボの上にハシを押し込んだ。やりすぎると見栄えが悪くなってしまうので、本当に上だけだ。
見た目以上にオクボの内側は高温である。味を浸透させるという意味以外にも、それを冷まして適正温度にするという役割も果たしているのだ。一石二鳥とはまさにこのことか。
「どうぞ」
八つ入っている中で、一つだけ食べやすくしてからお皿ごとフィリアの方へ寄せた。フィリアはハシを手に取り、それを口に運ぶ。
「……うん。オクボ本来のこってり感をオロシがさっぱりさせてる感じなんだ。これは美味しいね」
いささか貴族の口に庶民の味が合うかどうか少し不安だったが、フィリアを見るに満足そうだ。ソニアはちょっとホッとした。
気分が軽い。昨日吐き出してしまった劣等感も形を潜めている。どうしてか、今は緊張を感じない。
いや、理由はなんとなく分かっていた。フィリアから、不器用ながらも思いやりをなんなく感じていた。本当に、不器用だ。ちょっと笑ってしまうほど。
彼女の前で一度、祭りに対してぼやいたことを思い出す。それを覚えていたのだろう。厳格な彼女も彼女なりに、ソニアのことも見て、そして考えていてくれていた。その事実だけでも嬉しく思ってしまう。
それにソニアにはこうして一緒にいてくれる人がいるのだ。それが何よりも頼りになる呪文な気がした。
ソニアがそう瞳を閉じてると、フィリアの息を飲むのが聞こえた。チラリとソニアは目を開ける。
「……あっ、オロシがある方を先に食べちゃった。オリジナルの方を先に食べた方が良かったか……」
しまった、と言わんばかりに口前に手を当てるフィリア。普段の彼女からは想像に難い、柔らかい態度がそこにあった。年相応の、どこにでもいるような。
ソニアはどこか嬉しかった。笑って応える。
「大丈夫ですよ。どっちにしても――」
「……っ」
と、ソニアの言葉が途切れた。その原因はいきなり目の前のテーブルに勢いよく物が置かれたからだ。二人は音の方、すなわち向かい側に座った者を見る。
薄い金髪。柔らかいクリーム色のセミロングで耳あたりを編み込んでいる女性がいた。長めの前髪から除く赤い瞳は、どこか怯えているようであった。
「ちょっと待ってくれよぉ、ヒック……」
と、その理由もすぐに分かった。さっきの音よりも大きな音を立てて、彼女の隣に大男がどすんと座った。同時に彼女の肩に手を寄せて抱き寄せる。
「逃げないでくれよなぁ……ちょっちおっさんの話ぐらい聞いてもいいだろ……」
「……あの、いえ、結構ですので……」
「えぇ……寂しいなぁ。あぁ寂しい……寂しすぎて酒が進んじまうなぁ……最高の肴だよ。なぁ、もっとお話ししようや」
「いえ……その……」
真っ赤な顔で金髪の大男はごくりと酒瓶を仰ぐ。その隣セミロングの人から離れる様子は全くない。
さっきまでの雰囲気が台無しであった。ソニアは目の前の光景に身を縮める。
そんな中、チラリと女性の瞳がソニアの方を見た気がした。ピクリとソニアは反応する。ソニアに助けを求めているのは確かであった。
「……」
チラリとフィリアを見る。我関せずといった様子なのか、仮面の裏の表情も分からないものの、それらをただ静観していた。ソニアの様子を伺う様子もない。
「なぁなぁ、おっさん身の上話を聞いてほしいなぁ……ねえねえ」
「……っ」
それでも酔っ払いの迷惑行為は続いていた。フィリアは動かない。たまらずソニアは声を上げた。
「あのっ!」
「あぁ?」
テーブルを叩いて立ち上がるソニアに、大男が一瞥した。同時に抱き寄せられていた女性はその腕の中から脱出する。
「嫌がってますよ! やめてほしいです!」
「嫌がってる……? どーこーがーってんだよ?? 酔ってねぇぞおれぁ!」
立ち上がったソニアに対し、大男も対抗して身を乗り出してきた。その大きさにびくりと身を下げるも、首を振って恐れを振り払い、負けじと睨んだ。
「あのなぁ、嬢ちゃん……」
静かな声。けれど怒気が孕んでいるような緊迫感。ソニアは身構え、その大男はぐっと拳を握りしめて顔を下に向けていた。
そして一気に顔を上げる。それは真っ赤な顔に血管が若干ながら浮かんでいた。明らかにヒートアップしているようであった。
ソニアはぐっと奥歯を噛み締める。何を、どうされようとも負けたくはなかったから。
「あの」
そんな中、大男の肩を誰かが叩いた。
「あぁ!? あんだ――」
大男が大声で叫びながら振り返る。が、振り返るやその声が詰まった。
ぽたり。赤い液体がしたたる。大男の目の前にいる青年は額と両耳から血を流しながら、ボロボロになった袖を通した腕で拝み手を作って告げた。
「すみません。ちょっとあの、うちの者にあんまり怒鳴らないでくれます……?」
何故かボロボロになっている青年ことウィズは無表情で大男を見つめたのだった。
フィリアたちは空いているところを見つけると、隣り合わせで座った。テーブルに買ったばかりのオクボやら、包装済みのリンゴ飴を置く。
「……知ってますか」
オクボのフタを開けながら、ソニアは口を開いた。
「オロシ削りはですね。オクトボールをワリバシで上から割りながら、オロシ削りをかけるのがいいんです」
