17 / 24
未知の共同作業 ③ *
しおりを挟む「前回はここで終わったんだよな。今回は逃さないからな」
「……え」
鋭く追い詰めるような口調で言葉を綴るフランツは濡れぼそった陰核から指をゆっくりとスライドさせ、蜜壺をツンツンとつつく。絶頂して間もないエリィの体は、その度にびくびくと波打った。それを何度か繰り返した後、彼は蜜壺にゆっくりと指を沈め始める。
「あっ」
痛みはなくとも、初めて受け入れたその場所に異物感を覚えていた。フランツのしなやかな指は壁を押しのけるようにして奥へ奥へと進む。
「狭いな」
エリィは、股を開いてその奥を指で探られているという眼前の自体に耐えきれず、目を逸らした。
その間にもフランツの指はさらに奥へと進み、とうとう止まった。そして「動かすぞ」という声とともに抽送を始める。はじめは異物感に眉をひそめていたエリィだったが、次第に壁を擦られる感覚に震えるような心地よさを感じ始める。蜜壺にから溢れ出た愛液がぐちゅぐちゅと卑猥な音を立て、耳からも犯されているような感覚を覚えた。
「はっぁ……んっ!」
口からは喘ぎが洩れ始め、奥から迫り上がるような快楽に没頭する。そんなエリィの異変を感じ取ったフランツは指の本数を2本に増やし、中をかき回した。
「もう一本増やす」
さらに3本の指でエリィの中を翻弄する。さすがに3本の指が侵入してきた際は多少の痛みを伴ったが、同時に陰核を擦り上げられると痛みも忘れ、快楽に溺れた。外から内からと、両方から攻められればたちまち快楽の波が迫ってくるように感じ、思わずベッドのシーツをぎゅっと掴む。
その上、フランツは顔をエリィの胸へと近づけ、その飾りを舌で器用に転がし始めた。3点を同時に弄ばれ、彼女はまた絶頂がせり上がってくることを感じた。
「指、ぎゅうぎゅうに締め付けてるな。もしかして、またイキそうなのか」
「そういう……ことっ! 言わぁっ……ないでっ!!」
声に喘ぎが混じることが分かっていても黙っていることは出来ず、敬語も忘れ口調を荒げる。すでに限界はそこまで近づいていた。中をかき回す指によってぐちゅぐちゅと水音は増し、全身にびっしりと汗をかく。エリィはその快楽に耐えようと、全身を硬直させた。そして――――果てた。
「お前、意外と才能あるな」
絶頂に登ったあと、フランツが意地の悪い笑みを浮かべエリィを褒める。絶頂を迎えぼんやりとした頭ではなにかを考えることすら煩わしく、言葉に沈黙を通した。彼は「まあいい」と言いながらエリィの足をさらに大きく左右に開こうとする。倦怠感に包み込まれている彼女はされるがまま、人ごとのようにその光景を見つめていた。
フランツは自身の滾った欲望を股に当てがうと、阻んでくる肉の壁を割るようにして沈めていった。
「……っ! いっ!」
破瓜の鋭い痛みにぼんやりとしていた頭はすぐさま覚醒し、大きく目を見開く。先ほどの指に比べ段違いに太いそれに思わず腰を引こうとするが、フランツの手はエリィの腰を持っていたため無意味に終わった。痛みに耐えるかのようにシーツを握り、片手は覆いかぶさっていたフランツの背中に爪を立てる。それは無意識のことだった。
彼は彼とて辛そうに額にびっしりと汗をかき、秀麗な顔を歪める。
「……きっ……つ。持って……いかれる」
フランツは辛そうな声を上げた。
無理にねじ込まれることはないにしても、やはり初めて男の逸物を受け入れたその場所はじくじくと痛む。エリィは目尻に涙を溜め、懸命に耐えた。
そして時間をかけ、ようやく最奥へとたどり着いたのかフランツの動きが止まると、部屋は二人の荒い息遣いだけが支配した。エリィは痛みを押し殺すかのようにぎゅっと瞳を閉じ、フランツは何か耐えるかのように険しい顔をしていた。
「動くぞ」
彼の一言によって静寂は破られ、部屋にはベッドが軋む音が響き始める。フランツの抽送はゆっくりではあるが、じくじくと股の痛みを伝えてくる。だが、その痛みの中になぜか優しさというものを感じた。
女を見下しているフランツは無体を働こうと思えばいくらでも出来たはずだ。より痛みを伝える方法もあったわけで。
彼に抱かれるときは酷くされるかと思っていた。女嫌いであろう男は、抱くときも女を人として扱わないだろうと思っていた。だが――。
彼の触れる指は優しい。
彼の伝える熱は心地よい。
抽送の痛みが麻痺し始めたエリィはささやかな気遣いを感じとり、自分に覆いかぶさっている金髪の男を見て思った。フランツは額にしわを寄せ、耐えるように腰を動かしている。
この人は、恐らく心の根底は真っ直ぐで、本来なら優しい男なんだろう、と。繊細過ぎて傷付きやすくて。そのために何か心に残るような大きな傷を作ってしまったのではないか。全てエリィの予測の範囲を過ぎないけれど、恐らく間違っていないように感じた。女の勘とも言える。
一体なにが女性蔑視の原因を作ったのだろうか。
頭を捻らせていると、フランツの抽送が激しくなりつつあるのを感じた。限界が近いのだろう。
――――そしてついに 。
「うっ」
フランツが小さく唸り声を上げると、中に温かいものが注がれることを感じ取った。初めての共同作業は、こうして一幕を終えた。
0
お気に入りに追加
227
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

