作者は主人公たちの敵として立ち塞がるようです？！

プロローグ

「ミーン、ミンミンミン、ミーン」
「じいちゃん、じいちゃん！」
「父さん！」
「お義父さん！」
暑い夏の日、わしは寿命が尽きようとしていた。
「ほぉ、ほぉ。お前たち泣くでない」
「じいちゃん、嫌だ！　死ぬなんて許さないよ。俺、じいちゃんの書く小説大好きなんだよ！　もっと沢山書いてよ！」
「すまんな、わしももう年だからの～。っとそろそろ迎えが来たようじゃな」
「うぐっ……そうだ！　じいちゃん。じいちゃんの夢を教えてよ！　最後にそれくらい教えてよ！」
「夢……か……、そうじゃのう、強いて言うならわしが生んだ小説のキャラに敵として会って、戦ってみたいの～」
「ピィーーーー」
病室中にベッドサイドモニタの音が鳴ると共に、わしは息を引き取った。

「……う、うん？　……ここは……どこじゃ？」
わしは右手で目を擦りながら開けると、そこには目を見張る光景があった。