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リブート・鋼一郎ズ・エンジン
過去と禍故
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これが俗にいう走馬灯という奴だろうか?
見覚えのあるコックピットの中。見覚えのある街中。そして、鋼一郎の駆る機体の前には、見覚えのある凱機の背中がライトによって照らし出された。
第二世代モデルのアカツキ。通信能力を強化するための大型化されたツノ型アンテナと、通常は両肩に二基ずつしか備えないブースターユニットを、脚部にも二基ずつ増設したモデルだ。──ならば当然。それを駆るのは彼女、百千桃で間違えはないのだろう。
《総員退避ッッ!》
通信機越しに彼女の声が聞こえる。鋼一郎の知る限り、彼女がここまでの動揺を露にしたのは一度だけ。
妖怪の亡骸を突き破った巨大な二対の剛腕が、モニター画面へと移りこんだ。
《聞こえなかった? 総員撤退って言ったの! 分かったらすぐに動くッ!》
そうだ。これは忘れもしないあの夜の記憶。
桃のアカツキは迫る剛腕を握り占めた夜霧で逸らした。
彼女もまた鋼一郎のものと極めて近い症状のB・Uを患っている。その人並外れた動体視力と、経験によって研磨された実力があれば初撃をいなすことも、そう難しいことではない。
実際。集中を研ぎ澄ませた彼女の瞳には、あらゆる速さでさえ止まって見えたという。
小さな火花をチリチリと散らし、迫る剛腕を弾き飛ばす。だが軌道を逸らされた両腕はすぐに狙いを変えた。感覚器官らしいものをもたずとも、その狙いは精密だ。
無慈悲に振るわれた拳はその質量で、同伴していた二機のアカツキを圧し潰す。
黒煙と炎が上がる機体から最後に届いたのは、一瞬で途切れた断末魔。モニターからは訓練生二人を示す反応が消えた。
「……嘘だろ」
二人を圧し潰した腕はまるで埃でも払うかのように、掌同士を擦り合わせてみせた。
《鋼一郎訓練生。……もう三度目は言わなくても分かるわね》
通信機越しに桃が静かに語り掛ける。口調にはわなわなと湧き上がる怒りが滲んでいた。
《私がコイツを抑えるから、君はすぐにこの場からはなれるんだ》
「……けっ、けど、桃教官が! そうだ、お、俺も援護を!」
《いらない。今は君が足手まといなんだ》
彼女はその言葉で、鋼一郎を突き放す。一言「すまない」とだけ言い残し、濡羽色の髪をした彼女の顔が画面から消えた。ブツりと音を立て、彼女との通信が途切れる。
「……さ、やろうか」
フッと息を吐き、飛び出した桃のアカツキは質量の塊であるその腕と幾度もぶつかる。
きっとこの腕は妖怪本体ではないのだろう。こうやってぶつかり合っても、生物らしさというものが感じられない。
遠隔で操っているのか? それとも──
「本体から切り離した腕をあの鬼の身体に仕込んでいたんだろうな。なら、あの鬼は私たちをおびき出す生餌ってとこだったんだろうね」
アイツにうまく騙されたんだと、内心で苦笑する。
B・Uの齎す脅威的な動体視力の桃と、強固な外殻で覆われた謎の腕。
両者が両用に、相手に致命傷を与える術を持たずにいた。それでも蓄積したダメージとB・Uの負荷を背負う分、桃の方がジワジワと削られていく。
長期戦になれば、不利になるのは必然。ならば装甲を削られながらも、アカツキは短期決戦に打って出た。
計四基のブースターからなる推力を一点に絞り込み、突っ込む。外殻に刃が通らないのならいっそ勢いに乗せ、柄頭を叩きつける。
衝突音が鼓膜を噛む。ジンとした痛み。反動でマニピュレータが砕け、その手からブレードがこぼれた。渾身の打突でさえ、この外殻を傷つけることはできないのだろうか。
「まっ、想定通りなんだけどッ」
キックペダルを蹴り込む彼女はその瞳に獰猛さを宿していた。黒い相貌はモニター画面の反射で、静かに輝く。
祓刃所属、百千桃・一級戦闘員。
一年間の貢献度、並びに妖怪討伐数では桁外れの数字を叩き出し、特別指定の高危険度妖怪さえ単機で駆逐する。そんな経歴を重ね続け、遂には最年少で一級の座に上り詰めた彼女を、多くの隊員は「奇才・百千桃」と畏怖するようになっていた。
B・U障害によって百千と同等の動体視力を持ち合わせる少年少女を集め、第二、第三の「奇才」を育てる。なんて馬鹿げたプロジェクトが本気で実施され、その教官に自身が抜擢されるほど、当時の祓刃内で彼女の強さは神格化されていたのだ。
隊員たちは口々に噂する。「次に特級になるのは百千桃」だとか。「最年少一級戦闘員の次は最年少特級戦闘員が生まれる」だとか。
