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21 緋閃零式
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地面に仰向けになったヴェルナスをウィズは見下ろした。
その頬には暗がりでとても見づらいが、確かに汗が伝っていた。
(地味に危なかった……油断しすぎた)
ウィズは高揚する肉体で多少の吐き気を感じつつ、倒れたヴェルナスを足蹴にする。
――蜘蛛の巣に捕らわれたウィズを至近距離で襲った『閻魔石』の爆発。普通の人間ならば、あの時点で詰みだった。
しかしウィズはすでに"普通"ではなかった。彼は未だ微かに振動している心臓の『それ』に手をかざす。
『超小型光臨界融合魔炉・緋閃零式』。
略して『緋閃零式』とでも呼ぶべきか。
『緋閃零式』はアレフ特製の『魔力の塊』である。
その『魔力の塊』――つまり、『緋閃零式』というのは『緋閃』の熱線による回転と熱量を利用した、半永久に稼働しては魔力を無限に作り出す機械のようなものだ。
それがウィズの心臓には埋め込まれていた。
理論上、生産量を使用量が追い越さない限り、ウィズは魔力切れという事態を起こさない。魔力を使い魔術を扱う魔術師にとって、これほど頼りになるモノはないだろう。
「何故……あの距離からどうやって……」
ヴェルナスは震える唇でぼやいた。
「さぁね」
もちろん答えるわけもなく、ウィズは無表情でそう返す。
そして心の中で回想する。『閻魔石』が爆発した瞬間、ウィズは――。
(やはりあまり気持ちの良いものではないな……。一時的とはいえ、肉体を『虚数世界』に転移させるのは……)
ウィズは爆発の際に、『緋閃零式』を稼働させた。
それで生成した魔力を使い、精神だけを現世に残し肉体だけを分解して『虚数世界』に退避させたのだ。
――『虚数世界』とはウィズにもよく分かっていない異空間である。
ただ分かっていることは一つ。現世のすぐ隣にあって、確実に存在する空間であるということ。そしてその空間に現世から直接干渉する方法は未だ見つかっていないということ。
一枚の紙でいうと、現世が表面で『虚数世界』が裏面、といったところか。
『閻魔石』の爆発も現世で起こったことであり、肉体を『虚数世界』に転移していたウィズにはノーダメージだったというわけだ。
ならば、どうやって肉体を『虚数世界』へ転移したのか。――いや、『転移した』という表現は少しおかしいかもしれない。何故なら、ウィズは単に自分の肉体を『分解』しただけなのだから。
前提として、ウィズの肉体は『悪性』の『魔粒子』――つまり、"負"の感情で生成される魔獣や魔剣が持つ魔力で動いている。
『緋閃零式』で生産される魔力は中性だが、ウィズの精神に汚染され、瞬時に『悪性』の『魔粒子』に変換されてしまうのだ。
その『悪性』の『魔粒子』に塗れた肉体を魔術『緋閃』による共振で均等に二つへ分解した。――ただそれだけ。
それだけで、分解されたウィズの肉体は『虚数世界』へ送られる。まるで当然の摂理のように、分解された肉体が存在できるのが『虚数世界』だけと決まっているかのように。
『虚数世界』という名付けもその性質から取ったのだ。
"負"の感情で生まれる『悪性』の『魔粒子』の肉体を分解するという行為。それは負の数字を平方根にかける行為に似ていた。
『-4』という数字を平方根にかけた場合、数字に虚数単位(Imaginary unit)の『i』を付けてそれを『2i』と示す。当然ながら『2i』を二乗すると『-4』になる。
その中で『2i』という数字は『2』や『-4』といった整数との足し引きで交わって新たな数字が生まれることはない。『2』と足せば『2+2i』だし、『-4』を足せば『-4+2i』である。
虚数単位が混じった数字は他の数字と交われないのだ。まるで、その数字だけ別空間にいるように。
そういうニュアンスから、ウィズは謎の空間を『虚数世界』と名付けた。
分解され『虚数世界』に送られた肉体はウィズの魔力に反応して掛け合わされる。
分解した二つの肉体が掛け合わされば、その瞬間に肉体は現世へと舞い戻るのだ。現世に肉体を戻したければ、『ゴースト』のように現世に残っている精神で魔力を練れば良い。
