6 / 49
微妙な三角関係
しおりを挟む
そんな修治に美咲は溜息を吐くと
「ねぇ、修治。私が双葉教授を好きなの知ってるよね?」
と聞くと、修治は笑顔を浮かべて
「うん、知ってる」
と答えた。
「だったら、なんで教授とのデートの邪魔をするの?ノートだったら、明日でも良いじゃない!教授とのデートは今日しか無いかもしれないのに!」
と修治に怒った瞬間、美咲は恭介が居ない事に気が付いた。
「あれ?教授?修治、双葉教授は?」
キョロキョロと辺りを見回しても、恭介の姿が見えない。
修治は肩を窄めて首を傾げるだけで、全く当てにならない。
「もう!また逃げられちゃったじゃない!」
美咲はそう叫ぶと、修治の胸倉を掴んで
「全部あんたのせいよ!どうしてくれんのよ!」
そう叫んだ。
「美咲、怒るなよ」
ヘラヘラと笑う修治に、美咲は切り株に座り込み
「もう、私には時間がないのよ。卒業したら、双葉教授に会えなくなっちゃうの。そうなったら、完全に失恋しちゃうじゃない」
泣きそうな声で呟いた。
すると修治はそんな美咲の頭を撫でて
「大丈夫、既に美咲は振られてるから。教授、興味無いって言ってたよ」
と、言い出したのだ。
美咲は修治の言葉にピクリと反応して、ギロっと修治を睨み付けた。
「そんな事、なんであんたが知ってるのよ!」
「え?俺、美咲が大好きだから、教授に聞いたんだよ。『教授が美咲を好きなら、俺、美咲を諦めます!』って」
修治の言葉に、美咲は修治の胸倉を再び掴んだ。
「あんたね!なんで余計な事を言うのよ!」
そう叫んだ美咲に
「でもさ…教授、こう言ったんだ。『俺は人に興味が持てないから、相手が誰であろうと好きになる事は無い』って」
と、修治が続けた。
美咲は修治の胸倉を掴んだ手を離し
「美咲だけに興味が無い訳じゃないのね。だったら、もしかしたら興味を持ってもらえる日が来るかもしれないじゃない」
そう叫ぶと、美咲は首を振って弱気になる自分を奮い起こす。
「美咲に魅力を感じなくて好きになれないっていうなら諦めるしかないけど、美咲だけじゃないなら、まだ少しは可能性が残ってる」
まるで自分に言い聞かせるように呟く美咲に、修治は小さな溜め息を吐く。
修治も、美咲のこの明るさと底知れぬポジティブさに何度も救われている。
そんな彼女が大好きで、しかも恭介を追いかけている美咲を丸ごと好きだから仕方が無いと思っていた。
いつになったら、この三角関係は決着が着くのだろうか?と、修治も又、届かぬ思いに苦しんでいる1人であった。
「ねぇ、修治。私が双葉教授を好きなの知ってるよね?」
と聞くと、修治は笑顔を浮かべて
「うん、知ってる」
と答えた。
「だったら、なんで教授とのデートの邪魔をするの?ノートだったら、明日でも良いじゃない!教授とのデートは今日しか無いかもしれないのに!」
と修治に怒った瞬間、美咲は恭介が居ない事に気が付いた。
「あれ?教授?修治、双葉教授は?」
キョロキョロと辺りを見回しても、恭介の姿が見えない。
修治は肩を窄めて首を傾げるだけで、全く当てにならない。
「もう!また逃げられちゃったじゃない!」
美咲はそう叫ぶと、修治の胸倉を掴んで
「全部あんたのせいよ!どうしてくれんのよ!」
そう叫んだ。
「美咲、怒るなよ」
ヘラヘラと笑う修治に、美咲は切り株に座り込み
「もう、私には時間がないのよ。卒業したら、双葉教授に会えなくなっちゃうの。そうなったら、完全に失恋しちゃうじゃない」
泣きそうな声で呟いた。
すると修治はそんな美咲の頭を撫でて
「大丈夫、既に美咲は振られてるから。教授、興味無いって言ってたよ」
と、言い出したのだ。
美咲は修治の言葉にピクリと反応して、ギロっと修治を睨み付けた。
「そんな事、なんであんたが知ってるのよ!」
「え?俺、美咲が大好きだから、教授に聞いたんだよ。『教授が美咲を好きなら、俺、美咲を諦めます!』って」
修治の言葉に、美咲は修治の胸倉を再び掴んだ。
「あんたね!なんで余計な事を言うのよ!」
そう叫んだ美咲に
「でもさ…教授、こう言ったんだ。『俺は人に興味が持てないから、相手が誰であろうと好きになる事は無い』って」
と、修治が続けた。
美咲は修治の胸倉を掴んだ手を離し
「美咲だけに興味が無い訳じゃないのね。だったら、もしかしたら興味を持ってもらえる日が来るかもしれないじゃない」
そう叫ぶと、美咲は首を振って弱気になる自分を奮い起こす。
「美咲に魅力を感じなくて好きになれないっていうなら諦めるしかないけど、美咲だけじゃないなら、まだ少しは可能性が残ってる」
まるで自分に言い聞かせるように呟く美咲に、修治は小さな溜め息を吐く。
修治も、美咲のこの明るさと底知れぬポジティブさに何度も救われている。
そんな彼女が大好きで、しかも恭介を追いかけている美咲を丸ごと好きだから仕方が無いと思っていた。
いつになったら、この三角関係は決着が着くのだろうか?と、修治も又、届かぬ思いに苦しんでいる1人であった。
0
お気に入りに追加
2
あなたにおすすめの小説
断る――――前にもそう言ったはずだ
鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」
結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。
周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。
けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。
他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。
(わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)
そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。
ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。
そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?