それでも、多くの隊員は気づこうともしない。奇才が奇才たる由縁を。
桃は確かに天性の操縦センスとB・Uの両方を持ち合わせたイレギュラーだったのかもしれない。
だが彼女を彼女たらしめるのは、機体を捨てることさえもいとわず、無茶を無茶とも思わない大胆な性格だった。
「──つーかまえたッ!」
アカツキの全体重をかけて、その場に掴んだ腕を二本まとめて引きずり倒す。
現状で致命傷を与えられるような装備をアカツキは持ち合わせていない。そもそも機体のスペック自体が、単機でこの妖怪を駆除できる域に達していない。
ならばせめて、機体共々この腕どもを葬り去る。
怒髪天なんて、教え子を二人奪われた時点で突かれていた。
このまま体制で各部関節をロック。モニター画面に六桁からなる自爆コードを打ち込む。
六十秒──モニター画面に表示されたこのカウントが、パイロットが脱出するために与えられる猶予だ。十分な余裕があることを確認し、彼女は緊急脱出用のレバーを引き抜こうとした。
力を込めて、レバーを引く。
それでもレバーは動かない。
整備不良か……いや出撃前の点検は他の誰でもない桃自身が行っていたはず。それなのに何かがギアとギアの間に噛んでしまったように、脱出機構が作動しないのだ
密閉された鉄の箱の中。カウントだけが刻々と迫る。
「あっー……これはちょーっとマズいかも……」
彼女はそう力なく苦笑した。
◇◇◇
爆炎が全てを包み込んだ。轟々と燃え盛る炎を前に鋼一郎は文字通り、その様を目に焼き付けることしかできなかった。
単に凱機が大破することのよって炎上するのと、故意的にエンジンを逆回転させることで自爆を引き起こすのではその規模も違う。
全身がガクガクと震え、目の前の光景を現実として受け入れることが出来なかった。
命令を無視してでも、彼女の救援に入っていれば。
いや、違う! 今をそれを考えるのでなく、燃え盛る炎の中から彼女を救い出す方法を。
「あぁ…………ああ! ああ…………!!」
鋼一郎は明らかに錯乱していた。情報が混濁し、正常な判断なんて当の昔に押し流されているのだろう。
或いは。錯乱したフリをして、「百千桃の死」を受け入れまいと足掻いていたのだろう。
正気が引きずり回され、削られていく。
「あああああああああああああアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!」
鋼一郎の言葉にならない咆哮は、炎の中へと溶け落ちた。
見覚えのあるコックピットの中。見覚えのある街中。そして、鋼一郎の駆る機体の前には、見覚えのある凱機の背中がライトによって照らし出された。
第二世代モデルのアカツキ。通信能力を強化するための大型化されたツノ型アンテナと、通常は両肩に二基ずつしか備えないブースターユニットを、脚部にも二基ずつ増設したモデルだ。──ならば当然。それを駆るのは彼女、百千桃で間違えはないのだろう。
《総員退避ッッ!》
通信機越しに彼女の声が聞こえる。鋼一郎の知る限り、彼女がここまでの動揺を露にしたのは一度だけ。
妖怪の亡骸を突き破った巨大な二対の剛腕が、モニター画面へと移りこんだ。
《聞こえなかった? 総員撤退って言ったの! 分かったらすぐに動くッ!》
そうだ。これは忘れもしないあの夜の記憶。
桃のアカツキは迫る剛腕を握り占めた夜霧で逸らした。
彼女もまた鋼一郎のものと極めて近い症状のB・Uを患っている。その人並外れた動体視力と、経験によって研磨された実力があれば初撃をいなすことも、そう難しいことではない。
実際。集中を研ぎ澄ませた彼女の瞳には、あらゆる速さでさえ止まって見えたという。
小さな火花をチリチリと散らし、迫る剛腕を弾き飛ばす。だが軌道を逸らされた両腕はすぐに狙いを変えた。感覚器官らしいものをもたずとも、その狙いは精密だ。
無慈悲に振るわれた拳はその質量で、同伴していた二機のアカツキを圧し潰す。
黒煙と炎が上がる機体から最後に届いたのは、一瞬で途切れた断末魔。モニターからは訓練生二人を示す反応が消えた。
「……嘘だろ」
二人を圧し潰した腕はまるで埃でも払うかのように、掌同士を擦り合わせてみせた。
《鋼一郎訓練生。……もう三度目は言わなくても分かるわね》
通信機越しに桃が静かに語り掛ける。口調にはわなわなと湧き上がる怒りが滲んでいた。
《私がコイツを抑えるから、君はすぐにこの場からはなれるんだ》
「……けっ、けど、桃教官が! そうだ、お、俺も援護を!」
《いらない。今は君が足手まといなんだ》
彼女はその言葉で、鋼一郎を突き放す。一言「すまない」とだけ言い残し、濡羽色の髪をした彼女の顔が画面から消えた。ブツりと音を立て、彼女との通信が途切れる。
「……さ、やろうか」
フッと息を吐き、飛び出した桃のアカツキは質量の塊であるその腕と幾度もぶつかる。
きっとこの腕は妖怪本体ではないのだろう。こうやってぶつかり合っても、生物らしさというものが感じられない。
遠隔で操っているのか? それとも──
「本体から切り離した腕をあの鬼の身体に仕込んでいたんだろうな。なら、あの鬼は私たちをおびき出す生餌ってとこだったんだろうね」
アイツにうまく騙されたんだと、内心で苦笑する。
B・Uの齎す脅威的な動体視力の桃と、強固な外殻で覆われた謎の腕。
両者が両用に、相手に致命傷を与える術を持たずにいた。それでも蓄積したダメージとB・Uの負荷を背負う分、桃の方がジワジワと削られていく。
長期戦になれば、不利になるのは必然。ならば装甲を削られながらも、アカツキは短期決戦に打って出た。
計四基のブースターからなる推力を一点に絞り込み、突っ込む。外殻に刃が通らないのならいっそ勢いに乗せ、柄頭を叩きつける。
衝突音が鼓膜を噛む。ジンとした痛み。反動でマニピュレータが砕け、その手からブレードがこぼれた。渾身の打突でさえ、この外殻を傷つけることはできないのだろうか。
「まっ、想定通りなんだけどッ」
キックペダルを蹴り込む彼女はその瞳に獰猛さを宿していた。黒い相貌はモニター画面の反射で、静かに輝く。
祓刃所属、百千桃・一級戦闘員。
一年間の貢献度、並びに妖怪討伐数では桁外れの数字を叩き出し、特別指定の高危険度妖怪さえ単機で駆逐する。そんな経歴を重ね続け、遂には最年少で一級の座に上り詰めた彼女を、多くの隊員は「奇才・百千桃」と畏怖するようになっていた。
B・U障害によって百千と同等の動体視力を持ち合わせる少年少女を集め、第二、第三の「奇才」を育てる。なんて馬鹿げたプロジェクトが本気で実施され、その教官に自身が抜擢されるほど、当時の祓刃内で彼女の強さは神格化されていたのだ。
隊員たちは口々に噂する。「次に特級になるのは百千桃」だとか。「最年少一級戦闘員の次は最年少特級戦闘員が生まれる」だとか。
それでも、多くの隊員は気づこうともしない。奇才が奇才たる由縁を。
桃は確かに天性の操縦センスとB・Uの両方を持ち合わせたイレギュラーだったのかもしれない。
だが彼女を彼女たらしめるのは、機体を捨てることさえもいとわず、無茶を無茶とも思わない大胆な性格だった。
「──つーかまえたッ!」
アカツキの全体重をかけて、その場に掴んだ腕を二本まとめて引きずり倒す。
現状で致命傷を与えられるような装備をアカツキは持ち合わせていない。そもそも機体のスペック自体が、単機でこの妖怪を駆除できる域に達していない。
ならばせめて、機体共々この腕どもを葬り去る。
怒髪天なんて、教え子を二人奪われた時点で突かれていた。
このまま体制で各部関節をロック。モニター画面に六桁からなる自爆コードを打ち込む。
六十秒──モニター画面に表示されたこのカウントが、パイロットが脱出するために与えられる猶予だ。十分な余裕があることを確認し、彼女は緊急脱出用のレバーを引き抜こうとした。
力を込めて、レバーを引く。
それでもレバーは動かない。
整備不良か……いや出撃前の点検は他の誰でもない桃自身が行っていたはず。それなのに何かがギアとギアの間に噛んでしまったように、脱出機構が作動しないのだ
密閉された鉄の箱の中。カウントだけが刻々と迫る。
「あっー……これはちょーっとマズいかも……」
彼女はそう力なく苦笑した。
◇◇◇
爆炎が全てを包み込んだ。轟々と燃え盛る炎を前に鋼一郎は文字通り、その様を目に焼き付けることしかできなかった。
単に凱機が大破することのよって炎上するのと、故意的にエンジンを逆回転させることで自爆を引き起こすのではその規模も違う。
全身がガクガクと震え、目の前の光景を現実として受け入れることが出来なかった。
命令を無視してでも、彼女の救援に入っていれば。
いや、違う! 今をそれを考えるのでなく、燃え盛る炎の中から彼女を救い出す方法を。
「あぁ…………ああ! ああ…………!!」
鋼一郎は明らかに錯乱していた。情報が混濁し、正常な判断なんて当の昔に押し流されているのだろう。
或いは。錯乱したフリをして、「百千桃の死」を受け入れまいと足掻いていたのだろう。
正気が引きずり回され、削られていく。
「あああああああああああああアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!」
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