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口では強気なことを言ってるけど、嬉しいって思っちゃう俺って甘いのかな。
ヒデが言うように、隠れてたくさん指輪を用意してたなんて重くてドン引きしても不思議じゃない。
喜ぶより最初に驚いたのは、本当に驚いたからなんだ。
日本語が可笑しいとかそんなのはどうでもいい。
だって驚いんだもん!
俺は庶民だ。そんな俺でも知ってるブランドが勢揃いしてたら驚くよ。しかも、指輪ってめちゃくちゃ高いイメージがあって、それで余計に頭が追いつかなくなってたんだ。
どっかのお洒落なインフルエンサーみたいに慣れてないんだよ!
「ごめん、ナギ! まだあるんだけど」
「うん。さっきのよりすっごい箱が豪華なのあるね」
「そのナギが持ってる箱のは25のときに買ったのだね。社会人になってある程度経ったから」
「でもこれで最後じゃないんだよね?」
「あはは……」
初めて見るヒデの下手くそな作り笑いだった。
ヒデはすごくカッコいいけど、こんなに演技がヘタなら俳優には成れないだろうな。
俺は続きを促すようにヒデに視線を向けた。
「この頃さ、お互い仕事にも慣れてきたから頃合いだと思ってて。それに俺も前より自分に自信持てたんだ。そろそろ一緒に暮らしたかったし」
「っえぇ! ヒデも一緒に暮らしたいって思ってたの!?」
びっっっくりした。
指輪への衝撃に慣れたと思ったら、またまたヒデのびっくり発言だ。
訳が分からないかわし方をしてたじゃん。
あれで俺の心だいぶ折れたんだから。
10年も一緒にいたっていっても、こんなに驚かされるんだ。
たった10年じゃ足りない。
きっとこの先10年後もびっくりすることだらけなんだろうな。
あ、俺、いつの間にかヒデとの未来に不安なくなってんじゃん。
むしろ、これからの未来にわくわくしてるかも。
さすがに単純すぎ?
「そりゃナギとずっと一緒にいたいよ。それに、ナギが一人暮らししてるの未だに心配なんだよ。離れてる間に何かあったらどうしようってそわそわしちゃう」
「なにそれ俺のこと大好きじゃん、俺も好きだよ!」
「わあ、ありがとう」
「どういたしまして! でもね、結婚まで行かなくても、その、同棲っていうのもあるわけで」
「同棲しようってほとんどプロポーズだと思うんだけど」
「……ヒデのそういう真面目なところも好きだよ」
「まじめかな?」
ヒデの愛を一身に受けている俺は、もうヒデのちょっと天然で話がズレていく感覚にモヤモヤなんてしないんだからな!
「あれ? でもじゃあ、なんでこのあとも指輪買い直したの?」
ヒデが言うように、隠れてたくさん指輪を用意してたなんて重くてドン引きしても不思議じゃない。
喜ぶより最初に驚いたのは、本当に驚いたからなんだ。
日本語が可笑しいとかそんなのはどうでもいい。
だって驚いんだもん!
俺は庶民だ。そんな俺でも知ってるブランドが勢揃いしてたら驚くよ。しかも、指輪ってめちゃくちゃ高いイメージがあって、それで余計に頭が追いつかなくなってたんだ。
どっかのお洒落なインフルエンサーみたいに慣れてないんだよ!
「ごめん、ナギ! まだあるんだけど」
「うん。さっきのよりすっごい箱が豪華なのあるね」
「そのナギが持ってる箱のは25のときに買ったのだね。社会人になってある程度経ったから」
「でもこれで最後じゃないんだよね?」
「あはは……」
初めて見るヒデの下手くそな作り笑いだった。
ヒデはすごくカッコいいけど、こんなに演技がヘタなら俳優には成れないだろうな。
俺は続きを促すようにヒデに視線を向けた。
「この頃さ、お互い仕事にも慣れてきたから頃合いだと思ってて。それに俺も前より自分に自信持てたんだ。そろそろ一緒に暮らしたかったし」
「っえぇ! ヒデも一緒に暮らしたいって思ってたの!?」
びっっっくりした。
指輪への衝撃に慣れたと思ったら、またまたヒデのびっくり発言だ。
訳が分からないかわし方をしてたじゃん。
あれで俺の心だいぶ折れたんだから。
10年も一緒にいたっていっても、こんなに驚かされるんだ。
たった10年じゃ足りない。
きっとこの先10年後もびっくりすることだらけなんだろうな。
あ、俺、いつの間にかヒデとの未来に不安なくなってんじゃん。
むしろ、これからの未来にわくわくしてるかも。
さすがに単純すぎ?
「そりゃナギとずっと一緒にいたいよ。それに、ナギが一人暮らししてるの未だに心配なんだよ。離れてる間に何かあったらどうしようってそわそわしちゃう」
「なにそれ俺のこと大好きじゃん、俺も好きだよ!」
「わあ、ありがとう」
「どういたしまして! でもね、結婚まで行かなくても、その、同棲っていうのもあるわけで」
「同棲しようってほとんどプロポーズだと思うんだけど」
「……ヒデのそういう真面目なところも好きだよ」
「まじめかな?」
ヒデの愛を一身に受けている俺は、もうヒデのちょっと天然で話がズレていく感覚にモヤモヤなんてしないんだからな!
「あれ? でもじゃあ、なんでこのあとも指輪買い直したの?」
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