結婚30年、契約満了したので離婚しませんか?
おもちのかたまり
恋愛
恋愛・小説 11位になりました!
皆様ありがとうございます。
「私、旦那様とお付き合いも甘いやり取りもしたことが無いから…ごめんなさい、ちょっと他人事なのかも。もちろん、貴方達の事は心から愛しているし、命より大事よ。」
眉根を下げて笑う母様に、一発じゃあ足りないなこれは。と確信した。幸い僕も姉さん達も祝福持ちだ。父様のような力極振りではないけれど、三対一なら勝ち目はある。
「じゃあ母様は、父様が嫌で離婚するわけではないんですか?」
ケーキを幸せそうに頬張っている母様は、僕の言葉にきょとん。と目を見開いて。…もしかすると、母様にとって父様は、関心を向ける程の相手ではないのかもしれない。嫌な予感に、今日一番の寒気がする。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇
20年前に攻略対象だった父親と、悪役令嬢の取り巻きだった母親の現在のお話。
ハッピーエンド・バットエンド・メリーバットエンド・女性軽視・女性蔑視
上記に当てはまりますので、苦手な方、ご不快に感じる方はお気を付けください。

【完結】愛も信頼も壊れて消えた
miniko
恋愛
「悪女だって噂はどうやら本当だったようね」
王女殿下は私の婚約者の腕にベッタリと絡み付き、嘲笑を浮かべながら私を貶めた。
無表情で吊り目がちな私は、子供の頃から他人に誤解される事が多かった。
だからと言って、悪女呼ばわりされる筋合いなどないのだが・・・。
婚約者は私を庇う事も、王女殿下を振り払うこともせず、困った様な顔をしている。
私は彼の事が好きだった。
優しい人だと思っていた。
だけど───。
彼の態度を見ている内に、私の心の奥で何か大切な物が音を立てて壊れた気がした。
※感想欄はネタバレ配慮しておりません。ご注意下さい。
とまどいの花嫁は、夫から逃げられない
椎名さえら
恋愛
エラは、親が決めた婚約者からずっと冷淡に扱われ
初夜、夫は愛人の家へと行った。
戦争が起こり、夫は戦地へと赴いた。
「無事に戻ってきたら、お前とは離婚する」
と言い置いて。
やっと戦争が終わった後、エラのもとへ戻ってきた夫に
彼女は強い違和感を感じる。
夫はすっかり改心し、エラとは離婚しないと言い張り
突然彼女を溺愛し始めたからだ
______________________
✴︎舞台のイメージはイギリス近代(ゆるゆる設定)
✴︎誤字脱字は優しくスルーしていただけると幸いです
✴︎なろうさんにも投稿しています
私の勝手なBGMは、懐かしすぎるけど鬼束ちひろ『月光』←名曲すぎ


君は妾の子だから、次男がちょうどいい
月山 歩
恋愛
侯爵家のマリアは婚約中だが、彼は王都に住み、彼女は片田舎で遠いため会ったことはなかった。でもある時、マリアは妾の子であると知られる。そんな娘は大事な子息とは結婚させられないと、病気療養中の次男との婚約に一方的に変えさせられる。そして次の日には、迎えの馬車がやって来た。

【完結】仰る通り、貴方の子ではありません
ユユ
恋愛
辛い悪阻と難産を経て産まれたのは
私に似た待望の男児だった。
なのに認められず、
不貞の濡れ衣を着せられ、
追い出されてしまった。
実家からも勘当され
息子と2人で生きていくことにした。
* 作り話です
* 暇つぶしにどうぞ
* 4万文字未満
* 完結保証付き
* 少し大人表現あり
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる