この時を待っていた。

諏訪彼方

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あなたの姿を今再び

余韻の先に

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 翌朝、唇に感触を感じて目を覚ました。枕元にせつ菜がいて、ニコニコしながら私を見ている。今の時刻は5時半。もうちょっと寝ていたかった気持ちがする。そして、せつ菜の唇は甘い。私の唇の味はどうなんだろう。
「おはよう、未来」
「おはよ、せつ菜」
「ぐっすり寝てたね!だいぶ前から、観察してたけど」
「だいぶ前ってどれくらい?」
「4時半とか?」
「そんな前から⁉︎恥ずかしいよ~!」
「いいじゃん、恋人なんだしっ!一緒に暮らすようになったら毎日見られるんだよ?」
「それって…同棲ってこと?」
「そだよ?一生を添い遂げてもらうから。うーんと、日本では無理だから、スイス?で結婚式あげなきゃね!」
「そういうのはまだ早いよ~」そんな先のことまで考えてくれているのか。ずっと一緒にいなきゃせつ菜を生かせないのだから私にとってはありがたい考えだけど。
「そんなことないよ?あ、どうお父さんたちに話そうか…」
「今はまだ考えなくていいの!って、今日は土曜日じゃない!」
「早起きして一緒におでかけでもどうかなーって」
「あー、そゆことね!どこにいくの?」
「市民プールだけど。」プール?
「え、ええっ!」
 なんというか、せつ菜が大胆になった?気がする。なかなか積極的なんだね。少し驚いている私がいる。

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