もちろん、その行為――『虚空跳躍』には膨大な魔力が必要だ。それでもウィズに実行できたのは『緋閃零式』によって実質無限に魔力を生産できるからである。
そういうカラクリで、ウィズは爆発を回避したのだ。
至って冷静なウィズを前にして、ヴェルナスはへっぴり腰に震えて告げる。
「ひっ……! よ、よく分からねえ……! だがよ、俺の負けだよ……!」
そうやって頭を腕で覆いかぶせた。ウィズは黙ってそれを見つめていた。
「み、見ないでくれぇ……! お前の勝ちだよ勝ち!! でも殺さないでくれぇ……!」
惨めに命乞いをするヴェルナス。そこでウィズは人差し指をたてて、淡々を言った。
「ひとつ。実は今の僕の感覚はとても敏感になっていてね」
ウィズは続ける。
「僕の感情に他人の感情が流れてくるようになっちゃってるんだ」
そう、この『虚空跳躍』を使用した後はこのデメリットがしばらく付きまとう。
理由としては、恐らく精神と肉体が離れ離れになったことで、一時的に感情を受け取る感覚器官に不具合が生じているのだろう。
「すぐ近くの人が悲しみを感じれば、僕も悲しくなる。同じで近くの人が怒っていれば、僕も怒ってしまうように、ね」
「……」
ぴくり。ヴェルナスの震えが止まった。
ウィズは思わず口元をニヤけさせながら、全て言い放った。
「だからさ……今、僕は君の感情に同期させられてるんだ。――今すぐにでも大笑いしたいような楽しさに呑まれてる!」
「正解だァ!」
ヴェルナスはすぐに大きいな笑みを浮かべると、ウィズに向かって蜘蛛の糸で攻撃してきた。ウィズはそれを『緋閃』で焼き切る。
その隙にヴェルナスは予め枝に伸ばしておいたであろう蜘蛛の糸を利用し、糸を縮めて自分の体を真上へと投げ飛ばした。
「俺、お前が大好きだ! またやろうぜ! 名無しの魔術師さんよぉ!」
それだけ叫んで、糸を利用しヴェルナスは夜の闇へ消えていった。
ウィズは彼を追わなかった。その行為は油断ではなく余裕だ。
ヴェルナスはここで殺すのは惜しい。まだ使い道がある。実際に使うかどうかは分からないが。
独り残されたウィズは彼がいなくなった空を見上げ、ぽつりとぼやく。
「僕にはウィズって名前があるんだけどなぁ」
硝煙の香りが微かに立ち込める森の中で、ウィズは一人ため息をついたのだった。
その頬には暗がりでとても見づらいが、確かに汗が伝っていた。
(地味に危なかった……油断しすぎた)
ウィズは高揚する肉体で多少の吐き気を感じつつ、倒れたヴェルナスを足蹴にする。
――蜘蛛の巣に捕らわれたウィズを至近距離で襲った『閻魔石』の爆発。普通の人間ならば、あの時点で詰みだった。
しかしウィズはすでに"普通"ではなかった。彼は未だ微かに振動している心臓の『それ』に手をかざす。
『超小型光臨界融合魔炉・緋閃零式』。
略して『緋閃零式』とでも呼ぶべきか。
『緋閃零式』はアレフ特製の『魔力の塊』である。
その『魔力の塊』――つまり、『緋閃零式』というのは『緋閃』の熱線による回転と熱量を利用した、半永久に稼働しては魔力を無限に作り出す機械のようなものだ。
それがウィズの心臓には埋め込まれていた。
理論上、生産量を使用量が追い越さない限り、ウィズは魔力切れという事態を起こさない。魔力を使い魔術を扱う魔術師にとって、これほど頼りになるモノはないだろう。
「何故……あの距離からどうやって……」
ヴェルナスは震える唇でぼやいた。
「さぁね」
もちろん答えるわけもなく、ウィズは無表情でそう返す。
そして心の中で回想する。『閻魔石』が爆発した瞬間、ウィズは――。
(やはりあまり気持ちの良いものではないな……。一時的とはいえ、肉体を『虚数世界』に転移させるのは……)
ウィズは爆発の際に、『緋閃零式』を稼働させた。
それで生成した魔力を使い、精神だけを現世に残し肉体だけを分解して『虚数世界』に退避させたのだ。
――『虚数世界』とはウィズにもよく分かっていない異空間である。
ただ分かっていることは一つ。現世のすぐ隣にあって、確実に存在する空間であるということ。そしてその空間に現世から直接干渉する方法は未だ見つかっていないということ。
一枚の紙でいうと、現世が表面で『虚数世界』が裏面、といったところか。
『閻魔石』の爆発も現世で起こったことであり、肉体を『虚数世界』に転移していたウィズにはノーダメージだったというわけだ。
ならば、どうやって肉体を『虚数世界』へ転移したのか。――いや、『転移した』という表現は少しおかしいかもしれない。何故なら、ウィズは単に自分の肉体を『分解』しただけなのだから。
前提として、ウィズの肉体は『悪性』の『魔粒子』――つまり、"負"の感情で生成される魔獣や魔剣が持つ魔力で動いている。
『緋閃零式』で生産される魔力は中性だが、ウィズの精神に汚染され、瞬時に『悪性』の『魔粒子』に変換されてしまうのだ。
その『悪性』の『魔粒子』に塗れた肉体を魔術『緋閃』による共振で均等に二つへ分解した。――ただそれだけ。
それだけで、分解されたウィズの肉体は『虚数世界』へ送られる。まるで当然の摂理のように、分解された肉体が存在できるのが『虚数世界』だけと決まっているかのように。
『虚数世界』という名付けもその性質から取ったのだ。
"負"の感情で生まれる『悪性』の『魔粒子』の肉体を分解するという行為。それは負の数字を平方根にかける行為に似ていた。
『-4』という数字を平方根にかけた場合、数字に虚数単位(Imaginary unit)の『i』を付けてそれを『2i』と示す。当然ながら『2i』を二乗すると『-4』になる。
その中で『2i』という数字は『2』や『-4』といった整数との足し引きで交わって新たな数字が生まれることはない。『2』と足せば『2+2i』だし、『-4』を足せば『-4+2i』である。
虚数単位が混じった数字は他の数字と交われないのだ。まるで、その数字だけ別空間にいるように。
そういうニュアンスから、ウィズは謎の空間を『虚数世界』と名付けた。
分解され『虚数世界』に送られた肉体はウィズの魔力に反応して掛け合わされる。
分解した二つの肉体が掛け合わされば、その瞬間に肉体は現世へと舞い戻るのだ。現世に肉体を戻したければ、『ゴースト』のように現世に残っている精神で魔力を練れば良い。
もちろん、その行為――『虚空跳躍』には膨大な魔力が必要だ。それでもウィズに実行できたのは『緋閃零式』によって実質無限に魔力を生産できるからである。
そういうカラクリで、ウィズは爆発を回避したのだ。
至って冷静なウィズを前にして、ヴェルナスはへっぴり腰に震えて告げる。
「ひっ……! よ、よく分からねえ……! だがよ、俺の負けだよ……!」
そうやって頭を腕で覆いかぶせた。ウィズは黙ってそれを見つめていた。
「み、見ないでくれぇ……! お前の勝ちだよ勝ち!! でも殺さないでくれぇ……!」
惨めに命乞いをするヴェルナス。そこでウィズは人差し指をたてて、淡々を言った。
「ひとつ。実は今の僕の感覚はとても敏感になっていてね」
ウィズは続ける。
「僕の感情に他人の感情が流れてくるようになっちゃってるんだ」
そう、この『虚空跳躍』を使用した後はこのデメリットがしばらく付きまとう。
理由としては、恐らく精神と肉体が離れ離れになったことで、一時的に感情を受け取る感覚器官に不具合が生じているのだろう。
「すぐ近くの人が悲しみを感じれば、僕も悲しくなる。同じで近くの人が怒っていれば、僕も怒ってしまうように、ね」
「……」
ぴくり。ヴェルナスの震えが止まった。
ウィズは思わず口元をニヤけさせながら、全て言い放った。
「だからさ……今、僕は君の感情に同期させられてるんだ。――今すぐにでも大笑いしたいような楽しさに呑まれてる!」
「正解だァ!」
ヴェルナスはすぐに大きいな笑みを浮かべると、ウィズに向かって蜘蛛の糸で攻撃してきた。ウィズはそれを『緋閃』で焼き切る。
その隙にヴェルナスは予め枝に伸ばしておいたであろう蜘蛛の糸を利用し、糸を縮めて自分の体を真上へと投げ飛ばした。
「俺、お前が大好きだ! またやろうぜ! 名無しの魔術師さんよぉ!」
それだけ叫んで、糸を利用しヴェルナスは夜の闇へ消えていった。
ウィズは彼を追わなかった。その行為は油断ではなく余裕だ。
ヴェルナスはここで殺すのは惜しい。まだ使い道がある。実際に使うかどうかは分からないが。
独り残されたウィズは彼がいなくなった空を見上げ、ぽつりとぼやく。
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硝煙の香りが微かに立ち込める森の中で、ウィズは一人ため息をついたのだった。
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