「へぇ」
軽くなった腕と懐かしい手つきで、『オロシ削り』のオクボにオロシをかけて、言葉通りにオクボの上にハシを押し込んだ。やりすぎると見栄えが悪くなってしまうので、本当に上だけだ。
見た目以上にオクボの内側は高温である。味を浸透させるという意味以外にも、それを冷まして適正温度にするという役割も果たしているのだ。一石二鳥とはまさにこのことか。
「どうぞ」
八つ入っている中で、一つだけ食べやすくしてからお皿ごとフィリアの方へ寄せた。フィリアはハシを手に取り、それを口に運ぶ。
「……うん。オクボ本来のこってり感をオロシがさっぱりさせてる感じなんだ。これは美味しいね」
いささか貴族の口に庶民の味が合うかどうか少し不安だったが、フィリアを見るに満足そうだ。ソニアはちょっとホッとした。
気分が軽い。昨日吐き出してしまった劣等感も形を潜めている。どうしてか、今は緊張を感じない。
いや、理由はなんとなく分かっていた。フィリアから、不器用ながらも思いやりをなんなく感じていた。本当に、不器用だ。ちょっと笑ってしまうほど。
彼女の前で一度、祭りに対してぼやいたことを思い出す。それを覚えていたのだろう。厳格な彼女も彼女なりに、ソニアのことも見て、そして考えていてくれていた。その事実だけでも嬉しく思ってしまう。
それにソニアにはこうして一緒にいてくれる人がいるのだ。それが何よりも頼りになる呪文な気がした。
ソニアがそう瞳を閉じてると、フィリアの息を飲むのが聞こえた。チラリとソニアは目を開ける。
「……あっ、オロシがある方を先に食べちゃった。オリジナルの方を先に食べた方が良かったか……」
しまった、と言わんばかりに口前に手を当てるフィリア。普段の彼女からは想像に難い、柔らかい態度がそこにあった。年相応の、どこにでもいるような。
ソニアはどこか嬉しかった。笑って応える。
「大丈夫ですよ。どっちにしても――」
「……っ」
と、ソニアの言葉が途切れた。その原因はいきなり目の前のテーブルに勢いよく物が置かれたからだ。二人は音の方、すなわち向かい側に座った者を見る。
薄い金髪。柔らかいクリーム色のセミロングで耳あたりを編み込んでいる女性がいた。長めの前髪から除く赤い瞳は、どこか怯えているようであった。
「ちょっと待ってくれよぉ、ヒック……」
と、その理由もすぐに分かった。さっきの音よりも大きな音を立てて、彼女の隣に大男がどすんと座った。同時に彼女の肩に手を寄せて抱き寄せる。
「逃げないでくれよなぁ……ちょっちおっさんの話ぐらい聞いてもいいだろ……」
「……あの、いえ、結構ですので……」
「えぇ……寂しいなぁ。あぁ寂しい……寂しすぎて酒が進んじまうなぁ……最高の肴だよ。なぁ、もっとお話ししようや」
「いえ……その……」
真っ赤な顔で金髪の大男はごくりと酒瓶を仰ぐ。その隣セミロングの人から離れる様子は全くない。
さっきまでの雰囲気が台無しであった。ソニアは目の前の光景に身を縮める。
そんな中、チラリと女性の瞳がソニアの方を見た気がした。ピクリとソニアは反応する。ソニアに助けを求めているのは確かであった。
「……」
チラリとフィリアを見る。我関せずといった様子なのか、仮面の裏の表情も分からないものの、それらをただ静観していた。ソニアの様子を伺う様子もない。
「なぁなぁ、おっさん身の上話を聞いてほしいなぁ……ねえねえ」
「……っ」
それでも酔っ払いの迷惑行為は続いていた。フィリアは動かない。たまらずソニアは声を上げた。
「あのっ!」
「あぁ?」
テーブルを叩いて立ち上がるソニアに、大男が一瞥した。同時に抱き寄せられていた女性はその腕の中から脱出する。
「嫌がってますよ! やめてほしいです!」
「嫌がってる……? どーこーがーってんだよ?? 酔ってねぇぞおれぁ!」
立ち上がったソニアに対し、大男も対抗して身を乗り出してきた。その大きさにびくりと身を下げるも、首を振って恐れを振り払い、負けじと睨んだ。
「あのなぁ、嬢ちゃん……」
静かな声。けれど怒気が孕んでいるような緊迫感。ソニアは身構え、その大男はぐっと拳を握りしめて顔を下に向けていた。
そして一気に顔を上げる。それは真っ赤な顔に血管が若干ながら浮かんでいた。明らかにヒートアップしているようであった。
ソニアはぐっと奥歯を噛み締める。何を、どうされようとも負けたくはなかったから。
「あの」
そんな中、大男の肩を誰かが叩いた。
「あぁ!? あんだ――」
大男が大声で叫びながら振り返る。が、振り返るやその声が詰まった。
ぽたり。赤い液体がしたたる。大男の目の前にいる青年は額と両耳から血を流しながら、ボロボロになった袖を通した腕で拝み手を作って告げた。
「すみません。ちょっとあの、うちの者にあんまり怒鳴らないでくれます……?」
何故かボロボロになっている青年ことウィズは無表情で大男を見つめたのだった。
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