あなたの臭いは何味ですか?

マロ

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3話

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「コマキちゃん、来たよー!」

 マゐちゃんははつらつとした様子で私の部屋に飛び込んで来た。

「いらっしゃいっ! マゐちゃんっ!」

 私は部屋に戻り、何事もなかったように振る舞う。

「それじゃあいつもの、やろっか!」
「やろやろー!」

 そして私たちは毎回恒例のを始めた。



「シオリ、おやつの準備が出来たから、上で遊んでるあの子たちを呼んできてくれない?」
「分かりましたわ」

 床に鳶足で本を読んでいた私は二つ返事で読書を中断し、階段を上り二階へと上がる。

「コマキちゃん、腕は鈍ってないみたいだね!」
「マゐちゃんこそっ!」

 何だかお二人とも、楽しそうですわね。
 部屋からは二人の楽しそうな声が聞こえてくる。

「入りますわよー」
 
 私が部屋の扉を開けるとそこにはトンデモナイ光景が広がっていた。

 ──こ、これはッ!?!? 

 私の目に映ったのは、床にうつ伏せになり微動だにせずに寝そべっている二人の少女たちだった。

「お、お二人とも何をやられておられるのですか?」

 困惑を隠しきれない私に声を合わせて二人は言った。

「「!!」」
「……ハァーーッ!?!?」

 顔をこちらに向けず床と接するようにして、うつ伏せになりながら、真面目に答える少女たちを見て、思わず私は声を上げてしまう。

「お陽さまの光がね、とても暖かくて気持ちいいよー。お姉ちゃんもやってみれば分かるよー」
「そうそうっ、イヤなことも忘れさせてくれるっていうか、天に召されるというか」
「最後のは、ものすごく危ない感じがしましたが……」
「いいからいいから。お姉ちゃんもやってみなって!」
「まあ、良いのですけど……」
 
 私はマゐにそう言われたので渋々死体ごっこを始める。
 しかし、ここで大きな弊害が生じた。

「あっ、あれっ?」

 私のよく育てられた豊満な胸が床に反発し邪魔するため、床に上手くうつ伏せになれなかったのだ。

「おかしい、ですわね! ──前ならスンナリ、うつ伏せに、なれた、のにッ!」

 強く力を込める、胸がその力を押し返すという行為を私は何回も何回も繰り返すが、どれも失敗に終わる。

「お姉ちゃん、おっぱいが大きすぎるのがいけないんだよー。見てるコッチが恥ずかしいよ~」
「こ、これは仕方ことよ! そう仕方ないこと!」
「えー、そんな事ないでしょ。だってお姉ちゃん、胸マッサージしたり、胸が大きくなるクリーム塗ったりしてるとこみたもん」
「ギクリッ」

 我ながらよく出来た妹ですこと。私のことをよく見てることで。

 そんな事を考えていた私は横で寝そべりながら、私の豊満な胸が床に上下に押し付けられる様子をコッソリと覗いていた卑しい視線があるのを気付かなかった。


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