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この恋に気づいて
珍しい編入生
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特別塔の爆発事故から一月くらい経過した頃、ひとりの少年がうちのクラスに編入してきた。
「…フランク・レーヴェです。よろしくおねがいします……」
茶髪にこげ茶色の瞳を持ったその人はどこかおどおどしていた。私たちが物珍しい編入生を凝視しているせいだろうか。
『遅れて魔力が発覚した生徒かな?』とクラスの人たちは言うが、それなら基礎から習わなきゃいけないので1年生からになるだろう。
好奇心旺盛なクラスメイトが「これまでなにしてたの?」と興味本位に問い掛けると、彼はビクッと震えていた。聞かれるのも、思い出すのも辛そうに顔色を悪くして……それを見たクラスの人たちは彼の境遇を勝手に想像してそれ以上聞かなかった。
私たち平民出身の魔ありは大なり小なり迫害を受けたことがあるから彼もそれを受けていたのだろうと思っていた。
彼が学校に慣れるまでのお世話役はルーカスに任されていた。
今までは私のお世話役だったのに、今度は編入生のお世話役。貧乏くじばかり引いているな。申し訳ない気持ちでいっぱいになる。
ルーカスは持ち前の面倒見のよさで編入生のお世話をしてあげていた。
慣れない環境に緊張してかちこちしていた男子だったが、親身になってくれるルーカスに心を開いていった。
──まるで少し前までの私を見ているようである。
そんなわけでレーヴェ君が私の自主練に混ざって、3人固まって放課後練習をすることが増えた。
なぜかといえば、彼もうまく制御出来ないのだという。精神的なもので魔力を抑制してしまってるらしいのだ。
以前までは問題なく使えていたような口ぶりだったので、なんらかの原因で魔力抑制してしまっている風に聞こえる。
指導に関しては先生に見てもらわなくて良いのかなと思ったけど、先生の前だと余計に緊張してうまくいかないのだって。
──なんだろう、ものすごく共感してしまう。
私は勝手にレーヴェ君に親近感を湧かせていたんだけど、実際はそんな単純なものじゃなかったのだ。後で行き違いがあったら困るからとルーカスが彼の事情を教えてくれた。もちろん、レーヴェ君本人の許可を得た上で。
どうやら彼は先日まで特別塔にいた生徒で、この間まで貴族身分だったそうなのだ。元は孤児で、魔力があることを理由に養子として引き取られた。しかし、とある悲しい事件によって養子縁組解除されたのだという。
──1ヶ月前に起きた特別塔爆発事故は彼によって引き起こされた出来事なのだという。
孤児院から貴族の家に引き取られた男子生徒。
なによりも魔力と血統を重んじる王侯貴族がそれをこころよく受け入れるはずがない。
彼は特別塔で差別やいじめにあっていたのだという。侮蔑の言葉を掛けられるのは当然のこと、魔法による嫌がらせ、試験や課題の妨害、監禁や言葉の暴力……他にも明らかになっていないこともある。
しかもそれを教師らが見て見ぬ振りしていたそうだ。加害相手が高位貴族だったから。
自分の生い立ちに負い目を持っていたレーヴェ君はずっと我慢していたそうだが、とうとう魔力暴走を起こしてしまった。
イジメていた貴族たち、それを眺めている貴族たち全員を巻き込んで火の元素を暴走させた。
特別塔での魔力暴発の件は、彼の心が耐え切れずに爆発したものだったのだ。
◇◆◇
怪我をした貴族子息子女の親から圧力をかけられて、手に負えなくなった里親が手の平返しして、縁組みがなくなったレーヴェ君は平民の孤児に逆戻り。もう特別塔にいる理由がないため、一般塔に編入したのだという。
利用できないとみなされたら、簡単に縁を切る。
こうなったのは自分たちが悪いのに、被害者面をする。
貴族様のそういう勝手なところに私は嫌悪感を抱いた。
先日、ニーナの孤児院にお邪魔したときに遭遇した貴族も同じなんだろうか。実の娘を無視して通りすぎたときのあの冷たい表情を思い浮かべると、私は寒気に襲われた。
「ニーナ・プロッツェさん、お客様がいらしていますよ」
学校の事務員さんが声をかけてきたのは授業中のことだった。
隠匿されたこの学校にお客様? それも授業中に?
異変を感じ取ったクラスメイトたちがざわつく。
「……授業中です。終わるまで待ってもらってください」
表情をあまり変えないニーナは眉間にシワを寄せて不愉快そうにしていた。
「ですが……ファルガス伯爵夫人という方で」
「約束してませんし、隠匿されてる学校に訪問してくるほうがマナー違反では?」
なんと、ニーナに会うためにファルガス伯爵夫人が学校に押しかけてきたというのだ。
事務員さんは相手が貴族だから逆らえないと困っている様子だが、ニーナは約束していないからと素っ気なくそれをつっぱねていた。
確かにニーナの言う通りだ。学生達を守るためにこの場所は秘密にされているというのに、行動が不用意ではないだろうか。親達だって来れない場所なのに、赤の他人が来るっていろいろ問題だと思う。
ていうかニーナに養子の件は断られたのに、孤児院を通さず面会にくる真似とかしてもいいのだろうか。さすがにその辺は決まりごとがありそうなものなんだけど。
「まぁ、なんて質素な学び舎でしょう」
事務員さんの背後から発せられた失礼な発言に、ぎょっとした事務員さんが慌てて振り返る。
「あの、勝手に入られては困ります」
「私はこの学校の卒業生ですのよ。最も特別塔の、ですけど」
扇子で口元を隠した貴族の夫人は教室内をまじまじと観察しては眉間にしわを寄せていた。その中にお目当てのニーナの姿があるとわかると、にっこりと優しく笑いかけてきた。
「ごきげんようニーナさん、お元気そうでなによりだわ」
「学校にまで押しかけるのはマナー違反かと思います。ファルガス夫人」
ニーナは挨拶返しをせずにチクリと指摘する。しかしファルガス夫人は「あなたの学校での自然体な姿を見たかったの」と流した。全然反省していないらしい。
「ところで……こんな鄙びた環境じゃしっかり学べないのではなくて? 見た感じ、授業内容も遅れているみたいだし」
黒板に書かれている内容を見て、私たちの授業の進捗具合がだいぶ遅れていると夫人は思ったらしいが、それは特別塔と一般塔の違いである。特別塔の人たちは入学前にすでに基本を習っているため、一般塔とはスタートが異なるのだ。
私たちが遅れているのではなく、特別塔の方が進んでいるだけなのだ。
「ご心配ありがとうございます。ですが私はこの校舎に愛着湧いていますので」
環境を変えたくない、別に特別塔に移りたいとも思わない。
ニーナはそう返した。
「貴族の一員になることは誉なのに、どうしてあなたはそんなに頑ななのかしら? 私の娘になってくれたら、特別塔で今以上に学べるし、不自由ない暮らしが約束されるのに」
「私には身に余ります。ですので申し訳ありませんが」
首を縦に振らないニーナに夫人は嘆かわしそうに首を横に振っていた。何度も同じやり取りを繰り返してるんだろうなぁ。ニーナも大変だと同情していると、夫人がちらりとこちらに視線を向けた。
「あら……」
正確には、私の後ろに座っている編入生のレーヴェ君を見ていた。
その視線に敏感に反応したレーヴェ君は、ファルガス夫人の顔を見てギクリとする。
「あぁ、どこかで見た顔だと思ったけど、あなたは子爵家の……」
そう言ってくすりと小さく笑った夫人の顔は意地悪に見えた。まるで悪口に勤しむ女子たちみたいな嫌な笑顔。
「以前までは子爵夫人に散々自慢されたけど……あのお家もとんだ爆発物を拾って損したものね」
その言葉にレーヴェ君の顔色が青を通り越して真っ白に変わった。彼の心の傷をえぐるかのように、知った口を開く夫人。……それはもしかして、元里親のことだろうか。
仮にそうだとしても、ここで言う必要なくないか。魔力持ちであるなら、子どもの魔力暴走に理解があっても当然なのに。彼の魔力暴走は自分の身を守るために起きたこと。レーヴェ君だけを責めるのはお門違いもいいところ。
夫人が嫌みたらしく意地悪を言うのは、その子爵夫人に魔力持ちの孤児を引き取ったと自慢されたことを腹立たしく思っていたから、今の現状がおもしろくてたまらないのかもしれない。
子どもは大人の見栄のための道具じゃないってのに。
「…フランク・レーヴェです。よろしくおねがいします……」
茶髪にこげ茶色の瞳を持ったその人はどこかおどおどしていた。私たちが物珍しい編入生を凝視しているせいだろうか。
『遅れて魔力が発覚した生徒かな?』とクラスの人たちは言うが、それなら基礎から習わなきゃいけないので1年生からになるだろう。
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彼が学校に慣れるまでのお世話役はルーカスに任されていた。
今までは私のお世話役だったのに、今度は編入生のお世話役。貧乏くじばかり引いているな。申し訳ない気持ちでいっぱいになる。
ルーカスは持ち前の面倒見のよさで編入生のお世話をしてあげていた。
慣れない環境に緊張してかちこちしていた男子だったが、親身になってくれるルーカスに心を開いていった。
──まるで少し前までの私を見ているようである。
そんなわけでレーヴェ君が私の自主練に混ざって、3人固まって放課後練習をすることが増えた。
なぜかといえば、彼もうまく制御出来ないのだという。精神的なもので魔力を抑制してしまってるらしいのだ。
以前までは問題なく使えていたような口ぶりだったので、なんらかの原因で魔力抑制してしまっている風に聞こえる。
指導に関しては先生に見てもらわなくて良いのかなと思ったけど、先生の前だと余計に緊張してうまくいかないのだって。
──なんだろう、ものすごく共感してしまう。
私は勝手にレーヴェ君に親近感を湧かせていたんだけど、実際はそんな単純なものじゃなかったのだ。後で行き違いがあったら困るからとルーカスが彼の事情を教えてくれた。もちろん、レーヴェ君本人の許可を得た上で。
どうやら彼は先日まで特別塔にいた生徒で、この間まで貴族身分だったそうなのだ。元は孤児で、魔力があることを理由に養子として引き取られた。しかし、とある悲しい事件によって養子縁組解除されたのだという。
──1ヶ月前に起きた特別塔爆発事故は彼によって引き起こされた出来事なのだという。
孤児院から貴族の家に引き取られた男子生徒。
なによりも魔力と血統を重んじる王侯貴族がそれをこころよく受け入れるはずがない。
彼は特別塔で差別やいじめにあっていたのだという。侮蔑の言葉を掛けられるのは当然のこと、魔法による嫌がらせ、試験や課題の妨害、監禁や言葉の暴力……他にも明らかになっていないこともある。
しかもそれを教師らが見て見ぬ振りしていたそうだ。加害相手が高位貴族だったから。
自分の生い立ちに負い目を持っていたレーヴェ君はずっと我慢していたそうだが、とうとう魔力暴走を起こしてしまった。
イジメていた貴族たち、それを眺めている貴族たち全員を巻き込んで火の元素を暴走させた。
特別塔での魔力暴発の件は、彼の心が耐え切れずに爆発したものだったのだ。
◇◆◇
怪我をした貴族子息子女の親から圧力をかけられて、手に負えなくなった里親が手の平返しして、縁組みがなくなったレーヴェ君は平民の孤児に逆戻り。もう特別塔にいる理由がないため、一般塔に編入したのだという。
利用できないとみなされたら、簡単に縁を切る。
こうなったのは自分たちが悪いのに、被害者面をする。
貴族様のそういう勝手なところに私は嫌悪感を抱いた。
先日、ニーナの孤児院にお邪魔したときに遭遇した貴族も同じなんだろうか。実の娘を無視して通りすぎたときのあの冷たい表情を思い浮かべると、私は寒気に襲われた。
「ニーナ・プロッツェさん、お客様がいらしていますよ」
学校の事務員さんが声をかけてきたのは授業中のことだった。
隠匿されたこの学校にお客様? それも授業中に?
