春の日の追憶

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約束を

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榛葉頼子。それが女の名前であった。
「はしば…?なんて書くの?」
「はしは、榛名山の『榛』に葉っぱの『葉』ですね」
「そっか…何か似てるなって思ってさ。でも違った。俺は芝刈りの芝の方」
「フフ…そうなんですか」
会話が途絶えてしまった。折角、ここまで続けられたのに俺は…だから振られるんだよ…。芝はガックリと肩を落とした。
「あの…」
「ん?」
「貸してもらったハンカチ、汚してたまま返すのも申し訳ないので…洗ってちゃんと返すので住所と電話番号を教えてくれませんか?」

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