冷徹義兄の密やかな熱愛
橋本彩里(Ayari)
恋愛
十六歳の時に母が再婚しフローラは侯爵家の一員となったが、ある日、義兄のクリフォードと彼の親友の話を偶然聞いてしまう。
普段から冷徹な義兄に「いい加減我慢の限界だ」と視界に入れるのも疲れるほど嫌われていると知り、これ以上嫌われたくないと家を出ることを決意するのだが、それを知ったクリフォードの態度が急変し……。
※王道ヒーローではありません


白い結婚は無理でした(涙)
詩森さよ(さよ吉)
恋愛
わたくし、フィリシアは没落しかけの伯爵家の娘でございます。
明らかに邪な結婚話しかない中で、公爵令息の愛人から契約結婚の話を持ち掛けられました。
白い結婚が認められるまでの3年間、お世話になるのでよい妻であろうと頑張ります。
小説家になろう様、カクヨム様にも掲載しております。
現在、筆者は時間的かつ体力的にコメントなどの返信ができないため受け付けない設定にしています。
どうぞよろしくお願いいたします。
王子を身籠りました
青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。
王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。
再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。

娼館で元夫と再会しました
無味無臭(不定期更新)
恋愛
公爵家に嫁いですぐ、寡黙な夫と厳格な義父母との関係に悩みホームシックにもなった私は、ついに耐えきれず離縁状を机に置いて嫁ぎ先から逃げ出した。
しかし実家に帰っても、そこに私の居場所はない。
連れ戻されてしまうと危惧した私は、自らの体を売って生計を立てることにした。
「シーク様…」
どうして貴方がここに?
元夫と娼館で再会してしまうなんて、なんという不運なの!

今夜は帰さない~憧れの騎士団長と濃厚な一夜を
澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
ラウニは騎士団で働く事務官である。
そんな彼女が仕事で第五騎士団団長であるオリベルの執務室を訪ねると、彼の姿はなかった。
だが隣の部屋からは、彼が苦しそうに呻いている声が聞こえてきた。
そんな彼を助けようと隣室へと続く扉を開けたラウニが目にしたのは――。
私に告白してきたはずの先輩が、私の友人とキスをしてました。黙って退散して食事をしていたら、ハイスペックなイケメン彼氏ができちゃったのですが。
石河 翠
恋愛
飲み会の最中に席を立った主人公。化粧室に向かった彼女は、自分に告白してきた先輩と自分の友人がキスをしている現場を目撃する。
自分への告白は、何だったのか。あまりの出来事に衝撃を受けた彼女は、そのまま行きつけの喫茶店に退散する。
そこでやけ食いをする予定が、美味しいものに満足してご機嫌に。ちょっとしてネタとして先ほどのできごとを話したところ、ずっと片想いをしていた相手に押し倒されて……。
好きなひとは高嶺の花だからと諦めつつそばにいたい主人公と、アピールし過ぎているせいで冗談だと思われている愛が重たいヒーローの恋物語。
この作品は、小説家になろう及びエブリスタでも投稿しております。
扉絵は、写真ACよりチョコラテさまの作品をお借りしております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる