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乱れる乙女心
クライネルト家からのご招待
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あんな出来事があった魔法魔術戦闘大会は、多数の負傷者を排出し、結局決勝戦では僅差で一般塔の6年生が勝利したらしい。
私は試合を見れなかったからどんな状況だったかは知らないけど、観戦していたクラスメイトたち曰く、決勝に進んだ6年生は対戦相手のお貴族様と本気の戦闘をしていて、見ごたえがあって楽しかったのだと言っていた。
私はといえば、大会のことを思い出すとどうにもスッキリしなかった。もう二度とあんな怖い目に遭いたくないので、自分からは戦いに行かないことを誓った。
ちなみにあれだけボコボコにされた私だが、先方からの謝罪とかお見舞いの言葉は一切なかった。
そんなこんなしている間に学期末前恒例の試験が終わり、長期休暇に突入した。
なんと今回はルーカスに誘われ、クライネルト家へ遊びに行くことになったのだ。
両親にそのことを言おうとしたら、もうすでにクライネルト家からブルーム家に連絡済で、親の間で話はまとまっていたのが驚きだった。
もちろん、私の親は魔法が使えないのでお手紙でやり取りしているが、まさか帰省した日には既に話がつけられているとは思わなかったので驚いた。仕事が早すぎるだろう。
前日から着る服を迷ったり、髪型をどうしようと鏡の前で迷ったり、手当たり次第美容品を顔に塗りたくったりと忙しかった私だが、なんとか約束の時間までに準備を済ませて家を出ると…びっくりした。
何回か学校で見たことのあるクライネルト家の馬車が家の前に停まっているのは別になにもおかしいことじゃない。事前にお迎えに上がると聞いていたから。
私が驚いたのは、馬車の前に立つ貴公子……ではなくルーカスの姿である。
「え……? なんでルーカスがお迎えに?」
「リナリア1人じゃ何かあったとき心配だったからね」
なんと、ルーカスが直々にお迎えにきてくれた。その上安全面を考慮して護衛の魔術師まで手配してくれたのだ。
私ごときのためにここまでしてくれてなんだか逆に申し訳ない気持ちになるが、前に住んでいた港町で私の行方を探す怪しい人物がいるという情報を聞き付けていたので、遠慮することなくお言葉に甘えることにしたのだ。
「ルーカス君、リナリアをよろしくね」
「はい。では、お嬢さんをお預かりしますね。リナリア、手を」
ルーカスが先に馬車に乗り込み、私に手を差しのべた。どきどきしながら彼の手を取ると馬車に乗車する。私はお母さんに見送られながら、自宅を出発した。
ちなみにお父さんは仕事で離れられないのでこの場にいない。顔を合わせたらルーカスに圧力をかけてくるだろうから挨拶はしなくて良いとお母さんが出発を急かしたのだ。
クライネルト家訪問は許可したのに、招いた人に圧力をかけるなんてことされたらたまらないので、お母さんの言う通り早々に出発したのである。
私はとても緊張していた。馬車の馭者席には馭者と護衛の魔術師がいるけど、この空間の中はルーカスとふたりきりだ。
この緊張を悟っているのかそうではないのかは不明だが、ルーカスはこれから向かうクライネルト家の話をしてくれた。
ルーカスの自宅は王都内にある。
そこは学校同様、簡単に侵入できないように守りの呪文がかかっているそうだ。家主の許可を得た人物しか入場できない仕組みとなっており、これもいろんな魔術が幾重に仕掛けられているそうだ。そこは旧家ゆえんだろう。
たまに侵入しようと試みてくる不届き者がいるので、厳重に守られるくらいがちょうど良いらしい。
私が結界内に入った瞬間、弾かれたりしないかと不安に思ったが、その結界はいつの間にか通過していたらしい。全然なんにも感じなかったけど。
ギィィと音を立てて大きな門が勝手に開く。そこから先は広い広い庭だ。外から見たら普通の一軒家に見えるように幻影術をかけているそうだが、中はとても広い敷地のようである。
広い庭を馬車で進んでいく。石畳を馬の蹄が叩く音が響く。どんどん近づいていく大きな建物……これがルーカスの家。
家ではなく、屋敷といってもおかしくないな。
ルーカスって本当に平民なのかな。いまだに疑ってしまうよ。
じっと疑惑の視線を向けると、ルーカスは不思議そうに首をかしげていた。
長いようで短い移動だった。
以前よりも王都に近い場所に引っ越したとはいえ、ものすごく近くなった訳じゃないので、そこそこ移動時間がかかったはずなのだけど……馬車の乗り心地がいいからか、はたまた目の前にルーカスがいたからかあっという間の時間だった。もう少しふたりきりでいたかったな。
行きと同じくルーカスの手を借りて馬車を下りると、屋敷の前ではずらっと人が並んでいた。
私はそれにぎょっとする。
え、さっきまで家の前には誰もいなかったよね? 転送術で大集合したとか?
え、えーと、あちらがルーカスのご両親かな? 男性はルーカスに似ているし、髪と瞳の色が同じだ。そして仲睦まじそうな女性がお母さんかな。
「紹介するよ、僕の両親だ」
「ようこそクライネルト家へ、リナリア・ブルームさん。ルーカスの父のクラウスです」
やっぱりご両親だった。ちょこっとお髭を蓄えた紳士は彼と同じくダークブロンドの髪と群青の瞳をしている。ルーカスのお父さんということは、ブレンさんのお兄さんということか。
「まぁ噂以上に美しいお嬢さんなのね、はじめまして、ルーカスの母マリネッタです。息子がいつもお世話になっております」
落ち着いた薄茶色の髪と琥珀色の瞳をしたルーカスのお母さんからはご丁寧に挨拶をされて私は慌てた。
とんでもない。お世話になっているのは毎度私の方である。
「はじめまして、リナリア・ブルームと申します。本日はお招きありがとうございます」
私はお母さんに持たされたお土産を差し出すと、マリネッタさんがお礼を言いながら受け取り、それを近くにいた女性使用人に預けていた。
……で? 彼らの背後の人たちは……親戚ってわけじゃないよね、お仕着せ姿だし。使用人さんかな……?
そんな総勢でお出迎えせずともいいのに……
「さぁ中に入って」
使用人さん達の紹介まではされないらしい。ルーカスは私の背中を押して、使用人によって開かれた扉へ誘導した。
扉の先に進めば、そこは別世界だった。
広いエントランスには絨毯が敷き詰められ、隅々までぴかぴかに磨かれている。階段の踊り場の壁には家族絵や御先祖様らしき絵の数々。時代物の芸術品や絵画が並び、なんというか妙な威圧感があった。
平民の家と言うには規模が違いすぎる。クライネルト家が昔ながらの旧家というのも伊達じゃないんだな…。
圧倒されて言葉を無くした私はこの先へ進んでいいのか迷ってしまい、足が動かなくなってしまった。
「離れに祖父もいるんだけど、祖母を亡くして以来気が弱ってしまって今は床に伏してるんだ。もともと遺伝的な病気で体の弱い人ではあったんだけどね……挨拶できなくてごめんね」
立ち止まった私にルーカスは申し訳なさそうに言った。
そうかこのお家にはルーカスのお祖父さんもいるのか……
「いやいや、療養のほうが大事だから挨拶は省略していいよ。私みたいな小娘に気を遣われても困るし。お大事にと伝えておいて」
病床の人を起こして挨拶させるとかさすがに非道過ぎるだろう。
貴族相手ならまだしも、平民身分の学友が遊びに来たくらいで家の人全員が勢揃いして歓迎するのはさすがに大袈裟過ぎるので、これ以上のお気遣いは結構です。
生きる世界が違いすぎて、私は歩くことすら緊張していた。靴の裏、泥ついていなかっただろうか。私の今日のお洋服は失礼じゃなかっただろうか。
ヒヤヒヤしながらルーカスについていき、私が通されたのは中庭のテラス席だった。
今日は天気も良く、気温も過ごしやすいからとここに席を設けてくれたらしい。
それにほっとする。
初めて訪れたクライネルト家はどこもかしこも高級品に囲まれていたので屋内で過ごすとなると無駄に緊張してドジをやらかしそうだったので不安だったのだ。テラスなら板張りなので、手が滑ってお茶をこぼしても拭けばなんとかなる。まぁ1番はドジしないことなのだけども。
4脚あったチェアのひとつを引いたルーカスが「どうぞ」と私に座るように促したので、恐る恐る席に着いた。
ふと思ったけど、そういうのって使用人の役目なんじゃ……。
私は試合を見れなかったからどんな状況だったかは知らないけど、観戦していたクラスメイトたち曰く、決勝に進んだ6年生は対戦相手のお貴族様と本気の戦闘をしていて、見ごたえがあって楽しかったのだと言っていた。
私はといえば、大会のことを思い出すとどうにもスッキリしなかった。もう二度とあんな怖い目に遭いたくないので、自分からは戦いに行かないことを誓った。
ちなみにあれだけボコボコにされた私だが、先方からの謝罪とかお見舞いの言葉は一切なかった。
そんなこんなしている間に学期末前恒例の試験が終わり、長期休暇に突入した。
なんと今回はルーカスに誘われ、クライネルト家へ遊びに行くことになったのだ。
両親にそのことを言おうとしたら、もうすでにクライネルト家からブルーム家に連絡済で、親の間で話はまとまっていたのが驚きだった。
もちろん、私の親は魔法が使えないのでお手紙でやり取りしているが、まさか帰省した日には既に話がつけられているとは思わなかったので驚いた。仕事が早すぎるだろう。
前日から着る服を迷ったり、髪型をどうしようと鏡の前で迷ったり、手当たり次第美容品を顔に塗りたくったりと忙しかった私だが、なんとか約束の時間までに準備を済ませて家を出ると…びっくりした。
何回か学校で見たことのあるクライネルト家の馬車が家の前に停まっているのは別になにもおかしいことじゃない。事前にお迎えに上がると聞いていたから。
私が驚いたのは、馬車の前に立つ貴公子……ではなくルーカスの姿である。
「え……? なんでルーカスがお迎えに?」
「リナリア1人じゃ何かあったとき心配だったからね」
なんと、ルーカスが直々にお迎えにきてくれた。その上安全面を考慮して護衛の魔術師まで手配してくれたのだ。
私ごときのためにここまでしてくれてなんだか逆に申し訳ない気持ちになるが、前に住んでいた港町で私の行方を探す怪しい人物がいるという情報を聞き付けていたので、遠慮することなくお言葉に甘えることにしたのだ。
「ルーカス君、リナリアをよろしくね」
「はい。では、お嬢さんをお預かりしますね。リナリア、手を」
ルーカスが先に馬車に乗り込み、私に手を差しのべた。どきどきしながら彼の手を取ると馬車に乗車する。私はお母さんに見送られながら、自宅を出発した。
ちなみにお父さんは仕事で離れられないのでこの場にいない。顔を合わせたらルーカスに圧力をかけてくるだろうから挨拶はしなくて良いとお母さんが出発を急かしたのだ。
クライネルト家訪問は許可したのに、招いた人に圧力をかけるなんてことされたらたまらないので、お母さんの言う通り早々に出発したのである。
私はとても緊張していた。馬車の馭者席には馭者と護衛の魔術師がいるけど、この空間の中はルーカスとふたりきりだ。
この緊張を悟っているのかそうではないのかは不明だが、ルーカスはこれから向かうクライネルト家の話をしてくれた。
ルーカスの自宅は王都内にある。
そこは学校同様、簡単に侵入できないように守りの呪文がかかっているそうだ。家主の許可を得た人物しか入場できない仕組みとなっており、これもいろんな魔術が幾重に仕掛けられているそうだ。そこは旧家ゆえんだろう。
たまに侵入しようと試みてくる不届き者がいるので、厳重に守られるくらいがちょうど良いらしい。
私が結界内に入った瞬間、弾かれたりしないかと不安に思ったが、その結界はいつの間にか通過していたらしい。全然なんにも感じなかったけど。
ギィィと音を立てて大きな門が勝手に開く。そこから先は広い広い庭だ。外から見たら普通の一軒家に見えるように幻影術をかけているそうだが、中はとても広い敷地のようである。
広い庭を馬車で進んでいく。石畳を馬の蹄が叩く音が響く。どんどん近づいていく大きな建物……これがルーカスの家。
家ではなく、屋敷といってもおかしくないな。
ルーカスって本当に平民なのかな。いまだに疑ってしまうよ。
じっと疑惑の視線を向けると、ルーカスは不思議そうに首をかしげていた。
長いようで短い移動だった。
以前よりも王都に近い場所に引っ越したとはいえ、ものすごく近くなった訳じゃないので、そこそこ移動時間がかかったはずなのだけど……馬車の乗り心地がいいからか、はたまた目の前にルーカスがいたからかあっという間の時間だった。もう少しふたりきりでいたかったな。
行きと同じくルーカスの手を借りて馬車を下りると、屋敷の前ではずらっと人が並んでいた。
私はそれにぎょっとする。
え、さっきまで家の前には誰もいなかったよね? 転送術で大集合したとか?
え、えーと、あちらがルーカスのご両親かな? 男性はルーカスに似ているし、髪と瞳の色が同じだ。そして仲睦まじそうな女性がお母さんかな。
「紹介するよ、僕の両親だ」
「ようこそクライネルト家へ、リナリア・ブルームさん。ルーカスの父のクラウスです」
やっぱりご両親だった。ちょこっとお髭を蓄えた紳士は彼と同じくダークブロンドの髪と群青の瞳をしている。ルーカスのお父さんということは、ブレンさんのお兄さんということか。
「まぁ噂以上に美しいお嬢さんなのね、はじめまして、ルーカスの母マリネッタです。息子がいつもお世話になっております」
落ち着いた薄茶色の髪と琥珀色の瞳をしたルーカスのお母さんからはご丁寧に挨拶をされて私は慌てた。
とんでもない。お世話になっているのは毎度私の方である。
「はじめまして、リナリア・ブルームと申します。本日はお招きありがとうございます」
私はお母さんに持たされたお土産を差し出すと、マリネッタさんがお礼を言いながら受け取り、それを近くにいた女性使用人に預けていた。
……で? 彼らの背後の人たちは……親戚ってわけじゃないよね、お仕着せ姿だし。使用人さんかな……?
そんな総勢でお出迎えせずともいいのに……
「さぁ中に入って」
使用人さん達の紹介まではされないらしい。ルーカスは私の背中を押して、使用人によって開かれた扉へ誘導した。
扉の先に進めば、そこは別世界だった。
広いエントランスには絨毯が敷き詰められ、隅々までぴかぴかに磨かれている。階段の踊り場の壁には家族絵や御先祖様らしき絵の数々。時代物の芸術品や絵画が並び、なんというか妙な威圧感があった。
平民の家と言うには規模が違いすぎる。クライネルト家が昔ながらの旧家というのも伊達じゃないんだな…。
圧倒されて言葉を無くした私はこの先へ進んでいいのか迷ってしまい、足が動かなくなってしまった。
「離れに祖父もいるんだけど、祖母を亡くして以来気が弱ってしまって今は床に伏してるんだ。もともと遺伝的な病気で体の弱い人ではあったんだけどね……挨拶できなくてごめんね」
立ち止まった私にルーカスは申し訳なさそうに言った。
そうかこのお家にはルーカスのお祖父さんもいるのか……
「いやいや、療養のほうが大事だから挨拶は省略していいよ。私みたいな小娘に気を遣われても困るし。お大事にと伝えておいて」
病床の人を起こして挨拶させるとかさすがに非道過ぎるだろう。
貴族相手ならまだしも、平民身分の学友が遊びに来たくらいで家の人全員が勢揃いして歓迎するのはさすがに大袈裟過ぎるので、これ以上のお気遣いは結構です。
生きる世界が違いすぎて、私は歩くことすら緊張していた。靴の裏、泥ついていなかっただろうか。私の今日のお洋服は失礼じゃなかっただろうか。
ヒヤヒヤしながらルーカスについていき、私が通されたのは中庭のテラス席だった。
今日は天気も良く、気温も過ごしやすいからとここに席を設けてくれたらしい。
それにほっとする。
初めて訪れたクライネルト家はどこもかしこも高級品に囲まれていたので屋内で過ごすとなると無駄に緊張してドジをやらかしそうだったので不安だったのだ。テラスなら板張りなので、手が滑ってお茶をこぼしても拭けばなんとかなる。まぁ1番はドジしないことなのだけども。
4脚あったチェアのひとつを引いたルーカスが「どうぞ」と私に座るように促したので、恐る恐る席に着いた。
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