異変を感じ取ったクラスメイトたちがざわつく。
「……授業中です。終わるまで待ってもらってください」
表情をあまり変えないニーナは眉間にシワを寄せて不愉快そうにしていた。
「ですが……ファルガス伯爵夫人という方で」
「約束してませんし、隠匿されてる学校に訪問してくるほうがマナー違反では?」
なんと、ニーナに会うためにファルガス伯爵夫人が学校に押しかけてきたというのだ。
事務員さんは相手が貴族だから逆らえないと困っている様子だが、ニーナは約束していないからと素っ気なくそれをつっぱねていた。
確かにニーナの言う通りだ。学生達を守るためにこの場所は秘密にされているというのに、行動が不用意ではないだろうか。親達だって来れない場所なのに、赤の他人が来るっていろいろ問題だと思う。
ていうかニーナに養子の件は断られたのに、孤児院を通さず面会にくる真似とかしてもいいのだろうか。さすがにその辺は決まりごとがありそうなものなんだけど。
「まぁ、なんて質素な学び舎でしょう」
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「ごきげんようニーナさん、お元気そうでなによりだわ」
「学校にまで押しかけるのはマナー違反かと思います。ファルガス夫人」
ニーナは挨拶返しをせずにチクリと指摘する。しかしファルガス夫人は「あなたの学校での自然体な姿を見たかったの」と流した。全然反省していないらしい。
「ところで……こんな鄙びた環境じゃしっかり学べないのではなくて? 見た感じ、授業内容も遅れているみたいだし」
黒板に書かれている内容を見て、私たちの授業の進捗具合がだいぶ遅れていると夫人は思ったらしいが、それは特別塔と一般塔の違いである。特別塔の人たちは入学前にすでに基本を習っているため、一般塔とはスタートが異なるのだ。
私たちが遅れているのではなく、特別塔の方が進んでいるだけなのだ。
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「私には身に余ります。ですので申し訳ありませんが」
首を縦に振らないニーナに夫人は嘆かわしそうに首を横に振っていた。何度も同じやり取りを繰り返してるんだろうなぁ。ニーナも大変だと同情していると、夫人がちらりとこちらに視線を向けた。
「あら……」
正確には、私の後ろに座っている編入生のレーヴェ君を見ていた。
その視線に敏感に反応したレーヴェ君は、ファルガス夫人の顔を見てギクリとする。
「あぁ、どこかで見た顔だと思ったけど、あなたは子爵家の……」
そう言ってくすりと小さく笑った夫人の顔は意地悪に見えた。まるで悪口に勤しむ女子たちみたいな嫌な笑顔。
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その言葉にレーヴェ君の顔色が青を通り越して真っ白に変わった。彼の心の傷をえぐるかのように、知った口を開く夫人。……それはもしかして、元里親のことだろうか。
仮にそうだとしても、ここで言う必要なくないか。魔力持ちであるなら、子どもの魔力暴走に理解があっても当然なのに。彼の魔力暴走は自分の身を守るために起きたこと。レーヴェ君だけを責めるのはお門違いもいいところ。
夫人が嫌みたらしく意地悪を言うのは、その子爵夫人に魔力持ちの孤児を引き取ったと自慢されたことを腹立たしく思っていたから、今の現状がおもしろくてたまらないのかもしれない。
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