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第1話
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「楓さんのコスプレ、可愛くてもう言葉に表せないほどに大好きです!!」
「瞬矢さん、いつもありがとうございます」
僕は今、コミックマーケットで……
ヲタ活をしてるどおおおおおおおおおおッ!!
彼女は楓さん──有名コスプレーヤーだ。
ある時、僕はTwitterで彼女がまだ無名だった頃にそのコスプレ衣装を見て尊死した。
そしてコミックマーケット、通称コミケで彼女がコスプレして写真撮影をするということを知った僕はすぐにチケットを購入。
それをきっかけに俺は彼女がコミケのコスプレの写真撮影に出る度に、毎年夏と冬には必ず参加するようになった。
それを何度も繰り返しているうちに、彼女にも次第に自分のことを認知してもらえるようになって、今ではすっかり彼女の古参ファンだ。
「今日のコスプレもスゴク似合ってます!」
「瞬矢さん、ありがとうございます」
「最初に猫のポーズお願いします」
「はい」
僕は写真を数枚撮った後、また別のポーズをしてもらい、数枚撮る。
余談だが、楓さんの魅力をもっと色んな人に伝えようと思い、写真の撮り方も勉強して高額なカメラも買った。
「瞬矢さん、前より撮り方上手くなりました?」
「お、よく気付きましたね。実は楓さんの魅力を引き立てようと努力したんですよ」
「本当ですか!? ありがとうございます」
「ウオウオウオウオウオ!!」
突然コミケにナイフを持った男が現れた。
「あん? 女、こっちにこい!」
「キャアっ!」
「楓さん!」
男の近くにいた楓さんが人質に取られてしまった。
「いや、離してっ!」
「あ、暴れるな!」
ナイフを持った男が楓さんの首筋に当てる。
「彼女から手を離せ!」
僕は楓さんを救おうと足を一歩踏み出す。
「そ、それ以上動くな! い、一歩でもそこから動いたらこの女の命はないッ!」
「クッ……」
僕は犯人の言うことに従う他なかった。
「き、キミ! 今すぐ、彼女の首元に当てているナイフを捨てて投降しなさい!」
よかった、警察だ!
コミケ会場には男を追っていた二人の警官が入って来た。
「こちら、一班。逃走した犯人はコミケ会場、東3ホールにて、女性一人を人質にしている。大至急応援を寄越してくれ!」
「お、俺はもうおしまいだ。それだったら──この女も道連れだ」
「い、嫌ッ!」
「暴れるなこの野郎ッ!」
「キャアッ!!」
「なっ!?」
なんと男は楓さんの顔を殴ったのだ。
「や、やめなさい!」
「は、早まるな!」
「うぅ……」
彼女の殴られた頬は赤くなっていた。
「あー、うるさいうるさい! もう良い。今からこの女の喉を引き裂いて俺も死んでやる」
ゆ、許さん──許さんぞ俺は。このコミケに、人一倍努力して、人一倍楽しんで人一倍ファンに向き合っている彼女の顔にキズをつけるなんて……そんなの、そんなの……ゼッティに許さねぇっ!!
「ハァーーッ!!」
「な、なんだ?!」
僕の身体はすでに男に向けて走り出していた。
「瞬矢さんっ! ダメですっ!」
「く、来るなー!」
「──てやぁぁあああああああ!! なに楓さんにケガを負わしてんじゃああああああ!!」
僕は跳躍して男の顔面に向かって勢いよく蹴りをお見舞いしてやった。
「ギャアアアアアア!!」
「瞬矢さん、いつもありがとうございます」
僕は今、コミックマーケットで……
ヲタ活をしてるどおおおおおおおおおおッ!!
彼女は楓さん──有名コスプレーヤーだ。
ある時、僕はTwitterで彼女がまだ無名だった頃にそのコスプレ衣装を見て尊死した。
そしてコミックマーケット、通称コミケで彼女がコスプレして写真撮影をするということを知った僕はすぐにチケットを購入。
それをきっかけに俺は彼女がコミケのコスプレの写真撮影に出る度に、毎年夏と冬には必ず参加するようになった。
それを何度も繰り返しているうちに、彼女にも次第に自分のことを認知してもらえるようになって、今ではすっかり彼女の古参ファンだ。
「今日のコスプレもスゴク似合ってます!」
「瞬矢さん、ありがとうございます」
「最初に猫のポーズお願いします」
「はい」
僕は写真を数枚撮った後、また別のポーズをしてもらい、数枚撮る。
余談だが、楓さんの魅力をもっと色んな人に伝えようと思い、写真の撮り方も勉強して高額なカメラも買った。
「瞬矢さん、前より撮り方上手くなりました?」
「お、よく気付きましたね。実は楓さんの魅力を引き立てようと努力したんですよ」
「本当ですか!? ありがとうございます」
「ウオウオウオウオウオ!!」
突然コミケにナイフを持った男が現れた。
「あん? 女、こっちにこい!」
「キャアっ!」
「楓さん!」
男の近くにいた楓さんが人質に取られてしまった。
「いや、離してっ!」
「あ、暴れるな!」
ナイフを持った男が楓さんの首筋に当てる。
「彼女から手を離せ!」
僕は楓さんを救おうと足を一歩踏み出す。
「そ、それ以上動くな! い、一歩でもそこから動いたらこの女の命はないッ!」
「クッ……」
僕は犯人の言うことに従う他なかった。
「き、キミ! 今すぐ、彼女の首元に当てているナイフを捨てて投降しなさい!」
よかった、警察だ!
コミケ会場には男を追っていた二人の警官が入って来た。
「こちら、一班。逃走した犯人はコミケ会場、東3ホールにて、女性一人を人質にしている。大至急応援を寄越してくれ!」
「お、俺はもうおしまいだ。それだったら──この女も道連れだ」
「い、嫌ッ!」
「暴れるなこの野郎ッ!」
「キャアッ!!」
「なっ!?」
なんと男は楓さんの顔を殴ったのだ。
「や、やめなさい!」
「は、早まるな!」
「うぅ……」
彼女の殴られた頬は赤くなっていた。
「あー、うるさいうるさい! もう良い。今からこの女の喉を引き裂いて俺も死んでやる」
ゆ、許さん──許さんぞ俺は。このコミケに、人一倍努力して、人一倍楽しんで人一倍ファンに向き合っている彼女の顔にキズをつけるなんて……そんなの、そんなの……ゼッティに許さねぇっ!!
「ハァーーッ!!」
「な、なんだ?!」
僕の身体はすでに男に向けて走り出していた。
「瞬矢さんっ! ダメですっ!」
「く、来るなー!」
「──てやぁぁあああああああ!! なに楓さんにケガを負わしてんじゃああああああ!!」
僕は跳躍して男の顔面に向かって勢いよく蹴りをお見舞いしてやった。
「ギャアアアアアア!!」
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