1 / 2
倦怠期疑惑1
しおりを挟む
朝のプロポーズ騒動から十数時間後。
夜も更けて、ヒデは今シャワーを浴びに行っている。
めでたくヒデから指輪を受け取るのことが出来た俺は、浮かれてすっかり忘れていた。
「ヒデくん、最近キスしてくれないよね」
バスタオルを片手にリビングに戻ってきたヒデに、拗ねた声で言う。
ヒデが俺に愛想を尽かしていないのは分かったけど、最近スキンシップが減った理由は分かっていない。
「渚、寂しかったの?」
あ、これ、勘違いしてる。
ヒデがシャワーから戻ってくるのを俺がひとりで待ってたことに不満があると思ってるやつだ。
俺の機嫌がまた下がっているのに気づいてなさそうなヒデが、バスタオルをテーブルに置いて俺の隣に座ってくる。
「待たせてごめんね」
ヒデが俺にぴったりくっついて、ソファのスプリングが控えめに音を立てる。
久しぶりに隣に感じる体温に思わずヒデのほうに顔を向けると、そのまま唇を奪われた。
シャワー上がりの湿った唇とせっけんの匂い。
唇と唇が触れるだけの可愛いキスなのに、うっとりするほど気持ちがいい。
時間にしたらほんの一瞬だけど、久しぶりのヒデとのキスに夢中になった。
「気持ちよかった?」
名残惜しい気持ちでゆっくりと離れていく唇を見つめていると、ヒデがエロい顔をして聞いてきた。
この顔を見るのも久しぶり。
下心でもなくて、色気がすごくて、なんて言うんだろ。
発情期じゃないのにヒートが呼び起こされそうになる顔。
俺は小さく頷いて応えた。
「じゃあベッドいく?」
久しぶりのお誘いに、お腹の奥が熱くなって胸がキューっとする。
ヒデもまだ俺で興奮してくれるんだ。
抱きたいって思ってくれてるんだ。
「まって、俺もシャワー浴びたい」
「別にそのままで」
「汚いからダメっ」
本当は今すぐにでも抱かれたいけど、ヒデが少しでも嫌悪感を感じないためにもシャワーは必須だ。
なんでか分からないけど、せっかく抱いてくれるチャンスなんだ。また抱かれなくなったらイヤだから、ヒデがイヤな思いをしないように気をつけないと。
「早く戻ってきてね」
ヒデの言葉に後ろ髪を引かれながら、俺は浴室に駆け込んだ。
熱い身体にぬるいシャワーをかけて、早る気持ちを抑えながら念入りに洗っていく。
すでに緩く勃ち上がる自身に、どんだけ欲求不満だったんだと恥ずかしくなる。
ついでにいうと、後ろもぐちゃぐちゃに濡れていた。
シャワーで流しても流しても溢れる愛液のことは諦めて浴室を出る。どうせ履いても濡れて意味がなさそうだからパンツは履かなくていいや。
オーバーサイズのTシャツの裾を引っ張って、ヒデが待っているだろうベッドに向かっていく。
発情期のほうがすごいけど、ヒート終わりかけのとき並には興奮してる自分に呆れてしまう。
部屋に入ると、思った通りヒデがベッドに座って待っていた。
「ナギ、おかえり。おいで」
夜も更けて、ヒデは今シャワーを浴びに行っている。
めでたくヒデから指輪を受け取るのことが出来た俺は、浮かれてすっかり忘れていた。
「ヒデくん、最近キスしてくれないよね」
バスタオルを片手にリビングに戻ってきたヒデに、拗ねた声で言う。
ヒデが俺に愛想を尽かしていないのは分かったけど、最近スキンシップが減った理由は分かっていない。
「渚、寂しかったの?」
あ、これ、勘違いしてる。
ヒデがシャワーから戻ってくるのを俺がひとりで待ってたことに不満があると思ってるやつだ。
俺の機嫌がまた下がっているのに気づいてなさそうなヒデが、バスタオルをテーブルに置いて俺の隣に座ってくる。
「待たせてごめんね」
ヒデが俺にぴったりくっついて、ソファのスプリングが控えめに音を立てる。
久しぶりに隣に感じる体温に思わずヒデのほうに顔を向けると、そのまま唇を奪われた。
シャワー上がりの湿った唇とせっけんの匂い。
唇と唇が触れるだけの可愛いキスなのに、うっとりするほど気持ちがいい。
時間にしたらほんの一瞬だけど、久しぶりのヒデとのキスに夢中になった。
「気持ちよかった?」
名残惜しい気持ちでゆっくりと離れていく唇を見つめていると、ヒデがエロい顔をして聞いてきた。
この顔を見るのも久しぶり。
下心でもなくて、色気がすごくて、なんて言うんだろ。
発情期じゃないのにヒートが呼び起こされそうになる顔。
俺は小さく頷いて応えた。
「じゃあベッドいく?」
久しぶりのお誘いに、お腹の奥が熱くなって胸がキューっとする。
ヒデもまだ俺で興奮してくれるんだ。
抱きたいって思ってくれてるんだ。
「まって、俺もシャワー浴びたい」
「別にそのままで」
「汚いからダメっ」
本当は今すぐにでも抱かれたいけど、ヒデが少しでも嫌悪感を感じないためにもシャワーは必須だ。
なんでか分からないけど、せっかく抱いてくれるチャンスなんだ。また抱かれなくなったらイヤだから、ヒデがイヤな思いをしないように気をつけないと。
「早く戻ってきてね」
ヒデの言葉に後ろ髪を引かれながら、俺は浴室に駆け込んだ。
熱い身体にぬるいシャワーをかけて、早る気持ちを抑えながら念入りに洗っていく。
すでに緩く勃ち上がる自身に、どんだけ欲求不満だったんだと恥ずかしくなる。
ついでにいうと、後ろもぐちゃぐちゃに濡れていた。
シャワーで流しても流しても溢れる愛液のことは諦めて浴室を出る。どうせ履いても濡れて意味がなさそうだからパンツは履かなくていいや。
オーバーサイズのTシャツの裾を引っ張って、ヒデが待っているだろうベッドに向かっていく。
発情期のほうがすごいけど、ヒート終わりかけのとき並には興奮してる自分に呆れてしまう。
部屋に入ると、思った通りヒデがベッドに座って待っていた。
「ナギ、おかえり。おいで」
27
お気に入りに追加
49
あなたにおすすめの小説
αなのに、αの親友とできてしまった話。
おはぎ
BL
何となく気持ち悪さが続いた大学生の市ヶ谷 春。
嫌な予感を感じながらも、恐る恐る妊娠検査薬の表示を覗き込んだら、できてました。
魔が差して、1度寝ただけ、それだけだったはずの親友のα、葛城 海斗との間にできてしまっていたらしい。
だけれど、春はαだった。
オメガバースです。苦手な人は注意。
α×α
誤字脱字多いかと思われますが、すみません。
こわがりオメガは溺愛アルファ様と毎日おいかけっこ♡
なお
BL
政略結婚(?)したアルファの旦那様をこわがってるオメガ。
あまり近付かないようにしようと逃げ回っている。発情期も結婚してから来ないし、番になってない。このままじゃ離婚になるかもしれない…。
♡♡♡
恐いけど、きっと旦那様のことは好いてるのかな?なオメガ受けちゃん。ちゃんとアルファ旦那攻め様に甘々どろどろに溺愛されて、たまに垣間見えるアルファの執着も楽しめるように書きたいところだけ書くみたいになるかもしれないのでストーリーは面白くないかもです!!!ごめんなさい!!!
既成事実さえあれば大丈夫
ふじの
BL
名家出身のオメガであるサミュエルは、第三王子に婚約を一方的に破棄された。名家とはいえ貧乏な家のためにも新しく誰かと番う必要がある。だがサミュエルは行き遅れなので、もはや選んでいる立場ではない。そうだ、既成事実さえあればどこかに嫁げるだろう。そう考えたサミュエルは、ヒート誘発薬を持って夜会に乗り込んだ。そこで出会った美丈夫のアルファ、ハリムと意気投合したが───。
僕の番
結城れい
BL
白石湊(しらいし みなと)は、大学生のΩだ。αの番がいて同棲までしている。最近湊は、番である森颯真(もり そうま)の衣服を集めることがやめられない。気づかれないように少しずつ集めていくが――
※他サイトにも掲載
幼馴染は俺がくっついてるから誰とも付き合えないらしい
中屋沙鳥
BL
井之原朱鷺は幼馴染の北村航平のことを好きだという伊東汐里から「いつも井之原がくっついてたら北村だって誰とも付き合えないじゃん。親友なら考えてあげなよ」と言われて考え込んでしまう。俺は航平の邪魔をしているのか?実は片思いをしているけど航平のためを考えた方が良いのかもしれない。それをきっかけに2人の関係が変化していく…/高校生が順調(?)に愛を深めます
こじらせΩのふつうの婚活
深山恐竜
BL
宮間裕貴はΩとして生まれたが、Ωとしての生き方を受け入れられずにいた。
彼はヒートがないのをいいことに、ふつうのβと同じように大学へ行き、就職もした。
しかし、ある日ヒートがやってきてしまい、ふつうの生活がままならなくなってしまう。
裕貴は平穏な生活を取り戻すために婚活を始めるのだが、こじらせてる彼はなかなかうまくいかなくて…。
君の足跡すら
のらねことすていぬ
BL
駅で助けてくれた鹿島鳴守君に一目惚れした僕は、ずっと彼のストーカーをしている。伝えるつもりなんてなくて、ただ彼が穏やかに暮らしているところを見れればそれでいい。
そう思っていたのに、ある日彼が風邪だという噂を聞いて家まで行くと、なにやら彼は勘違いしているようで……。
不良高校生×ストーカー気味まじめ君
落ちこぼれβの恋の諦め方
めろめろす
BL
αやΩへの劣等感により、幼少時からひたすら努力してきたβの男、山口尚幸。
努力の甲斐あって、一流商社に就職し、営業成績トップを走り続けていた。しかし、新入社員であり極上のαである瀬尾時宗に一目惚れしてしまう。
世話役に立候補し、彼をサポートしていたが、徐々に体調の悪さを感じる山口。成績も落ち、瀬尾からは「もうあの人から何も学ぶことはない」と言われる始末。
失恋から仕事も辞めてしまおうとするが引き止められたい結果、新設のデータベース部に異動することに。そこには美しいΩ三目海里がいた。彼は山口を嫌っているようで中々上手くいかなかったが、ある事件をきっかけに随分と懐いてきて…。
しかも、瀬尾も黙っていなくなった山口を探しているようで。見つけられた山口は瀬尾に捕まってしまい。
あれ?俺、βなはずなにのどうしてフェロモン感じるんだ…?
コンプレックスの固まりの男が、αとΩにデロデロに甘やかされて幸せになるお話です。
小説家になろうにも掲載。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる